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私製本「0歳教育」
【私製本「0歳教育」の概要】
【躾・その考え方と親の責務 】
【胎児教育・その1 】
【幼児の能力を育てる・その1】
【胎児教育・その2 】
【幼児の能力を育てる・その2】
【誕生と乳児・その1 】
【幼児の能力を育てる・その3】
【誕生と乳児・その2 】
【幼児の能力を育てる・その4】
【0歳児の年間計画 】
【幼児の能力を育てる・その5】
0歳教育の概要
幼児の能力を育てる・その4
「親の愛情とは、わが子のしあわせを願って、何かを、してやること」
幼児の能力を育てる・その4(昭和63年10月3日)
今回は「幼児の能力を育てる・その4」として、幼児の英語能力を育てるにはどうしたらいいか、ということについてお話申しあげたいと思います。
幼児というのは、言葉にしても数にしても、躾にしても、素晴らしい吸収能力をもっております。その幼児期こそ、幼児のためにいろいろと環境を整えてやらなくてはならないわけでございます。これが幼児教育でございます。
このことは、いろいろの形でお話してまいりました。0歳教育の中では、音楽については特別取り上げて話をしませんでしたが、音楽にしても、鈴木鎮一先生がいっています通り、早い時期からの良い環境が音感教育の上からは是非必要でございます。
英語についても、言葉や数や音楽と同じことがいえるのであります。
今のところ、中学生になって始めて英語を習うことになっていますが、この時には既に音声認識・音声発声の臨界期、それは6歳でございますが、その臨界期を過ぎているため、日本語にない母音や子音を聞きとるのが難しくなってまいります。
例えばlとrの区別や、thの(θ)と(ズ)とか(a:)と(∂:)などの音素に同化する力もなくなっており、これらの音を聞いても、これらの音素が日本語にはなく、大脳にインプッ卜てされておりませんので、外国人が話す英語を聞いても、聞きとりにくかったり、発音できにくい状態になっておるのでございます。
言語の性質上、中国や韓国の人達よりも、聞いてわかる力、いわゆる聴解力が劣っているというのも、こうした言語の特性があるからでございます。そんなふうですから、中学へ入ってから英語の勉強を始めた人で、みやましく英語で話ができる人は、1000人に2人だといわれているのでございます。
こんなわけでございますので、どうしても音声の臨界期の前、いいかえますとお腹の中にいるうちから、或いは生まれてから6歳までのうちに、英語についての良い環境を作ってやることがいいのでございます。
赤ちゃんの時から英語の真似のできる環境に置かれた場合、10人なら8人まではみんな、みやましい英語が話せるようになるといわれております。
0歳から6歳までの子供というものは、声を出す発声器官ができあがっていく時期にあり、非常に感受性に富んだ、耳や、舌や、口の働きがあるといわれております
。幼児の聴覚及び発声器官には、私たち大人にはない、優れた特性があります。英語の或る音を聞いただけで、その音と同じように発音できる、対応能力をもっているのでございます。
東北弁にしても、幼児期を過ぎてからではもはや矯正が困難となる事実をみると、音の聞きとりと発声能力の時期がいかに大事なものでるかわかるのでございます。
ですから幼児期こそ、英語の環境をふんだんに、幼児の周りにしつらえてやる必要があるわけでございます。
幼児は超能力をもっている、ということは、今までも何回もお話してまいりました。
この超能力というものは、
第1に、今話してまいりました絶対音を聞きとり、それをその通りに発音できる能力をもっていることであります。
第2に、幼児は一目で全体像を網膜に写しとる能力があります。
これはバターン認識といわれ、見たままを、そのまま大脳にインプットするという、すばらしい知覚認識の力があります。どの赤ちゃんも備えている能力であります。
第3に、赤ちゃんの大脳は(アルファー)波が出やすいということであります。
これは、前にも話しましたが、普通大人がめざめているときの脳波はβ波と呼ばれ、30ヘルツから14ヘルツの波長ですが、α波は、13へルツから8へルツの波長で、潜在意識が最も働く波長であり、ものごとを記憶したり想起したりする、学習に最高の波長であります。
赤ちゃんがいろいろ覚えていくのは、このα波をもっているお蔭であります。
第4に、0歳に近いほどコンピューター能力が高い、ということであります。
これは一口に、才能逓減の法則といわれております。
以上のような理由により、できる限り早い時期から、赤ちやんに英語環境をしつらえてやるようしたいものだと思うわけでございます。
さて、そうしましたら、何をどのようにしていったらいいのか、ということに移ります。先ず英語の環境を3つに分けてまとめたいと思います。
第1は、英語の詩や歌をきくこと。
第2は、絵本とテープを用意すること。
第3は、絵と文字の単語カードを作ること。
先ず第1の、詩や歌についてお話します。
まず詩と歌については、マザーグースの本とテープを準備してください。これは洋販出版から出ておりますし、他の出版社からも出ています。マザーグースは、欧米では昔から子供たちに歌いつがれているものであります。
それから歌としてはNHKから出ている「英語の歌」「続英語の歌」とか、マグロウヒルプックから出ている「Sing it」など、その気になればいろいろとあります。こうした単独のものでなくて、月刊誌などにもよいものが載っておりますので、それらを使うのもいいと思います。
これらは、普段の生活のバック・ミユージックとして流してもいいし、「さあ、お歌を聞きましょうね」といって決めた時間に聞いてもいいと思います。
音楽を聞くのと同じようにまず馴染みやいようなものから、1日2〜3回、3つくらいの歌を1週間くらいは続けたほうがよいようであります。
歌の効用については、くもん出版から出ている「歌がわが子の頭をよくする」という本の中で、いろいろと紹介しておりまので、読んでもらうといいと思います。
さて次に第2の、絵本とテープについてお話します。
これについてはいろいろと出版されていますので、自分で選んで考えた方がいいかもしれません。幾つか手元にあるものから紹介します。
アルクという出版社から「Kiddy Cat」という、おかあさんと子どもが楽しく学ぶ英語絵本、という触れ込みで、月刊の絵本とテープが出ています。月に2380円ですから、割安の教材だと思います。
今年の10月下旬には「えいごではなそう」という名前で、幼児向けの絵本とカセットが、同じ出版社から出ます。VHSのビデオも出ますが、これらはお薦めしてもいいものでございます。
次に、絵本とテープだけではありませんが、幼児の英語教材としてよいと思われるものに、児童英語研究所から出版されている「パル・イングリッシュ」という教材がございます。そして同じところから「幼児と母親が一緒に学ぷ英会話」という教材も出ています。
この研究所では、幼児英語通信コースも開いております。教材ニユースもいろいろと紹介しておりますから、幼児の英語環境を整えようとしますと、この幼児英語研究所の方向はとてもいいと思います。
次にNHK関係の教材をみておきたいと思います。先に紹介した幼児向けの教材も親が一緒に勉強していけばよいわけでございますが、更に親も多少忘れかけた英語を取り戻すものとして、値段のやすいNHKの教材をお薦めいたします。
いろいろとございますが、復習用として考えますと、基礎英語や続基礎英語または上級基礎英語を始めて頂くとよいと思います。
そして、同じNHKから幼児向けとして、日曜午後5時から「セサミストリート」が、教育テレビから放送されています。これはテープが出ていませんから、録画しておくとよいと思います。テキストは出ていますから手に入れておき、子供がVTRで利用できるようしてあげればよいのです。
最後に第3として、絵と文字を書く、単語力ードについてお話します。
カード利用は、大脳への大量インプット方法として、最もよい方法と考えられ、現在ではあらゆる分野で使われるようになっています。
幼児英語の分野としても、このカードのフラッシユを利用しないわけにはまいりません。何回か話していますが、カードの作り方はこんなふうにするとよいのです。
文房具店へいって、先ず表紙紙を500百枚単位で買ってきます。1枚を4枚に切断します。切断の仕方は、ねんごろにハサミで切ってもいいし、切断機を買ってきて切断してもいいわけであります。
そうしますと、約26センチと9センチの長四角の紙ができます。この力ードヘ黒の太マジックで単語を書いていきます。そしてその力ードの裏には、その言葉の意味を、はじめはできるだけ絵で描くようにします。
だんだん進んできたら、絵でなくて文字を書くようにしてもよいと思います。
さて以上で、英語環境をどのように整えていったらいいのか、ということで、三つに分けてお話したわけでございます。
そこで具体的には、親子はどのように振舞っていったらいいのか、まだ不安になるところがあろうかと思いますので、次のように考えたらいいと思います。
教材によっては、その扱い方をこまめに説明していますから、そのようなものは、その指示によっていけばよいわけでごさいます。
そうでないもの、といいますと、例えば、歌の扱い方とか、単語力ードの扱い方などは、日経通信社から出ている「奇蹟の幼児英語教育法」とか、くもん出版から出ている「歌がわが子の頭をよくする」とか、グラフ社から出ている「三つ児の英語百までも」などが参考になります。
カードの見せ方一つをとってみても、いろいろと気をつけることがありますので、親も勉強していくことが、どうしても必要になってまいります。
どうぞみなさん、実践していってください。
それでは、幼児の英語能力の育て方についての話は、以上で終わりにいたします。
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