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私製本「0歳教育」
【私製本「0歳教育」の概要】
【躾・その考え方と親の責務 】
【胎児教育・その1 】
【幼児の能力を育てる・その1】
【胎児教育・その2 】
【幼児の能力を育てる・その2】
【誕生と乳児・その1 】
【幼児の能力を育てる・その3】
【誕生と乳児・その2 】
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【0歳児の年間計画 】
【幼児の能力を育てる・その5】
0歳児の年間計画
幼児の能力を育てる・その2
「親の愛情とは、わが子のしあわせを願って、何かを、してやること」
幼児の能力を育てる・その2(昭和63年8月18日)
お盆が過ぎて、コオロギが鳴きスズムシが鳴く、涼しい秋が近づいてまいりました。0歳教育の有線放送は、今月9回目を迎え、あと3〜4回を予定しております。
今回は「幼児の能力を育てる・その2」として、具体的に言葉の能力、いいかえると言語能力をどう高めていったらいいかについて、お話したいと思います。
何回かにわたって話してきました通り、胎児・赤ちゃん・幼児というのは、生きる力が最大のすばらしい潜在能力をもっており、周りの刺激に対して確実に反応して、その脳細胞にインプットしてまいります。
そして、自分の力であらゆる力を、知的なもの、情意的なもの、或いは健康・体力的なものにいたる、あらゆる力を自分で築きあげてまいります。このことは基本的なこととして理解しておって頂きたいと思います。
さてそこで私は、結婚した方はその準備のために、そしてお腹に赤ちゃんのいるご夫婦、幼児をもっているご両親、そしてまた、幼児をとりまく家族の方々に、殊に聞いて頂きたいと思います。
先ず赤ちやんが生まれるまでについて話しますが、私の話は時間が少なくて短いので次の2冊の本は是非買って読んで頂きたいと思います。
・ジツコ・スセディック「胎児はみんな天才だ」 祥伝社
・夏山英一 「二八〇日の胎教」 フレーベル館
放送の終わりにもう一度いいますので、その時に書きとってくださるといいと思います。
・そこで第1には、生命の発生から生まれるまで、その成長過程の仕組みを知ること。
・第2に、胎児や赤ちゃんの成長環境として、夫婦或いはまわりの人達の言葉づかい、いたわりあい、励ましあいなど、その人達の人としての在り方が、非常に大切であることを知ること。
・3番目に、いわゆる胎教の中で、ことばの育て方、そしてその計画実践について知り、準備をすること。
できれば先程の2冊の本を読んで、3つの観点からその概要をまとめて頂きたいと思います。赤ちゃんが生まれるまでについては、以前話しました胎教の話とともに、今話しましたようなことをして、一応卒業して頂きたいと思います。
次に赤ちゃんが生まれてからについてお話申しあげます。これも次の本を是非用意してください。
・三石由起子 「天才児を創る』 フォー・ユー
さて、乳幼児の育て方として、こんな方法が考えられます。
1つは、カール・ビッテやストーナー夫人の教育法にそって育てる。
2番目に、ドーマン方式にそって育てる。
3番目に、ジツコ・スセディック方式にそって育てる。
4番目に、三石由起子方式にそって育てる。
最後の三石さんのものでは、その本を読んで、レポート式にその概要をまとめていくといいと思います。
今4つの例を挙げましたが、これは説明しきれませんので、私なりのまとめをしていきたいと思います。
親の愛情とは、わが子のしあわせを願って何かをしてやることだ、ということを前に申しあげました。そして、合掌とか祈りとは、自分への約束であり、謙虚な心の願いである、ということも前にお話しました。
赤ちやん・幼児への限りないしあわせを祈って、愛情をそそいでやっていきたい、そういう立場で、赤ちゃん・幼児の、ことばの発達、いいかえると、言語能力の発達を考えております。
先ず第1番目に、自分の心の中にある、赤ちゃん・幼児への限りない愛情を、
顔とか言葉に、豊かに現してやっていくことであります。
例えば、顔の表情といえば、ほほえみ、笑いかけ、楽しい明るい温かい言葉がけなど大事であります。また赤ちゃん・幼児には必ず話し相手になってやること、例えば、喃語の「アーアー、ウーウー」に対しても必ず返事、話しかけをしてやり、幼児のちょっとした話しかけにも、全面的に受けてやり、よく聞いて、応じてやることが基本的に大事であります。こうした愛情のある言葉のやりとりの中で、赤ちゃん・幼児の言語をつかさどる脳細胞の配線は豊かになってまいります。
2番目に、生まれた直後から、いろいろと話しかけてください。
「今日は赤ちゃん、私がママよ、・・・・」こういう歌もありました。そういう朝の挨拶から始まって、体の名前、家の中のいろいろな名前、草や木や自然の様子、お父さんのこと、家の人々のこと、仕事のこと、季節のこと、などなど、こうした話しかけは多くの若い母親がよくしており、よく目にするわけでございます。
これを続けてください。2〜3歳になっても、衣食住にかかわる他地域とのつながり、人々とのつながり、昔の人々とのつながりや歴史、或いは、文化にかかわってのいろいろな話など、その気になれば、話の種はいくらでも出てきます。生まれた直後からいろいろと話しかけてあげてください。とても大切なことです。
3番目に、自分の気にいった童謡を歌って欲しいと思います。
殊に外へ出たとき、状況に応じて歌ってやることがいいし、家の中の仕事中に楽しそうに歌ってやるのがいいと思います。レコードもいいが、ほんとはレコードよりも、母親の声、その気持が大切なんであります。歌に困ってしまう方は、次のような本がありますから、参考にするといいと思います。
・「0歳からの歌あそび」 全音楽譜出版社
・「歌あそび100」 明治図書
・「生活の歌200」 明治図書
4番目に、絵本を読んでやること。
生まれて間もなく、単純な絵本をつかい、絵の中の物の名前を指さしていってあげます。0歳のうちから赤ちゃんはわかります。赤ちゃんを信じて続けてください。絵本を読んであげると喜ぶようになります。
1歳過ぎてからは殊に、次の点に気をつけ、自分も本にのめり込んで読んでください。
読むときは、その本の中に、その内容に没入し、感動するところはその思いを込め、おかしいところはケラケラ笑い、悲しいときは涙をながし、そうして読む姿、そのものを赤ちゃん・幼児に伝えてやることが一番肝心なことなんです。
少なくとも赤ちゃん・幼児に、私が読んでもわかるかしら、余り聞いてないから適当に、という自分が本の内容にどっぷりつからず、感情の起伏もない読み方は決してしないようにして頂きたい。
夏休み中、公民館の図書委員の方が童話の朗読をしてくださいましたが、あれはとてもいい参考になりました。ああいう調子が大切であります。
5番目に、どういう本を選んだらいいか。
本は沢山出ていますから困ると思います。でも年齢とその子の様子によって、就学前に数百冊読んだほうがいいといえば、一安心かもしれません。
一声社で出している「こどもの本900冊」という推薦本を紹介したものが出ていますが、そうしたものは後のことでよいでしょう。ですから、親しい人に聞いたり、自分で調べたりして、最後は自分と子供で選ぶことがいいと思います。
絵本によって言葉の世界を広げることは、一つのよい方法であり、更に表現を豊かにしていくために、次の本は一つの参考になります。
偕成社という出版社から「言葉図鑑」というイラスト入りの絵本が出ています。これは次のような内容であります。
・偕成社 「言葉図鑑」1 うごきのことば(動詞) 570語
2 ようすのことば(副詞) 470語
3 かざることば1(形容詞) 256語
4 かざることば2(形容動詞)256語
5 つなぎのことば(助詞) 47語
6 くらしのことば(感動詞・接続詞)
7 ・・・(今後名詞纒を続刊する予定)
これらの本は、1つ1つイラスト入りになっていますので、ドーマン方式に従って、カードに書いて学ぶ方法とか、カードにしておいて口頭作文方法をとるとか、ずくを出してやるには、大助かりの絵本だといえます。
6番目に、お伽噺を大切にしてやってほしいと思います。
殊に幼児は、同じ話を何回でもせがみます。
幼児はお伽噺のその中に入りこんで、周囲の状況を頭に浮かべ、想像力を働かして、話の中で楽しく遊ぶことがてきるのです。そして、その中で親の心情もとらえ、ピアスのいう一番安心できるマトリックスに帰っているのです。
ですから、自分としての寝物語・お伽噺のレパートリーをしっか掴んでふやして頂きたいと思います。それは何でもいいのです。ただ怖い話は、絶対しないようにしてください。
昔からの桃太郎や花咲爺、一寸法師、浦島太郎、かぐや姫などありますし、文学作品の中から、短編に自分でまとめてもいいのです。椋鳩十全集の中からお気にいりのストーリーを作り出すのもいいアイデアであります。
最近の研究によりますと、レム睡眠といって、睡眠に入ってから20〜30分の間は脳細胞がよく働いていて、その間に、その子の良い面をほめてやったり、その日の出来事で楽しかったことを話したり、自分は限りない愛情で包んでやっているとか、あしたの生活の計画を話してあげるとか、そうした働きかけをすることがいいという主張が出てきています。
これも本当のようですから、お伽噺のあと、いろいろやって自分の心の整理をしてみるのもいいと思います。
7番目に、外へ散歩に出たとき、すばらしい自然の状況や
変化について、お母さんの口から「詩」を作りだしてください。
自然を目の前にしたときの詩は、絵画と音楽の心・芸術の心をすくすくと育てるのです。美的感覚と、すてきな表現力を育てるのです。
それは、雨降りでもいい、野良仕事でもいい、川の流れでもいい、夜の星でもいいんです。自然の姿は、あらゆるものを目の前に見せています。例えば、「雨という題で作ります」といって、
雨が降っています
今まで こつぶの雨だったのに
急に ザァーザァー降り始めました
木の葉が 雨にうたれてゆれています
すこし風もててきました
地面には 水が流れはじめました
くもの巣がゆれて
くもはつめたそうに じっとしています
思いつくまま、目に映ったままを、いろいろな表現を使って、形容詞や副詞、動詞など使って、目の前のものの表現の仕方を豊かにしてやっていって欲しいのです。
赤ちゃんや幼児の脳細胞には、その時の自然の情景・変化とともに、豊かなことばの表現がインプットされていきます。
いろいろな場面での詩のイメージを繰り返し貯えることによって、言語脳はぐんぐん伸び、言葉とともに表現の力が身につくようになるのであります。
十数回も詩を聞かせたのに、ちっとも変化がないなど、おためごかしな考え方をしないことです。
今まで詩を作ったことがない人なら、その日に作った詩を、幼児記録のノートに書きとめて、詩の勉強のつもりで積み重ねていくのがいいでしょう。
お母さんが、或いはおとうさんや家の人が詩を口にするように、幼児はそうした習慣が身について、やがて文字が書けるようになると、立派な詩や日記を書くようになります。
詩を作るということは、言葉の能力を高める方法の一つとして、殊に大切なものの一つであります。
片言をしやべるようになったら、簡単な詩を復唱させる方法もよいと思います。それでも、すべて復唱させるやり方をとらず、歌や本を読むときと同じように、自分の感覚表現に熱中する姿のほうがもっと大切であることを心得ていたいと思います。
さて最後の8番目に、平仮名・片仮名・漢字などの文字は、どのように
身につけさせたらいいのか、という課題に移ります。
1番参考になりますのは、先程あげました三石由起子さんの本であります。
この本の内容については、放送では時間がなくて話せませんから、是非購入して頂きたいと思います。
なお、鳳鳴堂書店から出ている「奇蹟が起きる七田式0歳教育1」とかジツコ・スセディックさんの「胎児はみんな天才だ」祥伝社なども、具体的方法がのっていてとても参考になりますから、購入してください。
言葉と文字について、何時から始めたらいいかといいますと、胎児や乳児・幼児の優れた大脳の能力からいえますことは、胎内5ケ月から始めてよいわけであります。
しかし、生まれてからでもあわてたことは一向にありません。生後から言葉がけが始まりますが、文字についても同じことがいえます。
模造紙に書いた五十音表や単語力ード、これは画用紙四分の一の大きさに黒の太マジックで書くのですが、この単語カードを使って、文字にふれさせます。6ヶ月の赤ちゃんは文字を読めるようになります。わかるといったほがよいかもしれません。書けるようになるのは、2歳半ば過ぎであります。
子供さんが3歳でも構いません。5歳でも構いません。カード方式で文字を取り入れるようにしてください。
3〜4歳は、言葉の学習の成熟期といわれ、漢字にしても、1日5枚、1枚に1字又は2字3字などの熟語があるので、1日5枚で漢字8字ずつ習得できるとしますと、1年間に365倍の2920字が扱えます。常用漢字は1945字ですから、1年間で軽く突破できます。是非頑張って頂きたいと思います。
幼児の潜在能力には、計りしれないものがあります。グレン・ドーマンなどは「いかなる大学者でも、幼児にはかなわない」といっているくらいです。つまり、結論は一つ、親がやらせるかやらせないか、ただそれだけのことであります。
以上「言葉の能力を育てる」ということで、その要点をお話しました。
次回は「算数の能力の育て方」について、お話いたします。
もういちど是非備えてほしい本を紹介しますので、メモをとってください。
・ジツコ・スセディック「胎児はみんな天才だ」 祥伝社 七〇〇円
・夏山 英一 「二八〇日の胎教」 フレーベル館 八八〇円
・三石由起子 「天才児を創る」 日本実業出版社 一一〇〇円
・七田 真 「奇蹟が起きる七田式0歳教育1」鳳鳴堂書店 一一〇〇円
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