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[No.30] 見えない糸(サガカノ・にょ注意14 / ミーノス×カノン)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時15分
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見えない糸(サガカノ・にょ注意14 / ミーノス×カノン)
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体が──────── …動かない ────!!


嫌悪と怒りの目を向ける。それしか出来ない。
しかしそんなものが功を奏するはずもなく、目の前の男は目を細めて薄笑いを浮かべながら、茶を入れたカップを卓に置いて座り足を組んでいた。

「折角いらしたというのに何故そんな目を?」

オレに飲ませた貴重な花だかの茶か?
それをゆったりと口に含みながら、糸に拘束されたオレを舐めるように眺めている。

くそ!!

小宇宙が燃えない。
こんな事は初めてだ… 生の属性が反転したと言っていたが────

「無駄ですよ、きれいなひと」

フフ、と含み笑いと共に、紅い目が光る。
茶をソーサーに戻し、すいと立ち上がると、オレの方に近寄ってきた。
逃げられるはずも構えられるはずもなく、かろうじて僅かに顎を引く。

「・・・・っ」

サガは────これを望んでいたのか…?
この男に囚われてしまった事よりも、その事が胸を締め付けた。

サガの姿はもちろん、気配すら感じられない。

オレがココに連れてこられた事を知って、とっとと聖域に帰ってしまったのか…
しかしサガが傍に居る事を知りながら…元に戻る為とはいえこれに────これに身を預けるなど… … …

サガも…それは望んで無い。だから、帰っただろう。
オレが元の身体で帰るのを待つ為に。
そして何事もなかったことにして、変わらずオレを抱くのだろう。

─────くそ!!!

胸に重苦しいものが満ちる。
それを睨み付けたまま歯噛みする頬に指先が触れ、激しい感情がさらに渦巻く。

しかし、何も出来なかった。

「死に囚われた命に小宇宙などあるわけがない…さあ、どうせなら愉しんだらどうです?わたしとの時間を」

奴は相変わらず薄笑いを浮かべたまま、オレの頬をさわさわとさすった。ざわりと…背筋に悪寒が走る。

ふざけるな!

オレは僅かに動かせる首を利用して、その指に喰らいついた!
漆黒の冥衣から伸びる指先に、渾身の力を込めてぎりぎりと歯を食い込ませる。

奴はさすがに、ぐっと息を詰まらせた。

「…っ そんなあなたも悪くないですが… もう少し従順な方が好みですかね」

「ぐあ!!」

不機嫌な声とともに、左腕に激痛が走る─────!

「────────っ…」
「淑女には手酷い事などしたくはないのですが…これでもフェミニストなんですよ?」

ぎりぎり… まだ腕が絞られている…
それを歯を食いしばって耐えた。痛みなど…何でもない。
たとえ八つ裂きにされようとも…!

…そうだ、その方が良い。
賤しい人形と成り下がるぐらいなら、屈服せずなぶり殺しにされた方が余程良い!

サガがオレを理解しないならばそれで良い。
所詮、その程度のものだったのだから。

「フ、その程度ではオレを屈服させる事など出来はしないぞ」

口元に笑みを作って、奴を挑発する。
途端に、次は右足に激痛が走った。

そうだ、殺せ…そのまま怒りにまかせてオレを殺せ!!

しかし、そこで吹き出すように笑ったのは、奴の方だった。

「ふ、フフフフ…」
「…っ 何がおかしい」

「死ぬ、死ぬ気ですか?フフフ…これほど可笑しいことがありますか!?」

指先が顎を取る。可笑しそうな笑みを引っ込め、光る紅い目がすうと細くなりオレの目を捉える。

「良いですよ。このまま殺してあげましょう…
そうすればあなたを永遠にわたしの元に置いておけます。
そうだ…時々ラダマンティスあたりに貸し出しするのも良いですよねぇ?
なかなか良い考えです、フフ、フ…」

「… うう…っ」

そ、そうだった…!畜生…(というかオレのアホ!!)

「わたしとしてはその方が良いですが…どうします?」
「・・・・・・くっ」

首から力が弛んだのを、奴はほくそ笑みながら眺めていた。


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つづくー(汗




[No.29] 死を越えた絆(サガカノ・にょ注意13)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時14分
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死を越えた絆(サガカノ・にょ注意13)
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カノン─────────!


指先が離れた瞬間、カノンは影のように姿を消した。
手の中に白金に輝くリングが残る。

────ふざけるな、こんなもの!

何が…何に激昂したのだろう。
元に戻るということに。

決して離すなと仰ったシオンの言葉の、そして離さないと約束させたカノンの真意を身を以て知った。

「・・・・・・・・・っ!」

異変を察したアイザックが、わたしを見る。

「海龍の魂は…」

問わんとすることに、黙って頷く。

「…では・・・」

と海から上がろうとするアイザックを制し、首を振る。

「否、カノンの肉体の様子も気にかかる。このまま海底へ案内してくれないか」
「・・・わかった」

わたしたちはそのまま、海底神殿でポセイドンに保護されているというカノンのもとへ向かった。

*  *  *  *

「ううっ…」

亡者共を振り払いつつもがくように水中を進み、ようやく岸にたどり着いた。
沼の底のように、体を再び水中に引き込もうとする岸辺に、ようようと重い体を引き上げ、肩で息をする。

ああ、サガ…どうして・・・っ

仰向けに転がったまま、両腕で目を覆う。
知ってたのか?サガ…
オレが元に戻る方法を…あの、約束した日…
それで… あのリングは… そういう意味だったのか?

────忘れたのか。我らは双子座。
死を越えた絆を神に許されし…双子座の双子、だぞ────

死を、越えた…絆・・・・

その意味は、これ、なのだ…


疲れた体。元の身体のように力が出ない。
動く気がせず、暫くそのまま地面に転がっていた。

じゃり、と小石を踏みしだく音にハッと身体を起こすまでは。

*  *  *  *

石の上に身を横たえたカノンは、まるで眠っているようだった。
今までずっと見てきた姿そのままのカノンを見るのは、もう何年も経ってしまったかのように遠く感じる。
当たり前だが息をしている。
ああ、この20日間、ともに過ごしたカノンは…!

掌の中のリングを強く握りしめる。
すぐ傍らに膝をつき、その手を取ると温かかった。

「…カノン」

声に出してその名を呼ぶ。
だが、何の反応も示しはしない。
先程、海中で離れていった姿がそれに重なる。

「─────っ!」

胸が詰まり、その手の甲を額に押し当てた。

必ず─────必ず連れ戻す…!

額から離した手の甲に唇を寄せて、その小指にリングを通す。
この身体では、わたしと同じサイズでなければ薬指には嵌められない。

「…アイザック」

わたしはすっくと立ち上がり、この部屋の外で待つ彼を呼んだ。
アイザックはすぐに姿を現した。

「アイザック… その茶はまだ残っているか?」
「え…」

アイザックはやや驚いた表情を見せた。

「カノンの飲んだという冥界の茶だ。まだあるのならば、わたしに淹れてくれないか」

穏やかな声で。

「な… まさか・・・あなたは!」
「わたしの元から離れた今、わたしはもはやカノンの魂の姿を見る事は難しいだろう」
「し、しかし…」
「魂は最も執着の深い所を目指すというのならば───わたしは必ず、カノンの元へ飛ぶはずだ」
「うう…」

彼は渋っている。無理もない。
そして渋っているという事は、その茶がまだ残っている事を示唆していた。

「頼む」

「…わかった」

相当難色を示していたアイザックだったが、ほかの手だてと加味した結果だろう、遂にそう答えたのだった。

ポセイドンとの交渉の後、茶を淹れたカップを手にカノンの元に戻る。
その傍らに腰を下ろし、その眠ったような顔にかかる前髪を梳いた。

「今、行く…」

その手をとって掌を重ね合わせる。
そして、その茶を口に含んだ───────




[No.28] (サガカノ・にょ注意12)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時13分
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(サガカノ・にょ注意12)
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「海界ではこの20日間、カノンの魂を探していたのだが、海底には見つからず…」
「それでこちらに来たというわけか」
「ポセイドン様の仰るには、死の国に囚われたものには現世がよく見えなくなり、冥界に落ちていないのならば、よく知る場所に留まり続けるのが普通だという事でしたが」

『サガ、どうした?』

その言葉にはっと気が付いて振り返ると、カノンは何事かと目を見開いたまま、転びそうになって走っていた。
その目は明らかに、見知った聖域の道をかけている様子ではなく、周囲に対する不安げな色が伺える。
わたしは黙ったままカノンの腕を強く引き寄せると、片腕でカノンを体ごと抱え込んだ。

「大丈夫だ、離しはしない」

カノンに語りかける。
アイザックの目には不可解な動きに見えただろう。やや首を傾げた。
目の前に海辺が見えてきた。

「カノンの魂はここにある」
「…そうですか」

アイザックは短くそれだけ答えると、ざぶ、と先に海に入った。
カノンを抱えたままそれに続く。

* * * *


『どこへいくのだ!』

サガに体を抱えられたまま、わけもわからず連れられて行く。
行く手に水が見え、オレはサガに向かって叫んだ。

あれは…冥界のアケローン河ではないか?!

ざぶ、とサガが河に飛び込む。途端に亡者たちが群がって、オレ達を川底へ引きずり込もうとする。

『サガ!』

とりついてくる亡者達を振り払いながら、どういうつもりだと叫んだ。

「カノン、元に戻れるかもしれない…否、戻らなければならない」

水の中を進みながらサガが然として答えた。

元に…?!

―――――――戻りたいのならば一つだけ…このままわたしに身を預けることです――――――――

瞬時に、ミーノスの言葉が耳に蘇る。
このアケローン河の先にあるのは…あの、あれの取り仕切っている館のはず…

まさか、サガ…?そんな!

『サガ、お、オレは別に戻らなくたっていい…っ』

オレはサガの腕の中でもがいた。
あんなのの人形にされるくらいなら!

でもそれでもサガは…?!

暴れるオレをしっかりと押さえ込みながら、サガはなおも言った。

「お前は元の体に戻らねばならんのだ!」

『っ…嫌だ!サガ、放せ…っ』

あいつの玩具にされる位ならばこのまま―――――――!
オレの気持ちがわからないか?

「駄目だカノン、決して放すものか!」

『嫌だ嫌だっ…こんちくしょう―――――!!』

オレは渾身の力を込めて締め付ける腕を引きはがした。

『見損なったぞサガ…そんな事までして戻らせたいとはな!』

するり、とその隙間から身をすり抜ける。
そして、

『こんなもの…ふざけるなっ』

指に嵌められた光るそれを、サガにたたき付けてやった!
かろうじて触れ合っていた部分を突き飛ばして、体が離れる。

「カノン―――――――!!!」

叫びと共にサガの指先が伸ばされたのが一瞬見えて、その姿と声に胸が一度だけぐっと詰まる。でもそれを振り切って、必死に水中をもがきながら岸を目指した。


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なんてこったかのんのばか!!!

そして嫌々言ってるカノンに、女を兼ねると「いや」なんだ〜〜なるほどな!!
などと新たな発見に自己満足を得ていたりするのでした…

今日も拍手ありがとうございましたv




[No.27] 呼ぶ声がとどきますように(聖域ちび双子)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時11分
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呼ぶ声がとどきますように(聖域ちび双子)
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久しぶりに帰ったら、ちっちゃいねこがミルクをのんでた。

「うあー、かわいいなあ、どうしたの?」
「ウン、きのうね、まよいこんできたの」

かのんはうれしそうににこにこしながら、ミルクを飲むこねこの頭をなでた。
かのんがわらっているかおは、ねこに負けないくらいかわいくて、こんなにわらってるかのんがとっても久しぶりだったから、うれしいな、と思った。

「なあ、名前、つけた?」

まだつけてないなら、いっしょにつけたいなあ。
と、おもったんだよ。そうしたら、かのんとおれの気持ちがいっしょになった名前になるんだ。

それなのに、かのんったら!

「ウン!かのん、てつけたんだ」

って、すごーくうれしそうにわらうんだ!!

「かのん?!自分の名前つけたの?」
「ウン!」

かのんはまた、ものすごーくうれしそうに頷いた。

「だってね、ずーっとおもってたんだ。
かのんって名前、かわいそうだなって。
せっかくついてるのに、だあれも呼んでくれないんだよ。
ぼく、さがとおんなじ名前でいいのになあ。
そしたら、ずうっとさがといっしょにいられるもん。
だからねこにかのんってつけたら、ぼくがかのんってよぶでしょ?
だから、かのんって名前がかわいそうじゃなくなるの」

そして、「ねっ、とってもいい考えでしょ? かのんかのん!」とねこをダッコしてにこにこ笑った。

おれは黙ったまま、かのんの手からねこをひったくって走り出した。

かのんはかのんなんだ!!

ねこをぎゅーっとだっこしたまま、走りに走った。

「あいおろす!ねこ、かってくれないかな」

ちっちゃいおとうとをおんぶしたあいおろすは、喜んでねこを受け取った。

「なまえ、『かのん』っていうんだ。
たくさんよんで、かわいがってくれたら、うれしいんだけど」

それから、かのんのところには帰れなかった。
だって、かのん、きっとおこってる。
でも、ね、かのん。

かのんって、あいおろすとあいおりあがきっとたくさん呼んでくれるよ。
それからふたりで、みんなにかのんっていうねこの話をきっとしてくれるよ。
そうしたらきっと、かのんってなまえ、もっともっと、たくさーんの人が、よんでくれるようになるんだ。

こねこを呼ぶ声が、きっとかのんにとどきますように。
いつかきっと、ほんとうのかのんがたくさんみんなによんでもらえるように、

おまじない。




[No.26] 真実 (サガカノ・にょ注意11)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時10分
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真実 (サガカノ・にょ注意11)
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カノンの手を引いて、教皇の間を目指す。
カノンは目を閉じたまま、わたしの手に全てを委ねている。
怯えたように震える腕。ぎゅっと握りしめた掌。
わたしはこの手を、決して離しはしない…
誓いを込めて、その手をしっかりと握り直した。

と、前方からミロが降りてくるのが見えた。
ミロはわたしの姿を確認すると、血相を変えて走り寄ってきた。
何かあったのだろうか。
ミロに阻まれるように、足を止める。

「サガ!どうして黙ってたんだ!!」

開口一番に、責めるようにミロが詰め寄る。
カノンの事だ。

「ああ、黙っていてすまなかった。カノンはこの通りの姿なのだ。彼の気持ちも…」

だが、ミロは怪訝な顔でわたしの視線の先を眺める。
それは、姿の変わってしまったカノンに向けられているというものとは違っており、一度言葉を切った。

「このとおりって、帰ってないって事、だよな」

今度はこちらが、ミロと同じ顔をする番だ。

「…帰っていない?」

ここにいるではないか。ミロは何を?
横を向けば、目を閉じたままで立っているカノンが居る。
否、見ずともしっかりと握り合った温もりと強さ、形を感じる。

「え?ああ、帰ってないだろ?海から」

ミロは驚いた顔で確認するように、再び繰り返す。
ぎゅ、とカノンの手を強く握る。
そう言えば、カノンはミロを前にしても全く反応している様子が無い。
ただ目を閉じて、そこに立っていた。
胸がざわめく。何か────カノンの身に…女性の身体に変化した事よりも重大な事が起こっているのではないだろうか──────

「──────どういうことだ」

「ああ、今その話でサガを呼びに行く所だったんだ」

ミロが頷いて、上に戻るように体の向きを変えた。

「話は…上で直に聞くといい」

真剣な面持ちでぐっと黙り込み、ミロはそれだけ言うと先に立って歩き出した。
カノンの手を引き、ミロについて上がっていく。
嫌な予感は募るばかり。

…カノンはもしや────この場に存在していないのでは?!
そんな馬鹿な事が…では…それではこの20日間は一体何だったのだ?

そして、ハッと隣を振りかえる。

そこには相変わらず、目を閉じたままついてくるカノン。
繋いだ手。指に嵌められたプラチナリング。

そんな馬鹿な事が… あるわけがない!

*  *  *  *

上に着くと、シオンに伴われ、海将軍の一人、アイザックが居た。

「…カノンが、どうかしたと聞いたが」

ぐ、とカノンの手を胸の前まで引き寄せ存在を確かめながら・・・・実直そうなカミュの弟子・アイザックに問いかける。

アイザックは黙ったまま形式的な礼をした。
その視線は、明らかにわたししか見ていない。
隣を見ると、カノンも相変わらず目を閉じたまま…海での部下の存在すら気が付いていないように見えた。
そして隣のシオンから発せられた言葉に、我が耳を疑った。

「カノンが倒れたまま、目を覚まさないそうだ」

「!!

…それは… いつ、からでしょうか」

「カノンが海に降りた日からだと。そうだな」

アイザックが頷く。

「その日は冥界の使者ミーノスとの会談がありました。その直後から───」

冥界の使者?!
ざわ、と全身が粟立つ。攻撃的小宇宙が高まったのを、シオンが制した。

「黙って聞かぬか、サガ」
「・・・・・は」

今取り乱しても仕方がない。わたしは何とか堪えた。

「海龍… いえ、カノンの肉体は仮死の状態で保つよう、海皇ポセイドン様に保護されています。どうやら死界のものを口にしたようだと…」

今度こそ、踵を返して階段を駆け下りていた。

「サガ!!」

後ろでシオンの声が呼び止める。

「シオン様、海界へ行って参ります!」

駆け下りながら応えると、シオンの声が戻った。

─────手を、離すでないぞ!

その声にドキリとする。

アイザックが追ってきた。

はなすまい、放してなるものか!!

カノンの約束の意味が…今はっきりと分かった。
カノンは─────うすうすと感づいていたのだ…!!
自分の身に何が起こっているのかを…

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まだ続く。
なんかシリアスでつまんない?




[No.25] 一緒にお風呂3 (サガカノ・にょ注意/横道R18)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時09分
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一緒にお風呂3 (サガカノ・にょ注意/横道R18)
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体中が熱くて熱くて堪らない。
いつの間にか、自分からサガの唇を貪ってる。
サガの指が、相変わらずもどかしいトコロを探って…

「あん… あふ…っ  サガ…サガ!」

自由が利かない両腕。
ほどけない… 苦しい、なんとかしろ!

「カノン、そんな風に動いたら… はいってしまう」
「んんっ」
「…良いのか?」
「んんんっ!」

頭を激しく振って拒絶する。それは嫌・・・だ っ 嫌なんだ…っ!

でも───────

身体は求めてる。途方もなく。
ずくずくと疼く。そのせいで、息が苦しい。心臓が壊れそう、だ…
ああ、ひとまず放して… サガ、これ以上無理だ!

それなのに、ぐ、とまた…サガの腕に強く抱き寄せられる。
あやすように耳にキスしてくる。サガの吐息が熱くて… 余計に胸が苦しくなる。

「カノ… 」

息の継ぎ目に、小さくオレの名を呼ぶ。
そして、オレの身体を支えていた膝が離れた。
力が全く入らないオレの身体。崩れ落ちないように両腕が支えてくれる…まるで、人形みたいだ。
頬を軽くつつかれて、やや頭を上げる。

「…、立てるか」

少し掠れた低い声が囁く。オレはゆるゆると首を振る。
サガはオレの身体を支えたまま、壁にうつぶせにして身体を押しつけた。
何をしたいのか分かって、大人しく身を委ねる。
サガが壁に肘を付いて、顎の下のマクラにしてくれた。

「ハァ…」

ゆっくりと息を吐いて、サガを受け入れる。そう、いつもと同じように。
背がふるふると震える。

ちがう、そこじゃない!

ああ、なんでわざと…間違えてくれないんだよ…
いつもいつも、そういう意地悪ばっかりするくせに!
そしたらまた嫌だって言えるのに、なんてクソ意地悪い …サガ!!

オレはサガの腕に軽く歯を当てた。
それでもすぐその後、サガが動き始めてまた腕にすがりつくように額を押し当てた。

「ぅ… ああっ」

思わず声が出る…けどその刺激が、余計に身体を疼かせてるんだって!
ふ…とサガの息をすぐ耳元で感じる。

「ん…っ カノン…」
「な、ん っ」

何か言いたそうに呼ぶから折角返事してやったのに、それには答えないで─────す、と手が下腹部に触れたのを感じた。

「っ! ま…っ ダメだ…っ て … あ!」

ビクッと腰を引くと、今度は自分で突き上げた風になって、声を上げてしまった。
指先が、割れ目に沿って這っていく。

「んんっ んん!」

「カノン、辛いだろう…」

「や…あっ」

サガの指先が内側をめくり上げ、指が這わされる。そして遂に…

「あ! 駄目…っ は、あ … っ ああ!!」

強い刺激に思わず上体を反らせる。
何だコレ…っ
容赦無い指が、核を玩んで────後ろからも突き上げられて──── もう!!

ガタガタと…体の震えが止まらない。
息が苦しくて…咽が痛い。声が…

壁についたサガの腕が、ぐっと強く身体を引き寄せて…

何もかももうワカラナイ────どうなっても────…


「──────────ッッッ!」


びくん、びくん 身体が脈打つように… 相変わらず、咽が痛い。
息が…うまくできなくて、しゃっくりのようになってしまう。
サガがオレの身体を支えたまま、震えの止まらない身体にざぶざぶと湯をかけた。

ひょいと身体を抱え上げ、湯の中に降ろされ、強く抱きしめたまま目を覆った布をはらりと取り去った。
一瞬合ったサガの目は、驚いたような、微笑んでいるような顔だった。

「・・・・カノン、目が赤い」
「・・・・・・ッ!」

息がまた、ひくっ、と咽で引きつった音を立てる。
誰の所為だ?! 抗議を込めて首を振ると、顔中にキス。
それも振り切って、オレはそのまま、肩口に口元を押し当てた。
壁の一点をじっと見つめたまま。


なんだって、涙が… 止まらないんだよ。


縛られた腕の布が弛んで、自由になる。
黙ったまま、サガの背にギュッとまわした。

あやすように、背を撫でている。
くすくすと微笑みながら。

こんなに咽が痛いのは、そのせいなのだ。
このまま顔を見せられないのは、その所為なのだ。

しぃんと静かな浴室。
時々、小さな水音が聞こえるだけの。

サガがオレの髪に頬を寄せる。
いつまでもいつまでも、ずっとそうしてくれていた。


(一緒にお風呂 オワリ)
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カノンを泣かせようプロジェクト、コレにて終〜了〜〜〜〜

拍手ありがとうございましたw
暴走して、R18への自制がすっ飛んでしまった管理人です×◇×;
コレに懲りずによかったらまた…!




[No.24] 一緒にお風呂2 (サガカノ・にょ注意/横道R18)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時08分
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一緒にお風呂2 (サガカノ・にょ注意/横道R18)
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全く、なんてこった!
目隠しされて、手まで後ろで縛られて…サガの腕の中でフロ?!
情けないったらありゃしない。

洗ってやるとか言ってるが!

ちゅ

って音なんか出る訳ねえだろ!!!

「あ、洗うんじゃないのかよ」
「んむ。最後にはきれいになる予定だ」

つ、と舌だかなんかが、肩を滑り、思わずぶるっと身震いが出る。

「っ、ばか!変な事 … 禁止だっ」
「変な事などしていない」

指先が、体中を揉みしだき…腕に閉じこめられたまま、それから逃げようともがく。

「ん、あ!いやだって…っ」

弱い所を突かれて、体が支える力を失ってくる。

「…何が。気持ちよさそうに見えるが」

両肩で支えるように抱え込まれ、力を失いつつある足の間に、サガの膝が割り込んできた。

「馬 っ鹿言うな… こ、これはただ… 見えない上に拘束 っ されてるせい… !」
「フフフ よしよし、ちゃんと洗ってやるから大人しくしていろ」

確実に笑っている声で…腹立たしい。
そしてよしよしとか言うな!

体にゴツゴツした石鹸が滑る感触…と

「サガ っ くすぐったい!!」

ツルツルと体中に手が滑ってる。
サガの膝と肩に支えられながら身を捩ると、そのままヒョイと体を反転させられた。
サガの胸を背にもたれかからされ、背中で両手を縛られているせいでどうしても上体が反る。

「…きれいだ」

息がかかるぐらい耳元で…そんな事を囁かれ、体中が熱くなる。

「馬鹿なこと…!」

体中を滑る両掌が、胸を下から揉み上げ、耳を甘噛みされて…遂に息が漏れてしまった。
密着した背筋がぞくぞくっと震える。
膝の当たっている部分が、鋭敏になってくる。
どき、どき、動悸が苦しい…
なんとか両腕が自由になればこの目隠しも外せるのだが!
両腕を動かして布を解こうとしても、なかなか外れない。
一体どんな縛りをしてある?!だいたいどこでそんな技術を磨いたのだ…っ

「カノン、カノン、」

サガが名前を呼ぶ。
目隠ししてる所為で…サガの息遣いと…体が熱いのがよく分かる。
馬鹿、つられるじゃないか…

ゆるゆるとサガの膝が動かされはじめた。

「あ…やっ 駄目 だって」
「大丈夫だ…挿れたりしない」

石鹸でなくぬるぬると滑って… 今まで感じた事のない感触に、全身に痺れが拡がっていく。
追い打ちをかけるように、サガの体と両手が、痺れた体を愛撫する。

「ハァ … あ う 」

─────どうしよう…

そんな言葉が浮かぶ。

─────どうしよう、もっと…この先を…知りたくなっている…

そんな心の声が聞こえていた?
サガの手が… つ、と腹を下って降りてくる。

ん… だ、め …

そんな言葉は咽の奥で…

一瞬、腰を引かれたのがわかったのだろう。
サガは耳朶に舌を這わせながら「大丈夫だ」と囁いた。

「…挿れたりしない」
「ふ… ハァ …」

サガの指先が──── 一番欲しいところの周りをぐるりとなぞった。

「んん…っ! あ…サ ガ っ」

触って欲しい… でも … っ

びくびくっと腰が震え、もどかしさが体中を巡る。
サガの膝の上で身悶えながらその背に身を預けると、もう片方の手が顎に触れ、唇を塞がれた。

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うわーん。続く!

実はにょ注意はじめた時からやりたかった拘束目隠しフロプレイ。
もしかしたら一番やりたかったかも知れない…;

こんな駄目管理人に拍手いっぱいありがとうございますw
多分調子づきますよ!! 〃>▽<〃




[No.23] いっしょにお風呂 (サガカノ・にょ注意/横道R18)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時07分
連日の拍手ありがとうございますwわーい\^▽^/

本日、ノコギリが手にささりました。
左手の小指の付け根に、「--- キリトリセン ---」ができました。
真新しいノコギリだったので切れ味とても良かったらしく、全く痛くありません。結構深かったのか、なかなか血が出ず、「あれ、刺さったと思ったが…?」とそのままノコノコ枝を切ってたら、「ん?何か手ぇ滑る…」といつの間にか流血沙汰になっててビックリです。
お姑さんと、「(傷口の加減が)ちびワニに噛まれたみたいだ〜v」と笑いました。

そんなこんなで、今日はカノンをすんすん泣き出すぐらいいたぶりたくなりました。(どういう心理?!)
設定は、カノンにょ注意3日後ぐらい。

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いっしょにお風呂 (サガカノ・にょ注意/横道R18)
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────カノンが風呂に入ろうとしている。


ぱたん、と静かに戸が開く。
げ、サガ?!

「なっ…はいってくんな!」

と、脱ぎかけの服をまたかぶって、拒否!
…するも、サガは全く聞いてない。

「カノン、一緒に入ろう」
「駄目だ嫌だ!」
「何故だ。何故ベッドの上では良くて風呂では駄目なのだ」
「な、何故って… そ、それは」

あ、明るいし、身を隠すトコロがどこにも無い…し・・・

「カノン、顔が紅い…可愛いぞ」
「!!」

頬をつつくな!

余計に赤くなったのか、サガは笑いながら両頬を包み込むように手を当てた。

「…ッと、とにかく!お前と入ると長くなるから嫌だ!
オレは自分の体など見たくないのだ…だからサッサと入って出たいのだ!!」

ぐいぐいとサガの体を押してココから押し出そうとするが、その瞬間、サガの目が光ったのをオレは見た…

「なるほど、そう言う理由か。確かにその気持ちはわからなくもない」
「そ、そうだろ!!わかったなら早く出てろ!!」

尚もサガを押す。しかし、サガの手はそんな事はお構いなく、オレの見えない所で何やら動いた…?!

しゅるり

「?!」

突然視界を奪われ、サガが何をしたのかに気が付く。

「これならば自分の体を見ずに済むだろう?」
「な、な、何するんだサガ…っ」

コレは…オレが腕に巻いてた布だ…そうに違いない…
サガの手が、オレの服をぺろりと剥いだ。

「しかしこれではうまく体を洗えないだろう。わたしがきれいに磨いてやろう…隅々までな」
「うぁ?!ち、と、待て… っ ああ!!」

がしりと体を「保定」され、ひょいと抱え上げられる。
しっとりと張り付く素肌の感触。い、いつの間に脱いだ?!
一気に上がる心拍数。

「うあ、あああ!ヤメロって言ってんだろ…っ」

がつ!!!

手を滅茶苦茶に振り回したら、棚のカドにぶつかった!イテぇ…

「大人しくしないと、危ない」
「う、うるさい あ、やめろ!!」

そのまま手をも縛られて、オレは風呂場に連れ込まれたのだった。

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何故か続く!!!(おーい?)

サガは毎度カノンを甘やかしすぎて困ります;;




[No.22] つかまえていて (サガカノ・にょ注意10)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時05分
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つかまえていて (サガカノ・にょ注意10)
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『─────だけど、一つだけ約束…


この手は絶対に、離さないで────』


冥界の道を行く。
サガの手に引かれて。
冷たく湿った風が頬を打つ。死の匂いが満ちあふれた世界。

オレは目を閉じていた。
この見知らぬ世界を見ずに済む。
他の感覚が、そこが異界だと伝えてくるが。

それでも信じている。
自分の5感よりも、この掌を信じている。

サガの手の温もりが、ここは聖域だと伝えてくれる。
この手をオレは信じている。

どうかこの手を離さないで。
手を離したら飲まれる。
この道は、裁きの館へ続いている。
あの男の待つ場所へ。

それは…そうすれば元の体に戻れるかも知れない。
あれの言葉など、信用出来はしないが。
しかし信じようと信じまいと…

そんな事をしてまで、オレは戻ろうとは思わない。
あれに許すなど…
考えるまでもなく拒絶する。
今、オレはそれを、最も恐れる。

オレは目を閉じたまま─────その手に全てを託す。

どうかこの手を離さないで。
このままオレを捕まえていて。

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BGMはサムライなんとかの「MESSAGE」で
ゴメンナサイ。昨日何となく「つかまえていて/本間かおり」を聞いてしまい…
このと某OVAのEDテーマ曲の最後の部分のアニメーションがとても好きw
七五三(?)ではじめてお化粧される幼い女の子の表情がとってもよく現れてる塩山氏の最高傑作\(^-^)/バンザーイ、/( )\モヒトツ\(^o^)/バンザーイ

ついでに「炎のソルジャー」とかも聞いてしまい、声が草尾さんなので「うおおおシュラぁぁぁ!!!」な気分になりました。

♪震えてーるおーまーえーをーだーきしーめーてーやるー

って、三白眼シュラに言われたらどきどきですじゃ!!

そして拍手ありがとうございました!サイトやっててよかったーvと実感出来る瞬間ですσ(^^) 嬉しw




[No.21] たとえ死が分かつとも(サガカノにょ注意9)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時03分
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たとえ死が分かつとも(サガカノにょ注意9/No.1058〜)
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長い事眠れない夜だった。

そして、夜明けの時間が来た。

オレには相変わらず暗く吹き荒れる冥界の空しか見えなかったが、サガにとってはどんな夜明けなのだろう。
オレにとっては、運命の朝。
この日の向こう側は、永訣なのかも知れない。…けれど…

隣で、サガはまだ眠っていた。
オレはリングの首紐のごわごわした感触を確かめながら、サガの胸に額を寄せた。

信じている。

そう感じた。
何故だ?何を?教皇の間に辿り着く事?約束?
自らの胸に問う。

わからなかったが、信じている。
サガとの何かを。

もそ、とサガが動いた。
目を覚ましたようだ。オレの額が当たったから、それでだ。

「眠れなかったのか」

自分よりもずっと大きな手が髪を撫で、一度大きく息を吐く。
オレは首を軽く振ってそれを否定した。
サガは黙ってもう一度オレの髪を梳き、ともに身を起こす。
何も身につけていない胸元で、リングが幽かな音を立てた。

「…サガ」

ベッドから抜け出ようとする腕を掴んで引く。
サガは何だ、と首を傾げ、元の場所に戻った。

「約束」

首から紐を外し、結び目を解く。

「カノン…」

皆の前へ付けていくのをオレが嫌がると思っていたのだろう。
確かに、皆の前にこんな揃いのリング付けて出るなど真っ平だ。
付けているのは二人だけの時のみにしたい。

けれど…今は──────

「つけてくれるよな、サガ」

掌に転げだしたリングをふたつとも、サガの掌に載せる。
サガはオレの顔が照れても笑ってもいないのを見ると、ふ、と微笑んだ。そして

「駄目だ」

微笑んだまま、首を横に振った。

「なんで、サガ…あ、お前の方が嫌か」

皆の前で揃いのリングを付け、女になったオレを紹介するサガの姿を想像し、あっと気が付く。それは…紹介されるオレより嫌な役だ、圧倒的に!
すぐに思い直し、それならばいい、とリングを取り戻そうと手を伸ばしたのだが、サガは再び首を振り、それを制した。

「嫌なものか」

そして。オレの右手を引き寄せて、リングをひとつだけ…掌にのせた。

「こちらまでくれてどうする。わたしには、付けてくれない?」
「え… あ…・・・・」

そして右手を解放すると、今度は左手を取る。

「さて、どの指が良いだろう。やはり、ここか」

ふふっ、と笑いながら、薬指にリングをするりと差し込んだ。

「え…」

思わず戸惑う。否、最初から予想はしていたのだけれど…

「さあ、カノン」

サガも左手を差し出した。
オレは右手のリングを握りしめ、その手をじっと見つめる。
自分からはじめてしまったこの状況とは言え…滅茶苦茶に恥ずかしくなってきた。
サガは微笑んだまま、じっと待っている。オレは左手で、その手をとった。
いつの間にか手がじっとりと汗ばんでリングが滑る。
手も震えている。

…もう、戻れない。

リングをそっと…サガがしたのと同じように。

指にはまったリングを確かめるように眺め、サガはオレの身体を再び抱きしめた。

「カノン…」
「サガ、これでずっと…死ぬまで一緒なのか」

死が二人を分かつまで。
オレは、死ぬ訳ではない。
これから行く道が、冥界の道だったとしても。
死の国の人間にはなるかも知れないが…

と、ふとサガは体を離す。

「違うぞ、カノン」

何が違うというのか。首を傾げるオレの額に、こつん、と額が当たる。

「忘れたのか。我らは双子座。
死を越えた絆を神に許されし…双子座の双子、だぞ」

絆…

その言葉を聞いた時、オレの心の靄は、今はっきりと消え去った。


そうだ、オレが信じているもの。

それは、サガとの絆─────なのだ。


オレは信じてる。サガとの絆を…永劫の絆をともにする、あの双子座の星と同じように───────

…と、体がぐらりと後ろに傾ぎ、ぱったりとベッドの上に倒れ込む。

「…さ、サガ?!」

オレの上には重いサガの体がセットになって。

「カノン、もう一度抱きたくなった」
「何言ってる…んっ」

朝から何を、と言いかけた唇を早速塞がれ、オレはそれを受け入れる。
まだ早朝、時間はある。

最後の時までは…

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うわーやっちゃった感でいっぱいです><。。。
でも後悔は…しませんよ!!

見に来て下さってる方に感謝!! ^▽^




[No.20] その日・2(にょ注意8・えろ注意)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時02分
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その日・2(にょ注意8・えろ注意)
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ベッドの上にそっと降ろすと、カノンはすがりつくようにわたしを求めてきた。そのまま導かれるように、体を重ねる。
胸元のリングが小さく澄んだ音をたてている。

「… サガ… 早く」

もどかしそうに指を繰り、服の内側から背に回してくる。

「どうした、カノン」
「うん、いい…」

今朝の事でこんなに心を乱しているとはとても思えず、先程の言葉も気にかかる。
それでも今は、カノンの願いに応えてやりたい。
服をそっと取り払いながら、唇でふっくらと柔らかな素肌に触れる。

「はぁ…」

その口から息が漏れ、ゆるゆると誘うように身悶えた。
それから体中にくまなく口付け、指、掌、体中で触れ合う。
ふるふると身を震わせながら、腕を伸ばして尚も深い接触を求めてくるカノンに、自然と体が熱くなった。
求められるまま強く抱きしめて、深く唇を重ねると、咽の奥で声を漏らす。

「良いのか、本当に」

最後にもう一度、カノンに問う。
カノンは目を閉じたまま首に抱きつき、こくりと頷いた。

「ん、もう、いい… もどらなくても… いい」

ぴたりと重なり合った胸元で、固いリングが当たる。
カノンの足がもぞもぞと動いて、受け入れる態勢を取った。

「だから…、早く、サガ」

「…分かった」

そしてカノンの求めるそこに、はじめて触れた。

「あ…」

びく、とカノンの身が固くなる。

「嫌ならばすぐに止める」
「っ、駄目…やめないで」

もう充分すぎるほどに濡れているそこを確かめるように、少しだけ指先で辿り、もう一度カノンの唇に軽く口付けた。
本当ならばもう少し愉しみたい所だが、はじめてのカノンにそこまで求めるのは忍びなく…

「────────ッ」

やはり痛みがあるのか、カノンの眉が苦しげに歪む。

「痛むか」
「んっ… いい」

そして、わたしの手を探り、両手で包み込むように引き寄せた。

「サガ、 ずっと… 一緒だ、 …オレ達」
「ああ、そうだ。どんな事があろうとも…二度とお前を離しはしない」

更に深く迎え入れるように、ゆるゆるとカノンの腰が蠢く。

「んっ、カノン…」
「ど、 オレ、 いい?」
「ああ… だが無理するな」
「ん…」

大丈夫だと応えるカノン…だが、その目からはほろほろと涙がこぼれた。

「…カノン」

両手で包み込まれたその手を伸ばし、頬を拭う。

「…いいんだ」

…それから、カノンを気遣いながら、優しく抱いた。

*  *  *  *

ふう、と静かな息を吐きながら、カノンは腕の中でくったりとしなだれている。

「…サガ」

まるで熱に浮かされたような声で、カノンが呼んだ。

「うん?」
「…明日、行こう」
「──── 明日?」
「もう、迷わない。だから…」

胸にごしごしと額を擦りつけてくるカノンを両腕に抱いて、背を叩く。

「ああ、わかった」

そう応えると、カノンはふ、と微笑んだ。

「─────だけど、一つだけ約束…


この手は絶対に、離さないで────」


そう言ったカノンの声は…とても静かだった。

「…勿論、だ」

その静かさに、何故か胸がざわついた。

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こちらBBSなのでR18は自粛モードでお送りしました。




[No.19] その日 (にょ注意7)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時01分
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その日 (にょ注意7)
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あの約束のせいなのか。

あの日からカノンはわたしに当たらなくなった。
もとの体に戻れない前提の約束は、そこまで辛かったのだろうか…カノンは大人しくなったというより、元気がないといった方が近い。
努めて普通に振る舞おうとしているのを感じる。
そして、必要以上にわたしに触れたがった。
わたしが小屋に戻るとその殆どの時間、カノンはわたしの胸に身を預けている。朝出かける時にも、口や態度には出さないものの、行かないで欲しいと目が強く訴えていた。
今朝はカノンが深く眠っている間に、そっと抜け出てきた。
しかし眠るカノンの表情も何処か泣いているようで、結局のところ後ろ髪を引かれた。明日からは止めよう。
仲間達からは、カノンの事をよく訊ねられる。
体調が良くないと言えば、見舞いに来る者もあるだろう。
今は適当にあしらえてはいるものの、後どれだけ通用するかは定かでない。あと一週間、カノンとの約束の期日を守らねばならない。
朝言葉を交わさなかったカノンの様子が気にかかり、今日は早くに切り上げてきた。

扉を開けると、カノンは平静を装って普段のようにお帰りと迎えてくれた。胸元には今日も、あのリングが下がっている。

「今朝はすまなかったな」

頭に手を置くと、少し煩そうにふるふると首を振った。

「別に。しかし早く出るなら前の晩からそう言えば良いとは思うがな」

さらりとそう告げ背を向けるカノン。
しかしその姿はやはり無理をしているように見えた。

「カノン」

わたしは穏やかに名を呼びその背を捕まえた。
相変わらず胸の中にすっぽりと収まるカノンが、怯えるようにびくりとした。

「怖れる事はない。わたしは何も怖くはない」

カノンはじっとしたままだった。
暫く後、カノンの手が抱きしめたわたしの腕に触れた。

「…なあ、サガ」
「何だ、カノン」

背中から抱いたまま、頬を撫でる。

「サガは、どうなんだ。オレに…もとに戻って欲しいのか… それとも…」
「そんな事を言っても仕方がないだろう。今回の事だけでなく今後いつ如何なる時にも…時間というものはなるようにしかならない。わたしはそれを受け入れる。何も恐れはしない」

それは正直な気持ちだ。
ふー、という長い息と共に、カノンの肩から力が抜けた。
そしてくるりと体を反転させ、背中に腕を回してきた。
そんなカノンを強く抱きしめる。

「…なあ」

「うん?」

「サガ、抱いて」

「うん?」

それは、初めて聞くような言葉だった。
カノンからそんな言葉が出るとは思わなかった。

「サガ、オレももう何も怖れたりしない。なるようにしかならないんだ。そうだな」

ぎゅ、とカノンの手が強く背を掴む。

「抱いてよ、サガ。今すぐ。
いつもと同じじゃなく… 女のオレを抱いて」
「…いいのか?本当に…」
「ああ、良いんだ… もう怖くはない。ありがとう、サガ」

すがりつくように顔を埋めるカノンを強く抱きとめ、髪に口付けを落とす。
そのまま体を抱き上げて、寝室へ運んだ。
…愛しいカノン。

ただ一つ、気にかかる事があった。
先程幽かに聞こえた呟き。

あと一週間しかないんだ…

と。

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一体いつまで続くんだー!




[No.18] 聖闘士カード
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 14時00分
砂浜でミスティらと戦った時にしか出てこなかった謎設定・聖闘士カード…アレには一体何の意味があるというのか。聖衣とセットで全員支給されてんのかなあw
一体誰から始まったシステムなんだと言う所も気になりますが、それよりも聖闘士カードをトレカにして遊んでいる星矢達妄想。
たまに自分たちの聖闘士カードを4枚ずつ出し合って、神経衰弱とかで遊んでたりして。
私闘は禁止なので、小宇宙と腕力以外の勝負で、みんなから聖闘士カードを集めるとかね。

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星矢「おーいサガ!これから飯?」
サガ「む。もうそんな時刻か」
星矢「ああ、もうそんな時間だぜ。というわけで一緒にどう?オレ作るからさ!」
サガ「そうか。ではご馳走になるとしよう」

まんまとサガとの昼食を取り付けた星矢。
魔鈴と修行していた時に使っていた小屋に案内され、暫くして登場したのは、どどんと大どんぶりに盛られた牛丼2山。

サガ「変わった料理だな。日本のものか」

と眺めているサガに、星矢は輝く目を向けた。

星矢「サガ、早食い競争に勝ったら、オレに聖闘士カードくれない?」

唐突な星矢の申し出に、一瞬面食らったサガだったが、そういえば聖闘士達の間でカード交換が流行っている事を思いだし、やや難色を示した。

サガ「星矢、聖闘士カードは聖衣と共にアテナよりの預かりものだ。そのような遊び事には…」
星矢「わかってるさ。聖闘士が自分が倒したことを示す時に使うんだろ?だったら逆に、勝った証にカードもらったっていいじゃないか。けっこう励みになるんだぜ!」
サガ「だからといって、早食いとはなんだ。何の励みだ」
星矢「だって私闘禁止じゃないか。それに、どんな勝負だって勝負だろ?実戦だって相手によってはどんな戦いになるかわからないじゃないか。それとも、サガ…」
サガ「ああ、わかった、もういい。よし、わたしが負けたら双子座の聖闘士カードを持っていくがいい」

結局無邪気に丸め込まれ、早食い競争することに…

そして。

どんな事であれ「負ける」事が絶対に許せない性分のサガは、普段そう食べもしないくせに大山ひと盛りの牛丼をかっこみ、見事勝利。
そして夕方腹具合を悪くして、

カノン「たかだかカード一枚くれてやれ!大馬鹿が」

とどやされながら面倒みてもらうのだった。

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結局コレが言いたかっただけだ…;

本日はこれからPC交代するのでにょ注意なしです。
お越し下さりありがとうございました^▽^




[No.17] 魂の牢獄 (サガカノにょ注意6)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時59分
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魂の牢獄 (サガカノにょ注意6)
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カーテンまで閉め切った暗い寝室。
サガはもう、出ていった。
朝なのだろう。
しかしオレにはもう、あの抜けるような青い空を見る事は出来ない。

…原因が分からない、というのは嘘だった。
本当は何もかも、分かっている。
そう、どうしたらもとの体に戻るかと言う事も。

半月前──────海界に来客があった。
それは、冥界から。
もと筆頭将軍として、対応した。
もしオレが冥界に出向いての話ならば、こんな失態はしなかったろう。
地上…生ある世界に居た為に、用心を怠った。
やって来たのは… 冥界3巨頭の一人、ミーノス。
オレ達は互いに、海冥2界にとって必要なやりとりをした。

その場では、何も口にするべきではなかったのだ。

やりとりも終わりに近付く頃、雑兵が茶を持ってきた。
つまりは、それだった。

*  *  *  *

「ぐ…! 何だ…っ」

体中が燃えるように熱い。まるで体内がマグマのように熔けてどろどろと渦を巻いているようだ。
がくり、と膝をつく。
向かいに座っていたミーノスが、落ち着いた様子で立ち上がり、近付いてくる。

「おやおや。冥界の味はお気に召しませんでしたか」

わざとらしく、気遣うようにこちらに手を差し伸べたそれを拒絶し、嵌められたと知った。
睨め付けるオレの視線などどこ吹く風のその男は、またあの根の暗い薄笑いで目の前にしゃがみ込んできた。オレの顎に手をかける。

「大丈夫。命に別状ありません。
フフ、そんな物騒な物をお出しする訳がないでしょう?
何故ならば自分はこの度友好の使者として参ったんですから」
「う、ぐぅ…っ」

体が…おかしい…
なにか、変化を… … … している、気がする…

暫くすると、苦しさが引き潮のように遠のいていった。
そして───────…

「!!」

オレは自分の変化に愕然とした!
こ、この腕の細さは何だ?!そ…そして… この胸部の柔らかい感触は…?!

「貴様…っ!何を──────」

声を発して、思わず口に手を当てる。何だこの声は?!
ミーノスが一層いやらしく嗤い、オレの髪に触れた。

「思った通り。なかなかお綺麗ですよカノン」

すっと立つ。見下す姿勢だ。

「…っ!!」

オレも立つ。が、圧倒的身長差にまた愕然とした。

「何を!」
「何を、と仰られても。ただ冥界から手みやげとしてお茶をお出ししただけです。第2プリズンにのみ咲く花々から集めたものでとても貴重なものなのに」

「め、冥界の…茶だと」

ミーノスはオレの言わんとする事を察したようだった。

「ええ。ご存じの通り死の国で死の国のものを口にすると、その生は死の国の住人として囚われ戻れなくなります。
でもここは死の国ではありませんしねえ… 生から死という逆転ではなく、生きたままの属性が逆転したという訳です」
「なん…だと?」

ミーノスの手がすっと伸び、オレの顎を取った。
すっと真面目な顔になり、囁いた。

「戻りたいですか?」

オレは表情も変えず黙っていた。

「実は…方法が一つだけあるんですが」

真顔のミーノスの顔がぐっと近付き、オレは僅かに身を引いた。

「おっと。このままわたしに、身を預けることです」
「!!」

身を引いたオレの腰に手が回される。触るな!!
しかし抵抗する力は全く効いていない。

「は、離れろ…!」
「嫌です」

ミーノスはそのまま壁際にオレを押しつける。渾身の力で体を押し返した。

「カノン、あなたは美しい…わたしのマリオネットなのです」
「な、何を言っている─────ッ」
「覚えていないのですか。そんなはずはないでしょう。
わたしはあなたほど美しい人形は見た事がなかった。
わたしの思うままに身を預けきった満身創痍のあなたは──────フフ、思いだしただけでもゾクゾクしますよ」
「・・・・ッ!!」

壁にグイグイと押しつけられ、そのまま床に体が滑り込んでいく。

「うう…っ」
「そんなに嫌な顔しないで下さいよ。ただわたしのものになれば良いだけではありませんか… そうすれば、もとの体に戻れるんですよ?」
「じ、冗談ではない、誰が貴様など────!!」

その後は、実は余りよく覚えていないただがむしゃらに拒絶し続けたの
は確かだ。
とにかくミーノスは退いた。
不機嫌な笑みで、オレを解放し、手を取って立たせた。

「わかりました。このままあなたをいただいてしまう事など容易い事ですが…この場は諦めましょう。
あなたのお兄さまの所にも返してあげます。ですが… そこまでです。
死の国のものを口にしたあなたは、呪縛が解けるまでは半分死の国の人間です。
元通りになりたければ、いつでもいらしてください。
───────歓迎します」

そしてオレは…戻ってきた。
双児宮からこの部屋に入った時… オレは驚愕した…!

窓の外の景色が!!

オレは慌てて外に続くドアを開いた。
冷たい強風が頬を打つ。
明るかった空はそこになく、見慣れた聖域の景色もない。
そこは────荒れた岩山がどこまでも続く…冥界の風景そのままだった!

「…っ!」

サガが戻った時、本当にほっとした。
体に触れ、本物だと分かった時…

*  *  *  *


一人きりのベッドの中で、首にかけられた2つのリングをそっと握りしめてみる。

あと半月。

そう言ったものの、オレが戻れる見込みはない。
戻る方法はただ一つ…あれきりしかないのだから。
そして…サガと共にこの部屋を出られる見込みもない。
オレが外に出ても… たった一人この冥界の道をゆくだけだ。

従って…このリングの約束も─────…


──────あと半月。

それまではこの牢獄で… 

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一般的なラダカノよりもこんなミーカノに萌えw
でも勿論、ラダカノも好きですよ!

ていうか、長すぎ>△<。。




[No.16] 約束 (サガカノ にょ注意5)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時58分
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約束 (サガカノ にょ注意5)
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あの日からもう随分経った。

半月、といったところか。

原因の追及はしていない。

恐らく、何かの呪(まじな)いにかかってしまったのだろう。
ここも海底もそういうものに満ちているのだから、それを突き止める事は難しい。
第一カノン自身に秘宝や神具を扱ったなどの心当たりが無いのだから。

当のカノンは、だんだん自分の体の事実を受け入れる事が出来るようになってきた。
今はあんなに胸をぎゅうぎゅうに潰す事も無く、風呂や着替えも普通にしている。
ただ、まだ外に出る事には抵抗があるようで、この家にこもりきりだ。
閉じこもってばかりなのは良くないが、わたしもそれは賢明だと思う。
最も衝撃を受けているのはカノン自身なのだ。
まだ周囲の好奇の目に耐えうるほど、女性の体に納得してはいない。
従って、海界にもあれから一度も赴いていない。一応、活動不可能な状態であるという事は伝えておいたが。

慣れては来たものの、カノンに焦りが全くないわけがなく、わたしが戻ると大抵荒れて、わたしに当たる。

わたしにとっては、カノンの体が元に戻ろうと戻るまいと変わらず接してゆけるが、苛々しているカノンを見ているのは辛い。それは遠い昔の私達を思い出させた。
やはり元に戻れる事が望ましい。

…しかし。

現実はそううまく行った場合のみを望んでいても仕方がないのだ。

わたしは─────心に決めていた。


「…カノン」

今夜もひとしきり暴れ、喚き散らした後。
カノンはわたしの腕の中で落ち着きを取り戻しつつあった。
わたしは静かにその名を呼んだ。

カノンが応えるように、少し上を向く。
ぎゅ、とカノンの体を強く抱き直した。

「カノン…皆の前へ出よう」
「!」

カノンの体が硬くなり、それを押さえ込むように更に腕に力を込める。

「永遠にこのままという場合もあり得るのだ。わかっているだろう?」
「…っ」

カノンの目が、糾弾するようにわたしを睨(ね)める。
わたしはそんなカノンの髪を愛しんで撫でた。

「…否、明日すぐにではない。ただ、期限を決めようと言っているのだ。海底にしても、そういつまでも体調不良を楯には出来まい」

カノンの体の力が弛む。わかっているのだ。
下を向き、わたしの胸に顔を埋めた。

「…あと … 半月」

カノンが呟く。わたしは再び髪を撫でた。

「分かった。あと半月…だな」
「ん…約束、する」

ふ、と息を吐く。良かった。
そして次は。わたしが自問する番だった。
先程までの話は、これからのもっと重要な話の為のものなのだ。
本当に、良いのか─────

わたしはカノンから片腕を放し、ポケットの中のものに触れた。
指先でほんの少しもてあそび、それから掌に握り込んだ。

ゆっくりと息をする。

あと半月。
それはカノンの決意だけでなく、わたしの決意にも変わる。

「─────カノン」

遂にポケットの中からそれをつかみだし、再びカノンの名を呼んだ。

「…ん」

カノンがこちらを見る。
カノンを腕の中から解放し、しっかりと向き合う。

「…これを」

腕を突きだし、それをカノンの前に下げて見せた。
カノンはそれをまじまじと見たあと、ハッとわたしを見た。

「もし。もしだ。半月経ってもカノンがもとの体に戻らなかったその時… これを、付けてくれるか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

カノンは黙って… 驚いた表情でこちらを見ている。
馬鹿げていると、自分でも思う。
なぜなら私達はもとより肉親なのだから。

「ば…」

カノンが口を開く。

「馬鹿かよ…これ…オレにつけろって…?
だっ これ… 2コ、あるじゃないか。 それって…」

わたしは真っ直ぐに頷く。

「・・・・・・・・」

カノンは口を開けたまま、ただ呆然と見つめていた。

「だからカノン。──────その日まで預かっていて欲しい」

「・・・・・・・・・・・」

固まったままのカノンの首に、それをかける。
カノンは拒否しなかった。


古い麻紐に通された、二つのプラチナリング。

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カノンがノイシュみたいに主人公との触れあいで性別が変わると良いな〜というエーベルージュ妄想。
ちなみに、管理人エーベルージュはプレイした事ありません;
でも当時すごくやってみたかったゲームで、PCゲーム誌の攻略ページだけ読んでみたりしておりました。どっかで移植版でてないのかなあ。




[No.15] Stay / Away (サガカノ にょ注意4)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時56分
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Stay / Away (サガカノ にょ注意4 というよりも えろ注意)
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額、頬、耳、それから首筋… 鎖骨

柔らかい唇が啄み、舌が這わされる。
ふ、温かな吐息がかかり、ぐるぐるに巻いた布の上から、しなやかな指が触れる。
体中に、素肌が…重なり合う。
布の上を指が滑って、ラインを確かめるように腰骨をさすった。

それはいつもと変わりない愛撫の筈。
だけど…サガの体が全身を包み込んでて。
掌がすごく大きくて──────
サイズが違うとこんなにも違うものなのか…

ていうか!

「あっ、あっ …やだ サガ っ」

なんだこれ、オレの声?
まるで女だ…うわっ、恥ずかしい…

しかしいくら口をつぐんで堪えようとしても、堪えきれない。
しかも…あ、あの…
あまり考えたくない部分が・・・・・

オレの証があったハズの所が…っ
ジワジワと何かが満ちてくる。ものすごくヘンな感じだ…
お、女ってこんななのか…っていやそうじゃなく…?!
サガの刺激といろいろな事が体中をめまぐるしく駆けめぐり、目が回りそうだ。

自分の体が怖ろしくなり、固く膝を閉じる。

「んんっ …ふっ …」
「かわいい、カノン。もっと良く見せて欲しい」
「や、 んっ」

へ、変な事言うな!そして変な触り方もするな…っ
触られる度反射的に身悶えて、布が弛んできた。ヤバイ。
腕を伸ばして、シーツの端をたぐり寄せる。こ、これを体に…!

─────しかし

それはサガの腕によって阻止された。く、くそ!
手首をガッチリと押さえ込まれ、動かせない。

「駄目、カノン…隠すんじゃない」

サガの掌が、真っ平らに潰したはずの胸部に触れた。
ぽにょ。
う、うわ!ぽにょだってよ!!

「やだっ サガ!」

体を反転させて、何とか逃れようとするが、そんなことが許される訳もなく。
サガの指先が先端を探ってる。そしてそんなのすぐに見つかるに決まってる。

「やっ あ…っ あ!」

つまむな引っ張るな!!
オレは思わずジタバタした。

「こんなに熱くなって…気持ちいいのだろう?」
「んんっ…」

ぶる、と体が震える。
くそ、っ 足の間がジンジンする…

サガの頭が視界から消えた!や、ヤメロ!!

「はんっ─────」

ちゅるり、と音を立ててねぶる舌の感触が生だ!!
もう布意味無し!!それとこの声何とかしたい…

するり、と布の止めた部分が完全に外れた感。もうしょうがないか。
オレは両腕を伸ばして、サガの体に抱きつき身体を密着させた。
ふ、とサガの吐息が耳にかかり、その両腕が腰を抱く。
体がゾクゾク震える。

「…カノン」

低く響く声で、名前を囁き─────片腕が腰を離れた。
その手は…膝頭に!!

「だっ、駄目だ!!」

オレは凄まじい反射神経で、バッとサガから飛び離れた!
そして素早くシーツで身を被う。
やや驚いたような顔のサガと、今にも噛み付く野犬みたいに向き合った。

「だっ、駄目だサガ!!それは駄目っ」

焦って切れたような息で、必死に拒否!
サガは落ち着きを取り戻し、オレの方に両手を伸ばした。
シーツごと肩を抱き、再び胸に引き寄せられ、微笑みながら髪を撫でた。

「怖い…か?まあ、無理無いが」
「は、孕んだらどうする…っ」

自分で言葉にして、かあっと顔が熱くなる。

「わたしは構わない」
「…っ!」

即答?!余計に顔が熱くなる。

「そ、それにだな」
「…うん?」

なだめるように頬を寄せ、耳元で優しい声。

「…も、どれなくなる…気が、する」

一つの間をおいて、サガはふう…とゆっくり息を吐く。

「…わかった」

くい、と顎を持ち上げられて、再び唇を奪われる。
相変わらず優しい。

「いつもと同じなら… いいか?」

オレは俯きながら、頷いた。

いつもと同じ体勢でサガを受け容れながら、ふと口にする。

「なあ、サガ」
「うん?」
「サガは… … …」
「どうした」

「ん、何でもない」

もとのオレと今とどっちが良いかなんて…聞いてどうするんだよ。
サガは…何を聞こうとしたのか判ったのか、フフ、と微笑んで。
あやすように額にキスを落とした。

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な、長い!!!
コレなら本体も更新出来るだろ?!

うわっすみませんーーーー


ここーろーはー いまー きゃんどるーーーー♪(←現実逃避)




[No.14] 最後の願い (サガロス既成事実アリ前提黒ロス)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時55分
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最後の願い (サガロス既成事実アリ前提黒ロス)
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「───────お前は!!」

黄金の短剣で貫かれようとした赤子のアテナを抱いたまま、アイオロスは驚愕の声を上げた。
法衣を纏った教皇の素顔。それは─────

「…サガ!何故?!」

それは黒い髪をしていた。
しかし、間違えるはずがない。それは確かにサガだった。
普段と全く違う、暗い雷雲のような雰囲気を持った黒いサガ。
アイオロスは女神を抱く手に力を込めた。
正体を知られた黒いサガは、ふ、と薄く笑う。

「前教皇はお考えを変えられたようだ。アイオロスよ」

しかし、教皇シオンが既にこの世には居ないであろう事は想像に難くない。サガはそういう表情をしていた。

「嘘だ…サガ、何故こんな事を」

壁を背にして女神を庇い抱くロスに、黒いサガが歩み寄る。
アイオロスは片腕で女神を胸に引き寄せ、身構える。
黒いサガはアイオロスの前に詰め寄り、その顎を取った。
そして、そっと唇を寄せる。

それは、いつもとは全く違う─────氷のように冷たい口付け。
背筋に冷たいものが走り、悲しみが胸を支配し詰まらせるような。

長い口付けの後、ふ、と吐息を残して唇が離れる。
黒いサガは顎を取ったまま、アイオロスに囁きかけた。

「仁・智・勇に優れたアイオロス。その全てを見せてもらおう」

そして、体が離れた。
邪悪な笑みを膨らませ、突き放すように黄金の短剣の切っ先を向ける。

「さあ、行くが良い。女神を連れて。
さあ、仁・智・勇に優れた射手よ。今宵の獲物は何がよい?
仁を試す黄金の羊にするか… 智に挑む山羊、
それとも勇を揺るがす獅子狩りか…

出会え!アイオロスが謀反を起こしたぞ!!」

「…っ!」

アイオロスは高く嗤う声に背を向け、窓を破り飛び出した。

サガ、サガ、どうして─────!!!

溢れる涙は止められない。
ああ、どうか…

せめて差し向けられるのがアイオリアではありませんように!

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射手が狩るべき獲物に狩られる。
この選択肢の場合、差し向け可能なのはシュラだけ…
ということで、なんでシュラだったのかを捏造してみました。

激甘続きなので、ちょっと冷たいので。




[No.13] 隠蔽工作 (サガカノにょ注意3)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時54分
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隠蔽工作 (サガカノにょ注意続き)
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飯ぐらいゆっくり食わせろ、ってか、ゆっくり食いやがれ!
しかしもう言うだけ無駄か。オレの言う事なんか聞いちゃいないし。

サガが腕を引き寄せる。
なんだこの力?!
全然効いてない。腕が震えるほど力を込めているのに。
腕を無理に縮めていたら、体ごと持っていかれる。
オレの身体が軽くなり過ぎ?そして筋力も無さ過ぎ?!
…そして、楽しそうな顔するな!!

あっという間に、オレはサガの腕の中。
さっきもそうだったが、もうすっぽりと肩幅内に収まっている。
タテもヨコもだ。はあ、情けない。
一人で居れば忘れていられる現実を突きつけられて、余計落ちる。

サガが少し体を離した。
まじまじとコッチ見るな!恥ずかしい…
その視線が、顔より下に向けられた。

ああ!分かっているさ言いたい事は!!

サガの掌が、ぱんぱんと胸を叩く。

「…他の所は完全に女性らしくなっているようだが…?」

そして服の裾をぺろりとまくろうとしている。
やめろーーー!!

オレが見たくないのだ!!
自分がこうなった時を想像してみろ!!
視界に入りやすい範囲を隠蔽して何が悪い?!

必死で抵抗するオレ。
そうしたら面倒くさくなったのか…

ヒョイと足をすくわれた。

む。コレは…

抱き上げられている?!

「仕方のないやつだ。やはりベッドが良いのか?」

ち、違う──────!

しかし、声を発するいとま無く、唇を塞がれそのまま寝室直行。

「そうか。初めてなのだからな。優しくしなくてはいけないな」

そっとベッドの上に降ろされ、前髪をよけて額にキス。

それも違うってえの!!

いや、でもその表情とかドキッとする。いつもこんな優しい顔しないし。
ソレもいいなとか、思ってしまった。

サガもベッドの上に上がり、オレの上に覆い被さったまま、顔やら髪を撫でる。
じっと見つめる目も優しすぎ… う、流されそう。

そのまま、服の裾に手がかかり、オレはまた慌ててうつぶせになった。
イヤだ!!お前は良くてもオレが嫌だ!!

しかしそんな事をしても、背中からズルズルと服は脱がされ…
サガが体を持ちあげ、首から服を引き抜いた。あーあ。
仰向けに身を投げ出される。

サガはオレの姿をじーっと見下ろしていた。そしてフフフと笑った。

「…こんなにきつく巻いて、苦しいだろう」

布でグルグル巻きにした上半身。
巻くのに非常に苦労した。苦しい?ああ、苦しいさ!息が詰まりそうだし、大きく息すりゃ布が破けそうさ!!

オレは諦めて、身を投げ出していた。
あー、もう。どうせ今度はコレを無理矢理取るんだろ?

サガの両腕が伸びてくる。

…てっきり布でも引っ張るのかと思った。

しかし。
今オレは…

ふたたびサガの胸の中に閉じこめられていた。

「…カノン」

小さくオレの名を呼んで、唇が重なる。
オレの身体を包んだまま、ゆっくりと体を倒していく。
サガは布を外そうとしなかった。

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なんかダラダラ続いてます。
こんな所に来て頂き恐悦至極に存じます;;




[No.12] さめないうちに (サガカノにょ注意2)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時53分
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さめないうちに (サガカノにょ注意つづき)
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食事しながら、変化したカノンの全身をまじまじと眺め回す。
背丈がやや低くなり、全体的に華奢になった。
先程触れたウエストの感触。
わたしの目の前で動かされている手も、しなやかになっている。

無意識のうちに、その手首を掴んでいた。
細い手首は、わたしの指が余ってしまうほど。

「何すんだよ」

…言葉はそのままだ。
しかしそんな抗議の意味は届かず、ただ目の前の興味にのみ惹かれて。
その手を更に引き寄せた。
カノンが腕をひいて、抵抗する。
その力の弱々しいこと。思わず、笑みがこぼれた。
目の前のカノンの顔は、忌々しそうに眉根を寄せていたが。
細い指先に唇を寄せてみる。
唇と舌先で辿ると、細かな地形の変化がよく分かった。

「サガ…」

眉根を寄せたまま、はぁ、と息をつくカノン。
抗議の色を載せているが…
それはもう、合意と見ても良いのだろう?

わたしはもう片方の手にも手を伸ばし、その手に握られた食器をテーブルに戻した。

「…っ サガ!」
「食事は冷めてもいただける。だがこちらは醒めればお終いだ」

力を込めて抵抗するカノンをやすやすと引き寄せて、その肩口に顔を埋めた。




[No.11] そんな言葉が言えるなら (サガカノ)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時51分
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そんな言葉が言えるなら (サガカノ)
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朝、目覚める。
気が付くといつも、マクラじゃないものがマクラになっている。
む、またか。
これの所為で首が痛くて目覚めるのだ。

しかし、と考える。
一体いつからこの状態なのだ。
オレの首が痛いという事は、相当長い事こうなっていたに違いない。
重くないのか?首が痛いのだから、腕も痛いのではないか。
すっかりと寝違えて、今日一日は回復しないだろう。
ああ、もう、余計な事を。

*  *  *

朝、目覚める。
今日は腕枕ではなかった。
しかし、芳しい状況かと言えばそう言う訳では全くない。
むしろ良くない。
何故目覚めたのかと言えば、コイツが先に目覚めていたからだ。
オレはもう少し寝ていたかったのだ。第一まだ夜明け前ではないか。
目が覚めて退屈しのぎか知れないが、好きようにするのは止めてくれ。

*  *  *

朝、目覚める。
今日は特に何も無かった。
隣ですうすうと寝息が聞こえる。
その姿をチラリと見やった。
思わず、身を寄せた。
何故かオレよりあたたかい体。
腕に額を押し当てる…と、もそりと腕が動いた。
腕はぐいぐいとオレの首の下に潜り込んだ。

ぎゅ。と。

オレの身体を、引き寄せた。
眠っているくせに、力強く。

サガの匂い。
温かい匂い。

そしてまた、いつの間にか目を閉じている。
そしてまた、大幅に予定時刻を回っている。

なあ、明日から別々に寝ないか?
そんな言葉が頭をよぎる。
そう、それは毎日。

なあ、もう一緒に寝るのはやめにしてくれ。
そんな言葉が言えるなら──────

毎朝コイツの匂いなんかに、惑わされたりしないのだ。




[No.10] ただいま、と戻ると突然に (サガカノ にょ注意1)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時50分
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ただいま、と戻ると突然に (サガカノ にょ注意)
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カノン、ただいま。

心の中で呟きながらうちに入ると、突然カノンが足早に近寄ってきた。

どうした、今日は。
おかえりも言わないで。
こんな事は初めてだった。

ぎゅ、とわたしの背で両手を組む。

ふむ?

とわたしは首を傾げた。
カノンの感じがやや違う。

「…サガ」
「どうしたカノン」

カノンの頬を髪ごと挟んで上を向けさせる。
ふむ。やはりおかしい。
何故この体勢でカノンが上を?

「…っ、お、オレ…」

僅かに頬を染め、言いにくそうに視線を逸らせる。
こんな事をするカノンは初めてだ。
なだめる為に、キスをする。

「…う、ん」

抱きしめると、すっぽりと肩幅に収まった。
背中のカノンの両手が、もっとして欲しいと言っているから、更に深くする。
背中から腰へ…手を移動させて、強く体を引き寄せて。
そこで、確信した。

ゆっくりとたっぷりと、時間をかけて。
その後僅かに唇を離してから。

「体、どうした」

カノンは頬を染め、下を向いて首を振った。

「…わからん。だがそれよりも…」

下を向いたまま、言葉の続きを紡げずにいる様子で、言わんとする事が分かる。
わたしはカノンの頭を抱きしめた。

「気にする事はない。ここにいればいい。それだけだ」

抱えられたまま、頭がこくりと頷いた。

どんな事になろうとも、カノンはカノンだ。
変わりはない。
わたしは二度、カノンの頭を愛撫して、解放した。

解放されたカノンの表情が、もう一度キスして欲しいと言っていた。

「ん… っ 馬鹿野郎!」

図に乗るんじゃない、と怒るカノン。
しかし本気でないのはすぐに分かるぞ。

さあ、今夜は楽しい事になりそうだ。

そんな心の声を察したのか、カノンは馬鹿馬鹿しいと言うように、来た時と同様、足早に背を向けまたキッチンへと戻るのだった。

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とうとうやっちまった!!女注意です>△< 

しかも、なんか後ほど続きの予感




[No.9] アイツに似合う… (カノサガ)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時48分
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アイツに似合う… (カノサガ)
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アイツに似合うもの、何だろう。
装飾するもの?
飾れば、きっと綺麗だろう。
だが、アイツには似合わない。
飾ったアイツは、アイツじゃない。

花ならば、何だろう。
どんな花が似合うだろうか。
大輪、小輪、一重、万重。

色はどうする?
赤、白、黄、紫…

花を抱いた姿を描いてみる。
きっと喜ぶだろう。
そしてここに挿すだろう。

ああ、駄目だ。
いつかしおれて、くたくたする前に、棄てなくては。
ひからびたミイラなど真平御免だ。
散り落ちたあとは、床で厄介な塵となるのも、いただけない。

それからいろいろ、考えた。

…ああ、面倒だ。
第一アイツは、何だって似合うのだから。
どんな事になったとて、似合わぬ姿など見あたらないのだから。

* * * *

白いシーツの上で。
両腕を押さえ込んで。

オレはわかった。

明るい日差しに透ける、真白な素肌。
オレの腕の中が。

コイツはコイツが一番似合う。


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新聞に載ってた星占いだと、『来週は双子座ABの人この秋最大のラブラブチャンス!気になるあの人にアタックしよう!!』でした。
そんな訳で、サガにアタックしてみたカノンです。しかしチャンス到来まではまだ週末があるぞー




[No.8] サガロスとカノロス
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時47分
ロスは受けだーと主張する少数派。どちらかといえばサガロスの方が発展の可能性高いジャンルですが、振り返ればココにはカノロス率の方が圧倒的でした。なんかカノンとセットだと余計ほのぼのになっています。何故?だいいち接点どこよ?!←自分にツッコミ
一応、サガロスとカノロスは別々設定という事で。

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運命の出会い (サガロス)
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新任教皇として着任したアイオロスは、偽とは言え13年間教皇職を務めてきたサガに見張られながら、今日も様々な執務を前に冷や汗をたらしている。

「んー!やっとおわったあ〜!」

勢いよく伸びをして言うアイオロスの手元を、サガはチラリと見やったのだが…

「待て。コレのどこが終わっているのだ。半分も残って居るではないか」

どう見ても進んでいないその手元の様子。

「時間が」
「・・・・・・・・・」
「これ以上やったら頭バカになるよ。腹減ったし。昼飯にしようって」
「・・・・・・・・・・」

ロスの様子に、サガが仕方ない、と判断し、席を立つ事を許したのは、今から2時間ほど前の事だった。

「…ん」

昼食後のシエスタからふと目を覚ますと、黒いそれ。
いつの間にか自分の隣で目を閉じている、黒いそれ。
ロスはそろそろと半身を起こして、その顔をまじまじと覗き込んだ。
すると気が付いていたのか…それの目がぱちりと開いた。
目が合う。

「あ、サガ、起こしちゃった?」

ふわ、と微笑んで、ロス。
黒いサガは、怪訝そうにロスを見上げる。

「わたしが怖くないのか」

あの晩の事を、忘れる訳もない。

「別に。サガはサガだろ」

そんなけろっとしたロスの返事に、黒いサガも笑い返し、仰向けのままロスの体を引き寄せた。
ロスも黒いサガの胸に額を預ける。

「何故だ?」

ロスの短い癖毛を梳きながら、サガが問う。
サガの胸の上で為すがままにされながら、ロスは「ええ?」と面倒くさそうに息を吐いた。

「うん、誰だって同じ事思ってたと思うからさ。
サガ、真面目だからいけなかったんだよ」
「…何の事だ。新教皇の指名についてか」
「ちがう違う。アテナの事。サガも、怖かったんだよな。
あんな赤ん坊、女の子に全部託そうとしてる聖域がさ…
ロドリオ村の女の子達見てれば、やっぱり無理だって思うだろ?誰だって」

「・・・・・・・・」

「ほら、すぐそうやって黙り込むトコ、やっぱりサガだよ」

ロスはふふっと笑って、もう一眠りしようと言った。
黒いサガは息を吐き、ロスの額にキスを落とした。

そして随分経ってから…ロスが寝言のように呟く。

「13年前、おれたち、運命の出会い…だったよな」


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なんだよこりゃあ…;

黒サガだったらおさぼりも大目に見てくれそうwとロスがワクワクしている事希望します。




[No.7] ラダさんとカノン。
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時45分
全く唐突ですが、ラダさんvsカノン最後の戦いシーン。
双子座の聖衣を嘆きの壁まで送ったカノンは、ラダさんと無理心中コースを選択するわけなのですが…

ここんとこでカノンが聖衣無しでも冥界で生きてる事自体、ラダさんより優秀、てことですよね?!

もしそこん所をカノンが突っつけば、真っ向勝負が大好きなラダさんは、自分から冥衣脱いじゃって自爆すんのになぁ、と読むたびに思ってしまうダメ読者。

さて。
本日も更新するぞーvと勢いづいて書き始めたのですが、言葉探しに手間取って早速ネムくなりました。
都合が悪くなるとすぐに頭脳がスリープ逃避モードに切り替わる。
なんてやつ!!
ジュデッカでオルフェの琴を聞き眠り込んじゃった「風流な耳の持ち主」アイアコスも、静かなオンガクが流れた途端眠くなっちゃうオートマチックスリーパーだといいなあ。
技を解いてもくーくー寝ているアイアコス。
となりでミーノスがつついたら、ガッシャアアアン!!てコケちゃって、それでビックリして目覚めてキョロキョロ。
「よだれたれてますよ」
と¢(`=`)_ρヤッテラレン顔のミーノスに指摘され、慌てて腕で口元ゴシゴシしたら尖った冥衣だったの忘れてて唇切っちゃったりね。

…この前漢字変換機能がおかしくなった際、辞書を入れ直したら、いつの間にか「顔文字辞書」なるものまで組み込まれたらしいです。
文書いてるとチョコマカと勝手に顔文字になり、ちょっぴりウザイです。




[No.6] 女性化ネタなら
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時44分
双子ニョタも勿論美味しいですが、今欲しいものといえばロスリアニョタですv
双子は女性になってもモトが美人なんで美しいだろうというのは一般的予想範囲内ですが、ロスとかリアとかは美人と言うより「可愛い」系列になりそう^^
性別が反転すると、身体的特徴も反転してくれる設定だとベスト!
男らしい→より女性らしく ガッチリ→華奢 みたいな〜♪

リアは男のプライド人一倍ありそうなので、女性になっても動きは男そのもので自分スタンスは決して崩しそうにないです。
でもハズカシーので、いざ人とバッタリ出会っちゃったらちょっぴりモジモジ系入ってたらいいなw
ショートカットの軽い癖毛でブロンドヘアー、ぱっちりキラキラ瞳は空色、ムネとお尻はさほどでないけど、ウエストはキュッv
キャーカワイイ//>▽<//
思わず腰に手を回したくなっちゃうようなキュートなリアちゃんです(妄想) 

ロスはロスで、リアより少し茶色かがった髪ですが、リアよりサラサラ感がありそうです。どちらかというとリアはふわっとした猫っ毛(獅子だから?)兄弟(姉妹?)そっくりのパッチリおめめvでもロスが早死にしたせいでカタブツマジメに育ってしまったリアとは違い、もう少しあそびゴコロのある輝きでwそのせいでリアよりもむしろ幼く見えるとGOODですよ☆
ペッタン気味のリアとは対照的に、ロスはぷるるん巨乳系。
カノンあたりに、「一部には巨乳=馬鹿ッぽいというイメージがあるようだが、お前を見てると確かにそうかもしれんと思えてくるな」とか言われたりしそう。(あっ!勿論管理人はそんなイメージ持ち合わせてませんよ!!念のためー)
そしてサガに「否、それは本人自身の醸し出すイメージだ」とからかわれる。
女性になっちゃって最初はドキドキびっくりのロスですが、開き直ったら「女性なんだから女性らしくしなくちゃな!」な方向性に的を絞り始めます。多分オトコ女状態のリア見て。みっともない女と思われるより女に徹してみようかなみたいな。
でも誰かと喋っているうちにだんだん地が出て、「あっ、しまった!」って言い直したりして笑いを誘う。べりべりきゅーーーーっつ!!

ただでさえ受けロスは少ないのに、ニョタは更に少ないんだろうなぁー
でも誰か書いてくれないかなw




[No.5] おにいちゃんといっしょ 3
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時43分
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腕の中でねむる  (サガカノ)
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どうしよう。どうしよう。

サガにあいたい。

ここでいつまでも待っているなんてできない。

あいにいきたい。

でもできない。

サガと約束したから。
待っているって、約束したから。

サガが来るまで…来られるようになるまで待っているって。

サガ、いつ来るの?
今日は来る?
明日は来られる?
明後日、その次?

それとも、もっと──── ずっとむこう?


…どうしよう。
あいたくてあいたくてどうしようもないよ。

だってわかっちゃったんだ。

サガが好き。
────── どうしよう。

どうしたらいい?


* * * 


くそ。

そんな昔の夢なんか見たりすんのは、こいつのせいなんだ。
こんなにちっちゃいくせに、サガの匂いなんかするからいけないんだ。


────サガ…


あいたい。




[No.4] 兄弟コンビ
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時42分
先日はカノンとロスの弟兄コンビだったので、本日はネムノキの下にそれぞれの弟兄を探しに来た兄弟(あにおとうと)コンビ。
アイオリアは偽教皇サガに対しては腹に一物はあるでしょうから、カノン←ロスのようにはなつかないとは思います。
でも!
やっぱり黄金年少ちーむにとって、小さい頃は年長者のサガとロスはもうすっごい憧れの対象だったんじゃないかと!!
リアにとってロスは裏も表も知ったる自分の兄貴ですが、サガはキラキラのイイトコだけ見える他人のおにーさんです。
兄弟喧嘩をした時なんかは、夜中、
「なんでおにいちゃんがろすにいちゃんなんだあ〜!サガみたいのがよかったああああ!!」
とか泣きわめいたりして、ロスに
「あーうるさい!!じゃあサガんとこ行け行け!!」
と居住している人馬宮の前の階段におっぽり出され、
「お゛に゛い゛ぢゃ゛ん゛の゛ばがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜゛〜゛」
とか叫びながら、二度と帰るもんかと双児宮まで降りていく途中、蟹に掴まってからかわれ、余計泣きながら蟹にポカポカ殴りかかっている所をサガが双児宮から助け船を出してくれるような、そういう一幕を妄想。
双児宮に一時保護され、キラキラの神の化身顔でなだめながらも、聖闘士の先輩としてきりっとリアをいさめるサガに、
「やっぱりろすにいちゃんと違ってカッコイイv」
と惚れていてくれたらベストです。
そんな過去があるので、芯から黒サガの所行を恨んだりできず、揺れていてくれると素敵w
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いつの日も(サガとリア著しく過去捏造)
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「…折角だから」

ネムノキの下から戻りながら、そう誘ったのは、サガの方。
アイオリアは僅かに驚いた顔で一瞬サガの方に向いたが、どこか寂しげにさえ見える微笑を見るや、ためらいがちに頷いた。


「いつかゆっくり話をしてみたいと思っていた」

葡萄汁の入ったゴブレットとバクラバをすすめながら、サガはアイオリアの正面 … 双児宮の裏手のテラスに設置された席に腰掛けた。


アイオリアは神妙な顔つきでサガを見る。
アイオリアは直感的にサガの言いたい事を掴み取った。

謝罪されたら…困る。


何故ならばもう、サガの心の慟哭を知ってしまっているからだ。
13年の彼の苦しみと痛みを知ってまで、それと自分の過去の境遇を天秤にかけようなどとは思わない。

…それに … … …

「オレも…あなたに言わなければならない事がある。

─────アイオロス兄さんが死んだ夜 ──────」

サガの目が、穏やかに細められる。
テーブルに両肘をつき、そこに軽く顎を載せて、アイオリアの続く言葉に耳を傾ける。

「アイオロス兄さんの棺の置かれた部屋に忍び込んで、オレは泣いていた。とても悲しかった。逆賊だなど、とても信じられなかった。でも…
どんな理由があったにしろ…兄さんは逆賊として死んだのだと… 悔しくもあった。…裏切ったと」

「・・・・・・・・・」

サガは口を挟むことなく、静かに聞いている。

「…もし、あの時サガが… 

来てくれなかったら・・・・

オレは本当に兄を逆賊として軽蔑していたかも知れない。
もしあなたが…オレと一緒に泣いてくれなかったなら。
どんな事があっても兄を信じ続けろと…言ってくれなかったならば・・・・

オレは…あの夜のあなたを忘れなかった。
逆賊の弟と罵られようと心の奥で兄を信じ続けられたのは、あの夜があったからだと。
黄金聖闘士の年長者として信頼を集めていたあなたが味方に付いていてくれる事が、幼かったオレをどれだけ支えてくれたかわからない」

アイオリアは言葉を切り、頭を垂れた。

そんなアイオリアに、サガはふっ、と自嘲的な笑みを漏らす。

「わたしは───── 君たち兄弟がとても羨ましかった。

あの夜は…私にとってカノンが居なくなった日でもある」

はっ、とアイオリアが頭を上げてサガを見る。

「スニオン岬の岩牢から、カノンが居なくなっていた。

わたしは…弟を信じていた。
素行のよい弟ではなかったが、双子座の黄金聖闘士たらしむ男であって欲しいと…そうであると…信じていた。

カノンは水牢で心を入れ替え、女神の赦しを得られるだろうと。

…しかし──── カノンは消えた。
わたしは…弟を信じていたかった。

アイオリア、あの夜はただ、そういう夜だったのだ──────」

じっと真っ直ぐに自分を見つめているアイオリアに向かい、あまり買いかぶるものではない、と伝える。

アイオリアは葡萄汁を一口ふくみ口を湿すと

「あなたは… 

やはり幼かったオレ達が信じたとおりの…双子座の黄金聖闘士でした

いつだって」

そして勧められた甘いバクラバにかじりついたのだった。


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痛いくらい著しい妄想でスミマセン!!




[No.3] 弟兄コンビ (受けロス)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時40分
いえ、この場合「きょうだい」の書き間違い?でなくて。
そしてロス受け+兄弟=リアロスという公式でもなくて。(それも美味しいですが)

サガロスの場合、兄兄コンビとなるわけですが、カノロスだと弟兄コンビ。
サガはロスに対してちょっと強引な攻め方もしそうに思いますが、カノンとロスのコンビだともっとなんかこう、プラトニックな感じwというのは管理人の勝手な印象です。
なんというか、サガよりカノンの方が「じっくり系忍耐」が長けている気が。
サガは一時的にかかる強いストレスに対しては相当忍耐強いですが、こういうなかなか意のままにならないものをじれったく待っていなければならない状態、というのは全く堪え性が無さそうです。
結局日常の中では常に自分の良いようにしていたいというのがサガの信条であり、その為ならばどんな嫌な場合での善顔も厭わないような。(何その言い方;)
カノンは管理人脳内では日陰者設定の為なのか、表だって現れないよう息を潜める事が当たり前になってるような印象です。
結局13年でもジーッと機を窺っていられるのだからすごい忍耐です。
ロスを攻めるにもサガのように性急に迫ったりしないで(え!そんな設定?!)気の置けないお友達と思って油断させとく期間がえらく長そうです。
更に、ロスの方が年下になる訳ですが、ばりばりの弟オーラでさりげなくちゅうとかしても「あははっ」と単なるじゃれ合いで済ませられるようなそんな攻め方。
最後に全て奪ったとしてもその延長として何故か許せてしまうまで、じっくりじっくりやるのです。
神をも誑かした男には、誰相手だろうといつの間にか誑かされてしまうのですw実は赤ん坊アテナも、秘かに誑かされていたに違いない!
そんなおとーとカノンにバンザーイ!

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ねむの木の下で (カノ×ロス)
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聖域の外れの、海を望める一角は、ちょっとした草原が拡がっている。
丈の低い八千草の茂る柔らかい草の原には、所々にネムノキが自生して、柔らかな木陰を作っていた。

強い日差しの下、桃色の柔らかい花をたくさん付けたその木の下は、昼寝をするのにこれほど丁度よい所はない。
だから、カノンはこの時間、きっとそこにいるだろうと踏んだサガは、
12宮を降りてそこに向かっていた。
たまには二人、のどかな木陰でゆっくりと午後を過ごすのも悪くない。
…と、アイオリアも同じ道をずっと歩いている事に、程なく気が付いた。声をかけると、
「兄さんに少し用があって」
「場所に心当たりが?」
「…まあ」
という会話を交わしたアイオリアと、何処かで別れると思いながら歩いているのだが、一向にその時は訪れず。

 …アイオリア、もしかしてと思うのだが…
 …サガ、自分もあまり良い予感がしない…

そんな互いの心の声が聞こえたか聞こえなかったのか。

草原に生えた一番大きなねむの木陰で、カノンの腹をマクラにして眠るロス兄貴。
二人ともすごく気持ちよさそうに。
しかもご丁寧に、その左手の甲にはカノンの左手が重ねられている。
柔らかいポンポンのような桃色の花が二人の上にふわふわと舞い落ちて、そんな二人に彩りを添えて…

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

やっぱり…しかし、その仲睦まじそうな様には呆れてしまう。

「…ん」

気配を感じたのか、カノンがぴくりと動き、その動きでロスもぼんやりと目を開く。

「…兄さん」
「…ん、リア?何か用?」

むくりと身体を起こして、あふ、とアクビ。
カノンはカノンでようやく「腹の」荷が降りたとばかりに、うーんと伸びをしている。

「ふぅ、カノンの腹、柔らかくて気持ちいいからつい寝ちったよ」

そんなロスに、

「カノンは筋肉の質が良いからな」

とすこぶる真顔でサガが答える。

「何、二人して。珍しいな」

寝転がったまま、サガの方に首だけ向けて、カノンも眠そうに応えた。

「否、たいした用ではない…」
「別に、オレもたいした用事じゃないけど」

「ふぅん…」

カノンが半分寝たような曖昧な息を吐いて、再び目を閉じる。
けれど、ロスに重ねたてのひらは、一度も離される事はなかった。

「…そろそろ戻るか、アイオリア」
「…あ、ああ」

「帰っちゃうの?二人もココで寝てけばいいのに。かなり気持ちいいぞ。カノンの腹もふにふにだし」

ロスの誘いに二人が同時に「いや、いい」と言ったのは言うまでもない。

二人が去ってしまってから、カノンは重ねていた手を引き寄せて、そっと唇を押し当てたのだった。


「…アイオリア。
東洋ではこの木を「合歓」とはよく言ったものだ」

帰る道すがら、サガが傍らのネムノキを見上げてポツリとそう言ったが、アイオリアは少し首を傾げただけだった。

※合歓(ねむ)=合歓(ごうかん)。[1]喜びを共にする事。[2]同衾すること。

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ネムノキは、日が落ちると眠るように葉っぱを閉じるので、眠る木=ネムノキといいます。しおれる時にもやはり葉を閉じます。
管理人子供の頃はよくネムノキの下で遊んだのですが、葉っぱをとっては「ねむれー ねむれー♪」と子守歌を歌って「寝かしつけて」ました。ただしおれてるだけなんですが…なにぶん子供だった故本気で「寝ている!」と思っておりましたよ;
ちなみに、午後4時ぐらいから葉を閉じ始めるのですが、それでも木ごとゆすっては「ねむれ〜♪」と…
ねむの花はかわいくて大好きですw

そんな可愛い花の写真はウィキペディアでどーぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E6%AD%93
ただこのネムノキの写真、葉っぱがやたらとスカスカだ;
本当はもっと、気持ちのよい木陰を拡げてくれるのです。




[No.2] おにいちゃんといっしょ 2 (サガカノ)
Columnist るり<管理人> 2008年11月01日(土) 13時39分
…続いてます。単なる自己満足。
今度のBBSはカウンタが…しかもご丁寧に今日と昨日のアクセスが分かるの付いているので閲覧状況がまるわかり。

誰も見てねえな!!= やりたい放題でもだいじょぶって事だv

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おにいちゃんといっしょ 2 (続・うちのさがしりませんか?)
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「うあー つ、か、れ、たー!」

風呂から上がり、パンツ一丁でドサア、とベットに身を投げ出すカノン。ちなみに、さがはまだ風呂でアヒルと遊んでいる。
とても付き合いきれんのでほって出てきた。

思えば大変な一日だった。…と言っても昼からだが。
まさかサガが…あんな姿で戻ってくるとは思わなかった。

あーあ。明日からずっと、アレに振り回されなきゃならんのか…

カノンはふーとため息。明日からの今日の連続は想像するだに頭痛がする。


しかし… … … こうなるとやはり考えてしまう。

もし、もしサガが元通りに戻ってきていたら─────どうなっていたのだろう。


ごろり、と身体を反転させてうつぶせになる。
確かに何かを期待している自分が居たから。

女神の力に守られながら、皆と戻ってこなかった時点で、もうそんな事はあり得ないと思っていた。
サガはもう、この世には決して戻ってこない。

死別。

そう。当たり前なのだ。死んだ者にはもう逢えないという事など。
もういない。サガは…もういないのだ、と。

しかし、何故? 13年前に死んだはずのアイオロスまでも戻っているというのに。
並んで歩く兄弟の姿に、隣にいないという事を痛感した。

自分は…サガと共に双子座の聖衣を纏える。
あの兄弟は … 一人に一つ、それぞれの聖衣。

彼らとオレらの違いは、そこ。
そこ、なのか。

一人いれば、充分。
代わりが居る聖闘士など他にいない。ああ、そうか。当たり前なんだ。
あの夜、女神の許しを得、双子座の聖衣を纏ったその時から、聖衣はサガの魂を…離れていたのかもしれない。
嘆きの壁では、他の黄金が度々星矢らに聖衣を託していたのと同じだったのだろうか。

カラッポの手。黄金の短剣を手渡した時の事が頭に甦る。
直視出来ずに視線を逸らせた。でも、もっとよく見ておくんだった。
サガの姿。どんなに痛かろうと…真っ直ぐに見ておくんだった。

女神を責める事などできはしない。しても仕方ない。
もう、何故、などと問うまいと、心に堅く誓っていたというのに───


… … … それが!

なんなんだ!!!あの姿は…っ!

あんまりじゃないか?サガ。子供になって戻ってくるなんて、反則過ぎる!

誓いは脆くも崩れ去る。

何故?なんで?どうしてなんだよ ──────── サガ!


カノンはシーツを手の平の中にたぐり込んだ。


  * * * *


「あーたのしかった!」

かたん、とドアが開いて、タオルで拭いただけの濡れ髪のさがが、上機嫌でベットルームに入ってきた。
そして…風呂から上がったままの姿でベッドに転がっているカノンをすぐに見つける。

「あれ… かのん、かのん?」

顔を覗き込んで、名前を呼んで。

そしてうふっ、と小さく笑った。

「かのん、しかたないやつだなあ」

そーっとベッドの上に上がり、傍らにたたんである掛布をそーっと体にかけて。
カノンの大きな頭を、小さなさがの手がふわ、ふわ、と撫でる。

「うん サ …ガ …」

さがはカノンに身を寄せるように、同じ掛布に潜り込む。

「かのん? もうひとりぽっちになんか、しないからな」

カノンの前髪に軽くおやすみのちゅうをして、さがも目を閉じた。


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なんかやたら長くなっちゃったよ;




[No.1] おにいちゃんといっしょ! (続・うちのさがしりませんか?)
Columnist るり<管理人> 2008年10月30日(木) 22時21分
2008双子誕企画様に出品した「うちのがしりませんか」のオマケ妄想。

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おにいちゃんといっしょ! (続・うちのさがしりませんか?)
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何故かちびっちゃい姿で復活した「さが」を連れて双児宮へ戻ったカノン。
チビのくせにカノンにお兄ちゃんを気取るさがにてんてこ舞いした一日もようやく終わろうとしていた…のだが・・・・

「かのんすげー!おふろがたらいじゃないぞっ!おふろばだあ!!」
双児宮の風呂場のドアを開け、後から入ってきたさがが目を輝かせた。
「ん、まあ…」
黄金とは言え聖闘士がそんなに豊かな私的スペースを持っているわけもなく、そうたいした風呂場でもないのだが、それでもさがは嬉しそうにはしゃいでいる。
「すげー!あひるちゃんが100こもうかべられるよ!ひゃっほー」
どっから持ってきたのかお風呂に浮かべるあひるちゃんを胸にダッコしたさがは、ぺたぺたと走ってザブンと勢いよく湯船に飛び込んできた。
「こ、こらさが!!飛び込み禁止だっ!」
先に使っていたカノンは頭の先から飛沫を盛大にかぶったのだ。
「あははっ かのんびっちょびちょー」
バシャバシャ
「うっさい!!飛沫飛ばすのヤメロ!」
「くらえかのんっ、あひるちゃんあたーーーっく!!」
びしゃあああああ!!!!
アヒルは水鉄砲になっていたらしい。
「・・・・・・・・・・・・・」
髪からボタボタと滴を垂らしながら、カノンの動きが止まる。
その一瞬後、ザバア!!とカノンは湯船から立ち上がった!
「… こ、んの クソガキ! ちったあ静かに…」しかし…
「ああーっ!か、かのんっ!!」
カノンの怒りは、さがの悲痛な叫びで中断された。
今度は何だとさがを見下ろす…と、その視線はカノンの下半身に注がれていた。
「か、かのんのちん×ん、ヘンないろなってるぞっ!だいじょぶか?いたくないか?!」
「はあ?!」
どうかなっているのかとカノン自身も思わず下半身を見下ろすが、特に何時もと変わらず…というか、あ、そうか。
フッフーン♪と笑って、「これはだなー…」とさがに説明しようとしたその時である…
「いたいのいたいの、とんでけー」

ぱくっ!

なーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!


「なっ… なっ、なっ、 何すんだゴルアァアアアア!!!」

カノンは顔を真っ赤にしてさがを浴槽から放り出したのだった。

「いって!なにすんだよかのん!なめればよくなるだろっ」
「なっ、なっ、ならない!!これはこれでいいんだっ!!」

チビ相手に本気の大慌てでサガに怒鳴り散らしながら、その目はつい、さがのちっちゃいぷるぷるしたピンク色に向いてしまうのだった。。。




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