発話どおりの表記〔1〕 母語の影響 | ||||||||||
Home 表紙 |
P 1 音韻 |
P 2 表記(母語) |
P 3 表記(方言) |
P 4 表記(状況) |
P 5 逆綴り |
P 6 呪文語幹 |
P 7 野卑配慮 |
P 8 語法1 |
P 9 語法2 |
P 10 欠落 |
๏ ブルガリア魔法省大臣
๏ クラム
๏ マダム・マキシーム
๏ フラー |
オブランスク ( オバロンスク ) ( ブルガリア魔法省の大臣 ) | ||
He looked around; it was the Bulgarian Minister for Magic. ‘You can speak English!’ said Fudge, sounding outraged. ‘And you've been letting me mime everything all day!’ ‘Vell, it vos very funny,’ said the Bulgarian Minister, shrugging. ( 第4巻 『炎のゴブレット』 p104 ) 「まあ、ヴぁれヴぁれは、勇敢に戦った」 ハリーの背後で沈んだ声がした。振り返ると、声の主はブルガリア魔法大臣だった。 「ちゃんと話せるんじゃないですか!」 ファッジの声が怒っていた。 「それなのに、一日中わたしにパントマイムをやらせて!」 「いやぁ、ヴぉんとにおもしろかったです」 ブルガリア魔法大臣は肩をすくめた。 |
ビクトール・クラム ( ブルガリア、ダームストラング校の生徒、三大魔法学校対抗試合の代表選手 ) | ||
telling Hermione. ‘Ve have just four floors, and the fires are lit only for magical purposes. But ve have grounds larger even than these − though in vinter, ve have very little daylight, so ve are not enjoying them. But in summer ve are flying every day, over the lakes and the mountains −’ ( 第4巻 『炎のゴブレット』 p363〜 ) 「ええ、ヴぉくたちのところにも城があります。こんなに大きくはないし、こんなに居心地よくないです、 と思います」 クラムはハーマイオニーに話していた。 「ヴぉくたちのところは四階建てです。そして、魔法を使う目的だけに火を熾します。しかし、ヴぉく たちのところはヴぉとんど日光がないので、ヴぉくたちは楽しんでいないです。しかし、夏には、ヴぉく たちは毎日飛んでいます。湖や山の上を――」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‘Vare is Herm-own-ninny?’ said a voice. Krum had just arrived at their table clutching two Butterbeers. 「ハーム - オウン - ニニーはどこ?」 声がした。 クラムがバタービールを二つつかんでハリーたちのテーブルに現れたところだった。 Harry had the feeling that Bagman was going to start offering to help him again, but just then, Krum tapped Harry on the shoulder. ‘Could I haff a vord?’ ‘Yeah, all right,’ said Harry, slightly surprised. ‘Vill you valk vith me?’ ( 第4巻 『炎のゴブレット』 p479 〜 ) バグマンがハリーに、助けてやろうとまた申し出るような気がした。しかし、ちょうどそのとき、 クラムがハリーの肩を叩いた。 「ちょっと話したいんだけど?」 「ああ、いいよ」 ハリーはちょっと驚いた。 「君と一緒に少し歩いてもいいか?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‘I vant to know,’ he said, glowering, ‘vot there is between you and Hermy-own-ninny.’ 「知りたいのだ」 クラムが睨んだ。 「君とハーミー - オウン - ニニーの間にヴぁ、なにかあるのか」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ It was as though the eighteen-year-old Krum thought he, Harry, was an equal − a real rival − ‘You haff never ... you haff not ...’ ‘No,’ said Harry, very firmly. Krum looked slightly happier. He stared at Harry for a few seconds, then said, ‘You fly very well. I vos votching at the first task.’ まるで、十八歳のクラムが、僕を同等に扱っているようじゃないか――ほんとうのライバルのように――。 「君たちヴぁ一度も・・・・・・これまで一度も・・・・・・」 「一度もない」 ハリーはきっぱり答えた。 クラムは少し気が晴れたような顔をした。ハリーをじーっと見つめ、それからこう言った。 「君ヴぁ飛ぶのがうまいな。第一の課題のとき、ヴぉく、見ていたよ」 They were all laughing so much that none of them noticed the latecomer, a dark-haired young man with a large, curved nose and thick black eyebrows, until he held out his invitation to Ron and said, with his eyes on Hermione, ‘You look vunderful.’ ‘Viktor!’ she shrieked, and dropped her small beaded bag, which made a loud thump quite disproportionate to its size. ( 第7巻 『死の秘宝』 p124〜 ) あまり笑いすぎて、遅れて到着した客がロンに招待状を差し出すまで、誰も気がつかなかった。 黒い髪に大きな曲がった鼻、眉の濃い青年だ。青年はハーマイオニーを見ながら言った。 「君はすヴァらしい」 「ビクトール!」 ハーマイオニーが金切り声を上げて、小さなビーズのバッグを落とした。バッグは、小さいくせに 不釣り合いに大きな音を立てた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Krum's jaw muscles worked as if he were chewing, then he said. ‘Grindelvald killed many people, my grandfather, for instance. Of course, he vos never poverful in this country, they said he feared Dumbledore − and rightly, seeing how he vos finished. But this −’ He pointed a finger at Xenophilius. ‘This is his symbol, I recognised it at vunce: Grindelvald carved it into a vall at Darmstrang ven he vos a pupil there. Some idiots copied it on to their books and clothes, thinking to shock, make themselves impressive − until those of us who had lost family members to Grindelvald taught them better.’ 顎の筋肉を、何かを噛んでいるように動かしたあと、クラムはこう言った。 「グリンデルヴァルドはたくさんの人を殺した。ヴぉくの祖父もだ。もちろん、あいつはこの国では 一度も力を振るわなかった。ダンブルドアを恐れているからだと言われてきた――そのとおりだ。 あいつがどんなふうに滅びたかを見れヴぁわかる。しかし、あれは――」 クラムはゼノフィリウスを 指差した。「あれは、グリンデルヴァルドの印だ。ヴぉくはすぐわかった。グリンデルヴァルドは生徒 だったときに、ダームストラング校のかヴぇにあの印を彫った。ヴァかなやつらが、驚かすためとか、 自分を偉く見せたくて、本や服にあの印をコピーした。ヴぉくらのように、グリンデルヴァルドのせい で家族を失った者たちが、そういう連中を懲らしめるまでは、それが続いた」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‘I am not mistaken,’ said Krum coldly. ‘I valked past that sign for several years, I know it vell.’ 「間違いない」 クラムは冷たく言った。「ヴぉくは、何年もあの印のそヴぁを通り過ぎてきたんだ。 ヴぉくにはわかる」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‘Vy is she doing that?’ asked Krum. 「なぜ、あんなことをしている?」 クラムが聞いた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‘Vot about him?’ asked Krum suspicously. ‘He's a wandmaker!’ ‘I know that,’ said Krum. ‘He made your wand! That's why I thought − Quidditch ...’ Krum was looking more and more suspicous. ‘How do you know Gregorovitch made my vand!’ ‘I ... I read it somewhere, I think,’ said Harry. ‘In a − a fan magazine,’ he improvised wildly and Krum looked mollified. ‘I had not realised I ever discussed my vand vith fans,’ he said. ‘So ... er ... where is Gregorovitch these days?’ Krum looked puzzled. ‘He retired several years ago. I vos one of the last to purchase a Gregorovitch vand. They are the best − although I know, of course, that you Britons set much store by Ollivander.’ 「グレゴロヴィッチがどうかしたか?」 クラムが訝しげに聞いた。 「杖作りだ!」 「そんなことは知っている」 クラムが言った。 「グレゴロヴィッチが、君の杖を作った! だから僕は連想したんだ――クィディッチって・・・・・・」 クラムは、ますます訝しげな顔をした。 「グレゴロヴィッチがヴぉくの杖を作ったと、どうして知っている?」 「僕・・・・・・僕、どこかで読んだ、と思う」 ハリーが言った。「ファン――ファンの雑誌で」 ハリーは とっさにでっち上げたが、クラムは納得したようだった。 「ファンと、杖のことで話したことがあるとは、ヴぉくは気がつかなかった」 「それで・・・・・・あの・・・・・・グレゴロヴィッチは、最近、どこにいるの?」 クラムは怪訝な顔をした。 「何年か前に引退した。ヴぉくは、グレゴロヴィッチの最後の杖を買った一人だ。最高の杖だ―― もちろんヴぉくは、君たちイギリス人がオリヴァンダーを信頼していることを知っている」 |
マダム・マキシーム ( フランス、ボーバトン校の校長 ) | ||
doubted whether any Care of Magical Creatures teacher at Hogwarts could be up to the job. ‘Zey are very strong ...’ ‘I assure you that Hagrid will be well up to the job,’ said Dumbledore, smiling. ‘Very well,’ said Madame Maxime, bowing slightly, ‘will you please inform zis 'Agrid zat ze 'orses drink only single-malt whisky?’ ( 第4巻 『炎のゴブレット』 p215 ) 「わたーしのウーマたちのせわは――あー―ちからいりまーす」 マダム・マクシームはホグワーツの「魔法生物飼育学」の先生にそんな仕事ができるかどうか疑って いるような顔だった。 「ウーマたちは、とてもつよーいです・・・・・・」 「ハグリッドなら大丈夫。やり遂げましょう。わしが請け合いますぞ」 ダンブルドアが微笑んだ。 「それはどーも」 マダム・マクシームは軽く頭を下げた。 「どうぞ、そのアグリッドに、ウーマはシングルモルト・ウィスキーしかのまなーいと、おつたえ くーださいますか?」 But Madame Maxime had suddenly got to her feet. ‘It is chilly,’ she said − but whatever the weather was doing, it was nowhere near as cold as her voice. ‘I think I will go in now.’ ‘Eh?’ said Hagrid blankly. ‘No, don' go! I've − I've never met another one before!’ ‘Anuzzer what, precisely?’ said Madame Maxime, her tone icy. Harry could have told Hagrid it was best not to answer; he stood there in the shadows, gritting his teeth, hoping against hope he wouldn't − but it was no good. ‘Another half-giant, o' course!' said Hagrid. ‘’Ow dare you!’ shrieked Madame Maxime. Her voice exploded through the peaceful night air like a foghorn; behind him, Harry heard Fleur and Roger fall out of their rose bush. ‘I 'ave nevair been more insulted in my life! 'Alf-giant? Moi? I 'ave − I 'ave big bones!’ ( 第4巻 『炎のゴブレット』 p372 ) しかし、マダム・マキシームは突然立ち上がった。 「冷えるわ」 と言った――しかし、天気がどうであれ、マダム・マキシームの声ほど冷たくはなかった。 「わたくし、もう、中にあいります」 「は?」 ハグリッドが放心したように言った。 「いや、行かねえでくれ! 俺は――これまで俺と同類の人に会ったことがねえ!」 「同類のいったいなんだと言いたいのでーすか?」 マダム・マキシームは氷のような声だ。 ハリーはハグリッドに答えないほうがいいと伝えたかった。無理な願いだとわかっても、言わないで、 と心で叫びながら、ハリーは暗がりに突っ立ったままだった――願いはやはり通じなかった。 「同類の半巨人だ。そうだとも!」 ハグリッドが言った。 「おお、なんということを!」 マダム・マキシームが叫んだ。穏やかな夜の空気を破り、その声は霧笛のように響き渡った。ハリーは 背後で、フラーとロジャーがバラの茂みから飛び上がる音を聞いた。 「こーんなに侮辱されたことは、あじめてでーす! あん巨人! わたくしが? わたくしは――わた くしはおねが太いだけでーす!」 |
フラー・デラクール ( フランス、ボーバトン校の生徒、三大魔法学校対抗試合の代表選手 ) | ||
( 第4巻 『炎のゴブレット』 p270 ) 「ヴィーラの髪の毛でーす」 フラーが言った。「わたーしのおばーさまのものでーす」 ‘Zis is nothing,’ she said dismissively, looking around at the sparkling walls of the Great Hall. ‘At ze Palace of Beauxbatons, we 'ave ice sculptures all around ze Dining Chamber at Chreestmas. Zey do not melt, of course ... zey are like 'uge statues of diamond, glittering around ze place. And ze food is seemply superb. And we 'ave choirs of wood-nymphs, 'oo serenade us as we eat. We 'ave none of zis ugly armour in ze 'alls, and eef a poltergeist ever entaired into Beauxbatons, 'e would be expelled like zat.’ She slapped her hand onto the table impatiently. ( 第4巻 『炎のゴブレット』 p364 ) 「こんなの、なーんでもありませーん」 大広間の輝く壁をぐるりと見回し、軽蔑したようにフラーが言った。 「ボーバトンの宮殿では、クリースマスに、お食事のあいーだ、周りには、グルーリと氷の彫刻が 立ちまーす。もちろーん、彫刻は、融けませーん・・・・・・まるでおーきなダイヤモンドの彫刻のようで、 ピーカピカ輝いて、あたりを照らしていまーす。そして、お食事は、とーてもすばらしいでーす。 そして、森のニンフの聖歌隊がいて、お食事の間、歌を奏でまーす。こんな、見苦しーい鎧など、 わたーしたちの廊下にはありませーん。もしーも、ポルターガイストがボーバトンに紛れ込むような ことがあーれば、追い出されまーす。コムサ(こんなふうに)!」 フラーは我慢ならないというふうに、テーブルをぴしゃりと叩いた。 ‘You thought I would not weesh to marry him? Or per'aps, you 'oped?’ said Fleur, her nostrils flaring. ‘What do I care how 'e looks? I am good-looking enough for both of us, I theenk! All these scars show is zat my husband is brave! And I shall do zat!’ she added fiercely, pushing Mrs Weasley aside and snatching the ointment from her. ( 第6巻 『謎のプリンス』 p581 ) 「わたしが、このいとと結婚したくなーいだろうと思ったのでーすか? それとも、もしかして、 そうなっておしいと思いまーしたか?」 フラーは鼻の穴を膨らませた。 「このいとがどんな顔でも、わたしが気にしまーすか? わたしだけで十分ふーたりぶん美しいと 思いまーす! 傷跡は、わたしのアズバンドが勇敢だという印でーす! それに、それはわたしが やりまーす!」 フラーは激しい口調でそう言うなり、軟膏を奪ってウィーズリー夫人を押しのけた。 ‘'Arry, Grip'ook would like to speak to you. 'E eez in ze smallest bedroom, 'e says 'e does not want to be over'eard.’ ( 第7巻 『死の秘宝』 p408〜 ) 「アリー、グリップウックが、あなたにあなしたいって。いちばん小さい寝室にいまーすね。誰にも 盗み聞きされたくない、と言っていまーす」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ‘So, au revoir, Mr Ollivander,’ said Fleur, kissing him on both cheeks. ‘And I wonder whezzer you could oblige me by delivering a package to Bill's Auntie Muriel? I never returned 'er tiara.’ 「それじゃ、オールヴォア、オリバンダーさん」 フラーはオリバンダーの両頬にキスした。 「それから、もしできれば、ビルの大おばさんのミュリエールに、包みを届けてくださればうれしい のでーすが? あのひとに、ティアラを返すことができなかったのでーす」 |