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折々の記 2004 @

【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】12/29〜        【 02 】01/15〜
【 03 】01/24〜        【 04 】01/30〜
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【 07 】03/01〜        【 08 】03/06〜
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【 01 】12/29〜

  12 29 今年が終わる●謹賀新年
  01 03 2004年がスタート
  01 08 恩をうけた方々との別れ
  01 12 神浦元彰の“What's New!”
  
 12 29(火) 今年が終わる

干柿、やっと昨日でことし分を終わることができた。
「さすがや」で二人だけの慰労会をした。

どんなことも難しいものだ。

今朝は三時起き、気にかかっていた年賀状の原案を作りエプソンでコピーした。
記録のために次に書き込みしておく。

    謹賀新年

 くり返さないと誓ったはずの過ちが目の前に起きた…
  「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起る
   ことのないやうにすることを決意」
 した憲法冒頭のことばは、無視された
 人まかせの私の最悪の誤算でした


 皆様の健康とご多幸を祈念しております
 ことしもよろしくお願いします

  2004 正月

  http://www.ai.wakwak.com/~yoshi-shimo/ を開いて 
  “リンクしてみて”へジャンプ願います
  反戦運動は一人で自分の世界を築くためにするもの
  だが、今てはみんなで手を取りあい励ましあって情報
  収集し、平和をめざした適切な判断が、大事です


   「軌道修正」
  ロケット工学用語だけではなく
  自分で堅持したい
  だいじな言葉にします

    395-1107
    長野県下伊那郡喬木村 5975 下 平 好 上


 01 03(土) 2004年がスタート

まずは日本軍事情報センター所長、神浦元彰さんのホームページを見ると、1月1日“What's New!”のタイトルに次の三つがのっている。
神浦元彰さんの“What's New!”のURLは
http://www.kamiura.com/new.html

米「北の核」に期限 3月末までに放棄迫る 強行方針 PSI発動視野 海上警備、日本に要請
  (産経 1月1日 朝刊)


[要約]米政府は北朝鮮に対し、3月末までに「核開発断念宣言」などを行わない場合、PSI(大量破壊兵器拡散防止機構)の全面発動、国連安保理での付託など、より強行的な方針をとることを決めた。ただし武力行使には至らないという。日本に対しては海上保安庁などが北朝鮮近海で取締りを行うことを期待している。また米国のこの方針に従って国連安保理で根回ししているが、露、中国は反対の姿勢を鮮明にしている。次回の六カ国協議は1月中の開催も目どがたっていない。

[コメント]北朝鮮の核問題は中国の6カ国協議開催でゲタをあずけた形になっていた。しかしその6カ国協議が北朝鮮の抵抗で動かない。それに厳しき対応するのが中国なのに、中国の対応がなかなか効果的に動かない。その米国のイライラが3月期限で表われたようだ。だからこの方針が示す圧力先は北朝鮮ではなく中国である。米国は中国がもたもたしていると国連安保理の制裁もやるぞという意味である。もし北朝鮮にPSIの全面発動となれば、中国の面子は丸つぶれである。昨年末、リビアが大量破壊兵器の全面放棄を行った。つぎは北朝鮮でブッシュ大統領は今年の大統領選挙を有利に展開したいのだろう。この3月期限宣言で北朝鮮問題は嫌でも動き出す。今年も忙しい年になりそうである。

自衛隊、外交官警護も 海外派遣恒久法案 武器使用拡大 政府05年提出
  (毎日 1月1日 朝刊)


[要約]政府は05年の通常国会に、多国籍軍支援などを可能とする自衛隊の「恒久法」を提出することを決めた。この恒久法では政府職員やNGOなど、自衛隊から離れた場所での「駆けつけ警護」も可能にする。このため現在の武器使用を正当防衛から、任務遂行目的の武器使用に拡大する必要がある。また05年に自衛隊法を改正して、在外公館の警備を自衛隊が行うように検討する。在外公館の警備は恒久法の論議と区別して行われる。恒久法の骨格は、多国籍軍などの支援は後方支援にとどめるが、PKO法の参加5原則を緩和し、国連決議がなくても関係国の要請で派遣可能とする。

[コメント]もう日本という国では「専守防衛」という言葉は存在しない。後方支援なら米国の要請でどこの戦場にも自衛隊を派遣するようになるからだ。陸自は海自と違って、米軍の支援だけを目的とする組織にはならないと思っていたが、その誇りも打ち破られてしまうのだろうか。在外公館の自衛隊警備は当然だと思うが、米軍の要請ですべての後方支援に使われるとは、日本も落ちぶれたものである。日本人の誇りはどこにいった。しかしこれがそのまま来年の通常国会で可決されるとは思わない。今年は参議院選挙もある。まさに日本の国防方針が問われる年となった。

謹賀新年 2004年1月1日

[コメント]明けましておめでとうございます。いよいよ2004年が始まりました。今年は日本という歴史の中で大転換期だと思います。まさに平成維新です。これを乗り切る覚悟と準備は整えています。日本という国に誇りと自信が持てる国に変えましょう。


以上が“What's New!”のタイトルの内容でした。

日本軍事情報センターのホームページはアクセスカウンター2027927(since 1999.11)で、4年間に200万回のアクセスという勘定になる。計算機でみると単純に1日1370回のアクセスということになる。

驚くべきアクセス数である。それだけに、大事な情報を発信していると言えそうだ。

それは別として、年賀状に書いたように、今将に日本は「戦争惨禍」の轍を踏み外そうとしている。

自分ひとりでニュースソースを収集しようとしても質量ともに貧弱なものになる。したがって、いくつかの情報源に目を通し、折に触れてコメントしていくだけとしたい。

 01 08(木) 恩をうけた方々

きょうは本家の隆子さんのお母さんの葬儀の日である。葬儀は学校のそばにあるコミュニティセンターで、12時から1時までの告別式だという。
跡取は浪合村の冶部坂で「横岳」というペンションを経営している。

ご主人の英美さんは既に亡くなっていた。お二人とも温厚な明るい、人を大事にする方でした。お二人の人柄は子供さんたちに受け継がれており、ことに本家の隆子さんは苦労も多かったと思うが、愚痴ひとつこぼさずに明るく朗らかに対処できる素敵な人である。お母さんとの今生の別れとなってしまった。

昨年は近藤守孝さんのお母さん、近藤家のお婆ちゃんが亡くなった。忌中の葉書でそれをしった。
この「お婆ちゃん」には大変お世話になった。表裏のない常に自分の考えに従って行動できた素晴らしいお婆ちゃんであった。今思えば、いつも気楽に飲食させてもらったり、泊まらせてもらったり、このような家はめったにあるものではなかった。

このお婆ちゃんは和合村の出身で困窮も多かったそうだが、“艱難汝を玉にす”の諺どおり独自の素晴らしいどっしりした人生観を身につけていた。
きょうは末世の供養のための香料代を近藤さんにお渡ししてくるつもりでいる。

お世話になった浪合村の人たちにお別れを告げなければならない日である。

 01 12(月) 神浦元彰の“What's New!”

再び神浦氏のURLを載せておく。

神浦元彰さんの“What's New!”のURLは
http://www.kamiura.com/new.html

戦争は相互殺人の認容の上に成り立っているものであるから、戦争を認めるべきではない。

この考えに従って、上記サイトを大事にする。

今日のページは次のようになっている。参考のために引用しておく。



What's New!

日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰
にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛
争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性
を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発
信基地にしたいと頑張ります。
タイトル本     文
タイトル メディア 日付この情報の最も新しい更新日は1月11日(日)です。
石破防衛庁長官、ヨーロッパ歴訪に出発。(1月11日) [コメント]通常国会開催を前に、石破防衛庁長官がヨーロッパ歴訪に旅立った。表向きの理由は、自衛隊のイラク派遣をヨーロッパ各国に説明する為というが、本当は電撃的にサマワを訪問することは間違いない。なにしろ石破長官は記者会見で、自衛隊をサマワに出す前に、自分で現地を訪れて安全を確認すると大見得を切っている。イラク特措法にも、防衛庁長官が現地の安全を確認すると定められている。そこで急いでコソコソとサマワに向かったのである。もし通常国会でこの問題を指摘されると、無責任長官というイメージが張られるからだ。ヨーロッパに行くフリをして、短時間だけサマワに立ち寄る作戦である。いわばアリバイ工作である。先週はオランダの首相がサマワを訪れている。先月はブッシュ大統領がバグダッドを訪れ、英国のブレイヤー首相もバスラを訪れている。そこで石破防衛庁長官も電撃的にサマワを訪問するわけである。まあ、政治家のパフォーマンスなのだろう。
 昨日、空挺団で石破長官の訓示を直接聞いた。まったく品位を感じなかった。自分に都合のいい話だけを持ってきて、並べただけの話で無能ぶりがわかった。こりゃダメだな。
本日、空挺団・初降下訓練取材で更新を休みます。(1月10日)[コメント]今、朝の7時です。NHKテレビではパウエル国務長官がNHKのインタビューに応じ、自衛隊のイラク派遣を評価すると話しています。イラクではC-5輸送機に対空ミサイルが命中したり、バクバのモスク(シーア派)で爆発物が爆発するなど、様々な事件が起きています。これから習志野に向かい、空挺団の初降下訓練を見てきます。それでは行ってきます。
解説 EU安保 国連中心を掲げ米政権戦略と一線 (読売 1月9日 朝刊) [要約]EUは今年春、東欧など10ヵ国が加入し25ヶ国体制になる。その戦略は「国連を中心とする多国間主義」をとり、先制攻撃や単独行動をとるブッシュ政権戦略と一線を画すという。「これは事実上の集団防衛で、米国からの軍事的な独立の一歩となる」(植田隆子・ICU教授)が指摘する。EUは90年代半ばの旧ニューゴ民族紛争で、危機解決を米国に依存したという反省がある。これがEUの外交を裏打ちできる軍事力をもつ原動力になっていった。EUには現在6万人規模の緊急対応部隊があり、ボスニアやマケドニアに展開している。また欧州にはNATOではなく、欧州同盟が安全保障を決定すべきという意識が広がっている。そのために米軍に依存しない独自の新型輸送機(A400M)を開発する動きも進んでいる。新たにEUに加入する東欧諸国は親米色が強い。また英国も親米国家でEU戦略がNATOと分離することを嫌う。そこでEUの基本戦略は、NATOとどのように任務を分担し、住み分けるかが重要な課題となってきた。

[コメント]まるで数年後の日本を見ているようなEUの安全保障政策である。日本は今まで安保を米国に依存しすぎて、独自の外交政策が打ち出せないジレンマがあった。しかし北朝鮮消滅を機に、米国は東アジア10万人兵力体制を見直すことは確実視されている。そのとき、日本はどのような安全保障政策をとるのか。日本も先制攻撃や単独主義をとるブッシュ戦略から距離をとり、EUのように国連中心主義を掲げるなら、韓国(統一後)と国際平和建設部隊を創立させ、アジアでの緊急対応部隊を派遣できるようにする必要があると思う。そのようなことを行っているのが新EU軍なのである。
 韓国も北朝鮮という軍事脅威が消滅すれば、その軍事力をアジアに向けなければ中国と関係が悪化する。いわば日本と同じような安保環境になってくる。そこで韓国と日本はASEANを通じて、アジアの治安に関与するという即応部隊の新設である。それなら中国も支持する可能性がある。その場合、アメリカのアジア戦略とどのように住み分けるか。そのことが次第に重要になってくることを指摘する記事と感じた。☆☆☆☆
北朝鮮を読む 生物・化学兵器も脅威  特集・平和立国の試練8 (毎日 1月8日 朝刊) [要約]現在、北朝鮮の核開発問題の解決を目指す6ヶ国協議が行なわれている。しかし6カ国協議で北朝鮮の大量破壊兵器である生物・化学兵器の問題は語られていない。38度線に近い北朝鮮の王在峰(ワンジェボン 標高303メートル)には、化学兵器の中央貯蔵施設があるという。韓国国防省は北朝鮮の化学兵器貯蔵量を17種類、2500トン〜5000トンと分析している。アメリカも北朝鮮の生物兵器の炭ソ菌を、「最も攻撃的な兵器プログラムと持つ国にひとつ」(ボルトン国務次官)と語っている。しかしアメリカ政府はフセイン政権に対応したように、北朝鮮の生物・化学兵器を厳しく追及していない。もし6カ国協議で北朝鮮の核問題が解決した時、それで北朝鮮の生物・化学兵器の問題が解決したと思う危険が指摘されている。

[コメント]北朝鮮では戦車や航空機などの通常戦力が陳腐化して動かなくなると、反比例するように生物・化学兵器に依存する度合いが強まっている。そう感じるのは、最近の北朝鮮軍の演習で、人民軍兵士がガスマスクを装着することが多くなっているからだ。北朝鮮軍は在韓米軍や韓国軍が北進してくれば、生物・化学兵器で反撃することを想定している。北朝鮮の生物・化学兵器が米韓軍・北進の抑止力になっている。しかし同時に北朝鮮の生物・化学兵器は、米韓軍への奇襲攻撃の手段としても働いている。そのために在韓米軍は主力をソウルの南に移す準備に入っている。
 ならば日本は北朝鮮の生物・化学兵器の脅威にどのように対処するのか。現実的には日米安保によって、米軍の持っている大報復力で抑止するしか方法はない。もし北朝鮮の日本への生物.化学兵器の攻撃に対して、米軍が十分なる報復を行わないなら、日本は化学兵器禁止条約を破棄し、独自の生物・化学兵器を開発し配備することになる。しかしそのことを最も嫌うのは、北朝鮮ではなくアメリカなのである。日本が生物・化学戦能力を持つことはアメリカにとっては悪夢である。このように日米安保条約には日本の自主的な武装(軍事力)を防ぐ意味がある。
 同時に自衛隊のイラク派遣は、冷戦で築き上げた日本の軍事力を、アメリカ以外の地域に向かわせるための手段でもある。もっともアメリカが自衛隊に期待するのは、アメリカ軍の後方支援に自衛隊を投入させることである。小泉首相はそれを可能とする恒久法を来年の通常国会に法案を提出するという。日本の基本的な国家戦略は、従来の専守防衛から米軍の後方支援活動(世界規模)に主軸を移そうとしている。
オランダ軍の兵士、殺人罪で起訴 一般法廷で裁く(NHKテレビ 朝のニュース 1月7日) [要約]12月27日にサマワで警備中に、トラックの荷物を略奪していた市民を射殺したオランダ軍兵士は、地元の検察官から殺人罪で起訴された。兵士が起訴されたのは一般法廷で、軍事法廷ではなかった。殺人罪で起訴した理由は、兵士と略奪者の間に十分な距離があったことと、この市民が背後から撃たれていたからだという。国会議員の中には、一般法廷ではなく軍事法廷で裁けという声もある。

[コメント]一言でいうなら、兵士は戦争をやるために訓練を受けている。このような事態に適切に対応することは難しい。この事件は自衛隊でも注目していると思う。もしこれが自衛隊員なら、まずサマワに同行している警務隊がこの兵士を逮捕する。そして取り調べて調書と身柄を旭川地検に送る。そして旭川地検が起訴か不起訴かを決めるが、日本でも殺人罪の適応は間違いないだろう。また日本では憲法で軍事法廷が禁止されているので、普通の裁判所で公判が開かれることになる。
 もしこれが自衛官が誤認、誤射した事件ならどうするのか。不審者がこちらに向かって銃口を構えている。危険を感じて自衛隊員は銃を発射した。銃弾は不審者に命中した。しかし近寄って見ると、不審者が構えていたのはクワだった。農民がクワを手にして近寄ってきたのを誤認し、誤射したのだ。この場合、自衛隊員は殺人罪で起訴されるのか。残念ながら、これも日本では殺人罪である。しかし通常の国では、現場検証を行って兵士が誤認してもしかたない状況であれば罪を問わない。自衛隊員にとって一瞬のためらいが生死を分けることになる。いくらこのことを政治家に言っても、戦争を知らない政治家はこの問題から目をそむける。
陸自先遣隊 9日に派遣命令 16日にも出発 同行の外務省職員、サマワで住民雇用策 (毎日 1月7日 朝刊) [要約]政府は陸自先遣隊30人を、9日に派遣命令を出し、16日にも30人をクエェートに出発させ、イラク入りさせることを決定した。先遣隊はテロに備え、オランダ軍の警護を受けながら、サマワに8両の軽装甲機動車を持ち込む。また外務省職員2名が同行し、サマワ周辺での学校や病院の修理などにODAプロジェクトを立ち上げ、04年度に拠出する15億ドル(1650億円)を充てることとした。

[コメント]すでに何度も書いたが、派遣されたサマワの自衛隊が宿営地から出て、学校や病院などの修理を行うことはできない。そこで地元の企業を使って、そのような工事にイラク復興支援金を使うわけである。これで地元の雇用拡大や復興支援が可能になり、自衛隊に対しても好意を感じるようにしてもらう作戦だ。いかにも外務省が考えそうな作戦だが、ここにひとつの危険な要素があることも指摘しておく。
 外務省の職員が公共施設の工事を依頼するのは地元の有力企業である。すると地元企業はその利益を独り占めにして、多くの市民に雇用が生まれない場合が多い。すると仕事が得られない市民が反発し、その怒りが自衛隊に向かうことが多多あるのだ。サマワのオランダ軍も同じような体験をしている。オランダ軍が発注した仕事が市長など一部のものに集中し、それにあぶれたサマワ市民が暴徒化している。
 日本から大金を抱えた政府職員がサマワに来るというのは、地元では歓喜をあげるほどのビッグニュースとして伝わるだろう。ところが私の経験で言えば、日本の政府職員はサマワのようなところでお金の使い方をまったく知らない。ただ地元企業と契約書を取り交わし、札束を配るだけの仕事しかしない。まさにお金のばらまきなのである。むしろお金は麻薬のように、その害の方が深刻な場合がある。
 この計画の最大の欠点は、サマワの復興支援に地元の事情に通じた日本や各国のNGOを使わないということである。日本政府は今からでも遅くはないから、サマワでお金をばらまくといった発想を変え、NGOを通じて地元の雇用と復興支援に役立つお金の使い方を考えるべきである。私は今まで、外務省の発想がいかに無駄だったか、いくつもの実例を現地で見てきた。陸自の先遣隊に外務省職員が2名同行すると聞いて、嫌な予感がしたことを知っていただきたい。
リビア大量破壊兵器 北朝鮮・イランも開発支援(産経 1月6日 朝刊) [要約]大量破壊兵器開発を破棄したリビアに、北朝鮮のミサイル技術者などが多数滞在し、弾道ミサイルの開発援助を行っていたことが明らかになった。02年7月には北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長がリビアを訪問し、ミサイル開発で関係強化への大きな動きがあった。またイラクも01年後半からリビアと弾道ミサイルの開発や製造で、100項目以上の技術協力を行っていた。これで北朝鮮、イラン、リビアという開発資金供給を含むトライアングルが存在していたことが判明した。北朝鮮はリビアを失ったことで、中東へのミサイル輸出などで得る外貨収入に打撃を受けた。

[コメント]北朝鮮は主要な外貨獲得のために、ミサイル技術を提供し、さらにミサイル製造まで請け負い、技術者の養成まで行っていた。そのことは北朝鮮国内ではあまりに米韓の監視が厳しく、地域の軍事バランスを崩す危険があったからだ。あくまで現地で生産するという方法をとった。しかしそのことが裏目にでたようだ。アメリカの攻撃性に驚いたカダフィ大佐がさっさと逃げ出してしました。これで北朝鮮のミサイル技術の詳細が判明することになる。私はテポドンの発射実験(98年)の失敗から、北朝鮮のミサイル技術は高くないという分析している。日本のロケット技術と比較すれば、大学院生と小学生程度の差があるだろう。日本政府はその脅威を利用し、情報衛星やMD(ミサイル・デフェンス)までリアクションを拡充させた。もし北朝鮮のミサイル技術があまりにも低級であるとわかっても、情報衛星やMD計画が打ち切られることはない。日本とは小回りのきかない国になっている。そのことが日本で不況が長引く主要な要因でもあるのだ。
日本の守り 最前線 「海上の目」さらに鋭く(読売 12月5日 朝刊)  [要約]海自はP3C哨戒機の色を灰色一色に変え、日の丸も半分の大きさにした。目立たないようにするためだ。そのきっかけは1999年3月の北朝鮮工作船事件だった。このとき逃走する工作船に対し、P3Cは警告のために前方450メートルの海上に、150キロ爆弾4発を投下するように命令を受けた。しかしP3cがそのまま近寄れば、工作船の対空ミサイルの射程に入ってしまう。そこで2機のP3Cは工作船のレーダーに一機と映るように編隊をとった。そして近づいたときに、その1機が無灯火で降下して、4個の爆弾を投下した。もう一機は航法灯をつけたまま囮(おとり)となって飛行した。このときの教訓から、P3Cの機体は白地に黒の機体から目立たない灰色一色に変更された。

[コメント]米ソ冷戦終了後に、海上自衛隊のP3Cが北朝鮮の不審船対策に投入されていたことはすでに書いた。P3Cは活動を停止しているロシア極東艦隊の潜水艦から、北朝鮮や中国艦船の監視に重点が移っている。同時に海自の潜水艦もそのような任務で活動していることを知っておく必要がある。日本の潜水艦の場合、その行動は隠密性を高く保っている。私が潜水艦の新たな活動に気がついたのは、6〜7年前に、約半分の艦長の職種が「情報」ということに気がついたからである。潜水艦の艦長が「情報職種」だというのは異常である。そこで北朝鮮近海で電波傍受をやっていると気がついた。すると間もなく、土佐沖の海上で北朝鮮の工作船と日本の暴力団が、麻薬の取り引きを行なっていた事実がわかった。一体その現場を誰が見ていたのかと気になった。それが海自のP3Cだったのである。はるか上空から、P3Cとわからせないように、不審船の監視活動を行っていたのだ。
 今回の読売の特集では、中国の潜水艦が太平洋を目指して活動を強化していることも書いてある。面白い。新年企画で朝日も「自衛隊50年 しられさる変容」をやっている。どちらもいろいろな秘話を書いている。そろそろ自衛隊も多くを語りはじめたようだ。沈黙は金の時代は終わった。
北朝鮮 米核専門家受け入れ 6日から寧辺の施設視察(毎日 1月3日 朝刊) [要約]アメリカのUSAトゥデー紙は1日の電子版で、米国の核専門家が6日から北朝鮮の寧辺地区を視察すると報じた。翌2日、米政府もこれを事実を認めた。これによって02年末のIAEAの査察官が追放されて初めて外国人の視察になる。視察にはアメリカで核兵器開発を担当する専門家以外に、北朝鮮と交渉経験のある国務省職員も含まれている可能性がある。北朝鮮が視察を受け入れた背景としてUSAトゥデー紙は、@核兵器保有を見せて、6カ国協議の交渉力を強める。A査察の受け入れの可能性を示し、緊張を緩和する、の2点があると分析している。

[コメント]昨日(2日)午後3時半から6時までのラジオ生放送中に、このニュースがスタジオに飛び込んできた。4行ほどのニュース原稿だったが、読んで背中がぞくぞくとするほど緊張した。私はスタジオで、「やった。ついに北朝鮮が折れた」と叫んだ。私はUSAトゥデーが分析した@はないと考える。イラクのフセインが追放され、リビアが屈したこの時に、わざわざ北朝鮮が核兵器保有を認めることは自殺行為である。むしろ中国がかなり強引に北朝鮮に圧力をかけ、核開発をネタにした脅迫外交(瀬戸際外交)を止めるように警告したのではないか。もはや北朝鮮の脅迫外交がアメリカに効くわけがなく、むしろ事態悪化を招くだけと教えたのだろう。北朝鮮が核開発放棄を約束する一歩だと思う。しかしこの間、中国の脅し方は強烈だったと思う。金正日の存在自体を否定する可能性を示唆したのではないか。
 これによって何が変化し、新たに何が起るのか。それは金正日の独裁者としての威厳が失われたのである。国民にとって独裁者は神にも代わる存在で、国民に強い忠誠心と恐怖心を与える存在である。しかしそのような絶対的な独裁者に、さらにその上に米国や中国が君臨していることを認めたことになる。これで金正日は急速に独裁者としてのカリスマ性が通用しなくなる。金日成主席が死亡して10年がたった。よく持ったものである。もっと早く独裁政権が崩壊していれば、多くの国民は餓死や凍死することもなかったのに。まあ、そこまで言うのは早すぎるが、私は今も北朝鮮は核兵器を持っていないと考えている。
米「北の核」に期限 3月末までに放棄迫る 強行方針 PSI発動視野 海上警備、日本に要請(産経 1月1日 朝刊) [要約]米政府は北朝鮮に対し、3月末までに「核開発断念宣言」などを行わない場合、PSI(大量破壊兵器拡散防止機構)の全面発動、国連安保理での付託など、より強行的な方針をとることを決めた。ただし武力行使には至らないという。日本に対しては海上保安庁などが北朝鮮近海で取締りを行うことを期待している。また米国のこの方針に従って国連安保理で根回ししているが、露、中国は反対の姿勢を鮮明にしている。次回の六カ国協議は1月中の開催も目どがたっていない。

[コメント]北朝鮮の核問題は中国の6カ国協議開催でゲタをあずけた形になっていた。しかしその6カ国協議が北朝鮮の抵抗で動かない。それに厳しき対応するのが中国なのに、中国の対応がなかなか効果的に動かない。その米国のイライラが3月期限で表われたようだ。だからこの方針が示す圧力先は北朝鮮ではなく中国である。米国は中国がもたもたしていると国連安保理の制裁もやるぞという意味である。もし北朝鮮にPSIの全面発動となれば、中国の面子は丸つぶれである。昨年末、リビアが大量破壊兵器の全面放棄を行った。つぎは北朝鮮でブッシュ大統領は今年の大統領選挙を有利に展開したいのだろう。この3月期限宣言で北朝鮮問題は嫌でも動き出す。今年も忙しい年になりそうである。 
自衛隊、外交官警護も 海外派遣恒久法案 武器使用拡大 政府05年提出(毎日 1月1日 朝刊) [要約]政府は05年の通常国会に、多国籍軍支援などを可能とする自衛隊の「恒久法」を提出することを決めた。この恒久法では政府職員やNGOなど、自衛隊から離れた場所での「駆けつけ警護」も可能にする。このため現在の武器使用を正当防衛から、任務遂行目的の武器使用に拡大する必要がある。また05年に自衛隊法を改正して、在外公館の警備を自衛隊が行うように検討する。在外公館の警備は恒久法の論議と区別して行われる。恒久法の骨格は、多国籍軍などの支援は後方支援にとどめるが、PKO法の参加5原則を緩和し、国連決議がなくても関係国の要請で派遣可能とする。

[コメント]もう日本という国では「専守防衛」という言葉は存在しない。後方支援なら米国の要請でどこの戦場にも自衛隊を派遣するようになるからだ。陸自は海自と違って、米軍の支援だけを目的とする組織にはならないと思っていたが、その誇りも打ち破られてしまうのだろうか。在外公館の自衛隊警備は当然だと思うが、米軍の要請ですべての後方支援に使われるとは、日本も落ちぶれたものである。日本人の誇りはどこにいった。しかしこれがそのまま来年の通常国会で可決されるとは思わない。今年は参議院選挙もある。まさに日本の国防方針が問われる年となった。
謹賀新年 2004年1月1日 [コメント]明けましておめでとうございます。いよいよ2004年が始まりました。今年は日本という歴史の中で大転換期だと思います。まさに平成維新です。これを乗り切る覚悟と準備は整えています。日本という国に誇りと自信が持てる国に変えましょう。
今年はいろいろありました。皆さん、いいお年を!(12月31日) [コメント]3月、4月のイラク戦争、その後の自衛隊イラク派遣と、今年はいろいろありました。なんだかいっぱい更新したように感じています。また皆さんからもメールをいっぱい頂きました。激励やお叱り、アドバイスや参考情報など、本当にお世話になりました。
 今年は春に100万アクセス、年末に200万アクセスを突破しました。このホームページが縁で、いろいろな方と知り合う機会も多くなりました。ありがとうございました。
 来年もがんばります。とにかく最高の情報と知識を提供できるようにがんばります。皆さん、来年もよろしくお願いします。それでは良いお年を!
イラン地震 自衛隊きょう派遣 C-130機2機 テントなど輸送(読売 12月30日 朝刊) [要約]政府はイラン南部で起きた大地震に復旧支援のため、国際緊急援助隊派遣法に基き、空自隊員30名とC-130輸送機2機を派遣することを決めた。同機はシンガポールでJICA(国際協力機構)が常時備蓄しているテントなどを積み、被災地近くにあるケルマン空港に1月1日に到着する予定。また緊急援助隊医療チームの第2陣の18人が29日に現地に向け出発した。

[コメント]今回の地震は想像を絶する被害を与えているようだ。この大災害で感動したのは、イランの保守派と闘っているハタミ大統領が、「この地震は我々の救援能力を越えている。国際的な支援をお願いしたい」と声明をいち早く発表したことである。この声明によって米国などの人道支援が可能になった。どうであれ異教徒を排斥したいイランの保守派は地団駄踏んで悔しがっているだろう。日本でもこのような空自の緊急支援に、なにかホッとする気持ちになれる。それだけイラクへの自衛隊派遣に複雑な思いがあるからではないか。はやり日本はこのような人道支援に限定して国際貢献を果たすべきで、米国の戦争に自衛隊が加担することではないと思った。  政府は高速の国際緊急支援船を作り、数週間でペルシャ湾に到着できる能力を持ってはどうだろう。数百人の医療チームが活動できる病院船として、また、大量の物資を運ぶことができる高速貨物船として、CH-47大型輸送ヘリや輸送トッラクを搭載して貨物の輸送を行う母船として建造するのだ。そんな初夢を見るのも悪くない。とりあえずは、北朝鮮の崩壊に備えた緊急救助船の用意である。
C-17米軍機被弾 空自 ミサイル回避、通じず? 先遣隊、調査へ(毎日 12月27日 朝刊) [要約]今月9日、バグダッド空港で米軍のC-17輸送機のエンジンが爆発し緊急着陸したのは、対空ミサイルに被弾した可能性が高いことが米軍から防衛庁への情報でわかった。空自のC-130輸送機は米軍のC-17機と同じミサイル回避方法をとっているので、改めて先遣隊が現地で安全を調査することにした。その調査ポイントは、対空ミサイルの射程、空港警備の状況、フレアの有効性である。

[コメント]9日のC-17機被弾後に、空港周辺の警備がどの程度強化されたのだろうか。まあこれは、多数の兵士を空港警備に投入することで、空港の安全を回復させることができるだろう。問題はゲリラが使う対空ミサイルに、IRフレアの妨害を回避できる装置が内蔵されているかである。もしこれが内蔵されていれば、ミサイルはエンジンの排気熱とフレアの熱を区別することができる。フレアに迷うことなく、ミサイルを飛行機に誘導できる。ミサイルの熱源探知が精密なのである。もし先遣隊でそれが確認できたら、1月下旬予定の空自本隊派遣は難しくなる。それを確認できたのに本隊を派遣すれば、防衛庁の責任が厳しく問われることになる。野生のオオカミの群れに、子羊を放つようなものだ。
パキスタン 大統領車列に自爆テロ 14人死亡 ムシャラフ大統領は無事(読売 12月26日 朝刊) [要約]パキスタンの首都イスラマバード近郊で、ムシャラフ大統領が乗った車列に自爆テロがあった。このテロで周囲にいた市民など14人が死亡し、64人が負傷した。大統領を狙った暗殺未遂テロは、今月14日に、この現場から300メートル離れた橋で爆弾テロが起きたばかりだ。これで大統領を狙ったテロは3度目となった。ムシャラフ大統領は同時多発テロ以降、従来のタリバン支援を転換し、アルカイダなど500人を逮捕して米国との同盟関係を強化した。これでアルカイダはムシャラフ政権を敵視し、同大統領の追放を叫んでいる。またカシミールで活動を続けているイスラム過激派からも敵視されている。パキスタン国民にも大統領の親米路線に対する反発も強い。ムシャラフ大統領は国中に敵だらけという状態に置かれている。

[コメント]パキスタンでムシャラフ大統領が暗殺されると、パキスタンは米国との関係を転換する可能性が高い。親米路線ではイラクでイスラム教徒と闘う米軍側になるからだ。そのような宗教的な意味から、パキスタンは親米でいられないのだ。そうなると最も困るはアフガンのカイザル大統領である。ムシャラフ大統領が死んで、再びアフガンのタリバンが動き出せば、その標的はアメリカの傀儡(かいらい)となるカイザル大統領が狙われる。再びアメリカはアフガンでのゲリラ戦争に引き込まれることになる。
 アメリカのネオコンの予定では、数年後には地中海のレバノンからシリアを通り、イラクやイランを抜け、アフガンからパキスタンに出てインド洋に至る地域が、親米の旗でうまる予定であった。アレキサンダー大王が夢に見た大征服戦略の再現である。それがイラクの占領政策でつまずいた。さらにパキスタンに赤信号が点滅をはじめた。アフガンは黄色の信号が着きっぱなしである。ネオコンの連中にそのことを聞いてみたい。
本日 アクセス数が200万を突破しました。(12月25日) [コメント]当ホームページのアクセス数が200万件を突破しました。99年11月に、このホームページを開設し、それから約4年間が過ぎました。最初の半年間は、一日のアクセス数が30件未満という日が続きました。それがいつしか、一日で5千件を越す人が人が訪れるようになりました。
 ちなみに100万件を突破したのは今年の3月14日です。150万件を突破したのは7月17日でした。そして200万件を超えたのが、5ヵ月後の12月25日だったのです。おそらく真面目な個人のホームページでこれほどアクセス数を数えるものはないと思います。まさにインターネット時代を象徴する出来事と思います。
 明日(26日)はTBSラジオで、夜10時から「アクセス」に出演します。テーマは「ミサイルデフェンス MD」です。興味のある方は聞いてください。
 皆さん、本当にアクセスありがとう。これからもがんばります。
  これより以前のデータ―は下記のFilesにあります
※これ以前のデータは J-rcom Files にあります。



時事問題について自分のコメントを書こうとしても、どうしてもニュースソースに頼らざるを得ない。したがって情報収集というのはあまり偏ってはならない。

自己世界の確立を根底にしていくこと、情報の取捨選択によって絶えずこまかい軌道修正をすること、情報収集の基本的な立場としてはっきりしておくことに心がける。


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