佐渡市はいわゆる平成の大合併により平成16年3月1日に誕生しました。
合併前、佐渡島には1市7町2村の
自治体が存在していました。 この10の自治体を一度に1市にしたことは、全国でも例を見ません。 島という響き
はイメージとしては狭く思われるでしょうが、面積は東京都23区の1.5倍ほどあり、1,000mを超える山も抱えてい
ます。
北部と南部では動植物の生態系も異なり、また、それぞれの地域は今でも独自の風土や文化、慣習など
を持っています。
合併前の旧市町村においても、平成9年から平成12年の間に個人情報保護条例が公布、施行されていました
が、新市発足と同時に佐渡市個人情報保護条例を施行しました。
ただし、この条例は旧両津市の条例をそのま
ま佐渡市に置き換えただけの暫定的な条例でした。
一方、国においても個人情報の保護に関する法律及び行政
機関の保有する個人情報の保護に関する法律が平成15年5月に成立、平成17年4月1日より完全施行され、民間
部門及び公的部門を対象とした個人情報保護法制が整備されました。
そのような中、平成16年11月に佐渡市個人情報保護制度審議会が発足しました。
構成は、市総務課事務局
4名、市内から7名の審議委員が委嘱され、私も委員のひとりとなりました。 目的は、市長から諮問があった佐渡
市個人情報保護条例の改正についての検討です。
まず、事務局でベース案を作成するのに1年ほどかかりました。
その間、主に県内の他市の条例を参考にしな
がら作成していったのですが、どれも個人情報保護法の成立以前のものであり、最新の法に適合したものは見当
たりませんでしたが、各条例のいいとこ取りをしてたたき台として作り上げました。
さらに、法律の適用を受けること
となった事業者への支援、市民から市及び事業者への苦情の処理に関する対応、市職員と受託業務従事者に対
する罰則等についての規程はなかったので、加筆しなければならない条文も幾つかありました。
このようにして作り上げた検討用の改正案を基に、審議会では、平成17年11月から毎月1回半日の時間を掛けて、
ひとつひとつの条文を精査し、真剣かつ活発な意見を交わして検討を重ねていきました。
さらに、個人情報保護法
の主旨を正しく理解するための勉強会を開いたり、条文はできるだけ市民にわかりやすい表現にするよう努めました。
計7回の審議会開催によりできあがった佐渡市個人情報保護条例改正案は、今年の8月23日に市長に答申し、
市議会を経て来年の4月以降、施行の運びになっています。
このような市の職員や審議委員の真剣な取組みにより改正した条例は、完璧ではありませんが、全国でも自慢
できるものだと自負しています。
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