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ウェークリー八方台

 (このコーナーは藤田よしおをはじめプラスワンのメンバーが日々の出来事や感想をエッセイ風にまとめたものを毎週、テーマを変えて連載します。)

 「平和の森コンサート」 (2002-07-30) 
 

 わが故郷、長岡にもようやく暑い夏が訪れた。長く重い冬をくぐりぬけた雪国の人間にとっては、心も体も開放される季節でもある。
 しかしとにかく長岡の夏は蒸し暑い。じっとしていてもジトーッと汗がふき出してくる。
 かつてまだ日本が貧しく、空調などというものが考えられなかった時代、涼を採るうってつけの場所として信濃川の河畔があったに違いない。
 長岡の花火はいまや日本一の花火として、8月2〜3日の両日で80万人近くの観客を呼ぶまでになったが、元はと言えば長岡空襲の際の復興祈願祭がそのはじまり。最初は長岡の芸妓さん達が打ち上げたのが最初と言われるが、いずれにしても、ここまで盛大に、かつ時代を超えて続いているのは、あの不幸な戦争を二度と繰り返すまいという平和への願いとともに、長岡の蒸し暑さとも深い関わりがあったと、私は思っている。
 ところで、この長岡まつりの協賛事業のひとつとして、毎年長岡まつりの前夜、7月31日の夜、市内本町3丁目にある平和の森公園で開かれる「平和の森コンサート」についてふれてみたい。
 今年で8回目を迎え、毎年、1000人近い観客を呼んで、すっかり市民権を得た感がすると言えば、手前味噌になるが、この運動こそ、私にとっては市民運動の原点であり、今日の私の活動コンセプトでもある。
 もとはと言えば平成7年、長岡空襲50周年の節目に際し、これをただ素通りするのではなく、活動を通じて平和への思いを新たにするものにしたいという強い思いが私の中にあり、仲間と始めた運動がきっかけ。これが「平和の森を作る会」の運動であった。
 その後、「平和の森を作る会」は、募金活動を通じ、その設立目標であった平和の森公園建設という、当初の目的を達成し、同年暮れに解散したが本コンサートはその志を受け継ぎ、今年も盛大に行われる予定である。
 今年はチェリストの片野大輔と、シンガーソングライターで在日韓国人のプークワンガンの両氏を迎え、例年どおり黄昏の公園で行われる。市内中心部を流れる柿川の辺に作られた野外ステージで、冷たいビール片手にしばし美しい音楽に酔いながら平和への祈りを新たにしてみたらどうだろうか。入場は無料。
 次に今年の平和の森コンサートのパンフレットに掲載される私のあいさつ文を引用する。
 多くの皆様のご来場をお待ちしている。

平和の森の木々たちに寄せて
平和の森ネットワーク代表  藤田芳雄

 去る6月23日、梅雨の合間をみて私達は平和の森後援に集まりました。この日は6年前の平成8年、平和の森公園が完成し、その際、「記憶の森」として寄付によって集められたお金で、市民植樹をした記念の日でもあります。
 この日、目が見えない私は、頼んで1本1本のきに触らせてもらいました。「森」の木とまではいかないまでも、その逞しく、立派に成長した姿に思わず息をのみました。
 当事、まだ人の腰くらいの背丈しかなかったウラジロガシやコナラ、アカガシなど、82種、420本の木々たちはスクスクと成長し6年後の今日、私達を見下ろし、その懐に私達を抱くまでになりました。
 長岡空襲50周年に、1460余命の犠牲者に対する鎮魂と、21世紀の限りない平和を祈って植えられた木々たちはやがて大きな森となって世界に平和のメッセージを発信していってくれるに違いありません。
 私達はこれからもしっかりと木々たちを見守り、そして木々たちは私達をこれからも優しく包み込んでくれることでしょう。

(2002-07-30)

 
 

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「手作りスポット」 (2002-07-16)

「草」 (2002-07-14)

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