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私製本「0歳教育」

【私製本「0歳教育」の概要】 【躾・その考え方と親の責務 】
【胎児教育・その1     】 【幼児の能力を育てる・その1】
【胎児教育・その2     】 【幼児の能力を育てる・その2】
【誕生と乳児・その1    】 【幼児の能力を育てる・その3】
【誕生と乳児・その2    】 【幼児の能力を育てる・その4】
【0歳児の年間計画    】 【幼児の能力を育てる・その5】



胎児教育・その2

胎児教育・その2
「親の愛情とは、わが子のしあわせを願って、何かを、してやること」



胎児教育・その2(昭和63年2月3日)

 1月の放送では、胎児教育その1として、祈りについてと胎児の驚くべき能力について、お話申しあげました。親の愛情ということは何かというと、子供の幸福を願って、「子供のために、何かをしてやること」だと申しあげ、毎日手を合わせて自分達の言葉、行ないを反省し、またいろいろ計画し実践したい、と申しあげたわけであります。

 一方お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんは、わずか10ケ月で35億年にわたる長い進化の過程を一気に自分で処理し、その間、私たちが想像もできないほどの能力で、人のもつ、知・情・意、すべてを身につけ始めることをお話申しあげました。

 今回は、お母さんの健康についてと、お腹の中の赤ちゃんに何をしてあげたらいいかについて、お話いたします。では最初にお母さんの健康についてお話いたします。

 お腹に赤ちんがいるお母さんにとっては、明るい平穏な心と正しい食生活による健康な体で、夫婦仲よく、こまめによく動くことが何より大切であります。

 夫婦が仲よくなかったり、怖いテレビを見たり、思わぬ強い衝撃を心に受けたりしますと、胎内の赤ちゃんはそれらのストレスを敏感にうけとり、ヒックヒック、しゃっくりをするような、痙攣するような状態になります。この様子は、NHKの「0歳からのメッセージ」というテレビ放送ではっきりとわかります。このような心の平穏を乱すことは決してお腹の中の赤ちゃんにとってもよい筈はありません。

 次に、食生活についてですが、食事のとり方によっては、取り返しのつかない結果になりますので、充分勉強していってほしいと思います。

 具体的にどんな食生活がよいか申しますと、主食としては精白しない米、玄米が一番よいのですが、そうでないとしますと5分搗きの米か自宅で精米できる方は3分搗きの米くらいがいいのであります。

 3分搗きといいましてもわかりませんので、何しろ胚芽がそのまま付いている米でいいわけであります。家によってはお年寄りの方もおいでになりますから皆で相談して考えて頂きたいと思います。

 7分搗きの米や精白した米の場合には、玄米と較べて不足しやすいもの、殊にリノール酸やリノレイン酸などの植物性不飽和脂肪酸とか、フィチン酸、ビタミンB群、ビタミンE、ミネラル、酵素などを補うことが必要となってまいります。

 さて、副食には何をとればいいのかと申しますと、野菜、海草類、小魚でいいといわれています。

 野菜では殊に、葉緑素をもっている青い葉っぱは一年中絶やさないことがいいし、各種根菜類、葉菜類、いも類は欠かせない大事な食品だといわれます。

 海草類といえば、わかめ、ひじきは食べやすいものです。

 小魚は、頭ごと骨ごと食べれるものであります。むしは手頃な小魚で、ちょっとあぶって1日5匹くらいは毎日食べたいものです。

 副食として挙げたもの以外では、野菜ではありませんが豆はよいようであります。煮たものもいいし、加工食品にしてもいいし、玄米に次ぐ大事な食品であります。

 先日も南信州に、小川の原野さんが、食生活を自然食主体に切りかえることがよいと主張されていましたが、そういう考え方の切りかえが、とにかく大事であります。

 何故主食に玄米、副食には野菜、海草、小魚がいいのか、という理由根拠については最新の学問研究の成果としていろいろの本に書かれておりますので、読んで頂くとよいと思います。

 私は私なりに、食事が胎児や乳児、幼児に与える影響について、何冊かの本を読んでいるんですけれど、美食をご馳走と思っていた私たちの誤りがはっきわかりました。

 例えば、胎児に関しては「胎児からの子育て」「自然食による育児教室」「幼児から老人までの頭をいきいきとさせる食品レシチン」「0歳からの英才食」「IQ食品レシチンの驚異」「今の食事が子供を狂わせる」「酸素が頭をよくする」「砂糖が体も心も狂わせる」「母乳主義・あなたの子供は牛ではない」など読んで頂くと、自然食主体の食事のよさがよくわかります。

 以上望ましい主食と副食について、かいつまんで話しましたが、続いて殊に気をつけたいことを挙げてみます。

 まず動物から得られるもの、いいかえれば、肉、牛乳、および酪農製品はよくありません。徹底するとすれば、とらないほうがよいといわれております。

 次にインスタント食品、具体的にいえば一杯になりますが、とにかく科学的処理をしてありますインスタント食品は避けたほうがよいんです。

 次に砂糖を使ってあるもの、これも具体的にいえば一杯になりますが、とにかく砂糖もよくありません。つまり動物から得られるものと、インスタント食品と、砂糖類は、私たちの食卓には載せないほうがよいといえるのであります。

 食事についてはもっと考えるところがあるんですが、栄養学の方向もあり何ともいえません。しかし、一般に子供を育てる場合、知育、徳育、体育、といいますが、現在とても大事にされているのが、この食事についてでありまして、知育、徳育、体育と並んで、食育という言葉を取り上げるべきだといわれるようになってまいりました。

 知育も徳育も体育も、それらを支えているのは、毎日食べている食事によっているのですから無理もありません。食事は大事なことですから、いろいろ調べて頂きたいと思います。

 では次に、お腹の中の赤ちゃんに何をしてやったらいいのか、ということに移りたいと思います。前にも申しましたように、親の愛情というのは、子供の幸せのために、子供に何かをしてやることであります。ですから是非ともわが子のために、次のようなことをやって頂きたいと思います。

1 毎朝手を合わせて祈るとき、自分がお腹の中の赤ちゃんのために「今日も一生懸命頑張る」という気持ちでいることを、赤ちゃんに話してください。

2 毎朝手を合わせて祈るとき、昨日の反省と共に「今日は赤ちゃんに何をしてやるか、これこれしかじかするつもりです」と、自分にいい聞かせてください。

3 赤ちゃんが明るい心になるため、明るい何々をしてください。

 例えば、明るい挨拶、明るい話、明るい微笑み、明るい返事、明るい仕事、明るい歌、明るい行動など、赤ちゃんが明るい心になるために、明るい何々をしてください。

4 赤ちゃんにいろいろの話をしてやってください。これはお母さんの日常生活に関することでいいのです。

 例えば、起きた時、顔を洗う時、お勝手の仕事、その片付け、お掃除、洗濯、自分の仕事、外の様子、自然の姿、いろいろの出来事などどんな事でも話してください。声に出さない場合は頭の中の言葉でよいのです。

 例えば風呂たきのとき「さあ、みんなが帰ったら風呂に入れるように風呂をたきましょうね。この薪はね、お祖父ちゃんが12月の寒いときにね、頑張って作ってくれたのよ。ああ、この薪箱がいたんできたのね。お父さんに頼んで直してもらいましょうね。あなたも大きくなったら手伝ってね」などとどんなふうにでもお話してあげてください。

 慣れてまいりますと、いろいろ話の世界を広げることができるといいます。

 実際に赤ちゃんが生まれますと、お母さんはいろいろと話しかけをしなければなりません。ですから生まれてからの練習のつもりで、是非やってください。

 お腹の赤ちゃんとの対話は、妊娠5ヶ月から始めてください。

5 早寝早起きを心掛け、赤ちゃんのため生活のリズムを固めてください。

6 気にいった子守唄、童謡、歌などを口づさんでください。

 それからジャズや歌謡曲ではなく、明るくて穏かで優しい、素敵な音楽を聞かせてください。

7 お伽噺の練習をし、自信あるものを五つか六つは持ち、話してあげてください。

8 北原白秋の詩集とか百人一首とか一茶の俳句とか、何でもいいわけですが、自分の気にいった詩をはっきりした声で読んでやってください。

9 色彩豊かな楽しく夢のある絵本を買ってください。

 童話の世界のもの、自然に関するもの、動植物のもの、科学ものなど、1冊1冊手に取って選んで準備してください。そしてそれらを説明してあげてください。

10 フラッシュカードを作り、言葉や数を教えてやってください。

 カードは表紙がみを6等分したものがよいと思います。4等分ならもっとよいと思います。平仮名、片仮名、濁音も半濁音も作ります。それに、漢字は200〜300語はほしいと思います。それから数字は100まで、アルファベットは大文字小文字、それにドッツカードを使いたい人はドッツカードを作ってください。それからいろいろの絵力−ドも是非作ってください。

 作り方は、例えば「あ」なら片面に色鮮かに「あ」だけを大きく書きます。そして裏には「あ」のつく気にいった言葉、例えば「あたま」「あし」「あり」を書き、できれば切り絵を貼るか、手書きしていきます。

 扱い方は、前にもちょっと触れましたが、例えば「あ」の字をお腹の中の赤ちゃんにどう伝えるかといいますと、「あ」の字の形、色、筆順を自分の頭の上の方にはっきりとイメージ化し、そのイメージをだんだんお腹の方に下ろしていき、へその緒から赤ちゃんの頭に、そっくり伝えてやるのであります。

 慣れてくればだんだん気軽にできるようになるといわれています。

 これらのカードは赤ちゃんが誕生してからも、そのまま使うようにします。

 フラッシユカードの準備は早めにしておいて、妊娠五ヶ月になりましたら、1日の中のどこか時間を決めておいて、赤ちゃんが生まれるまで、計画的に進めてください。

11 お腹の中の赤ちゃんに、お父さんから声をかけるようにしてやってください。

 例えば「やぁ、おはよう」「行ってくるからお母さんと元気でね」「ただいま帰ったよ、いい子だったかい」「今お父さんはこんなことをしているんだよ」「おやすみ、いい夢を見るんだよ」など優しく、赤ちゃんに話してください。

12 最後に、両親と赤ちゃんのコミュニケーションの記録として、胎児日記を書いていってください。

 これは赤ちゃんへの、かけがえのない愛のプレゼントです。

13 赤ちゃんはお腹の中でどのように成長するのか、本を読んで理解しておってください。

 例えば夏山英一の「二八〇日の胎教」という本をお薦めします。この本は手にはいる本では、一番具体的に書いてあってよいと思います。

14 もう1冊、胎児教育についての本を読んでください。そしてその内容を要約してまとめてください。

 例えばジツコ・スセディックの「胎児はみんな天才だ」という本をお薦めします。

 以上で今日は終わりますが、赤ちゃんへ何をして上げるのがいいかといいますと、食事を通しての場合と、いろいろ話しかけてやる場合と二通りあります。

 どうぞ赤ちゃんの素晴らしい能力を信じ、赤ちゃんへの愛をこめて、食事を正しくし、いろいろ話しかけてください。

 次回は、誕生と乳児について話したいと思っています。

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