男女雇用機会均等法が改正され、本年4月1日から施行されます。昨年4月1日施行の新法、公益通報者保護
法同様、法の保護の適用となる当事者の個人情報は大きく係わることになります。 また、事業主にとって設置
義務となるセクハラ対策は、その対応の重要性を重く認識しなければなりません。 最悪の場合は、企業名公表
の対象となります。
「セクハラ(Sexual Harassment
性的いやがらせ)」というと、その被害者は主に女性に対してのイメージが強いこ
とは否めません。 勿論、「均等法」ですからその逆の場合も適用になります。 いずれにせよ、職場において権限・
権威などを笠に、性的いやがらせの言動を強要したり行った場合が対象となります。 従前、法制化するまでもなく
企業倫理やコンプラインス、また社会人の一般常識として「セクハラ」など以ての外であることは自明の理でした。
しかし、「セクハラ問題」においては被害者は弱い立場にいたため、訴えるにも精神的プレッシャー、手段・方法
や窓口がなく、途方にくれ結局、泣き寝入りすることが多かったのも事実です。 司法に訴える方法はありますが、
米国トヨタの副社長を訴えた元秘書のように、慰謝料が数百億円など法外な場合は特別で、労力、費用、時間、
さらに自らのプライバシーを第三者に開示する必要があったり、大変勇気がいることなので一般的かつ現実的では
ありません。
改正法では、事業主が雇用管理上「セクハラ」対策を講じますので、被害者は自らの個人情報も含めた秘密を
厳格に守られ、安心して窓口に通報または相談できるインフラが整うことになります。 事業主にとっては、セクハ
ラ事件そのものを解決することに注力するのではなく、コンプライアンスの一環としての必要な措置を講じ、より良
い職場環境を整備することで、リスク管理としての抑止効果が期待できます。
グローバル化、高度情報化、法化社会に突入している現在、規模の大小を問わず事業主のコンプライアンスに
対する姿勢が注視されていくことは必至です。
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