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印旛沼ミニ時典

VOL.4 「ナガエツルノゲイトウってなに?」

★ナガエツルノゲイトウと笠井貞夫先生

笠井先生が1990年(平成2)年7月鹿島川河口付近の岸辺で見慣れない植物の群落を見つけた。 翌1991(平成3)年には龍神橋の下流側と上流側の2カ所に更に大きな群落となって生育し、勢力を拡大していた。
千葉県立中央博物館に同定を依頼し、1993(平成4)年に、和名が「ナガエツルノゲイトウ」であることが明らかになった。
千葉県ではおそらく笠井先生による記録が初のもので、当時は国内でも1986(昭和61)年に兵庫県尼崎市での記録があるだけであった。
笠井先生の危惧は、不幸にして的中した。印旛沼内だけでなく、印旛沼で取水された農業用水に紛れて手賀沼流域分布を広げたことも明らかにされた。
「参考文献:印旛沼の水草の変遷」


★ナガエツルノゲイトウとは

【国内】特定外来生物 【分布】関東以西、四国、九州、沖縄
【国外】南米原産。世界各地の暖地で野生化

湖沼や河川、水路、水田などに生育する多年生の抽水〜湿性植物。茎は長さ1m以上で中空、水中や地上を分岐しながら這う。先端が立ち上がり群落を形成する。
やや乾燥した場所も含めて幅広い環境で生育可能だが水湿地では特に旺盛繁殖力を示す。 世界的な侵略的外来種と問題視されているが、我が国でも水面を被い尽くし、さまざまな生態系被害が生ずる状況になっている。 植物体断片からの再生力も強く、いったん侵入・定着すると根絶は容易ではない。
「参考文献:ネイチャーガイド 日本の水草」


★現場からの報告

植物のカミツキガメと説明しています。繁殖が旺盛で、4月になり沼内で発芽を見つけるとあっという間に緑色の葉が広がり乗っても沈まないと思うほど島の様になります。 そして思わず摘み取っていきたくなるような、小さな可愛い花を咲かせます。6月頃には笠井記念舟戸水草園の人工浅瀬いかだの周り一面に広がり、 数年前まではオニビシが繁茂していた場所が今ではナガエツルノゲイトウに占領されてしまいました。
その上、水陸両用でかっぱ公園の花壇にもあります。5月、菜の花を刈り取った後コスモス種を蒔く前に草取りをするとミミズのように赤い茎が見えます。
茎が少しでも残るとそこから根付いて増えるのです。
刈り取ったナガエツルノゲイトウは他に持ち出すことができません(特定外来生物)ので除去対策はブルーシートで蒸したり、 根付かないようにして枯らす方法です。夏場は繁殖と除去作業の追いかけっこです。
「NPOいんば事務局 園原」

ナガエ

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