野の花・山の花に魅せられて・・・♪

小さな小さなプロフィール集


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“人に歴史があるように花にも歴史がある”と言われていますが、花を知り花を育て花を愛で、 ガーデニングのその先で、心安らぐ世界に出逢いました!
ふと目にとまった野の花・山の花のプロフィールを、少しずつまとめて見る事にします・・・♪

野の花・山の花に魅せられて・・・♪、、、2ページを見る

《ア》アレチマツヨイグサ写真はアレチマツヨイグサです。 和名=マツヨイグサ属  花期:5〜8月

 「富士には月見草がよく似合う」と『富嶽百景』に書いた太宰治。「待てど暮らせど来ぬ人を宵待草のやるせなさ・・・・」の歌で、「待宵草」と書くところを 「宵待草」と書き間違ってしまった竹久夢二。この2人のおかげで、マツヨイグサの仲間は月見草とか宵待草の 名の方がなじみ深いものになってしまったようです。太宰治の「月見草」は、オオマツヨイグサではないかといわれています。 ツキミソウの和名をもつものは別種類。花弁と花弁との間にすきまのあるものを、アレチマツヨイグサと呼んでるようです。 (2002.9.7)
     イ ソ ギ ク 和名=磯菊  別名=イワギク、アワギク  キク科  花期:10〜11月

頭花は周りを取巻く舌状花がなく筒状花だけなので、まるで花占いでむしり取られてしまったようにも見え、なんとも愛らしいです。 葉の裏と縁には、白い毛が密生しているため縁取りがあるように見えます。 寒さにも強く丈夫なため、菊人形の着物に使われたり、ロックガーデンなどにも利用されています。 関東地方の南部から静岡県御前崎にかけての、海岸の岩場にしがみ付く様に群生する多年草です。
磯に生えるキクなので、磯菊! 白色や黄色の舌状花を持つものは、ハナイソギクと呼ばれています。
    オ ト ギ リ ソ ウ 和名=弟切草  オトギリソウ科/オトギリソウ属 花期:7〜8月

“昔々、兄の鷹匠が鷹の傷の妙薬として密にこの草を用いていたのを弟の知る所となり、 その秘密を恋人の頼みでよその村の者に漏らしてしまいました。怒り心頭した兄は弟をパッサリと斬ってしまったとさ。”

その時の弟の血の飛沫が、オトギリソウの葉や萼の黒点になったとも、、、また西洋では、悪魔がこの草の神通力を妬み、針で穴をあけたあとが 黒点になったという伝説もあります。それほどにこの草の薬効が著しく、切り傷や打撲の薬として用いられたようです。 日当たりのよい草原に生える多年草。高さは30〜60cm。葉や萼に小さな黒い斑点(油点)が多数あり、直径1.5〜2cmの1日花です。
     オ ト コ エ シ写真はオミナエシです。 和名=男郎花  オミナエシ科  花期:8〜10月

“秋の草未だ咲かねば山寺の
   庭にさぶしきをとこへしの花” (島○赤彦)

昔は白飯を男飯、粟飯を女飯と呼んでいたそうです。 オミナエシに比べ、茎は太く葉も大きく、全体に毛が多く花は白色です。 山野の草地や林のなかなどに多い多年草で、根元から長いランナーを出し、新苗をつくります。果実のふちにはまるい翼があり、 風に乗って飛ばされます。 (2002.1.29)
    オ ミ ナ エ シ写真はオミナエシです。 和名=女郎花  別名=あわばな、おみなめし  オミナエシ科 

“秋の草未だ咲かずと山寺の
   林に入れば女郎花のはな” (島○赤彦)

秋の七草のひとつ。山野草らしい野趣と素朴さを持ち、万葉の昔から日本人の心を捉えて放さない花でした。 黄色の小花は粟粒を思わせ、昔粟飯は女性の食べ物だったため、女飯(おんなめし)が転じておみなえしに なったとか、語源も諸説あるようです。 山地の日当たりのよい草地に生え、60〜100cmと丈が高く、8〜10月頃に集まって咲く花の上部が、平に なるのが特徴です。 (2002.1.26)
《カ》   カ タ ク リ 写真はカタクリです。 和名=片栗  別名=かたかご、かたこ  ユリ科  花期:4月

“もののふの八十をとめらがくみ乱ふ
   寺井の上のかたかごの花”  大伴家持

紅紫の花の形を傾いた籠と見たようです。地中の鱗茎から片栗粉を採ったので「カタコ」の名もあります。
スプリング・エフェメラル(春のはかなきもの)と呼ばれています。
白花もありました!! 詳しくはこちらでご覧下さい♪ (2002.5.1)
    カワラナデシコ写真はカワラナデシコです。 和名=河原撫子  別名=ヤマトナデシコ(大和撫子)
ナデシコ科  花期:7〜10月

 清少納言は「枕草子」の中で、「草の花は撫子」とこの花の魅力を賞賛したそうです。 繊細で洗練されたたたずまいが、いにしえの知的な女性の美観と一致したのでしょうか?、、、 大和撫子という言葉は、中国から入ってきた石竹に対してカワラナデシコを呼んだもので、転じて日本女性のことになったようです。 (2002.9.22)
    キ キ ョ ウ写真はキキョウです。 和名=桔梗  別名=オカトトキ(岡ととき)、むらさきばな
キキョウ科  花期:7〜10月

 漢名の桔梗を音読みしたもので、根を咳止めなど薬用にすることが中国から伝えられ広まったので、 キキョウの名も定着したらしいです。『万葉集』の山上憶良の歌「秋の七草」には朝貌の名で登場しますが、 現代でいうところのヒルガオ科のアサガオは、中国原産でこの時代にはまだ日本に渡来していなかったため、キキョウではないかといわれています。 (2002.9.25) 《寄り道10・秋の七草あれこれ》 
   キクザキイチゲ写真はキクザキイチゲです。 和名=菊咲一華  別名=キクザキイチリンソウ
キンポウゲ科イチリンソウ属  花期:3〜5月

花が菊に似ることからその名があるようです。
アズマイチゲと似ていますが、東一華には花柄に毛がなく(例外もある)、茎の葉はあまり切れ込まずだらりと垂れています。
花の色は白と青紫があり、日がささないと開きません。
(2003.4.1 夢工房で撮影4/1)
   キチジョウソウ 和名=吉祥草 別名=かんのんそう ユリ科/キチジョウソウ属

中国では、吉事の前ぶれとして咲く花、との言い伝えがあるそうです。常緑の多年草で、細長い葉が幾重にも 生い茂り地面をおおいます。このため和風庭園の下草、グランドカバーに利用されています。 花期は、9月〜10月。花茎は高さ10〜15cm、淡紅紫色の花が穂になって多数つきます。花びらが 6枚あり、やや肉厚で長さ1cm。
   キツネノカミソリ 和名=狐の剃刀 ヒガンバナ科/ヒガンバナ属 花期:8〜9月

 春に出た葉は、花の咲く頃には枯れてなくなってしまいますが、そのやや白味がかった細長い葉を、狐の使う剃刀と見立てたそうです。花が散った後に葉が出るヒガンバナとは 逆になります。
 林や原野に生育する多年草。高さ30〜50cmの花茎の頂に、長さ5cmほどの花を2〜6個、横向きに咲かせます。 雄しべと雌しべは花びらより短く、オオキツネノカミソリ(大狐の剃刀)は、雄しべと雌しべが長く花の外へ突き出し、葉も幅広いです。 ヒガンバナやナツズイセンは結実しませんが、キツネノカミソリは結実し、果実は刮ハで、直径1.5cmの扁球形、なかは3室に分れています。 有毒植物ですが、よく晒せば良質の澱粉が取れるので、飢餓の時の救荒植物として利用されたそうです。 《寄り道1》 《続寄り道1》
   キ ン ミ ズ ヒ キ写真はキンミズヒキです。 和名=金水引  バラ科  花期:7〜9月

ミズヒキのように花序が細長く、花が黄色なのでこの名があるようですが、まったく違うバラ科の仲間です。 低地のやぶから高原の草地まで幅広く分布しています。雄しべは12個、種子にはかぎ状の毛をもち、動物や衣服によくつきます。 葉は互生し、奇数羽状複数で小葉は5〜7個、葉柄基部は葉状の托葉があります。 ギンミズヒキは、ミズヒキの白花種のことです。ヒメキンミズヒキは、全体に小形で日陰に生え、花も葉も小さく雄しべの数も少ないようです。 (2002.1.12)
     ク     ズ写真はクズです。 和名=葛  マメ科  花期:8〜9月

“大崎の荒磯の渡延ふ葛の行方もなくや恋ひ渡りなむ”万葉集より

 昔、国栖人・くずびと(今の奈良県の一部に住んでいたといわれる)が、葛粉を売り歩いていたことが名前の由来だそうです。 葛切りや葛餅など菓子として、また根は葛根(カッコン)と呼ばれ漢方薬として使われ、織物など古人の生活の多方面に生かされてきた植物です。 (2002.9.21)
    ゲンノショウコ写真は:ゲンノショウコです。 和名=現の証拠 別名=ミコシグサ フウロソウ科 花期:8〜10月

 名前の由来は下痢や腹痛の民間薬として重用され、効き目が新たかなところからついたといわれています。  また種子が熟すと5裂し1個ずつ巻上げ、この形が神輿の屋根に似ている事から、神輿草という別名もあるようです。 東日本には白花、西日本には紅紫色花と咲き分けるかのように分布しているそうですが、これは 東日本では紅紫色花が、西日本では白花が薬草としてよく効くという噂がたち、それぞれ採り尽されたのではないかという説もあるようです。  (2002.9.13)
《サ》     サガギク 和名=嵯峨菊  キク科  花期:7〜11月

嵯峨菊は古典菊の一種で、京都嵯峨地方で育成された中輪菊です。 ほうき仕立てと七五三作りが正式の仕立て方とされており、嵯峨御所といわれる大覚寺では、王朝風の七五三作りの伝統を今に伝えています。 2mの高さの先端に三輪、中程に五輪、下手に七輪、葉は下部を黄色、中程は緑、上の方は淡緑というように仕立て、春夏秋冬をあらわすのだそうです。 《寄り道5》
    シュウカイドウ 和名=秋海棠  別名=瓔珞草 断腸花  シュウカイドウ科 
花期:9〜10月

花が垂れ下がる様は美女が泣き伏す姿に例えられ、俳句では断腸花という名で詠まれるそうです。 江戸時代に中国から伝わり、春に咲くカイドウに似た花色で秋に咲くのが語源とか。また瓔珞草(ようらくそう)の別名は、仏像の 装飾具で、飾り玉を紐に通した瓔珞に例えられたものだと言われています。ベゴニアの仲間で耐寒性があり 雄雌異花で、葉が左右不対称のゆがんだハート型をしています。 花は食用としてサラダやゼリーに、茎葉は薬用として使われます。
    シュウメイギク 和名=秋明菊  別名=貴船菊  キンポウゲ科  花期:9〜11月
中国名=秋牡丹

清楚な美しい花が多数咲き続け、秋の庭に彩りを添えてくれます。この花には花びらがなく、 花びらのように見えるのは萼片で、中心のおしべやめしべを、ピンクや白の大きな萼片が囲んでいます。 京都貴船地方で盛んに栽培されていた事から「貴船菊」という別名があります。 名前や花姿からキク科と思いがちですが、イチリンソウやニリンソウと同じキンポウゲ科で、 同じ仲間のアネモネの一重咲きと雰囲気がよく似ています。和風洋風どちらの庭にもよく似合います。
    ス イ セ ン 別名=日本水仙、雪中花  ヒガンバナ科  花期:12〜4月

“水仙や寒き都のここかしこ” (与謝蕪村)

『昔々、ギリシャの美青年ナルシスは、その美貌から沢山の乙女たちの心を虜にしましたが、決して自分からは 人を愛そうとはしませんでした。復讐の女神は怒り「人を愛せない者は自分を愛すればいい」と呪いをかけてしまったのです。 たちまちナルシスは、水面に映った自分の姿に恋をし、その恋の苦しみでやせ細り、1本の白いスイセンになってしまったとさ・・・。』
 1万数千品種もあり、ラッパズイセン、小杯ズイセン、大杯ズイセン、 日本ズイセンを含む房咲きスイセンなどがあります。 (2002.1.4)
    ス  ス  キ写真はススキです。 和名=薄、芒  別名=オバナ  イネ科  花期:8〜10月

“人皆は萩を秋といふよし我は
   尾花が末(うれ)を秋とは言はむ” 万葉集より

秋の七草の一つとしてオバナ(尾花)の名でも親しまれています。似ている仲間にオギ(荻)がありますが、 果実期の花序の色で識別できます。ススキは金色でオギは銀色。また小穂の基部の毛の長さも、オギは倍以上長くフサフサしているようです。 語源は、すくすく立つ木(草)という説もあるようですが、はっきりしないようです。
《寄り道7・ススキのある風景》 (2002.9.1)
   センニンソウ 和名=仙人草  キンポウゲ科/センニンソウ属 花期:8〜9月

 花が終わると花柱がのび、白くて長い毛が密生します。このそう果の先の花柱を仙人のヒゲに例えたとか、白髪に例えたとか言われています。 茎や葉に皮膚にかぶれを起こす有毒物質を含んでいますが、漢方では薬草になるそうです。
 山地や原野などに生えるつる植物で、葉は5〜7枚の小葉に分れ、小葉は3〜5cmの 楕円形で、葉の柄が曲がりくねって他の木などにからみつきます。

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 庭造りの励みになればと開設したHPでしたが、立ち上げて直ぐに、思いがけない有り難い出会いがありました。 デジカメの便利さ愉しさに嵌ってしまったのです!
そして撮り歩いているうちに、野の花・山の花の美しさに気づき、魅せられてしまいました。
 思いがけない通りで出会った思いがけない愉しみ・・・
調べ感じた事を、少しずつ書き留めて置こうと思いますので、何かお気付きの点や ご感想をお寄せ頂ければ嬉しいです♪

(2001.11.11)