折角の寄り道、ありがとうございます!m(__)m
では早速、皆さんよくご存知の「秋の七草」のあれこれを、調べて見る事にしましょう!
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秋の七草の起源は、1200年あまり前の『万葉集』巻八
「山上憶良詠秋野花二首」と題された歌に記録されています。
“秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花また藤袴 朝顔の花”
これを万葉仮名で表記してみましょう、、、
「芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花」
ではなぜ、末広がりの八種ではなく、七種だったのでしょうか?・・・
・・・中国の七夕祭りの「乞巧奠・きこうでん」に備え、女子が機織や手芸が
巧みになることを請う7月7日と七種を結びつけたと考えられているそうです。
それでは、歌に詠まれている順に調べて見ましょう!、、、
萩の花
萩は「草」ではなく「木」ですよね?、、、
ではなぜ七草の中に入っているのでしょうか?、、、
これには2つの理由があるそうです。一つは古人がハギを木とは思わず草として扱っていたと考えられること。
もう一つは、憶良の原典には「七種の花」と綴られており、七草の花ではないのです。どうやら草だけの春の七草との対比で、
表現も七草となってしまったようです。また万葉仮名でハギを芽と表記するのは、木としては珍しく毎年、株際から芽立つからだそうです。
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尾 花
秋の風物詩ススキは、中秋の名月に飾られますが、ではその添えられたススキはどのように処置されたのでしょうか?、、、
ごみ箱に直行させない風習が今でも残っているそうです。神奈川県の平瀬縫では、ススキは庭に挿したそうです。
秦野市の和田仁ではタバコ乾燥の小屋に挿して、タバコや麦の豊作を祈念したそうです。
花穂が獣の尻尾に似ているところからきている呼び名です。
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葛 花
三小葉の大きな葉で、成育力が旺盛です。エネルギー源は、多数の大きな葉で作られるでんぷん。
根のでんぷんを精製したのが葛粉、古来食糧にされてきました。
蔓は繊維質で強いため、木綿が広がる以前は庶民の衣服の主要な素材の一つだったようです。
花は葡萄のような香りがし、乾かした「葛花・かっか」は二日酔いの民間薬とし、根は「葛根・かっこん」と
呼ばれ、発汗や解熱作用があり、風邪薬として活用されています。
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なでしこの花
“草の花は なでしこ、 唐のはさらなり、
大和のもいとめでたし”
清少納言 『枕草子』より
また一茶は、晩年にようやく授かった子供が次々に夭折し、折れたナデシコにも涙・・・
“なでしこの なぜ折たぞよ おれたぞよ”・・・
古語で「撫づ」は愛撫、撫子は可愛い子の意味で、撫擦草・なでさすりぐさ という
愛しい名前もあるようです。
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女郎花
オミナエシのオミナは女を意味するそうですが、エシは飯で、メシからエシへと変化したようです。
オミナエシの蕾は黄色で、粟粒に似ており、キビも思わせます。アワやキビの飯は、米の飯にくらべて下位の
ものとされており、男尊女卑の時代、米飯の男飯に対してアワ飯は女飯となったのでした。オミナエシには
粟花という方言もあり、同類に白い蕾をもつオトコエシがあることからも判るようです。
オミナエシの名は、女性のように美しい花に由来するとの解釈は間違っているそうです。
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また藤袴
古代中国ではフジバカマを蘭と呼び、乾かした葉がクマリンの香気(桜餅の葉の香り)がする事から、髪を洗い湯につかり、大変好んだそうです。
日本でも衣服にその香りを移し、武士は兜に焚き込めたようです。香草・かおりぐさ の別名もあります。
“主しらぬ 香こそ匂へれ 秋の野に たがぬぎかけし 藤袴ぞも”
素性法師 『古今和歌集』より
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朝貌の花
秋の野に咲く花として渡来植物のアサガオは不適当で、アサガオではなくキキョウであるとの見方が主流のようです。
『万葉集』に登場する秋の七種は、ハギ・141首、ススキ・47首、ナデシコ・26首、クズ・18首、
オミナエシ・14首、アサガオ・5首だそうです。
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秋の夜長、普段何気なく口にしている「秋の七草」の不思議を、ちょっと調べてみました。
最後までお付合い下さいまして、ありがとうございます!m(__)m
また寄り道して下さいね〜♪
(2002.10.1)
※『新・秋の七草』、、、(10/7追記)
昭和10年、東京日々新聞社が当時の名士七人に依頼し制定。
花の制定は1人1花。
葉鶏頭・ハゲイトウ(長谷川時雨)
彼岸花・ヒガンバナ(斎藤茂吉)
赤飯・アカマンマ(高浜虚子)
菊・キク(牧野富太郎)
白粉花・オシロイバナ(与謝野晶子)
秋海棠・シュウカイドウ(永井荷風)
秋桜・コスモス(菊池寛)
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