21世紀に入って5年が経過した。 20世紀後半からコンピュータは驚異的速度で進展し、あらゆる産業に
影響を与えている。 人間がやることをコンピュータが取って代わったものは多い。 今や、日々の仕事のみ
ならず家庭、買物、教育、趣味の分野にもコンピュータは大活躍である。 コンピュータにセットしておけば
「間違いない」。 果たしてそうであろうか? コンピュータが万能であるとの錯覚の陥穽に我々は嵌っては
いないだろうか。
確かにコンピュータは指示されたとおりに基本的には正確に作動する。そうでなければ意味はない。
問題は、指示を出す人間は完璧ではないということである。 「2001年宇宙の旅」のHAL9000のように現状の
コンピュータは感情を持つまでには至っていない。 人は神ではないから過ちを犯しうる。原子爆弾のスイッチを
押すのは人間で、その後はコンピュータが忠実に仕事をこなすだけである。 膨大な情報の処理をこなしてくれる
のはコンピュータであるが、その情報をどう使用するか決めるのは人間である。
コンピュータに蓄積された個人情報をどのように使うかの決定者は人間であるから、いかなるセキュリティ
対策を施しても、扱う人への啓発は怠ってはならない。
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