01 25(木) 橋本裕という人 |
No | 内容 | 接続 |
01 | Hashimoto's HP | 解説「ギリシャ彫刻と仏像」あり |
02 | 橋本裕の日記 | 月間の日記(過去の日記はジャンプ) |
03 | 橋本裕の独り言 | 興味ある独り言 |
04 | 私の主張 | 朝日、毎日、岐阜新聞への投稿 |
05 | 何でも研究室 | 現在1〜67項目 |
06 | 人生論ノート | 1〜10編に編集してある |
07 | 橋本裕のProfile | 一筆紹介 |
08 | 橋本裕詩歌集 | 詩集、句集、歌集、豊かな内容 |
09 | 文学World | 1〜14まで小説、15は執筆中 |
10 | 映画100選 | 100選の目次あり、解説もある |
11 | 過去の日記/表紙 | 1982〜1985:1999/8〜現在にいたる |
12 | 橋本家の面々 | 写真による簡単な紹介 |
13 | 橋本裕自伝 | 自伝四部作、詳しい |
14 | リンクコレクション | 膨大な数のリンクあり、別掲する |
15 | 便利リンク集 | 便利なリンク、別掲する |
01 30(火) 福寿草が咲いた |
02 01(木) 柿の木の剪定が終了 |
02 07(火) 速聴・速読の効用 |
02 10(土) 人に伝わる文章の書き方(その一) |
▼文章の基本 01 言葉の統一 02 !と?の使い方 03 二重表現に注意 04 主語を忘れずに 05 文章のルール 06 「てにをは」の使い方 07 語尾の使い分け 08 同じ音を重ねない 09 「の」の連続をさける 10 あいまいな文章 11 無駄な語尾を削る 12 カッコの使い方 13 (笑)や顔文字の使用 14 「……」を多用しない |
▼わかりやすい文章の書き方 01 5W1H 02 文章を短くする 03 「が」を捨てる 04 専門用語は使わない 05 結論を先に書く 06 数字を入れる 07 改行を活用しよう 08 強調・色付けしよう |
▼ワンランク上の文章技術 01 体言止めの使用 02 比喩を使おう 03 親しみやすい文章 04 ユーモアを入れよう ▼推敲しよう 01 推敲とは? 02 推敲の方法 03 究極の推敲法 |
▼文章上達に役立つ本の紹介 01プロ編集者による文章上達秘伝スクール 02図解でよくわかる 上手な文章の書き方が身につく法 03ウケるブログ―Webで文章を“読ませる”ための100のコツ 04名文を書かない文章講座 ○その他 管理人の紹介 メールフォーム リンク集 |
■@ 言葉の統一 <まとまった文章の中で、 同じ意味の言葉を使う場合、言葉の統一をしましょう。> 単語を複数の漢字やひらがなで表現したり、 漢数字と算用数字を混用したり、 人や物などを、いろいろな表現で呼ぶことを避けるのです。 ●例1 × あの店のうどんは美味かった。ついでに、ソバも旨かった。 × あの店のうどんな美味かった。ついでに、ソバもうまかった。 ○ あの店のうどんは美味かった。ついでに、ソバも美味かった。 この文章では『うまかった』という言葉が統一されておらず、 チグハグな印象を与えます。 最初に『美味かった』という漢字表現を使ったら、 その後に続く『うまい』も『美味い』に統一しましょう。 ●例2 × 3時に駅前で彼女と待ち合わせしていたのだが、到着したのは四時だった。 ○ 3時に駅前で彼女と待ち合わせしていたのだが、到着したのは4時だった。 漢数字と算用数字を混在させると、統一性がなくなります。 数字を使う場合も、漢数字と算用数字、どちかに表記を合わせましょう。 ●例3 妹は、まだあの店にいるようだ。すぐに加奈子を呼び戻さなくてはならない。 この文章の中で、実は、妹と加奈子は同一人物です。 このことは説明されていなくては、まず、わからないですよね(汗)。 筆者にとっては、自分の妹が加奈子であることはわかりきったことですが、 読者にとってはそうではありません。 これだと、妹とは別に加奈子という女性がいるように誤解されてしまいますよね。 ●改善例 加奈子は、まだあの店にいるようだ。すぐに加奈子を呼び戻さなくてはならない。 このように妹を加奈子に直せば、意味がしっかりと通じるようになります。 『妹=加奈子』ということが、事前に読者に伝わっていれば別ですが、 そうでないなら、人物に対する呼び方は、統一するようにしましょう。 夢中になって文章を作っていると、 こういう失敗を犯すことがたびたびあるので、見直す時は注意が必要ですね。 ■A !と?の使い方 言葉を強調したい時には「!」(エクスクラメーションマーク)、 疑問を提示したい時には「?」(クエスチョンマーク)が使えます。 これらの記号は、会話調の文章に活用されます。 「これから、遊びにいこう!」 「これから、遊べるかい?」 などという風に使用されますね。 気軽に使える記号なのですが、こられにも正しい使い方というのがあります。 例えば、メールや掲示板などの文章に、 「はじめまして!!!!」 「何のこと?????」 など、たくさんの「!」や「?」を重ねて使う人がいます。 数が多いほど、驚きや疑問の感情が良く伝わると思われてるのかもしれませんが、 読み手からすると、これは鬱陶しいだけです。 <無意味な上に、文章が安っぽく見えてしまうので、 「!」や「?」は語尾に1つだけ付けるようにしましょう。> また、「!」や「?」の後には、一マス空けるというルールがあります。 ●例 × 「早く駅前に来てくれ!間に合わなくなる」 ○ 「早く駅前に来てくれ! 間に合わなくなる」 これも慌てて文章を作っていると、 つい見落としてしまううことなので気を付けましょうね。 ■B 二重表現に注意 二重表現とはセンテンスに新しい意味を追加せず、 元の意味を繰り返している語句です。 「上に上がる」「下に下がる」「普段の平熱」「馬から落馬」 などといった文章が二重表現に当たります。 「上がる」というのは、上に行くことに決まっているので、 「上に上がる」という言い方はしません。 落馬とは馬から落ちるコトを言うので、「馬から落馬」という言い方はしません。 <二重表現は意味のない文なので、使ってはいけないのです。> 文章を書く際、知らず知らずに使ってしまう危険が高いのがこの二重表現です。 プロの作家やライターでも、ついうっかり使ってしまって校正で修正されることが、 しばしばあるようですね。 以下、二重表現と、修正例をいくつか上げます。 × 例えば、冬山の登山などが一例です。 ○ 例えば冬の登山などです。 × 一緒に協力する。 ○ 協力する。 × まず、第1に。 ○ 第1に。 × 補足説明を追加する。 ○ 補足説明する。 × はっきりと、明記する。 ○ 明記する。 × 最終結論。 ○ 結論。 一見、どこが重複? と思えるモノもありませんでしたか? 文章を書き上げた際は、二重表現になっていないか良く注意して見直しましょう。 ■C 主語を忘れずに 日常会話では、 主語を抜かして話しても意思疎通が取れる場合が多いです。 <でも、他人の向けた文章に主語が入っていないと、 意味が正しく伝わりません。> ●例1 × 掃除機が壊れたという連絡を受けた。 ○ 夫から掃除機が壊れたという連絡を受けた。 ×印の例文では、誰から連絡を受けたのかサッパリわかりません。 ●例2 × これから会ってくれるように頼んだ。 ○ これから会ってくれるように、彼女に頼んだ。 ×印の例文では、誰に会ってくれるように頼んだのか、わかりません。 このような文章では読み手を混乱させ、あらぬ誤解を与えてしまう危険性があります。 主語は忘れないように注意しましょう。 ■D 文章のルール 文章には守らなければいけないルールがあります。 ネット上の文章ではほとんど守られていませんが、 実務文などでは最低限の文章作法を守っていないと失笑されますので要注意です。 段落の字下げ 段落(改行から改行までの一文)の文頭は、一文字空白を入れて書き始めましょう。 ●間違った例 少年は難なく見切り、紙一重の間を置いて避ける。 吹き過ぎていく烈風に顔を歪めながらも、薄い笑みは張り付いたままだった。 ●正しい例 少年は難なく見切り、紙一重の間を置いて避ける。 吹き過ぎていく烈風に顔を歪めながらも、薄い笑みは張り付いたままだった。 三点リーダーとダッシュ 三点リーダ(…)とダッシュ(―)は二文字分を使って書きましょう。 1文字文だけではダメです。 ●間違った例 「まったく、やってられないぜ…」 炎上する残骸―オレの愛車を見ながら呟いた。 ●正しい例 「まったく、やってられないぜ……」 炎上する残骸――オレの愛車を見ながら呟いた。 閉じカッコ直前に句読点を置かない カッコが閉じられる前に句読点を置いてはいけません。 ●間違った例 「それなら、しかたないか。」(後で、また来よう。) ●正しい例 「それなら、しかたないか」(後で、また来よう) 句読点や!、?、音引き(ー)が行頭来ないようにする これらの記号を行頭に持ってきてはいけません。 ●間違った例 「いやー、さすがに感心しました。さすがは菊池さんですね」 「すばらしいアイディアですね! さっそく採用させていただきます」 「朝はパンを食べる主義でね。モーニングセットで頼む」 ●正しい例 「いやー、さすがに感心しました。さすがは菊池さんですね」 「すばらしいアイディアですね! さっそく採用させていただきます」 「朝はパンを食べる主義でね。モーニングセットで頼む」 ■E 「てにをは」の使い方 「てにをは」とは、助詞の古い呼び名です。 昔、漢文を読む際、漢字の周囲に点を打ち、その位置で読み方を示す方法があり、 左下から順に四隅をテニヲハとあてたことに由来します。 元来は、助詞だけでなく、助動詞、接尾語など、補助的な働きをするものの総称でした。 明治の辞書・言海は語法指南(文法解説)のページに品詞名として掲げ、 本文で「行きて見る」「馬に乗る」「花を見る」「風は吹く」と例を挙げています。 <ええ、要するに、「は」「を」「が」「も」「に」など、語句と他の語句との関係を 示したり、陳述に一定の意味を加えたりする文字が、「てにをは」と呼ばれます。> 「てにをは」の使い方を誤ると、文章のつじつまが合わなくなるので要注意です。 ●間違った例 彼は帰ってきたら、教えてください。 ●正しい例 彼が帰ってきたら、教えてください。 間違った例の文章は明らかにおかしいですよね(笑)。 この「てにをは」の中で、特に使い分けが難しいのが「が」と「は」です。 「が」は好きなこと、能力、希望などに使います。また「は」より古い情報に使います。 「は」は、新しい情報に使います。 「が」より主語を目立たせることができ、比較したり区別したりする場合に使います。 ●例 私は本を読むことが好きです。 私は本を読むことは好きです。 上の例文を比較してみましょう。 「本を読むことは好きです」と書いた場合、 複数ある好きなモノの1つとして好きだというニュアンスになります。 「が」を使った場合の方が、好きだという感情が強く伝わります。 ●例2 私は一冊の本を10分で速読することができます。 私は一冊の本を10分で本を速読することはできます。 「は」を使った場合、速読することはできるが、他の何かができない。 あるいは、本を10分で速読する以上のことはできないような印象を与えます。 「が」を使った文章に比べて、自信が無いような感じになります。 ●例3 彼が会社にやってきた。 彼は会社にやってきた。 「は」を使った場合は、彼がたったいま会社にやってきたような意味になります。 一方、「が」を使った場合は、彼が会社にやってきたのは、 少し前のような意味になります。 ■F 語尾の使い分け 文章には、語尾を「〜だ」「〜である」で締めくくる「だ・である」調の文章と、 語尾を「〜です」「〜ます」で締めくくる「です・ます」調の文章があります。 どちらの語尾を使うかによって、文章の雰囲気が大きく変わります。 使い分けのポイントは、 1・誰に読んでもらうのか? 2・自分をどう見せたいのか? の2つです。 <「だ・である」調の文章は、断定的で威圧感のある文章です。> 自分を権威づけたいとき、生徒や目下の人などに使う場合には有効です。 ただし、有り体に言って「偉そう」な印象を与えるので、 基本的に使わない方が無難です。 <一方「です・ます」調の文章は、ていねいでソフトな印象を与えます。> Webサイトなどの大勢に向けて書かれた文章では、 「です・ます」調を使った方が余計な反感を持たれないのでオススメです。 難しい内容の文章に使うと敷居が下がるので、敬遠されにくくなります。 ただし、親しい友人のメールなどに使うと、 距離を置いているように見られるので注意が必要です。 ●「だ・である」調の文章例 人と話をする場合は、こちらの伝えたいことを理解してもらうために、 それなりに気を使って話さねばならない。 物事を順序立てて、相手にわかるように言葉を選んで話すのだ。 会話のうまい人は、興味を持って話を聞いてもらうために、 緩急を付けたり、ジョークを交えたりするのである。 ●「です・ます」調の文章例 人と話をする場合は、こちらの伝えたいことを理解してもらうために、 それなりに気を使って話さねばなりません。 物事を順序立てて、相手にわかるように言葉を選んで話すのです。 会話のうまい人は、興味を持って話を聞いてもらうために、 緩急を付けたり、ジョークを交えたりします。 いかがでしょうか? 「だ・である」調の場合は、先生が生徒に教えているような威圧的な感じがします。 自信があるように見えるので、目下の相手を説得するのに有効です。 一方、「です・ます」調の文章は、口調が軟らかいため、受け入れられやすいです。 不特定多数の人に読んでもらう文章は、「です・ます」調の方が適しています。 ■G 同じ音を重ねない 字面では問題が無くても、読むとなんだか引っかかるという文章があります。 その原因の1つが、同じ音を重ねているコトです。 ●例 「学校に行ってから、言うよ」 この文章に違和感を感じませんか? <「行って」「言う」という同じ音を重ねていると、引っかかりを覚えます。 もし、同じ音が重なりそうになったら、別の言葉に書き換えてみましょう。> ●改善例 「学校に行ってから、話すよ」 「学校に着いてから、言うよ」 「学校に到着してから、話すよ」 同じ音が重なりを見つけるためには音読するのが一番です。 声に出して読んでみて、違和感を感じる部分を探してみましょう。 ●良くある音の重なりと言い換え例 × 高山さんの私用の車を使用したい。 ○ 高山さんの車を使用したい。 × まだ試用期間中の新薬を使用する。 ○ まだ試用期間中の新薬を服用する。 × 文章の中で、近くで同音を繰り返すのはやめましょう。 ○ 文章を書くときは、近くで同音を繰り返すのはやめましょう。 ■H 『の』の連続をさける ●例 私の姉の好きな本のタイトルは『罪と罰』だ。 上の文章では『の』が3連続で続いてしまっています。 こういった文章は、稚拙でわかりづらい印象を読む人に与えます。 『の』は2つまでならたいした力を発揮しませんが、 これが3体そろって合体したとき、悪文という恐るべき魔物へと変貌します。 見直してこういった表現を見つけたら、かならず息の根を止めてください。 では、この例文を直してみるとしましょう。 ●改善例1 姉の好きな本のタイトルは『罪と罰』だ。 ●改善例2 姉の好きな本は『罪と罰』だ。 はい、これだけでOKです。 <書かなくても自明の理である表現は削ってしまって問題ありません。> いらない修飾語は消して、なるべく『の』連続をひかえるようにしましょう。 ■I あいまいな文章に気を付ける <日本語は構造的にあいまいな言葉です。> 詩や小説などの芸術文を書く際は、 このあいまいさが情緒感を出すために一役買ってくれることもあります。 しかし、意図しないあいまいさは、 読者を混乱させてしまう要因になるので要注意です。 ●例 スポーツマンの兄は警察官。 この例文の意味をすんなり理解できるでしょか? おそらく、作者の意図を誤解してしまう人が大勢出てくると思います。 この文章は、2通りの意味に解釈できるのです。 1・兄は警察官で、スポーツマンである。 2・スポーツマンの弟、もしくは妹の兄は警察官である。 どちらの意味が正しいかは、この文章からでは判断できません。 文章を直してきちんと説明する必要があります。 ●例2 詩織ちゃんが、妹さんを連れて遊びにきました。 彼女は得意のピアノ演奏を聞かせてくれました。 この文章では、「彼女」という代名詞が指す相手が、 詩織ちゃんなのか、彼女の妹なのかあいまいです。 どちらの女性がピアノ演奏を聞かせてくれたのかわかりません。 ●改善例 詩織ちゃんが、妹さんを連れて遊びにきました。 妹さんは、得意のピアノ演奏を聞かせてくれました。 このように代名詞を使わずに書けば意味がしっかり通ります。 ●例3 斎藤くんは、水無月さんのようにうまく文章が書けない。 この例文も2通りの解釈ができるあいまいな文章です。 1・斎藤くんは、水無月さんと同様で、うまく文章が書けない。 2・斎藤くんは、水無月さんほど、うまく文章が書けない。 このように否定文は、別の意味に取られることがあるので要注意です。 この他にも例えば、「全員が反対です」を「全員が賛成していません」と書くと、 「全員が賛成しているわけではありません」という部分否定で取る人もいます。 <日本語はあいまいな言葉であるということを念頭に置いて文章を書きましょう。> そうでないと、知らず知らずに意味不明な文書を作って、 読者に混乱を与えてしまいます。 ■J 無意味な語尾を削る 文章の語尾には、たいした意味のない言葉を使ってしまいがちです。 <だらだらと文章を長くすると締まりがなく、読みにくくなるので、 そのような語尾は削るようにしましょう。> 以下、だらだら語尾と、その改善例をあげます。 ●例 × 小説を投稿することが可能である。 ○ 小説を投稿することができる。 × すぐに出発すれば間に合わないということもない。 ○ すぐに出発すれば間に合う。 × 教育問題は我々の努力によって、解決せねばならないと考える今日この頃である。 ○ 教育問題は我々の努力によって、解決せねばならない。 × この新兵器を使えば、要塞攻略はたやすいと言っていいだろう。 ○ この新兵器を使えば、要塞攻略はたやすい。 一般的にだらだら語尾は見苦しいので削るのが正解です。 ただし小説などの芸術文の場合は、 余韻を持たせるためや、キャラクターの性格描写ために、 わざと語尾を長くすることもあります。 例えば、堅い性格のキャラクターの主観である地の文やセリフでは、 「21時までに到着することができる」 より、 「21時までに到着することが可能である」 とした方が、そのキャラクターらしい個性が演出できます。 小説を書く場合は状況によって、 語尾を削るか長くするか考えて使い分けるようにしましょう。 ■K カッコの使い方 カッコ( )「」『』の基本的な使い方を紹介します。 カッコの使い方は、いろいろありますので、1つの基準としてとらえてください。 まず、会話文には「 」を使います。 これは、誰でも知っていることですよね。 <単語や文章を強調し、際立たせたい場合も「」で語句を括ります。 ただし、それが書籍の場合は『』を使います。> ●例 『プロ編集者による文章上達秘伝スクール』という本によると、 文章上達の秘訣は、「読む」ことと「書く」ことをバランス良くこなすことだそうだ。 <『』は、この他にも会話の中の引用会話に使います。 また、「」でくくった文章の中で「」を使いたい時も、『』を使用します。> ●例 「私の上司がいくつも口癖として言っているのが、『終わりよければすべて良し』です」 自分の本心を語るときや、 語句に注釈を加えたいときは( )を使うのが良いです。 ※をつけて、まったく別の場所で補足説明されると、探すのが大変なので、 直後に( )による注釈があった方が親切です。 ●例 速読術を修得すれば、 情報収集の効率が何倍にも高まります(マスターするのは大変だけど……)。 ●例2 CDーRW(ユーザが任意のデータを何度でも書き込んだり消去したりできるCD) ただし、( )の中が長すぎると、何のための( )なのかわからなくなってしまいます。 ( )の中が長くなったら、カッコを取り外して、通常の文に直した方が良いです。 (笑)や(涙)(爆)などの記号を使うと、硬い文章を柔らかく見せることができます。 ただし、これらの記号は使いすぎると軽薄な文章になるので、ほどほどにしましょう。 また、( )を連続で使いすぎると、うるさく感じられるので注意しましょう。 ●悪い例 彼女とのデートの待ち合わせ時間は10時(間に合わないと大変だな)。 まず、映画を見て(今人気のアクション映画)、 それから食事(ちょっと値の張るフランス料理店を予約している)だね。 初デートだから、うまくいくか緊張しちゃうな(笑)。 ■L (笑)や顔文字の使用 インターネット上のテキストでは、書き手の感情を表すために、 (笑)、(汗)、(爆)や顔文字などの記号を使ったモノが溢れています。 かくいう私も、文章をおもしろくするための手段として、 これらの記号を使っています。 文字にしにくい感情を、視覚的に表現するための便利な記号ですよね。 <しかし、仕事などの実務文で、 (笑)や顔文字といった記号を使うのは危険です!> 例えば、仕事を受注した側が、依頼者に対して ご依頼、承りました(*^▽^*) 期日までに完成できるよう、全力を尽くさせていただきます(笑)。 それでは商品ができしだい、また改めてご連絡いたしますm(_ _)m などというメールを送ったら、依頼者は「大丈夫なの?」と不安になるでしょう。 <(笑)や顔文字は、「軽い」のです。> 友人相手や趣味の場では、友好を示すための良き手段となりますが、 仕事の場では、「馴れ馴れしい」「ふざけているのか?」 という悪い印象を与えかねません。 <小説の文章に、(笑)、(汗)、(爆)や顔文字などの記号を使うのも御法度です。> 登場人物の感情を表現するのなら、 これらの記号に頼るのではなく、キチンとあなたの言葉で描写してください。 ●例 × そりゃあ失敗するわけだよな(笑)。 ○ そりゃあ失敗するわけだよな。俺は笑いを噛み殺すのに必死だった。 × 「実はさ、彼氏にふられちゃったんだ(涙)」 ○ 「実はさ、彼氏にふられちゃったんだ」 気丈を装っていたが、私の声はわずかに震えていた。 × あの娘、かわいいなぁ、 (*´Д`)ハァハァ。 ○ あの娘、かわいいなぁ。 ボンヤリと彼女を見つめる俺の脳内で、バラ色の妄想が花咲く。 <小説の登場人物の感情、心の機微は、 (笑)や顔文字などの安直な記号では決して表現できません。> これらの記号を使った時点で、登場人物の感情を描くことを放棄したと思われ、 読者は確実に去っていきます。 M■ 「……」を多用しない 文章に余韻や含みを持たせるため、 語尾に「……」という記号、三点リーダーを使うコトがあります。 これを使うことは悪くないのですが、 <多用すると鬱陶しい上、テンポが悪くなり、 作者が自分の文章に自己陶酔しているように見えてしまいます。> 小説の文章を例に挙げてみましょう。 ●悪い例 俺は彼女のことを、ボンヤリと見つめていた…… 胸元に大きなリボンの付いた赤いケープに、白いスカート…… すらりと伸びた足は、タイトな黒いニーソックスで覆われている…… 腰まで届く長い亜麻色の髪は、丹念にキューティクルケアされて輝き、白いリボンのアクセントに添えられていた…… 人目を惹く強烈な美しさはないが、野原を飛び回る蝶にも似た可憐さがある…… ●改善例 俺は彼女のことを、ボンヤリと見つめていた…… 胸元に大きなリボンの付いた赤いケープに、白いスカート。すらりと伸びた足は、タイトな黒いニーソックスで覆われている。 腰まで届く長い亜麻色の髪は、丹念にキューティクルケアされて輝き、白いリボンのアクセントに添えられていた。 人目を惹く強烈な美しさはないが、野原を飛び回る蝶にも似た可憐さがある。 「……」は、文章に余韻や含みを持たせたい、 ここぞという場面で使うようにしてください。 多用すると逆効果となり、文章が読みづらくなります。 |