11 01(水) とんでもない!核保有論 |
●<核保有論議>中川氏「憲法上は持てる…現実は非核三原則」 自民党の中川昭一政調会長は30日夜、静岡県沼津市での講演で、自らが提起した核保有論に関して「憲法の政府解釈では、必要最小限の軍備の中には核も入るとしている。その片方で非核三原則がある。現実の政策としては核は持たないということになるが、憲法上は持つことができると政府は言っている」と述べ、改めて核論議の必要性を強調した。 核保有の可否をめぐる政府見解としては「自衛のための必要最小限度の範囲内にとどまるものである限り、核兵器であると通常兵器であるとを問わず、これを保有することは憲法9条2項の禁ずるところではない」(78年3月、参院予算委員会での内閣法制局長官)との答弁などがあり、中川氏の発言は政府見解を踏襲したものといえる。 これに関連し、塩崎恭久官房長官は31日午前の記者会見で、「憲法で定める『必要最小限度の自衛のための実力』と言う時、法理論的、技術的には核兵器も入るかも分からないということであり、それと政策とは別物だ。政府としては非核三原則は守ることを明確にしている」と述べた。 (毎日新聞) - 10月31日14時28分更新 ●<核保有論議>中川氏の発言に安倍首相が理解 安倍首相は31日、自民党の中川政調会長が「憲法の政府解釈では、必要最小限の軍備の中には核も入る」と語ったことに関し、「法理論上の議論のことについて言及したんだろう。非核三原則を守っていくと述べたうえでの議論だろう」と述べ、理解を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。 (毎日新聞) - 10月31日14時53分更新 ●中川氏、米での持説で「核論議」再び 与党不快 2006年10月29日00時31分 自民党の中川昭一政調会長が、日本も核保有論議が必要だとする持説を米国でも要人相手に繰り返した。安倍首相が各国から疑念を招かぬよう早々と封印した日本の核保有論議だが、政権党の政策責任者が米国から改めて発信した格好だ。発言には北朝鮮の動きを牽制(けんせい)する狙いがあるが、日米安保体制の根幹にかかわる問題を当の米国で持ち出しただけに、日本政府・与党の幹部も不快感を隠さない。 中川氏は一連の会談後の記者会見で、核保有論議について「ゼロからのスタート。核の傘とは何ぞやという歴史的経緯から勉強していきたい」とし、「目的は北朝鮮の暴挙を一刻も早くやめさせること。情報や歴史を整理し、総合的に判断する問題だ」とも語った。 核保有論議は「日本が米国の核の傘の下にあることが基本」(政府関係者)の日米安保体制や、核不拡散条約(NPT)のあり方の再検討さえ迫るものだ。ところが中川氏は日米安保やNPT体制は「大前提」と語っており、さらには核保有論議は「自然に起きてくるはずだ」と党内で議論をリードするつもりがないことも強調している。 結局、政府・与党内でも「真意が全くわからない」(公明党幹部)。首相は政府としてこの問題を議論することはないと繰り返しており、政府高官らは28日、一様に「首相の言っていることに尽きる」と語った。自民党の防衛庁長官経験者も「日本の核保有については政府内でも理論的な研究がされ、持つべきではないという結論がすでに出ている。今さら党で議論する空気はない」と断言した。 外務省幹部は「発言は『米国に頼りっぱなしはおかしい』という政治的信念の表れではないか」と見る。この幹部は「米側が中川氏を将来首相になる政治家と見るなら、非常に深刻に受け止めるだろう」とも語った。 中川氏自身は一連の発言に、国内での議論を喚起すると同時に北朝鮮や中国を牽制する意味を込めている。 15日に中川氏が核保有論議の必要性に言及し、ブッシュ米大統領が日本の核保有に対する中国の懸念に触れ、中国の唐・国務委員が訪朝して北朝鮮の核実験をめぐる緊張状態はひとまず緩む方向に向かった。中川氏は記者会見で「結果的にそうなった」としながらも、自身の発言が中国の説得外交につながったとの見方を示した。 だが、中川氏の発言と中国の動きの関連は定かではなく、政府・与党内でもこれを積極的に認める声はない。 ●中川氏「核論議すべきだ」 米でも発言 2006年10月28日11時49分 訪米中の自民党の中川昭一政調会長は27日、ワシントンでアーミテージ前国務副長官やシュワブ米通商代表らと会談した。中川氏は同日夕(日本時間28日午前)の記者会見で、核実験発表後の北朝鮮と日本の関係を「核を保有しようとしたキューバと米国の関係というように理解して欲しい」と62年のキューバ危機になぞらえ、日本も核保有の是非を議論すべきだとした自身の発言について理解を求めたことを明らかにした。 中川氏は旧知のクエール元副大統領、民主党のダシュル元上院院内総務とも会談。「核論議」発言について、「そういうこと(北朝鮮による攻撃)が起きないよう、あらゆる手段を議論すべきだ」とのこれまでの発言の意図を説明した。ただ会見では「非核三原則や日本が加盟している核不拡散条約(NPT)、日米安保体制は大前提だ」と強調した。 中川氏によると、米側からは核抑止力を前提にした説明に、「それは米ソがぶつかり合っていた冷戦時代の議論だ」との懸念が示された一方、「議論は当然だ」との反応もあったという。中川氏は、だれの発言なのかは明らかにしなかった。 一連の中川氏らの発言について安倍首相は、政府や党が核保有を公式に議論することはないと明言している。中川氏も会見で「党に組織をつくってやることではない。党の部会での議論の中で出てくるかどうかは、個々の議員の判断だ」と述べた。 ●シーファー駐日米大使、日本の核保有論を牽制 2006年10月27日20時37分 シーファー駐日米大使は27日、東京都内の日本記者クラブで会見し、北朝鮮の核実験実施を受けて日本国内で核兵器保有論が議論されていることについて、「フランスも核兵器を持ったが、旧ソ連に対する抑止力が強化されたわけではなかった。米国が全力で対応することで抑止されていた」と語り、牽制(けんせい)した。 また、日本が集団的自衛権の行使を認めていないことを念頭に「米国は敵のミサイルが日米どちらに向かっているかにかかわらず、(ミサイル防衛で)迎撃しなければならないが、日本は米国に同じ義務を負っているわけではない」と指摘。 そのうえで「この問題には今答えを出しておいた方がいい。その時になって決めようとしても間に合わない」と述べ、攻撃対象が判然としないミサイル迎撃について、日米間で調整が必要との認識を示した。 ●日本の核武装論、中国も懸念 ブッシュ大統領が反応 2006年10月17日13時13分 ブッシュ米大統領は16日、米フォックス・ニュースのインタビューに応じ、北朝鮮の核実験をめぐる中国の対応について「日本が核兵器についての立場を再考するという発言について(中国が)懸念を抱いているのを知っている」と述べた。 自民党の中川昭一政調会長の「核保有の議論はあっていい」との発言に反応したと見られる。大統領自らの考えは示さなかった。 大統領はまた「中国は朝鮮半島の核兵器を懸念しているし、北朝鮮から身を守るために近隣諸国が軍備拡張を検討することを深く心配している。彼らは極東での軍拡競争の結果がどうなるかを理解している」とも語った。 |
●朝米中が北京で会合、6カ国協議再開に合意 【北京31日聯合】北朝鮮・米国・中国の3カ国は31日、北京で6カ国協議の首席代表による非公式会合を行い、およそ1年間にわたり中断されている6カ国協議を早期に開くことで合意した。早ければ11月初旬にも再開される見通しだ。 中国外交部は同日、ホームページを通じ6カ国協議早期再開合意を伝え、北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官、米国のヒル国務次官補(東アジア担当)、中国の武大偉・外交副部長の3人が「6カ国協議プロセスの推進継続問題について率直かつ深く意見を交わした」と明らかにした。 韓国と北朝鮮、米国、中国、日本、ロシアの6カ国は、北朝鮮核問題の解決に向け昨年第4回6カ国協議を行い、北朝鮮の「すべての核兵器と現存する核計画の放棄」を前提とした6項目の共同声明を発表した。しかし、米国が北朝鮮の米ドル紙幣偽造や麻薬密売の疑いを主張し金融制裁を実施したことで米朝関係が膠着(こうちゃく)状態となり、7月5日のミサイル発射、10月9日の核実験などで、6カ国協議は破局直前の状況に至っていた。 一方、ヒル次官補は駐北京米国大使館で記者会見を開き、合意の事実を確認し「6カ国協議参加国がすべて合意すれば、早ければ11月初旬から12月に再開する」と明らかにした。北朝鮮は再開の前提条件を提示せず、協議で譲歩が成立すれば核を放棄する意志があることを示したという。また、協議再開に至れば、米国の北朝鮮金融制裁に対する北朝鮮の懸念を扱うことになるだとうと述べた。 (YONHAP NEWS) - 10月31日22時12分更新 ●米大統領、6か国協議復帰歓迎するも「制裁は継続」 【ワシントン=坂元隆】ブッシュ米大統領は31日、記者団に対し、北朝鮮の6か国協議復帰を歓迎するとともに、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議を着実に履行するとし、制裁を今後も継続する方針を示した。 また、大統領は決議の実効性を確認するための代表団を関係国に派遣すると表明した。 大統領は「我々にはまだやらなければならないことがたくさんある」とも述べ、6か国協議で北朝鮮が「国民のよりよい未来と引き換えに、検証可能な方法で核兵器計画と核兵器を放棄する」ことを目指すと明言した。 スノー大統領報道官も31日の記者会見で、「米国は北朝鮮を協議に復帰させるため、制裁解除を申し出たりはしていない。(制裁解除は)今後の議論となる」と話した。また、米政府当局者は、「北朝鮮が6か国協議に復帰することが、そのまま制裁解除となるわけでない」と指摘した。 (読売新聞) - 11月1日3時4分更新 |
11 03(金) モーツァルトA<もっと MOZART> |
11 04(金) <いじめ自殺>日本の教育 |
<いじめ自殺>16件あった 文科省「ゼロ」発表の7年間に いじめが主な原因で自殺した公立小中高校の児童生徒の人数を文部科学省がゼロと発表していた99〜05年度の7年間に、いじめが原因と疑われる自殺が全国で少なくとも16件あることが分かった。このうち、いじめを訴えたり示唆する遺書や走り書きが残されていたケースが11件、亡くなった子どもに対するいじめの存在を学校が認めた事案が10件あった。文科省や教育委員会、学校によるいじめ自殺の実態把握の不十分さが厳しく問われそうだ。 日本弁護士連合会や市民団体のまとめなどを参考に、毎日新聞が集計した。16件には、いじめた側とされる児童生徒が警察に逮捕されたり、児童相談所に通告された事例が4件▽自殺をきっかけに、教委がいじめ対策に取り組んだケースも4件ある。ただ、遺族が起こした裁判でいじめは認めつつ、「自殺との因果関係は明確でない」とされた例もある。 00年7月、埼玉県川口市では、市立中学校の1年男子がメモ帳に「HELP」と書き残し、自宅で首をつった。入学直後から複数の同級生にたびたび取り囲まれ、背中へのひじ打ちや太ももへのけりを受けていた。埼玉県警は、14歳未満だった同級生9人を児童相談所へ通告した。校長も記者会見でいじめを認めた。 05年4月には、山口県下関市の市立中学校で3年女子が校内で首をつって自殺。自宅に「死んだらもういじめられないですむ」というメモがあった。校長は女子生徒が「キモイ」「あっちに行け」と言われ、石を投げられていたと両親に伝えた。 だが、いずれも文科省はいじめ自殺とカウントしていない。 いじめの発生件数や自殺者数は過去、同級生と担任の「葬式ごっこ」などを苦に自殺した東京都中野区立中野富士見中の鹿川裕史君事件(86年)や愛知県西尾市立東部中の大河内清輝君事件(94年)など、世間の注目を浴びた際に増加するがしばらくすると減少する。 これについて、文科省児童生徒課は「自殺原因は教委の責任で学校に判断させてきた。今後は調査方法を見直したい」としている。 98年に娘が自殺し、いじめ対策の市民団体を運営する横浜市港南区の小森美登里さん(49)は「学校や教委、文科省は遺族から起こされる訴訟への影響を考えているのだろうか。上司の評価を気にかけていじめを認めたくないという空気もあるのだろう」と話す。【井上英介、吉永磨美】 いじめ自殺が疑われる他の14件は次の通り。(自治体名は当時) 【99年】 5月、群馬県利根郡、高3男子 7月、松山市、中3女子 9月、静岡県藤枝市、中1男子 10月、堺市、高1女子 11月、栃木県鹿沼市、中3男子 【00年】 5月、宇都宮市、中3男子 7月、茨城県結城市、中1男子 10月、千葉県市原市、中3女子 【01年】10月、東京都文京区、中3男子 11月、大阪府泉大津市、中2男子 同、福岡県久留米市、中2男子 【04年】 6月、埼玉県蕨市、中2女子 【05年】 9月、北海道滝川市、小6女子 12月、長野県御代田町、高1男子 (毎日新聞) - 11月4日3時7分更新 |
11 07(火) 関ヶ原古戦場 |
11 12(日) 朝日新聞の社説 |
【社説】2006年11月11日(土曜日)付 核を持つ 日本を危うくするだけだ 北朝鮮の核実験後、麻生外相や自民党の中川政調会長らが、核について議論する必要性を繰り返し説いている。 議論するだけならよいではないか。そんな声もあるようだが、要職にある政治家が議論しようと言う以上、それだけではすむまい。まず自分の意見を言うべきだ。 さて、私たちは次のように考える。 もし日本が核保有に踏み切ったとしよう。自らの手で核不拡散条約(NPT)を破壊することになる。これまで世界の先頭に立ってNPTの重要性を訴えてきた日本が核保有へと急変すれば、国際社会での信用は地に落ちる。経済制裁などで、際限なく孤立が深まる恐れがある。 米国には日米安保条約への不信の表明と受け止められる。周辺国からは自主武装への傾斜だと身構えられるだろう。 仮に米国の支持を得たうえでの核保有であっても、アジアでは新たな不安定要因となる。そもそも、狭い国土に人口や産業地帯が密集する日本は核攻撃に弱い。核で核を抑止するには限界がある。 核保有をめぐる危険や不利益は、非公式なものとはいえ内閣や防衛庁が過去に行った核問題の検討報告書にも記されている。核武装によって日本の安全が高まることはないと結論を出している。 核保有は、日本経済の生命線であるエネルギー問題にも深刻な影響を与える。 日本は日米原子力協定に基づいてウランなどの核物質や設備を米国から輸入し、原子力発電所を動かしてきた。協定によって平和利用に限定する義務を負い、これに違反すれば核物質や設備などの返還を求められる可能性が高い。電力の約3割を原子力に頼っている日本は、たちまちエネルギー危機に直面することになる。 米国の「核の傘」に頼らず独自に核武装した方が安全ではないかという考えは、あまりに視野が狭い。 いま日本にとって大事なのは、6者協議を生かし、できるだけ早く北朝鮮に核を放棄させることだ。 中国は日本が核を持つことを警戒している。日本が核カードをちらつかせれば、中国が本気で北朝鮮に核放棄を迫る。そうした効果への期待もあるようだが、危険なゲームと言わざるを得ない。 核保有の議論が長引けば、中国だけでなく韓国からも疑いの目を向けられ、北朝鮮を取り巻く国々の結束が揺らぐ。それこそ北朝鮮の思うつぼではないか。 日本が核武装に動けばNPT体制は崩壊し、他の国々も核を持とうとするだろう。中東一帯での拡散も誘発する。核が増えればテロリストの手に渡る危険もまた高まるのだ。 被爆体験を持つ国がそんな引き金を引いてはなるまい。この地球上に核を増やすのではなく、なくす方向で世界と自分自身の安全を考える。それが日本の役割であることを忘れてはならない。 外相も政調会長も、もし異論があるのなら、ぜひ語ってほしい。 |