http://www.an.wakwak.com/~fujita
E-mail fujita@an.wakwak.com

TOPブログ(2005年以降の内容は全てこちら!)

ウェークリー八方台

 (このコーナーは藤田よしおをはじめプラスワンのメンバーが日々の出来事や感想をエッセイ風にまとめたものを毎週、テーマを変えて連載します。)

  「アピールこそ美徳」 (2003-1-13)  
 

 先ほどのニュースで、昨年ノーベル賞を取った田中耕一さんが自分の講演の中で、「日本人は他人に対し、もっと自分の考えをアピールすべきだ。」と言っていた。これも今、マスコミでしきりにもてはやされている田中さん流の名言集のひとつなのだろうが、私はこれを聞いてハッとした。
 と言うのも昨年秋に小説家の半藤利一さんの講演でも同じような事を言っていたからだ。新潟県人を指して「(前略)思っていることを言わない。 他人まかせ。ETC, (中略) 縄張り争いが強い。政治で社会は変わらないと思っている。昨年、小泉さんの一言で米百俵が全国的に脚光を浴びたが、「長岡市長がやったことは小泉さんに対するお礼参りだけで、自分から何かやろうという意志が見られない。長岡には歴史はあっても、文化が無い。歴史はどこの町にだってある。自分をアピールする宣伝と企画力が無い」。(02年11月15日付け 「プラスワン見聞録「殻を破れない新潟県人」より)
 また、つい最近も昨年暮の1期生議員の懇談会で聞いたゲストの日経新聞のK記者の話もそうだった。「長岡の人は自己主張が下手で自分をアピールをしないのは何故なんでしょう。転勤で全国各地を見てきたが、他の所では記者として何年かその土地で仕事をして大体3年目くらいになると、こちらからネタ探しをしなくても取材しきれない程の情報が、あちらから来る。長岡にはそれが無い。」と言う。
 日本人には古くから「謙譲の美徳」というのがある。また「沈黙は金なり。」というのもある。おしゃべりな奴は男の風上にも置けないなどと言うムキもあるようだ。確かに聞きたくもない自慢話を聞かされる時ほど辛いことはない。他人のことは言えないが、やたらと口数だけが多いというのも決してアピールとは言えない。
 しかし最近のニュースなどを見ていても、国際間の外交交渉で日本代表の自己主張の下手さ加減が目を引く。国際交渉の場では自己主張をすること意外に相手に理解される手段はない。黙っていることは何も考えていないと同じ事なのだ。 
アピールとは醸成された言葉を的確に使いこなし、自己表現できる技術を言うのだろう。
 恥をさらすようだが言論の場である議会などでも、たくさんの意見を言う議員に対して「目立ちたがり屋」と決めつけられることも多い。私に言わせれば意見を言わない議員の方がおかしいし、何の為に議員になったのかと腹立たしく思うことさえある。考えは百人百様で良い。その考えをひとつにまとめるのは議論しか無い。
 単なるおしゃべりで出しゃばりというのは良くないが、自らの考えを深め、それを他人に伝える努力は議員にとっても次代を担う子供達にとっても大切なテーマと言える。
 長岡がひとつの殻を破り、新たな街づくりをすすめる前提で、アピールは大切な手段だ。
 この数ヶ月という短い間に、この「アピール」という言葉に何回も出会うと言うことは、もしかしたら私にとって、そして長岡にとって今年の大切なキーワードのひとつになるのかも知れない。 
 新年にあたり、決して多弁ではなく、精錬された言葉をうまく使いながら自己表現できる人間になりたいものだとあらためて感じている。

(03年1月8日  ふう)

 
 

□今までの「ウィークリー八方台」へ

「障害者が自立できる街に」 (2002-12-19)

「君と歩けば Part2」 (2002-11-16)

「アイデンティティーとコミットメント」 (2002-10-26)

「お彼岸」 (2002-10-01)

「動物愛護って、何?!」 (2002-09-24)

「失業と過労」 (2002-09-04)

「僕が魚になった日」 (2002-09-01)

「学校週5日制と家庭・学校・地域」 (2002-08-24)

「仕事唄」 (2002-08-14)

「平和の森コンサート」 (2002-07-30)

「手作りスポット」 (2002-07-16)

「草」 (2002-07-14)

「「君と歩けば」  Part T 日本一の盲導犬」 (2002-07-09)

「キックオフ!!」 (2002-06-30)

 

△前のページへ戻る