0歳教育関係へ

ドッツの教え方 1
常識を打ち破る画期的な方法


【ドッツの教え方 01】 【ドッツの教え方 02】
【ドッツの教え方 03】 【ドッツの教え方 04】
【ドッツの教え方 05】 【ドッツの教え方 06】
【ドッツの教え方 07】 【ドッツの教え方 08】
【ドッツの教え方 09】 【ドッツの教え方 10】
【ドッツの教え方 11】 【ドッツの教え方 12】

 幼児の直感像認識はものすごい。瞬時にしてドッツが幾つあるか認識し、インプットできる。私には、理解しようがないし、不思議でならない。例えば、

  290−5265÷45+1848÷7+63=
  100−6×[{70−2×(45−30)}÷8+9]= 

 こんな問題を五つも出されたら、我々大人は一分以内にできるだろうか。恐らく普通の人では誰一人としてできるものはあるまい。ところが何と、問題を読む時間を別にして、二歳六ヶ月の子供が、僅か二十秒もかからず正解を言えるという事実。一体これは、どういうことなんだろうか。
 ドッツについては、この説明書を読んで、そのノウハウをよくよく身につければ、上のような子供を育てることが可能なんですね。そんな時代になったんです。幼児の潜在脳の能力はものすごいんです。能力の開発如何によっては、はかり知れないおびただしい量の知識が、子供の頭脳にいとも簡単にインプットできることが、わかってきたんです。
 人間の生涯において大切なものは、もちろんその人の人柄でありますが、人の品性とか洞察力なり見識は、深い知識の裏づけがあってこそ値打ちもでてきます。知識だけが先行してしまわないかと、懸念する人もいます。しかし、人の成長は、知・徳・体,ばらばらに成長することは少なく、知と徳は本来相関して伸びるものであり、もしそうでない人がいるとすれば、それはその人を育てた人の責任が一番大きいといわなければなりません。
 私は、何に遠慮することなく真実を求め、幼児がもっているこの素晴らしい能力をできる限り伸ばしてやりたいと思います。これは算数だけでなく、ことば、ほん、おんがく、かいが、しぜん、その他すべてにわたります。一緒に頑張ってやりましょう。

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この「ドッツの教え方」の原本は、昭和六十二年の夏
七田先生の出身地島根県江津市へ出向いたとき、わけ
て頂いたもので、書名は「ドッツの効果的教え方」で
たいへん貴重であり、皆さんの参考になればと考えて
のせたものです。‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

    〔 内容 〕             〔 ドッツの教え方 No 〕

第一章  赤ちゃんは宇宙人                     01
    一 幼児の頭脳は幼稚ではない                01
    二 六歳までと六歳すぎの子供の頭脳は全く違う        01
    三 バール博土とストーナー夫人の証言            01
    四 赤ちゃんの頭脳に働くコンピューター           02
    五 算数のコンピューター能力を示す子供達の例        02
    六 ドッツに成功した田中和生先生の手紙           03
第二章  幼児の頭の働き                      03
    一 人間の頭はコンピューター                03
    二 コンピューター能力は〇歳に近いほど高い         03
    三 三種類の記憶                      03
    四 神経回路の開き方                    03
    五 大切な神経回路の髄鞘化                 04
    六 子供の創造性を高めるのに大切なシナプスづくり      04
    七 学ぶことが楽しい頭脳                  04
    八 幼児の頭は幼稚ではない                 04
    九 無理に学習させてはだめ                 04
    十 学ぶのが楽しい子供に育てると十歳前後で大学へ行ける   04
第三章  マジカルな幼児の頭脳                   05
    一 幼児にはマジカルな頭脳の働きがある           05
    二 絶対音感の能力                     05
    三 幼児の頭脳に働く直感像                 05
    四 幼児の頭脳に働くコンピューター             05
    五 幼児は主に潜在脳を働かせている             05
    六 幼児の脳波はアルファー波                06
    七 アルファー脳波が潜在意識を働かせる鍵          06
    八 六歳で意識の障壁と音の壁                06
    十 実例に学ぶ                       06
    十一 私の子供達での実験                  06
第四章  ドッツカードて幼児に算数を教えよう            07
    一 ドッツカードの作り方                  07
    二 トッツカードを子供に見せる法              07
    三 ドッツカードで四則計算を教えるカリキュラム       07
    四 ドッツカリキュラム一覧表                08〜09
第五章  ドッツによる算数の効果的な教え方              10
    一 絵カードを作って見せることから             10
    二 乗り物カードを見せて成功                10
    三 アルファー脳波を活用すること              10
    四 気分をリラックスすること                10
    五 ドッツが楽しいものであることを、子供にわからせること  10
    六 子供の能力を信ずること                 10
    七 変化が大切                       11
    八 成功する月齢                      11
    九 親の態度にかかっている                 11
    十 北海道帯広市 森野さんからの便り            12

【 第一章 赤ちゃんは宇宙人 】

【 一 幼児の頭脳は幼稚ではない 】

 一般に大人は、乳幼児の頭脳の働きを、実際よりもずっと低く見積もっています。たとえば、数の問題についていえば、三歳で三が、四歳で四がわかればいい、という考え方が一般的です。大学の幼児教育専門の偉い先生が、幼児期の数の教育は、三から四への理解の輻を広げることとし、そして三から四までわかるのに半年かかる・・・としています。
 実際は、幼児の頭脳の働きは、こんなに低いものではないのです。それどころか、二〜三歳の子供の頭脳の働きに比べれば、大人は精薄児である、と言われる位なのです。二〜三歳の子供の頭脳には、神様の創造力にも比すべき、非常に神秘な働きがあり、そしてその不思議な働きは、すべての乳幼児の頭脳に共通の働きをもつものであり、三歳になるまでの子供は、すべて天才と言ってもいいほどです。

【 二 六歳までと六歳すぎの子供の頭脳は全く違う 】

 私たち大人は、赤ちゃんや小さな子供たちを、大人をそのままミニチュアにしたようなものだとつい思ってしまいますが、決してそうではありません。六歳までの子供と、六歳を過ぎた子供とでは、頭の働きが全く違っているのです。
 その違いは簡単にいえば、頭が出来上がっていく過程の子供と、頭かほぼ出来上がってしまった子供との違いといってよろしいでしょう。
 生まれたばかりの赤ちゃんの頭には、一四〇億の脳細胞がぎっしりつまっているといわれます。その一つ一つの脳細胞は、生まれた時には互いにつながりがなく、従ってまだ働きはないけれど、外界から目や耳を通して取り入れた刺激に応じて、芽を出して伸び、互いにつながりあって回路ができていくという成長の仕方をします。
 その過程に、今まで知られずにいた、非常に大切な事実があるのです。それを列挙してみます。
a 赤ちゃんの脳細胞は、外界の刺激を受け取ることで成長します。刺激が豊富であれ
  ば豊かな成長をし、刺激が貧しければ貧しい成長しかしない。
b  赤ちゃんの脳細胞は、誕生直後に爆発的な成長をとげ、生後およそ六ケ月で基本的
  回路が出来上がり、この時までに取り入れた外界の印象には、非常に応じやすくな
  る一方、取り入れなかった印象には、大変応じにくくなる。
c 赤ちゃんの脳細胞は、生まれおちた環境に適合することをその仕事とし、この環境
  適合能力は誕生直後ほど強力で、六歳でほほその用を終え、消去する。こうしてそ
  の時までに取り入れた能力が固定化する。この環境適合能力には、絶えず逓減の法
  則が働いている。
d 六歳までの子供の脳細胞には、非常な高度なコンピューター能力が働いていて、赤
  ちゃんはこの働きで言葉を身につけていくのであり、単なる記憶の能力で言葉を学
  んていくのではない。
e このコンピューター能力は〇歳、一歳、二歳の時ほど高く、三歳を過ぎると急速に
  逓減していく。三歳になるまでの子供には、すべてこの高度なコンピューター能力
  が働いているので、三歳になるまでの子供はすべて天才期の子供といっていい。

 私たちは、赤ちゃんの頭に、このような素晴らしい能力があることを知らなくてはなりません。(赤ちゃんのコンピューター能力については、後に詳しく述べる)
 赤ちゃんは、大人の我々がそうであるように、一つ一つのものを理解して覚えていくのではありません。非常に難しいものを、そのまま脳の基本的配線の中に取り込んでいくという形で、知能を育てていくのです。大人が取り入れる知識は、出来上がった脳の配練中に取り入れられず、効率の悪いコード(記号)として、配練のまわりに追加されていくだけです。一方、六歳未満の子供たちの知識は、すべて脳の本体 (基本的配線) の中に取り入れられ、大人の知識の三〇倍ないし五〇倍も効率のよいコンピューター能 力として働きます。
 そのような能力を育てるのは、脳の配線の始まったばかりの〇歳に近いほど容易で、脳の配線か殆ど完成する六歳を過ぎてからでは、大変難しくなります。
 赤ちゃんは、O歳、一歳時に高度な環境(教育)を与えてやるほど、天才的な高い素質を身につけることができるのです。〇歳に近いほど魔術的といっていいほどの高い神秘的な能力を身に備えているからです。けれども、この神秘的な能力は秀れた環境に出会わないと発現せず、急連に消えていきます。反対に、秀れた環境、継続した訓練を与えると、生来の素晴らしい素質があらわれ、定着します。
 これは、赤ちゃんが自然から与えられた環境適合能力の秘密です。赤ちゃんは、この性質をもつために、どのような高度な社会に生まれおちても、高い素質を身につけ、伸びていけるのです。

 このごろ、言葉遅れの子、言葉の出ない子が増えていますが、これは、以上のような事実を知らず、言葉はほおっておいても自然に内から出てくるものと誤解しているところから生じます。
 赤ちゃんはほおっておいても自然に言葉が内から出てくるもの、と思ってはいけないのです。赤ちゃんが生まれた環境に言葉がなければ、赤ちゃんの頭脳は言葉のない環境に適合してしまい、言葉は用のないものとなって、言葉のない赤ちゃんが育つのです。
 反対に、生まれた時から豊かに言葉がけをして育てれば、赤ちゃんの頭脳はそれに応じた頭脳をつくっていきます。言葉を理解しなくても、言葉を刺激として受け取り、言葉を取り入れる回路が非常によく開けていく、という事実に注意しなくてはいけません。
 生後二ケ月の赤ちゃんに「北原白秋童謡集」(弥生書房)を聞かせてみてください。毎日同じ詩を聞かせると、五ケ月の時には、もうこの詩を覚えていて、読んでもらうのをとても喜ぶ赤ちゃんが育ちます。
 絵本も生後二〜三ヶ月から読んであげると、生後五〜六ケ月で、もう絵本を読んでもらうのをとても楽しみにしている赤ちゃんに育ちます。一歳にもならない赤ちゃんが、もう絵本が大好きで、お母さんに絵本を読んでほしいと催促するのです。
 これはみな、生後六ケ月までに取り入れた印象には応じ易くなるという、赤ちゃんの頭に働く法則のためです。

【 三 バール博士とストーナー夫人の証言 】

 赤ちゃんにそんなに早くから言葉を教えたり絵本好きに育てたりして、どんな意味があるのか、赤ちゃんには言葉の早い遅いがあり、一年くらいの差は何ということはない、六歳のころには皆普通の子になっている・・・・とおっしゃる先生がおられます。多くの場合それは事実です。それは赤ちゃんの頭に働く「才能逓減の法則」を証するものにほかなりません。
 い<ら早くから赤ちゃんの頭脳を開発しても、その後の働きかけが続かなければ「才能逓減の法則」により、六歳のころには皆平均化した頭になってしまうのです。けれども、六歳までに毎日ほんのわずかな時間、例えば、五分から一〇分でよいですから、赤ちゃんの才能を育てる働きかけが続けられますと、結果は全く違ったものになります。すべての赤ちゃんが、誕生時にもっている天才的な素質が、赤ちゃんの身についたものとなって定着するのです。

 四人の子供に、生まれた時から言葉を与える教育を施し、子供たちを、一〇歳前後で揃って大学に入学させ、天才級の子供に育てあげたアメリカのタフツ大学のバール博士は、どの子でも一歳で立派に話が出来るように育てられるといい、その著「家庭の学校」の中で次のように述べています。

 「人の人生の中で、赤子時代ほど大切な時代はない。我々は、あらゆる手段をつくして、子供の身体の成長をはかるではないか。しかるに人々は、子供の精神の発達の手段をとるというと、皆驚いてしまう。子供の精神の発達をはかる手段とは、子供に早くから言葉を教えることである。人々は、このことについて全く間違った考えをもっている。言葉は思想の道具である。だから、子供に早くから言葉を教えなければ、その精神はよく発達することができない。我々がもし、子供が六歳になるまで一生懸命に正しい言葉を 教えるならば、その子は必ず、ほかの子供がどうしても追いつけぬほど、遠い先に進んでしまうものである」

 また娘を九歳で大学に合格させたアメリカの外科医の妻ストーナー夫人は、その著書「自然の教育」の中て次のように書いています。

 「私は一〇歳で大学に入り、一四歳で哲学博士になったカール・ビッテの教育法を、娘の教育に取り入れました。即ち、娘と遊びながら、娘に話しかけ、周りにある一つ一つのものを指さして、はっきりした声でその名称を教えました。その結果、私の赤ちゃんは、満一歳で大人のように話すことが出来ました。人々がそれを見て驚くと、私の夫は言ったものです。『この子は、生まれた時から話しかけられて育ったので、おしゃベりが出来るのはあたりまえです』と」

 ところが逆に、生まれたばかりの赤ちゃんに十分に言葉をかけないで育てると、二歳になっても三歳になっても言葉の全く出ない子供や、言葉遅れの子供が育ち、その差は天と地ほどになるのです。
 赤ちゃんに対する働きかけ次第で、すべての赤ちゃんが持つ、生来的な天才的資質が引き出され、赤ちゃんの身についた資質となる一方、赤ちゃんの環境に、秀れた資質を引きだす教育的刺激がないと、それは引き出されないままに終わってしまい、六歳を過ぎ、小学校に上がってからでは、いくら引き出そうとしても、もはや遅過ぎるといえるのです。
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