11 24(水) 靖国問題(朝日社説) |
11月23日付 小泉首相と中国の胡錦涛国家主席の会談が、APECの首脳会合が開かれたチリで、ほぼ1年ぶりに実現した。 両首脳の出会いを妨げてきたのは、靖国神社への首相の参拝問題である。会談でも、この問題が正面から取り上げられた。 胡主席は「歴史を避けては通れない」「困難は日本の指導者が靖国神社に参拝することだ」と、参拝の中止を求めた。 これに対して首相は「心ならずも戦場に赴き、亡くなられた方への哀悼の誠をささげる、不戦の誓いをするということで参拝している」と強調した。胡主席の言葉を誠意を持って受け止めると述べたが、参拝をやめるとは言わなかった。 すれ違いだったと言えば、その通りである。しかし、両首脳が靖国問題で直接意見を交わしたことは、日中関係にとって決して無駄なことではあるまい。 実は、靖国を含む歴史問題を除けば、会談のやりとりの多くは双方が両国関係の重要さを述べあうことに割かれた。 首相は中国経済の発展をたたえ、日中の経済関係の発展が「共通利益」の拡大につながると指摘した。胡主席は「中日関係を最重要視し、平和共存関係を発展させていく」と、強い調子で語った。 中国原潜による領海侵犯や東シナ海での資源開発をめぐる摩擦も、深刻な対立とはしないことで一致した。北朝鮮をめぐる6者協議の重要さも再確認した。 言い換えれば、靖国問題を打開できれば、少なくとも当面の日中関係にそう心配はないという現実が見えたと言っていいだろう。ならば日中両国は、靖国問題をどうしたらいいかを、いよいよ本気になって考えるべき時ではなかろうか。 むろん簡単ではない。胡主席は来年が戦後60周年の「敏感な年だ」と述べて、中国国内の反日的な空気を軽んじないよう、くぎを刺した。一方、日本では、首相の参拝を支持する世論が支持しない世論と並ぶ。「中国からとやかく言われたくはない」という反発もある。 私たちは、首相の参拝に反対だ。戦没者への思いは思いとして、靖国は戦前の軍国主義の精神的な支柱だった。東京裁判でA級戦犯とされた人々を合祀(ごうし)してもいる。中国側の参拝批判もこの点に絞られている。つらい歴史にもけじめをつけてこそ、尊敬される国になれる。 だが、中国にも考えてもらいたい。98年に当時の江沢民主席が来日した時、歴史問題での謝罪を繰り返し求め、日本側の不快感を買った。靖国に限らず、中国は「歴史カード」を使って日本を責め続けるのではないか。そんな思いを日本国民に持たせることは好ましくない。 それにしても、小泉首相は考え時だろう。日米同盟を基本としつつも、対中関係の安定は欠かせない。国連安保理の常任理事国入りとて、中国の支持なしに進まない。逆に、軍備増強への懸念など、中国に言うべきことも増えている。強固な対米関係を誇る首相だ。中国との間でも劇的な展開を見せてもらいたい。 |
11 26(金) 糖尿検査 |
年 月 日 ヘモグロビンA1c 10 02/02 7.3 △ 04/10 6.7 ○ 06/01 7.3 △ 08/12 7.0 ○ 10/07 6.4 ○ 12/25 6.3 ○ 11 03/19 8.0 △ 04/23 7.6 △ 06/11 6.6 ○ 08/06 6.4 ○ 12/01 6.6 ○ 12 02/23 7.2 △ 05/17 7.5 △ 07/12 7.6 △ 09/20 7.4 △ 10/06 7.2 △ 12/28 7.4 △ 13 02/08 6.9 ○ 04/04 6.2 ○ 05/25 6.2 ○ 07/17 6.4 ○ 10/05 6.3 ○ 12/21 7.7 △ 14 02/15 8.3 × 04/05 8.1 × 06/14 7.9 △ 08/09 7.4 △ 10/04 7.9 △ 11/29 7.9 △ 15 01/24 8.2 × 04/18 7.4 △ 06/22 8.0 △ 08/29 7.3 △ 10/24 7.6 △ 12/26 7.3 △ 16 03/05 8.5 × 05/07 8.2 × 07/09 7.5 △ 09/17 7.0 ○ 11/26 7.3 △ 17 01/28 |
11 27(土) 戦争犯罪 |
11 28(日) 続戦争犯罪 |
政府は来年3月下旬に開幕する「愛・地球博」(愛知万博)に、中国の温家宝首相を招待する方針を固めた。複数の政府筋が27日明らかにしたもので、近く中国側に打診する。小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐり日中両国首脳の相互訪問が凍結される中、万博への出席であれば中国側も受け入れやすいとみて、調整に乗り出す。 日中首脳の相互訪問は中国の反発により、01年10月に小泉首相が訪中して以来途絶え、中国首脳の来日も00年10月の朱鎔基首相(当時)以来、実現していない。 愛知万博の次の万博は10年に中国・上海で開かれる。政府は「次回開催国の首脳を招待するのは自然なこと」(外務省幹部)としているが、21日の日露首脳会談でプーチン大統領の来日も愛知万博と絡めた形で提案しており、万博を外交に積極活用する狙いもあるようだ。 政府は温首相の来日を実現させたうえで小泉首相が訪中する日程を描いている。来年は第二次世界大戦終結60周年にあたり、日中関係が冷却化する中で反日感情が激化することを警戒、相互訪問の再開を急ぎたい考えでいる。 ただ、チリで21日に行われた小泉首相と胡錦涛国家主席の会談では、靖国問題の存在が改めて浮き彫りになった。小泉首相の今後の靖国問題への対応次第で中国側が態度を硬化させ招待に応じない可能性もあるため、30日に行う日中首相会談で小泉首相から提起するかは流動的だ。【高塚保】 (毎日新聞) - 11月28日3時7分更新 |
30日に日中首相会談 小泉純一郎首相はラオスで二十九、三十の両日開かれる東南アジア諸国連合と日中韓(ASEANプラス3)首脳会議に出席するため二十八日、政府専用機で出発する。「日中両国が覇権を争っている」(外務省筋)とされるASEANを舞台に日本がどれだけ主導権を握ることができるか注目される。小泉首相と中国の温家宝首相との会談も決まり、日中関係をめぐる動向が焦点となる。 会議にはラオスを含む十六カ国の首脳が参加。小泉首相は二十九日午前の温首相、韓国の盧武鉉大統領との三カ国首脳会議を皮切りに、ASEANプラス3首脳会議、オーストラリア、フィリピン、ミャンマー首脳らとの会談に臨む。 注目されるテーマは「東アジア共同体構想」と「経済連携協定(EPA)」。東アジアの地域統合を進めようという「東アジア共同体構想」に弾みをつけるための「東アジアサミット」の開催地をどこにするかで駆け引きが続いており、来年にマレーシアで一回目のサミットを開催することが決まるかどうかが焦点。EPAで日本はフィリピンとの間で自由貿易協定(FTA)の大枠合意を目指し、マレーシア、タイとのFTA協議にも弾みをつけたい考えだ。 小泉、温両首相の個別会談は三十日に行われることが決まった。先のチリでの小泉首相と胡錦濤国家主席との会談では、小泉首相の靖国神社参拝、中国原潜による領海侵犯事件、東シナ海のガス田開発問題をめぐる両国間の対立点が改めて鮮明になった。このため今回小泉−温会談を行ったとしても成果は期待できないとして、一度は会談が見送られる方向になった。しかし、中国側から改めて開催の打診があり、二十七日になって会談が決まった。 (産経新聞) - 11月28日2時44分更新 |
11 29(月) 続々戦争犯罪 |
11 30(火) 「東アジア共同体構想」 |
東アジアの経済統合へ向けた動きに、またひとつ弾みがついた。 ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス日中韓の首脳会議を機に、小泉首相と温家宝首相、盧武鉉大統領が会談し、貿易と投資のルールづくりや知的財産権の保護などを盛り込んだ行動戦略を採択した。協定の締結に向けた政府間の話し合いが始まる。 昨年10月にも、3首脳は同じ会議の場を借り、経済や政治、安全保障面で幅広く協力していくことをうたった初の共同宣言を採択している。それから1年。巨大な潜在力を持つ中国を巻き込んで、貿易や投資に共通の行動基準をめざすことになった意味は大きい。 中国は米国、日本、欧州から大規模な投資を呼び込む一方で、ASEAN諸国との自由貿易協定交渉を着々と進めるなど、国内経済の成長をてこにしつつ、東アジアの経済的統合の牽引(けんいん)役として重みを増している。 だが、その中国自身が外国資本の参入に今なお多くの規制を温存し、政府の許認可についても、海外から「不透明で恣意(しい)的」との批判を浴びている。 投資をめぐるトラブルが絶えず、労使紛争の処理も難しい。いきおい、投資する側が抱えるリスクは大きくなる。 対中投資が急増している日韓は、こうした問題について「明確なルールを作らなければ、経済協力を進めるうえで重大な障害になりかねない」と、改善を求めてきた。中国がこれに応じたのは、自らにとっても将来的な利益につながると考えてのことに違いない。 改革開放に踏み出してからまだ四半世紀にしかならない中国は、市場経済の土台となる法制度などの整備が遅れている。米欧型の制度に合わせていくことは容易ではなかろう。国内にあつれきさえ生みかねない。 とはいえ、3年前に世界貿易機関への加盟を果たした中国が次の段階へ進もうとするなら、避けては通れぬ課題だ。 採択された日中韓の行動戦略には、3国がASEANとともにつくろうとしている「東アジア共同体」の構想や実現への道筋について、様々なレベルで議論を深めていくことも盛り込まれた。 経済的な統合に比べ、政治的な統合を深めることはもっと難題だ。どのような道をたどって統合をめざしていくのか。一つひとつ、合意点を探っていく厳しい作業が始まる。 一方でASEANも今回「ASEAN共同体」に向けた行動計画を採択した。こちらの統合の目標は2020年だ。豊かなシンガポールと貧しいミャンマーの1人当たりのGDPには100倍以上の格差がある。それを思えばはるかな道だが、ともかく動き始めた。 日中韓とASEANがそれぞれに経済統合の動きを強め、さらにそれらが共振しあうなら、東アジア共同体に至る道も、おのずから見えてくるだろう。 |