0歳教育関係へ
私製本「0歳教育」
【私製本「0歳教育」の概要】
【躾・その考え方と親の責務 】
【胎児教育・その1 】
【幼児の能力を育てる・その1】
【胎児教育・その2 】
【幼児の能力を育てる・その2】
【誕生と乳児・その1 】
【幼児の能力を育てる・その3】
【誕生と乳児・その2 】
【幼児の能力を育てる・その4】
【0歳児の年間計画 】
【幼児の能力を育てる・その5】
胎児教育・その1
胎児教育・その1
「親の愛情とは、わが子のしあわせを願って、何かを、してやること」
胎児教育・その1(昭和63年1月12日)
今日は胎児教育いわゆる胎教について、お話したいと思います。
その話に人る前に、皆さんと一緒に、お祈りについて考えておきたいと思います。
私たちは、家の仏壇や神棚に、手を合わせてお祈りをすることがあります。昔は今のように水道がなくて、どの家でも、井戸水やかけいの水で、毎朝顔を洗ったものでございます。そんな時、お年寄りが顔を洗ってから、東のほうへ向いて手を合わせ、合掌している姿を見たものです。そうした姿は、とてもすばらしいものでした。
そこで、この合掌する心、お祈りをする心とは、一体何なのか、互いに考えておきたいと思います。お祈りには、神仏の恵みに対する感謝とか、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、希望の実現など、それはそれは、いろいろあると思います。私たちは、ある願いとか希望とかを、合掌してお祈りするのですが、例えば、
「私も、一生懸命やりますので、どうかこんなふうになって欲しい・・・或いは、どうかこんなふうになりたい・・・ぜひお願いします」
というような心も、働くものだろうと思います。その一生懸命という中味は、労働であったり勉強であったり、親孝行や子孝行であったり、わが子の成長であったりします。よくよく考えてみますと、合掌の心っていうのは、謙虚な心の願いでありますし、自分を無にした愛情でありますし、誠にすばらしい、美しい心であると思います。そして、この祈りというのは、自分へのいい聞かせであるとか、命令であると、いえるんではないかと思います。
実は胎教についての、基本的な心構えというのは、このような祈り、合掌の心であると思います。ですから、お腹に赤ちゃんができたお母さん、ぜひわが子の幸せを願って毎朝、仏壇でもいい、神柵でもいい、それに向かって手を合わせて下さい。祈ってください。
赤ちゃんがお腹の中にいるその夫婦は、いったい何をしたらいいのでしょうか。夫婦のいたわり、子供への愛情・・それらを、具体的な日常生活の中で、どうしていったらいいのでしょうか。夫婦の愛情や親子の絆が叫ばれますが、聞きっぱなしでは、なんにもなりません。
私は、お腹の中の赤ちゃんにしても、生まれてきた赤ちゃんにしても、親が子に愛情をもつということは、子どもの幸福のために、子どもに何かをしてやることだと思っております。
お祈りのなかで、合掌のなかで、何をしてやったらいいのかを毎日反省をし、計画をたてて、自分のあり方を求めてほしいと思います。合掌については、以上にしたいと思います。
では続いて、胎児教育の話にうつります。話を進めるについては、次の三つに分けて考えていくことがいいと思います。
@ まず第一に、赤ちゃんはどのような能力をもって成長するのか、ということを理解することで、
A 次に、両親の心身の健康、とりわけ母親の健康についてであり、
B その次に、赤ちゃんへの愛情とは、何をしてあげることかという、
以上の三つであります。
今日はまず第一の、胎児の能力について、話を進めたいと思います。
1 最初に、胎児医学・生理学・心理学の進歩を取り上げます。
今から10数年前になりますが、超音波電子スキャナーの発明によって、胎児がどのように成長するか、明らかになってきました。そのことを理解したいんです。大人の声は、200へルツから1000ヘルツと言われております。一秒間に200から1000の振動をするのですが、超音波では25000へルツを使いますので女の人の高い声の25倍くらいの、音波を妊婦のお腹にあて、それによってお腹の中の断層の映像を、テレビ画面に映しだす仕組です。この装置を使うようになって、胎児の発達はどのように進むのか、母親の情緒によって、胎児がどのような影響を受けるのか、そうしたことが、ものの見事に画面でとらえることができ、母親の精神状態のあり方や、食物による影響が、だんだんと解明されてきました。NHKテレビでも放送されましたし、多くの本に書かれるようになりました。
2 次は2番目です。
赤ちゃんはその生命が始まった時から、独立しているということであります。赤ちゃんは、神秘的な・不思議な細胞の力によって、自分の意志で成長し、人間としての35億年の長い進化の過程を、10ヶ月で完了します。この生物プランは遺伝子に仕組まれていると言われております。お産の仕組みをみても、お母さんが産むのではなく、赤ちゃんが生まれる時を決め、母親にすべてホルモンで連絡し、自分で生まれてくるといいます。赤ちゃんが健やかに、そしていろいろの能力を身につけ、生まれてくるのを、お母さんは100パーセント応援し協力して、この世に生まれるよう手助けをしなければならない、といいます。昔の言葉にあるように赤ちゃんは、授かったものだ、という考えが正しかったんです。ですから、妊娠した直後から、赤ちゃんをはぐくみ育てるという考え方を、しっかり持たなくてはなりません。
3 次は3番目です。
妊娠5ヶ月目から、赤ちゃんは、知・情・意、すべてを身につけ始めるということであります。35億年の長い進化の過程を、赤ちゃんは一気に胎内で処理しているわけですが、妊娠5ヶ月目というと、既にツワリは去り食事は量より質が大事になり、そのバランスに心を配らなくてはならないようになります。それは、脳細胞の発達に始まり、内蔵諸器官は、完成に近づいてくるからであります。8ヶ月目には、胎児の胎内成長はほぼ完成し、生まれても生きていく力を備えているといいます。
従って、妊娠5ヶ月目あたりから、胎児は母親のお腹の中で、知的なもの、情緒的なもの、健康に関するものすべて、いいかえれば、大人のもっている、知・情・意いっさいをどんどん取り入れ始めます。胎児教育の大事な時期が、今日でははっきりしてきたといえるわけであります。5ヶ月目頃から、胎児教育の具体化は、スター卜してよいのであります。
4 次は四番目で、これで終わりです。
赤ちゃんは、E・S・P(Extra Sensory Perception) と言われる能力を、日本語ではこれを超能力といっていますが、この超能力を誰でも持っている、ということを理解したいことであります。
速読術という言葉を、お聞きになったことがあるでしょうか。「君にもできるスーパー速読法」(読売新聞社)とか、「実践スーパー速読術ー1冊を1分の方法」 (祥伝社)など市販され、日本速読協会という会があって、人間の潜在能力をどう活用したらいいか、ということで取り組んでいます。これは一度見たものを、そのまま感覚的に脳細胞にインプットするという、そういう訓練を重ねて、1冊の本を1分で読めるようにする、という方法であります。この方法は脳細胞のアルファー波(Alpha 8〜13Hz)を活用し、潜在能力を引き出そうとする考え方であります。
ところが、胎児は、このアルファー波が働いておって、一切の知・情・意に係わる刺激を、何の苦もなくそのまま取り入れ、大人が理解できないほどの、素晴らしい処理能力のある、脳細胞コンピューターによって、分類処理されるといいます。12月お話しました、ジツコ・スセディックの胎児教育は、この胎児の能力を信じ、のめりこんで実践した結果であります。
この胎児、幼児の超能力を信じ、わが子への愛情を、子供への働きかけを通して、与えていかなければなりません。私が話しているこのようなやり方は、知能を高めることに片寄ると心配される方があると思いますが、子供の能力というものは、知能や情緒や言葉や動作が、ばらばらで伸びるものではなく、人柄や、健やかな健康も、相関しており、知・徳・体すべてにわたり、両親の愛情を、伝えてやることができるのであります。 以上で今日の話を終りたいと思います。今日は、お祈りについてと、赤ちゃんの持つ驚くべき能力についてお話しました。
今日の話は、次の本を参考にしました。
高橋悦二郎著 「胎児からのメッセージ」
夏山 英一著 「二八〇日の胎教」
大島 清著 「胎児からの子育て」
七田 真著 「胎児からの子育て」
トーマス・バーニー 著 「胎児は見ている」
ジョセフ・チルトン・ピアス 著 「マジカル・チャイルド」
次回は、胎児教育の第2回として、健康と、お腹の中の赤ちゃんに何をしてあげたらいいか、という内容でお話したいと思っています。
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