〜な・は行〜



家守綺譚

著・梨木香歩

あらすじ・私は学生時代に亡くなった親友・高堂の家に住んでいる。
高堂の親父さんが娘が嫁いだ先の近くに隠居することになり、この家に住んで窓の開け閉めなどして欲しいという話が来たのだ。
英語学校の非常勤の講師をしながら、細々と物書きを続けていた私には渡りに船だった。
思い切って講師の職も断ち、高堂の家に住み始めた私の周りには様々な不思議な出来事が起こった。
サルスベリに懸想されたり、河童や子鬼が見えたり、そして高堂が現れたり・・・・。

すごく不思議な味がある物語でした。
一編一編が短いのでとっても読みやすくて、おすすめ。
もっともっと続きが読みたいなぁ〜と思わせる本ですよ。
こんな家に住んでみたい(笑)
珍しく、ミステリから離れた本を読みました。

虚無への供物

著・中井英夫

あらすじ・その恐ろしい悪夢はサロメの夜から始まった・・・
否応なしに事件に巻き込まれていくアリョーシャ。
事件が起きる前に事件を解決すると息巻く久生
自信に溢れた藤木田老人。
不動信仰に夢中な爺や。
両親を事故で亡くしてから力なく佇む蒼司
途方も無い世界へ身を落とした紅司
ゲイバァへと通う藍司
不動産業を営む親戚、八田。
薔薇と不動と犯罪に彩られた4つの密室殺人が今、魂を持って動き出した。
一体誰が、何のために仕掛けた犯罪なのか!?

戦後の推理小説ベスト3に数えられる作品です。
・・・・はっきり言って、rakuにはわからなかったですよ。
残酷な小説が多い中、それほどショッキングだとも受け取れませんでしたし、
トリック談義も興味深くはありましたが、現実味が感じられなかったし・・・。
こういうの、感覚の麻痺なんでしょうか・・・・
暫くしてもう一度読みたいと思いました。
その時、rakuはどう感じるんだろうか試してみたいです

千年岳の殺人鬼

著・二階堂黎人・黒田研二

あらすじ・流行っている”キラー・エックス”のキャラクターを犯行現場に置いて立ち去るという殺人事件が連続して起こっていた。
時を同じくして、千年岳ではタイムスリップ現象を引き起こすという<ワームホール>の噂で持ちきりとなっていた。
オーストラリアの日本語学校の仲間と日本人教師・フミコは夏休みを利用してスキー旅行に千年岳にやってきていた。
彼らはヘリスキー中にある人物の思惑からコースを外れ、<ワームホール>があるとされてい場所へと導かれてしまう。
そこで起こる凄惨で奇妙な連続殺人事件が発生!
恐ろしい未来を予見した手帳の出現、誰が一体犯人なのか?
生き残ることは出来るのか?

豪華な顔ぶれですよね〜>黒田さん、二階堂さん
ラスト、そうかな?ってちょっと思いましたね。
それも数多くあった伏線のおかげなんですけど・・・(;^^)
面白かったですけど、読後感はイマイチすっきりとはいきません。
rakuがナイーブ(笑)すぎるのかな?
後、ちょっと思ったことも・・・・あり

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ネタバレ注意〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日本語の名前って確かに難しいけれど、わざわざ正しい名前を先に読んでおいて後で
間違った名前(まぁ、あだ名的な考えなのか?)で呼ぶ??
しかもそのとき、周りの人の名前もいっせいに変えてっていうのはちょっと無理あるよね・・・
ちょっとくるしくないかな〜・・・・

悪魔のラビリンス

著・二階堂黎人

あらすじ・二階堂蘭子の元に事件の依頼の手紙が舞い込む。
その手紙には犯人の手紙も同封されていて、その文面はあたかも蘭子がその事件に着手するのを見越していたような内容だった。
犯人の名前は《迷宮にすむ迷宮使い》またの名を《魔王ラビリンス》・・・
しかし、蘭子がその事件に着手する前に《ラビリンス》の起こした別の事件が立ちはだかった。
動いている寝台車の中での殺人。
おまけにホームで見送ったはずの女性が殺され、その部屋に入ったはずの男が消失していた。
しかしこの事件は蘭子と《ラビリンス》のこれから起こる長い闘争の始まりでしかなかった。

あぁ〜、待ちに待った蘭子シリーズです。
でも、人狼城の続きではなくて(相変わらず蘭子は行方不明)黎人が過去の事件を綴ったという形です。
《魔王ラビリンス》との2つの事件のエピソードが載っています。
読んでいたら本当、明智シリーズを思い出しましたよ〜。
あぁ、早く長編が読みたいよぅ(;;)

魔術王事件

著・二階堂黎人

あらすじ・美貌の名探偵・二階堂蘭子の元へまた奇怪な事件が持ち込まれた。
依頼者・桑形の目の前で故意にしているホステス・ナオミが殺害され、
そしてその死体までもがあっという間に消えてしまったというのだ。
遺体までも消えてしまった事件を相手にしない警察に憤り、桑形は蘭子の元へとやってきた。
それは極めて正しい選択だった。
この事件は函館の名家・宝生家を舞台に大犯罪者《魔術王・メフィスト》が暗躍する大事件の始まりだったのだ。
宝生家の関係者が一人、また一人と残酷な姿に変えられていくというのに何かを隠そうとしている当主・・・。
蘭子の介入を拒む一家の秘密とは!?
そしてこの対決の軍配はどちらに上がるのか!?

蘭子シリーズはこれまで数冊読んでいますが、これまた面白かったです
とびっきり厚かったですけど(笑)
なんか、前読んだシリーズとの間に時間が立っていたせいか、とっても新鮮に感じました
前の作品も読み返さないとな〜。ほとんど内容は忘れてる。
でも、ほとんど借り物だったから古本屋に通わないと・・・・
と改めて思うほど面白かったです。

増加博士と目減卿

著・二階堂黎人

<「Y」の悲劇・あらすじ>全ての登場人物が読者に向かって話しかけてくるメタミステリ。
殺される人までわかっているのにわからないのは犯人だけ。
核シェルターに閉じ込められた登場人物たち、そして完全な密室で頭部に裂傷を作り亡くなった被害者。
外部の人間が入って来れない状況で犯人を当てろ!

短編3話入ってます。
なんだかすごいトリックですが、メタミステリという設定のせいかちょっと馬鹿馬鹿しい空気が流れてます。
まぁ、おかげで読みやすいのかもしれませんが。
この「Y」の悲劇とかは読み終わると「それってあり?」とか思うんだけど、
後々、すごいかも・・・とか思っちゃいました。

奇跡島の不思議

著・二階堂黎人

あらすじ・如月美術大学の芸術研究サークル”ミューズ”のメンバーはアルバイトとサークル活動の一環として個人所有の島、
”奇跡島”にある主を無くした館・白亜の館の美術調度品を調査することになった。
しかし、”奇跡島”にはミューズのメンバーには思い出したくない過去とそして残酷な未来が待ち受けていたのだった・・・
強い絆を持っていたはずのメンバー同士がお互いを疑いはじめ、あざ笑うかのように殺人は続いていく。
一体犯人は誰なのか?やはり皆の過去の亡霊が操っているのか?

面白かったですよ〜
楽にしては珍しいハードカバー。
二階堂さんの本って好きだなぁ
それはもう、面白かった(^-^)
設定もありふれているかも知れないけど、そこをどう読ませるか、知っている作家さんだなぁ〜って。
まぁ、そんなにえらそうなこと言える人間じゃぁないんですけどね(笑)

密室+アリバイ=真犯人

日本推理作家協会編 ミステリー傑作選40

<時効を待つ女・新津きよみ・あらすじ>雅美は援助交際相手を殺してしまう。
それは正当防衛だったが、それでも学費のためにそういう行為をしていたことを知られたくは無かった。
それ以来、、雅美はただただ時効がくるのを待ち続けていた。
結婚もし、名前も変えたそして時効まで後3ヶ月・・・・
<獣の記憶・小林泰三・あらすじ>いつからか、僕の中には”あいつ”がいた・・・。
”あいつ”はただただ僕に対して嫌がらせばかりしてきた。
僕は”あいつ”を消滅するためにも精神科医の元にまで通っていた。
しかし、”あいつ”の凶暴性はますます悪化の一途を辿るばかりで・・・

9人の推理作家の短編が入っています。
これではじめて読む作家さんも多かったのですが、面白い!
ちなみに作家さんは(森博嗣・黒川博行・新津きよみ・今野敏・折原一・若竹七海・今邑彩・小林泰三・野沢尚)
すごいメンバーですよね・・・。
すんごい面白かったです。
今野さんの”安積シリーズ”読みたくなりました。

ニンギョウがニンギョウ

著・西尾維新

<ニンギョウのタマシイ・あらすじ>十七番目の妹が死んでしまったから私は映画を見なければいけない。
それが兄である私の務めだから。
映画に行くのは5年振りのことだったし、妹が死んだのもやはり5年振りのことだった。
私には二十三人の妹があるけれど、死ぬのはいつも十七番目の妹だった。
見るべき相応しい映画は”ニンギョウのタマシイ”。
映画館へと向かう道すがら、親切な熊の少女と知り合いになって・・・

連作短編4話入ってます。
これは不条理。不条理といっても舞城さんとはまた異なった不条理で、あまり楽しめませんでしたね
なんだろう、西尾さんってこんなのも書くんだね、程度。
戯言シリーズやそのほかの作品も世界観好きですけど、これは”?”な感じでした。
装丁凝るのは良いけれど、買う側のことも考えてねっ(お値段の点で・・・)

クビキリサイクル  青色サヴァンと戯言遣い

著・西尾維新

あらすじ・孤島・鴉の濡れ羽島に集められた天才達。
主人・赤神イリアは島から出ることを許されておらず、それゆえ天才達を島へと招いていた。
画家、料理人、占い師、七愚人、そして技術師・・・・・・。
島に居るのは主人とメイドが4人、天才達が5人、介添人が1人、おまけが1人。
何事も起こらない平和な日々が過ぎていくはずだったのに、その平和はいとも簡単に壊されてしまった。
密室から発見された首無し死体によって・・・・

メフィスト賞受賞作
面白かったですよ〜
最初の前置きっていうかプロローグって言うかそのところはちょっと「?」って思ったのですが、読み進むと面白い。
密室の解釈も面白かったし(でも2番目の密室はどうかね?凡人なので天才の考えることはわかりませんが・・・)
キャラクターにイラストがついてたせいか覚えやすかったです。
タイトルもちゃんとストーリーにかかってるし(ここはあまり言わない方がいいのかも〜。読む人は無視して(笑))
でも、謎多い主人公達、これは続き物なんだろうなぁ〜

クビシメロマンチスト  人間失格・零崎人識

著・西尾維新

あらすじ・鴉の濡れ羽島で起こった密室殺人事件から2週間。
開放された戯言遣い・いーくんは久々に登校した大学の学食でキムチを食んでいた。
その前に現れたクラスメート・葵井巫女子(もちろん、いーくんは覚えていないが)は妙に慣れ慣れしかった。
強引に誘われて出席することになったのは巫女子の友人・江本智恵の誕生日パーティーだった。
同席していた宇佐美秋春と貴宮むいみにも記憶はなかったがパーティーは進んで、そして終わっていった。
酔って半ば眠っているくせに帰れるという巫女子を連れて部屋を後にしたいーくんだったが翌日、
智恵が部屋で絞殺死体で発見されたことを知らされる。
その前後、京都の街で起こる連続通り魔殺人事件。
街角で圧倒的な視線に押されたいーくんが見たものとは・・・・・

面白かったですわ〜
なんだろう?このハネてて弾けてて、そして底はどよ〜〜んと重い感じ。
なんか本当に青春を感じさせるような本。
甘くてそしてほろ苦い・・・・・・なんじゃそりゃ(;^^)
なんだろうねぇ、上手く言い表せないよ、あたしには・・・・・
好きなキャラはサブタイトルにもなった零崎くんだな!
また出てきて欲しい〜〜〜〜
そうそう、やっぱりこのイラスト好きです。
それと章ごとにある登場人物のイラストが特に好きっす。
霧舎さんの密室本の表紙はきつかったけど、これは全然OKです!

クビツリハイスクール  戯言遣いの弟子

著・西尾維新

あらすじ・最強の請負人・哀川潤に言いくるめられて仕事の手伝いをすることになったいーたん。
超超超お嬢様学園”澄百合学園”からある生徒を連れ出すこと・・・。
もちろん、女学校なので女装して・・・
仕方なく、学園に侵入するいーたんだったが、そこはあまりにも静かな場所だった。
静か過ぎるほど・・・!
ターゲットとなる生徒・紫木一姫と合流したいーたんはそこがどんな場所なのかを知る
潤と合流した後、一姫の退学を認めさせるため理事長へ直談判をしに理事長室に向かうがそこで三人を待ち受けていたものは・・・

いろんな面があるね〜
この本も面白かったわ。
やっぱり、このハネてて弾けてて、そして底はどよ〜〜ん。
霧舎さんの”霧舎学園シリーズ”がまっとうな青春もの、でこの”戯言シリーズ”が青春の真実って感じ。
まぁ、本当にこんな青春だったら悲しすぎるかな?
好き嫌いは大いにあるかもしれないけど、私は好きですね!
それにしても、タイトルに”クビ”って付いているけれど、殺人方法でほかに”クビ”って付くものは
いくつあるんだろう?
”クビキリ””クビシメ””クビツリ”ときて次は何?
そっちもある意味楽しみかも〜

サイコロジカル 上  兎吊木垓輔の戯言殺し

サイコロジカル 下  曳かれ者の小唄

著・西尾維新

あらすじ・玖渚友のかつての「仲間」だった兎吊木垓輔(害悪細菌)が斜道卿壱郎(堕落三昧)の研究所にいることがわかった。
友とぼくと鈴無音々は(害悪細菌)を救出に向かった。
玖渚財団から資金援助をうけている斜道博士はぼくたちの訪問を拒むことはできなかったが、
面会を許された兎吊木は救出を拒んだ。
それでも尚、兎吊木の救出を目論む友の目の前に立ちはだかったのは・・・・・・・・・
戯言遣いはこの絶体絶命をどうやって乗り切ることが出来るのか?

うひゃぁ〜、すっげ〜面白いよぉ〜 いやぁね、あれ?ひょっとしてそうかなぁ〜っては思ったのですよ、はい。
で、確信を持てぬまま進んでいくと・・・って感じでしたね。
さすがだね(^^)
って訳の判らぬ感想になっておりますが、あまり多くのことは語れないのでありますよ。
ただ、rakuはひじょう〜〜〜に面白く読めた!ということです。
この本はやはりシリーズ1冊目から読んだ方がより楽しめると思います。

ヒトクイマジカル  殺戮奇術の匂宮兄妹

著・西尾維新

あらすじ・「あなたとかかわりが持ちたい」
木賀峰助教授はぼくに言った。
ぼくなんかとかかわりを持ってもいいことなどないのに・・・
しかし、木賀峰助教授はそんなこと聞きもせずにぼくにアルバイトを依頼した。
モニターとして2〜3人当たって欲しい・・・。
何故受けることが前提なのだ?
家に帰ったら居候が拾い物をしていた。
先月の事件以来、ぼくの家に転がり込んでいる春日井春日は行き倒れた少女を拾ったと言う。
彼女はマントを着ていて、おまけにそのマントの下には・・・

5冊目〜
もとから救いはない話だったけれど、それが加速している感じ
面白かったけれど、なんだか次とか、その次辺りに終焉を迎えそうな予感がするっすね〜
やはり、この本は発売の順序どおりに読んでね♪
後、この装丁はいい!
是非、読後に(読後じゃなくてもいいけど)カバーをはずしてみてね!

ちょっちネタバレ

姫ちゃん、結構ウザっとか思ってたんだけど、いざこうなってみると・・・
なんか最初からさくっさくっと人が死んじゃう話だったけど、なんか愛着が沸いてたらしく
ちょっと残念かなっと。
なんかラストは全滅しそうだよね・・・・

零崎双識の人間試験

著・西尾維新

あらすじ・針金細工のような体をスーツに包んだ零崎一賊の長兄にして切り込み隊長・零崎双識。
彼は放浪癖のある弟、零崎人識を探す旅に出ていた。
彼はそこで”妹”に遭遇する。
そう、彼女は産まれたての殺人鬼・・・。
自分が殺人鬼であるとすら認識していないほどのいたいけな女子高生、無桐伊織。
そして彼は未曾有の闘争劇へと巻き込まれていくのであった。

結構好きなキャラですね、双識さん。
それにしても、流れ的に次作は哀川さんVS人識・舞織ちゃんみたいですね。
うわぁ〜、どちらとも好きだからつらいなぁ〜。
どちらかが・・・なんでしょうね。

新本格魔法少女りすか

著・西尾維新

<やさしい魔法はつかえない。・あらすじ>佐賀県に住む小学5年生・供犠創貴が転校生の水倉りすかと
知り合いになったのは大人への点数稼ぎのためだった。
しかし、りすかが”魔法の国”からやってきた”魔法使い”だと知ったときから見方が変わった。
りすかが”魔法の国”から出てきた目的と創貴の秘めた目的のために二人は行動を共にする。
・・・魔法は、もうはじまっている!

3作入った連作短編集。
長崎県出身者としては”魔法の国”扱いが嬉しかったりします(笑)
まぁ、魔法が使えない魔法使い扱いなんでしょうが・・・
設定も面白いし、実際に面白いです。
圧倒的な暴力、西尾さんもそうですが舞城さんもそうですよね。
後味に嫌味がないのが良いところですよね。

新本格魔法少女りすか2

著・西尾維新

<敵の敵は天敵!・あらすじ>小学5年生の供犠創貴と同級生で魔法使いの水倉りすかはあるディスクのために
廃墟と化した病院へと足を踏み入れていた。
しかし、そこにあったのは敵だっただろう残骸と黒いマントの少女・・・。
額に大きな口を持った少女だった・・・・・。
ツナギ・・・元人間の魔法使い。
彼女にりすかの魔法は・・・効かない!

シリーズ2冊目。
”新本格変態少女ツナギ”だそうですが(笑)”変態”を”変体”と変えるとタイトルにもいけるのでは・・・!?
2冊目だというのにどんどん追い詰められ(なのに先は長そうです)
面白くなっています。
戯言シリーズが完結に向かっている中、このシリーズが出てきたのは嬉しいことですね。
魔法少女モノでもこれはアニメ化には難しいとこですね。(特にツナギが)
今後も、期待大

トリプルプレイ助悪郎

著・西尾維新

あらすじ・岐阜の山奥にある建物、裏腹亭。
偉大な作家・髑髏畑百足が消息を絶ち、彼の残した建物に、
彼が決別した家庭から唯一連れ出した次女・二葉がいる建物に、
長女であり、見捨てられた娘であり、父と妹と同じ職業を選んだ一葉がやってきた。
”三重殺の案山子”から送りつけられた予告状のために。
JOCから派遣された探偵・海藤は事件を防ぐことが出来るのか?謎を解くことが出来るのか?
”三重殺の案山子”は一体何を盗み出すと言うのか?

読解力が上がったのかな?
やっぱり前作「ダブルダウン勘繰郎」より分かりやすかった。
JOCシリーズは(清流院さんの)相変わらず読んでいないけど、
西尾さんのはまた続刊を希望。

ダブルダウン勘繰郎

著・西尾維新

あらすじ・JDC(日本探偵倶楽部)のビルディングを双眼鏡で一心不乱に見つめる奇妙な美少年。
それが蘿蔔むつみと探偵志望者・虚野勘繰郎との出会いだった。
JDCのビルディングの前に不審に佇む男は勘繰郎だけではなかった。
無謀にもその男の下へ駆け寄る勘繰郎と思わず、追ってしまったむつみ。
探偵になりたい者と探偵になりたかった者、そして探偵を辞めた者、この3人の出会いが
過去の事件の再起動と同調する瞬間だった・・・・・・・・。

あのですね、流水さんのJDCシリーズって一冊も読んだことないんですよ、私(;^^)
だって、分厚いでしょ〜〜〜〜〜
でも、これ”JDC TRIBUTE”だから前知識要るかな?と思いつつ、やっぱり読んでません(;;^^)
でもね、ちょっと読んでみたいなって気にはなりましたよ、JDCシリーズ
舞城さんの新刊もこの”JDC TRIBUTE”だからどうしよう・・・
気軽に読める厚さじゃないですよね、流水さんの本って。。。。。。。
前知識なくてもとても楽しく読めましたよっ。

不気味で素朴な囲われた世界

著・西尾維新

あらすじ・時計塔が修理されない上総学園。
歪な均等を保つ学園の奇人三人衆。
三人衆の一人を姉に持つ弔士は振り回されながらも
それなりの学園生活を送っていた。
しかし、そこに起こる殺人事件。
学園の禁忌・病院坂迷路と弔士は犯人探しが始まり、崩れたバランスを更に崩していく・・・

前作「君と僕との壊れた世界」よりも分かりやすく、楽しめました。
きっと空気の濃度が違う世界の話なんだろうなぁ〜って。
また違う世界が見て見たいな。

きみとぼくの壊れた世界

著・西尾維新

あらすじ・櫃内様刻と妹の夜月は禁じられた一線を現在進行形で踏み越えつつある兄妹だ。
様刻は夜月のためならばなんでもする覚悟があった。
その夜月に手を出そうと狙っているやつがいた。
剣道部部員で夜月のクラスメート・数沢六人。
当然のごとく、様刻は数沢に忠告を与える。
様刻の友人で剣道部部長の箱彦の耳にも入り、様刻は夜の七時に剣道場へ呼び出された。
部員に恥をかかせたのだ、覚悟を決めて様刻は向かったのだが、道場では箱彦が数沢と手合わせしていた。
いや、しごいていた。
走り去る数沢を尻目に「あいつのことを許してやってくれないか?」と一言・・・。
様刻は友人らとともに学校を後にするが、その時学校から出ていない人物がいた。
そして、その人物は翌日死体となって発見されるのだが・・・・。

う〜〜〜ん・・・・。
近親相姦ってちょっと苦手。
でも、話的には西尾さんらしくて(キレてて)面白かったですだ。
これもシリーズ化されるのでせうか?
病院坂さんにスポットを当てた話を読みたいですわ。

DEATH NOTE ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件

著・西尾維新

あらすじ・FBIの捜査官である南空ナオミは停職中の身だった。
しかし、そんな彼女に伝説の探偵”L”から接触があった。
今、ロサンゼルスを騒がせている『藁人形殺人事件』を解決するために”L”の手足になって捜査する依頼だった。
最初の被害者の家に向かった彼女はその部屋で奇妙な探偵と知り合いになる。
彼の名は 竜崎ルエ。
とりあえず、共同で捜査をすることになったのだが・・・

あの”DEATH NOTE”を西尾さんがノベライズ。
残念ながらrakuは漫画読んでないんですよ・・・。
そういうのわからなくても楽しめるけど、より楽しむためには読んだほうがいいみたいですね。
なんか、西尾ファンだからといって読むこともなかったかな。
面白くなかったわけではないけど、「ふ〜ん・・・」って感じでしたし。
美装丁。

XXXHoLic アナザーホリック ランドルト環エアロゾル

著・西尾維新

あらすじ・あやかしが視えてしまう体質を治してもらうために”どんな願いも叶う店”で対価としての労働をしている高校生・四月一日。
女店主・壱原侑子にからかわれながらも健気に労働にいそしんでいる。
彼の周りに起こる不可思議な事件とその被害者を願いとは・・・

あのCLAMPさんと西尾さんのコラボ。
残念ながらこれもrakuは漫画読んでないんですよ・・・。
でも、こっちはそういう後ろがなくても楽しめました。
短編で3つ入ってるんですが、読むたびにちゃんと世界観が伝わってきましたし。
相乗効果でか、漫画も読んでみたいなって思いました。
これも美装丁

人形幻戯  神麻嗣子の超能力事件簿

著・西澤保彦

<不測の死体・あらすじ>OL二人が遅めの昼食を近くの公園でとっていた。
いつもはランチを食べるサラリーマンやOLでごったがえしている公園だったが、今(2時)は
さすがに誰もいない。 そこへいつも見かける近所の主婦が通りかかった。
挨拶こそしなかったが何気に目を向ける二人
そのとき主婦は何の前触れもなく尻餅をつくように崩れ落ちて起き上がることがなかった。
驚いて側によった二人は話しながら歩いていたと思われる落ちた携帯と凶器と思われる置時計をみつけた。
大理石の重い置時計が彼女の命を奪ったのは明白だったが、人気のない公園の真ん中で起きた犯人なき事件だった。
警部・能解匡緒は彼女の出番だと思った。
【超能力者問題秘密対策委員会】(略してチョーモンイン)のエージェント(相談員)・神麻嗣子の出番だ・・・。
<墜落する思慕・あらすじ>高校二年・漢氏孝太郎が学校の5階辺りから墜落死した。
自殺なのか、殺人なのかそれははっきりしない。
目撃者は校内を見回っていた3人の教師が二人は校庭側から一人は3階の教室から。
ぐったりとした漢氏の体が下から5階辺りまで上昇してそして急降下するという場面を見ていたのだ。
その地区担当の(チョーモンイン)の神余響子は同僚の神麻嗣子に公園で事件の荒ましを聞いていた。
超能力がその時間、その場所で観測されているのは確かなのだが誰が発揮したものかがわからない。
漢氏が想いを寄せていた教師・出野美佐子がつい最近事故死したこと、漢氏の靴が5階窓にそろえて置いてあったことから
自殺という線が濃厚だが、3人の教師が見たとき気絶していたと思われる
漢氏には超能力を発揮することは出来ない・・・。
超能力者はいったい誰なのか?そして何のためにそんなことを起こしたのか・・・・

おぉ〜久々の神麻嗣子シリーズ6冊目ですね〜。
短編6編が入っております。
前作からこれは読んで欲しいなぁ〜。もっというと最初から(笑)
どれも面白いのですが、私的には能解さんと保科さんと神麻ちゃんの微妙な関係がもっと知りたかった!
あれまでチャラになったのかな〜?(何故チャラ?と思った人は前作を読もう!)

生贄を抱く夜  神麻嗣子の超能力事件簿

著・西澤保彦

<一本木心中・あらすじ>神余響子は作家であり協力者の保科匡緒の家にいた。
そして〈チョーモンイン〉の自分が今抱えている不思議な事件について話し始めた。
超能力を観測し、超能力者の関わった事件を警察と共に解決へと導く〈チョーモンイン〉。
変装能力を使った一見無理心中と思われる事件なのだが・・・・

神麻シリーズ第7段!
7話入った連作短編。
このシリーズ、実は長編より短編のほうが気にってます。
不思議不思議な超能力を取り締まる、面白そうでしょ?(^^)
そして、期待通り面白いです、はい。

ソフトタッチ・オペレーション 神麻嗣子の超能力事件簿

著・西澤保彦

<ソフトタッチ・オペレーション・あらすじ>上地浩美(男)は見たこともない場所で目が覚めた。
そこには同じ大学の助教授・風間由紀江と院生の家根本志保も眠らされていた。
3人は3人とも学校近くの居酒屋<ぱられる>で従業員のマイさんと飲んでいたという。
そして気付いたら出口の閉ざされた場所に・・・。
こんなことをしたのは誰なのか?何の目的があって?
そして何故か増えていく囚われ人・・・・

おぉ!シリーズ第8弾。
5話入ってます。
大きな(血生臭い)事件がないけれど、超能力を使った日常の謎物。面白いです。
でもこのシリーズも後々、すごいラストを迎えるんだろうな・・・。
(”夢幻巡礼”辺りからするとさ)

ファンタズム

著・西澤保彦

あらすじ・有銘継哉はリサを殺した。
何故、リサを殺さねばならなかったか・・・それは継哉にもわからない。
指紋が残ったままの凶器(スパナ)を現場に残したまま、継哉は現場から立ち去った。
次々と忘れていたはずの女たちの名前が出てきて、殺すことを決意した。
ルールなんて自分で決める。美しいルールを・・・・

すっごく面白かっただけに読み終わった後脱力します。
カバー裏に作者がちゃんと”ミステリ”ではないと書いているのですが、それでも読みながら
考えてしまう。
いや、考えてしまうぐらい面白いんですよ、これがまた。
そういう気負いがなかったらもっと楽しめたのかな?

夏の夜会

著・西澤保彦

あらすじ・人間の記憶とは曖昧である。
俺は母方の祖母の葬儀兼納骨に出るために田舎に帰ったが、ついでに小学校から高校まで同級生だった
包市の結婚式も地元で行うということだったので出席することにした。
新婦の北朴木も小学校までは同じ学校だったということで、披露宴には見知った顔が何人かいた。
早い時間帯の結婚式だったのですべてが終わってもまだ昼の3時頃だったので、旧交を温めようとなり、
喫茶店で懐かしい小学校時代の話になったとき、イグチという名前が出てきた。
覚えの無い名前に俺は戸惑ったが、周りがいうには3年から4年の一学期まで担任だったという。
薄い記憶を辿ったその先には傲慢な女教師が立っていた。
遥か昔の女教師への悪口に花を咲かせ、そしてふいにどうして一学期までで担任を辞めたのかという話に行き着いた。
学校を辞めたらしいよ、と誰かが言った。しかし、それを遮る様に言葉が走る。
井口は死んだのよ、その年の夏休みに。
最初は戸惑っていたみんなも次第に記憶を辿るように頷き始めて・・・。

本当に人間の記憶ってあてにならないんだろうなぁ〜って思える作品(;^^)
最初は覚えていない記憶がみんなの話を聞くうちに思い出されて・・・しかし、その記憶は本物なのか?
でも、実生活でも小さい記憶の偽造ってあると思うな。
それを捕らえた上手い話の持っていき方だと思います。
裏に太田忠司さんが書いてるんですけど、「この主役は記憶だ。呼び起こされ、捻じ曲げられる記憶たちだ。」
の一文に本当に尽きると思います。面白かったですよ。
ただ楽的不満としては主人公達は40過ぎの設定なんですが、表紙などの絵は若すぎる!
と、それだけかな(笑)

聯愁殺

著・西澤保彦

一礼比梢絵は見ず知らずの若い男に殺されそうになりながらも、なんとか一命を取り留めた。
男が梢絵を襲った時に落とした手帳から連続無差別殺人事件の犯人の犯行であることが濃厚となったのだが、
男が未成年だったために、梢絵には犯人の名前すら知らされることはなかった。
わかっているのは手帳から最後のターゲットが梢絵だったこと、そして彼女だけが生き残ったこと・・・。
その後も犯人は捕まらず、行方知れずのまま。
彼女の中の不安と恐怖、憤りだけが深くなっていった。
せめて自分が襲われた理由をはっきりさせたかった梢絵は《恋謎会》に事件を持ち込んだ。
会のメンバーは各自持ち寄った”証拠”を元に推理を繰り広げて深層に近づくというものだった。
《恋謎会》に一縷の望みをかけて梢絵は参加したのだが・・・

この本が発売されたとき、すごく面白い!という話は聞いていたのですが、本当に面白かったです
これは読んでほしいですね。
こんなことが?という気もしますが、現代社会では珍しいことでもないな〜
と、思いながら読みました。
怖い世の中は本の中だけであってほしいですね

解体諸因

著・西澤保彦

あらすじ・定職にも就かずにふらぐらしている匠千暁が部屋で友人と酒を飲んでいるときにふと目にとまった
1年前の奇妙な猟奇殺人事件の記事。
もう犯人も捕まっているのだが、千暁たちは別の角度から推理をし始める。
すると不思議な事実が出てくるのだった。
7つの”解体”事件を匠千暁と中越警部、高校教師・辺見の3人が謎を解いていく。
一見繋がりのないように見えるそれぞれの事件の関係者たちだったが、それは一本の糸で結ばれて最後の事件へとなだれ込む。

友達に「読んでないから貸して!」と言って借りてきたのだが、読んでました(笑)
まぁ、これを機会に再読。
最初に並べられる7つの”解体”事件の話はとても面白かった!
実際に探偵役が事件に関係していくのは1つだけで後は、お酒の上での推理合戦、同級生からの問題提起、
喫茶店のお客さんからの問題提起、入院中に同僚からの相談、生徒からの悩み相談、見合いの席の話題などと
又聞きの状態で事件を解決していくところがなんとなく面白い。
最後にこの事件の関係者が結ばれる線がでてくるのだが、そこがいまひとつだったような・・・。でも、概ね面白かったです。

リドル・ロマンス 迷宮浪漫

著・西澤保彦

<トラウンス・ウーマン・あらすじ>理恵はその美しい男にある依頼をしていた。
それは到底叶えられそうにもない願いだったが、その男は叶えることが出来るという。
”魔法使い”だと聞いていた。
報酬は理恵の”虚栄心”だという。
そんなもの理恵にはどうでもいいことだった、願いさえ叶えてもらえれば。
そして、願いは叶えられたのだが・・・・

短編集8編入ってます。
”ハーレクイン”って道化って意味なのね。某小説の名前からなんだかエロティックな意味かと思ってました(笑)
最初の1話には報酬の話が出るんだけど、それ以降は報酬の話が出てこないのが残念。
依頼内容によって報酬内容が変わると面白いかな?って思いました。
まるで途中からはボランティアか?って思っちゃいましたもん。
面白かったけれど、なんとなく消化不良を思わせます。

被害者は誰?

著・貫井徳郎

<被害者は誰?>あらすじ・捜査一課の刑事・桂島にはやっかいな先輩がいる。
容姿端麗、頭脳明晰おまけに実力まで兼ね備えた小説家・吉祥院慶彦だ。
最近では係長などが吉祥院先輩に意見を聞いて来い的発言までするようになってきた。
そして、吉祥院自身も自分がワクワクするような事件を持ち込まれるのを待ち望んでいた。
桂島は吉祥院の悪口を受けながら被害者が特定されていない事件を話した。
加害者はすでにわかっているのだが、一向に口を割ろうとはしない。
その加害者自身が書いた手記すら見つかっているというのに加害者がわからないのだ。
この事件に興味を覚えた吉祥院はその手記を徐に読み始めた・・・・

美形名探偵、だそうです(笑)
あのですね、内容に関係ないことなのですが、この本の挿絵の吉祥院先輩、そんなに美形ではありませんよ(爆)

短編が4つ入ってます。
”被害者は誰?””目撃者は誰?””探偵は誰?””名探偵は誰?”
4本とも気軽に読めて基本的(で本格的な)なフーダニットを楽しめると思います。

生首に聞いてみろ

著・法月綸太郎

あらすじ・綸太郎は高校の後輩でカメラマンの田代の展覧会に訪れていた。
そこで偶然出会った少女・江知佳は田代のファンだと言うので後で引き合わせることになったのだが、
江知佳が待ち合わせしているという人物は翻訳家の川島だった。
なんと綸太郎と川島も友人で意外な繋がりにに驚嘆していた。
川島の兄・彫刻家の川島伊作の一人娘が江知佳だという。
田代との会見を前に時間つぶしをしていたところに入った伊作が倒れたという連絡。
残念ながら伊作は帰らぬ人となってしまったのだが、綸太郎は川島からある依頼を受ける。
そこから事件は姿をだんだんと露にしていくのだ・・・

さすが!!
何年ぶりで読んだ法月作品でしたが、面白い!
っていうか、パズルがカチッ、カチッ、と嵌る様がすがすがしいですね。
あるところまでは私も・・・かな?って思ったんですが、最後に現れたものは「ほえ〜」って感じでした。
お勧め!

とっても不幸な幸運

著・畠中恵

<のり子は缶を買う・あらすじ>”酒場”のオーナー・洋介には最近一緒に住むようになった義理の娘がいた。
朝は遅く、夜も遅い洋介とほとんどまともに顔を会わせることのないことを娘・のり子は少し不安に思っていた。
そしてちょっとだけ試すことにしたのだ・・・。
のり子が今抱えている問題を相談しても信用の置ける父親かどうかを。
そして出てきたのはこの”とっても不幸な幸運”と書かれた缶だった・・・・。
さて、のり子の抱えている問題とは・・・

連作短編6篇収録
100円ショップに売っているというこの缶、恐ろしいですね(笑)
少なくとも、この缶を不幸から幸運に変えるには相当の頭脳労力が要りそうです
とても100円には見合いませんよ、この労働(笑)
どの話もうまくできていて、面白いです。
でも、時代物(妖怪物)と雰囲気があまりにも違っていて戸惑ってしまいます。
イキイキって感じだとやっぱり「しゃばけ」や「ゆめつげ」のような時代物の方かな・・・

おまけのこ

著・畠中恵

<おまけのこ・あらすじ>天城屋の一人娘が嫁ぐことが決まり、当主は娘に玉(真珠)で飾った
櫛を持たせようと長崎屋に大粒の玉の手配を依頼していたのだ。
玉が揃い、当主、娘、そして櫛職人が長崎屋へ受け取りに来たとき事件はおきた。
櫛職人・八介が何者かに殴られ倒れたのだ。
犯人はまだ長崎屋を出ていない、同時に失った玉の行方とともに犯人探しが始まる。
しかし、失った玉にはおまけが付いていた。
玉を守りたい一身で飛びついた家鳴りが一匹、外の世界へとさ迷い出てしまったのだ。
犯人は誰なのか?そして家鳴りは無事に長崎屋に帰ってこれるのか?

若旦那シリーズ第四弾。
連作短編5作入り。
ほのぼのしてあったかいやっぱりこの若旦那シリーズは安心して読めて、進められる一冊です。

ねこのばば

著・畠中恵

<茶巾たまご・あらすじ>このところ、若だんながおかしい。
食は進むし、体も丈夫になった。
元気になったのだからめでたいことだが、ここまで元気だと・・・と怪しむ手代たち
福の神でも拾ったかと思ったのだが、拾ったのは貧相な下男だけ。
そこへ舞い込んできた殺しの話。
殺された相手は兄・松之助の縁談の相手だった。
松之助にかかった嫌疑を晴らすために若だんなは立ち上がる。
<たまやたまや・あらすじ>ここまで甘やかされて育ったからには世の常に従おうと決意した若だんな
立派な放蕩息子を目指して小判を巾着に入れて目指したところは
三春屋の娘・お春の縁談相手の献残屋を偵察に・・・

”若だんな”シリーズ3作目。5話連作短編集。
相変わらず、面白かったですね(^^)
つい、前2作を読み返してしまいました。
それにしても気になるのは帯に書かれている”映画化プロジェクト始動!”
これが本当なら(実現するのなら)「姑獲鳥」につづいて楽しみが増えます!!!

ぬしさまへ

著・畠中恵

<ぬしさまへ・あらすじ>江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は寝込んだ布団から付文を読んでいた。
それは己に来たものではなく、手代・仁吉へと来たものだった。
仁吉は色男だったが、てんでその手の手紙には興味がないようであった。
その付文は字がとても汚く、読むのもようようであった。
ところが、その付文を渡した”くめ”自身が死体となって発見された。
親分さんの目は付文をもらった仁吉へと向く
これは大変と若旦那は事件を解こうと・・・・
<空のビードロ・あらすじ>松之助は細々と営んでいる桶屋の小僧だった。
小僧といっても20を超えていたが、上も支え、下も入ってこない状況だった。
実家に返っても、職人の父親の後は弟が継ぐことになっている。
松之助は母親の連れ子で、その母親も今はこの世にいない。
そんな松之助に妙な嫌疑が掛けられた・・・・

”しゃばけ”の続編ですね。
連作短編です。
短編も巻けず劣らず面白いです。
本当になんだか読んでいてほっとする一冊ですね。
オススメです!

しゃばけ

著・畠中恵

江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎。
元来、体がめっぽう弱いせいか父母ともに息子には甘い。
大福餅に砂糖をかけてその上から黒蜜をかけるほど甘いと噂されるほどの甘さ。
そして手代の仁吉と佐助もまた一太郎には甘い。
一太郎が咳をしよう物ならばすぐさま布団に追いやるほど。
この手代、実は人ではなかった。
一太郎の幼き頃から守り刀として付いている妖怪だった。
その一太郎が1人でこっそりと出かけた夜に人殺しを目撃してしまう。
こってりと絞られた一太郎であったけれど、頭は冷静に事件を考えていた。
犯人の手はすぐそこまで・・・一太郎は妖怪と共に謎を解くことが出来るのか!?

うわっ!!面白いっ!!!
完全に嵌りましたね〜〜〜
妖怪物ってなんだか難しそうだし・・・という方がいらしたら是非、チャレンジしてみてください!
とにかく、読みやすいし面白いですから。
時代小説ってraku、苦手なんですが、これは普通の小説のように読めますよ。
是非、オススメします!!!

みぃつけた

文・畠中恵 絵・柴田ゆう

あらすじ・ひとりぼっちで寝込んでばかりの幼い一太郎が見つけた”お友だち”
それは小さな小鬼だった。
一太郎は小鬼たちに遊んでほしくて追い掛け回すのだが、さて仲良くなれるのか・・・

あの若旦那シリーズの最新刊は絵本です!
柴田さんのほんわかした絵が堪能できるのは嬉しいことです。
が、もちろん本編も読みたい。。。
連載が始まったそうなので本になるのを気長に待ちたいと思います。

ちんぷんかん

著・畠中恵

<今昔・あらすじ>貰い火で焼け落ちた長崎屋もやっと新しい家屋が出来上がった。
そんな中、松之助の縁談も本決まりに・・・。
しかし、松之助の思い人はどうやらその縁談相手の妹のようで・・・。
そうこうしている間に若旦那が式神に狙われた!
こうなると黙ってられないのは兄や達で・・・

若旦那シリーズ第6弾。
連作短編5話収録。
行く人が多くなった回ですね。
新しい面子が次回、入ると良いのですが。
相変わらずのハズレなしの面白さです。

うそうそ

著・畠中恵

あらすじ・最近江戸は地震が多く、若旦那の体を案じた親は箱根へ湯治に送り出すことに。
初めての旅、しかも兄の松太郎と二人の手代も一緒と言うことで心浮き立つ若旦那だったが、
行った先で手代と行方不明に!
おまけに誘拐されるわ、天狗に襲われるわ!
若旦那は無事に湯治できるのか?そしてこの事件の真相に見えるものとは?

若旦那シリーズ第5弾。
2冊目となる長編ですね。
読みやすさとしてはやっぱり”しゃばけ”には敵いませんが、それでもやはり面白い。
シリーズならではのテンポが良いですね!

しゃばけ読本

共著 畠中恵・柴田ゆう

2007年秋にドラマ化された”しゃばけ”を受けての読本。
ドラマの撮影風景やキャラナビなど。
さらっと読めてしゃばけファンなら楽しめる本です。

つくもがみ貸します

著・畠中恵

<利休鼠・あらすじ>江戸で姉弟二人で切り盛りする小さな損料屋”出雲屋”。
何でも貸し出して御代を頂く商いですが、中にはちょっと妙な古道具も混じっているようで・・・。
奇妙な噂に乗って捜し物の依頼まで来る始末。
気位が高いが好奇心の強いつくもがみたちと姉弟の導き出す謎解きとは?

連作短編5篇。
まったくどうして畠中さんの書くキャラクターはこうも魅力的なのか?
やっぱり面白い!
人間と口を利かない(つもりの)つくもがみと自分の意のままに動かそうとする人間との
やり取り、そして好奇心に負けてしまうつくもがみがまた可愛らしい。

まんまこと

著・畠中恵

<まんまこと・あらすじ>町内の揉め事を裁定する町名主の息子・麻之助。
途中までは近所にも名の通った評判のよい男だったのだが、何を間違ったか今は
すっかりお気楽な男になってしまった。
そんな麻之助の友人・清十郎が奇妙なことに巻き込まれた。
見も知らぬ女が清十郎の子を身ごもったという。
この面妖な出来事を麻之助は裁くことができるのか?

短編6話入ってます。
新シリーズになりそうですね。
意外とこのトリオ(麻之助、清十郎、吉五郎)、好きです。
しゃばけシリーズでは滅多に見られない恋愛も見れます
畠中さんの現代劇(とっても不幸な幸運、アコギなのかリッパなのかetc)も好きですが、
やはり江戸物が真骨頂でしょうかね(^^)

ゆめつげ

著・畠中恵

上野の端にある雨漏りの修理にも事欠く小さな神社の神官兄弟。
のんびり屋の兄・弓月としっかり者の弟・信行。
弓月には夢の中でお告げをもらえるという「夢告」の能力があった。
しかし、その「夢告」はポイントのずれた役に立たないということでまた有名だった。
そこに舞い込んできた「夢告」の依頼。
地震で迷子になった大店の一人息子の行方を占って欲しいという。
気の進まない弓月であったが、格式高い白加巳神社の神官に頼まれたことと、屋根の修理費に負け、
後日、白加巳神社に出向いて「夢告」をすることになった弓月だったが、
これがとんでもない事件時巻き込まれることとなった。

あ、これも好き(笑)
若だんなシリーズとはまた違って妖怪などは出てきませんが、こちらはこちらで面白い!
うん、キャラが活きてますね。
お勧めですよ!

アコギなのかリッパなのか

著・畠中恵

<五色の猫・あらすじ>元大物代議士・大堂の事務所では、奇妙な客人が多い。
そしてその客人たちの多くは奇妙な案件を持ってきているのだ。
それを解決するのは何かと難癖をつけて重い腰を上げない大堂ではなく、事務員の聖であった。
今日は門下生の一人、大石が持ってきた案件を押し付けられそうである。
それは大石の有力な後援者が家で飼っている猫の毛の色が変わる、という問題だった。
ただの見間違いだろうと言う聖を無視して、いつのまにか現場へと送り込まれる聖だった。

短編7話入ってます。
政治物ってどうなん?っても思ったけど、政治物って程でもなかったね。
面白い短編集です。
やっぱり畠中さんの本に出てくる人物は魅力的だな、って思いました。
続きを読みたい!

何の印象もない女

著・原田宗典

<僕の国>あらすじ・もう三十年も昔のこと。
僕はまだ二十歳で”衝動的な行動”で夜行列車に乗ることにしたのです。
夜行列車の発車まで30分ほどあったので僕は跨線橋を歩いていると
番線表示のない階段があって思わずその階段へと足を伸ばしていたのです。
国賓しか乗らないというような特別なホームがあるのではないか?と思うと好奇心に導かれて・・・・

短編集です
面白かったんですが、すでに持っている”うつつ草紙”から抜粋されたものもあってちょっと残念。
個人的にはどんどんと話が繋がっていく”九つの物語”が好きでした。

はらだしき村

著・原田宗典

原田宗典さんのオフィシャルWebサイト「はらだしき村」にUPされたエッセイをまとめたものです。

最近、原田さんのサイトに寄ってなかったのでエッセイはほとんど始めて目にしたものばかりでした。
エッセイだからここに載せるのもどうかな?って思ったんですが、とても素敵な話が載っていたのでちょっとだけ紹介します(^^)
”今を生きるということ” 子供たちに今を生きるということはどんなことか、原田さんらしい優しい言葉で話しかけるのですが、
返ってきた息子・直弥(10歳)の答えがとても胸を打ちました。
”おやじがたおれてみて” 若いころの原田さんのエッセイを読むとお父さんに対する厳しい見方・意見が受け取れるのですが、
原田さん自身子供を持ってみてずいぶん丸くなったなぁ〜と思っていました。
そのお父さんに対する今の想いがとてもつまったお話です。

いつもの”爆笑”とは違う素敵なエッセイだと思いますです。

ぼくの心をなおしてください

著・原田宗典・町田静夫

躁鬱病に悩み続ける作家・原田宗典と精神科医の町田静夫の共著。

あのね、すっごく面白く、興味深く読みました。
一時期、精神的に参ってたときがあって(もう全然平気なんだけど)、病院とか行かなかったんだけど、
あのころ、この本を読んでたら素直に病院と言う選択肢を選んでたかも。
悩んでいる人にも、まわりにそういう人がいて接し方に困っていると言う人にも、
そいういうの関係ないよ〜っていう人にも、とにかく全部の人にオススメですよ〜〜〜

旅の短篇集《春夏》《秋冬》

著・原田宗典

旅先での一編、眼で感じる情景、心で感じる情景を描いた短編集です。

本当〜〜に短編過ぎてあらすじも書けません(笑)
見開き1ページでひとつの短編が書かれている2冊です。
91年ごろにラジオのコーナー用に書かれたものを短編小説に起こしたものだそうです。
ものすごく柔らかくてやさしい感じの本です。

私は好奇心の強いゴットファーザー

著・原田宗典

原田氏が見た懐かしい映画の数々。その映画にまつわるなぜか笑える思い入れの数々

これだけ笑える思い入れの数々を持っている人も居ないだろうな
映画もそこそこ見てきたつもりだけど、1つ1つ取り上げてどれだけ思い入れがあるだろうか・・・
すべてに全力投球ってところが原田さんの良いところですよね(^^)

見たことも聞いたこともない

著・原田宗典

<クール床屋・あらすじ>鬱を患ってから遠出をする気にもなれず、近所を歩き回ることにした。
そこで見つけた一軒の不思議な店”クール床屋”。
気になるけれど、いきなり入る勇気はない。
しかし、偶然そこに入るお客を発見、彼が出てきたとき・・・
彼は3割増しのクールになっていた。
愛犬タロウを手に恐る恐る扉を開けてみると・・・

何だろう、短編集なんだろうけど原田さんのまわりならこんなこと起こるかな?って思ってしまう(笑)
12個の不思議世界。
「いや、事実ですよ」って言われたら「やっぱり〜」って言い返してしまいそう
脱力モードで「なはっ」っと笑ってください。

はらだしき村

著・原田宗典

原田宗典が村長に就任したバーチャルな共同体(公式HP)「はらだしき村」で
限定のエッセイが本になったもの。

久々に原田さんを読んでみました。
以前のエッセイのようにがはははっと笑うだけ(と言っては失礼か?でもこの”笑い”が心地よかった)のものではなく、
ご自身が鬱になられたことで一味変わりましたね、やっぱり。
お父上のご病気に対しての原田さんの反応など、以前から本を読んでいてちょっとした確執があったこととか、
知っているだけになんだか余計に涙したりして。

吾輩ハ作者デアル

著・原田宗典

原田宗典が言葉について、音楽について、海外旅行について、書かれたエッセイ

1998年のフランスワールドカップに行った原田さんの旅行記も入っています。
8年が経ち、今ドイツワールドカップ(読み終わったときが2006/6でした)真っ最中。
あの頃、中田は若かった・・・と思ってたり。(これを書いているのは2006/7)
言葉についての章の中島らもさんや鷺沢さんのところはなんだかぐっときますね。
私も好きな作家さんたちでしたので。
これが身近な友人やお知り合いだった原田さんの胸中はどうだったのだろうか。と思うだけで
胸が詰まりました。

著・原田宗典

平仮名一文字で一番たくさんの意味を持つ”し”をフィーチャーしたエッセイ

子、詩、死・・・いろいろな”し”をお題に書かれたエッセイ。
なんだか深いですね、”し”。
自分の人生を振り返ってこれだけ豊富な”し”があるか?と言われると自信が無いなぁ〜
まだまだ経験が足りませんね、私

赤い夢の迷宮

著・勇嶺薫

あらすじ・小学生の頃、仲の良かった7人は不思議な男・OGとの交流を楽しんでいた。
親に禁じられた男との密会はスリリングだったが、彼の館に忍び込んだことをきっかけに遠ざかっていた。
そして25年後、彼ら7人の下にOGから招待状が送られてきた。
それぞれ違う人生を歩んできた7人に待ち受けていたものとは?

はやみねかおるさんの大人のためのミステリ。
結果というか、理由はそうだろうな、って読んでいればすぐわかりますよ。
子供って残酷なこと結構平気でするでしょ?それが大人になって、
いろんなバックボーンを持っていてもやる人はやる。
面白ければそれがすべて。って感じです。

少年名探偵 虹北恭助のハイスクール☆アドベンチャー

著・はやみねかおる

<ミステリーゲーム・あらすじ>高校生になった響子は悩んでいた。
お金の力でミステリー研究会の部長になったと部員から言われている沢田京太郎から告白されてしまったのだ。
推理力がある人じゃないとだめだという響子の断りの理由から京太郎は”虹北堂”へ乗り込んできたのだ。
恭助に挑戦状をたたきつける京太郎。
文化祭で模様されるというミステリー研究会のミステリーゲームが舞台という。
恭助は乗り気ではなかったのだが、そのゲームに参加することになり・・・

”虹北みすてり商店街”シリーズ第四作
短編5篇収録
漫画用にかかれた原作らしく、いきなり虹北堂に居候が出てきます。
その居候(ミリリットル真衛門)との出会い編を残してこのシリーズは終了するとのこと。
この本の5話目が流れ的には最終話。
・・・おい、探し物ってみつかったのかよ?
この探し物っていうキーポイントで新シリーズにつなげるのかな〜〜〜〜????
じっちゃんはどうしたんだよ?
とか、細かい突っ込みどころはありますが、面白かったですよ。
お子様にもどうぞって感じです。

少年探偵 虹北恭助の新新冒険

著・はやみねかおる

<春色幻想・あらすじ>中学三年生になった野村響子は”虹北堂”へと向かっていた。
それは恭助に会うためではない。
旅立ったままなかなかかえってこない恭助を心配しつつ、じっちゃん・恭一郎に会いに行くのだ。
しかし、そこには仕入れに旅立った恭一郎の代わりに帰ってきた恭助の姿があった。
響子は(鉄拳を食らわせた後)恭助に今朝見た夢の話をした。
”暴れん坊”の異名をもつ鉄也とおとなしい久留美が結婚する夢を見たのだ。
響子は二人が付き合っているのは知っていたが、かけ離れた性格の二人が交際しているのを今も信じきれないでいた。
鉄也の数々の悪い噂について恭助に話をしたが、恭助はなんでもないように言う。
同じ情報を聞いても、やはり鉄也はいい奴だと僕には思えるよ。
そして、響子を魔術の舞台へと連れ出した

”虹北みすてり商店街”シリーズ第三作
短編3篇収録
3冊の中でこれが一番好きかな。
ちょっとだけ大人になった二人が可愛らしいですね。
いろんなタイプの話の展開ができる人だな、って思いました。
はやみねさんが書くバリバリのミステリも読んでみたいな

少年探偵 虹北恭助の新冒険

著・はやみねかおる

<夜間飛行・あらすじ>中学一年生になった野村響子は恭助の帰りを待ちわびていた。
探し物をしに行ったきり帰ってこない。
しかし、響子はつまらない毎日を過ごしていたわけでもなかった。
商店街の若旦那が集まって作る怪しい映画(?)のスタッフにいつのまにかされていたのだ。
ばたばたと撮影に追われる忙しい時間の合間に会いたい人物は帰ってきた。
喜びと怒りのあまり振るわれた鉄拳のため、病院に行く羽目になった恭助はそこで懐かしい顔に合う。
虹北商店街のレコード店の少女・翔子だった。
入院している母親を見舞いに来ていた翔子は魔法を信じていた。
クリスマスには特別なことが起こると信じて・・・・

”虹北みすてり商店街”シリーズ第二作
短編2篇収録
恭助が旅立ったため、なんだか誰が主人公かわかんないですね(笑)
1作目のほうが内容が濃かった気がしますが、それは単に収録作品の数でしょうか・・・

少年探偵 虹北恭助の冒険

著・はやみねかおる

<虹北みすてり商店街・あらすじ>小学五年生の野村響子にはちょっと気になる男の子がいた。
同級生ながらも学校では見かけることのない少年・虹北恭助。
恭助は祖父が経営する古書店”虹北堂”で一日、本を読みながら店番をしている。
そして、恭助は”魔術師”と呼ばれたりするほどの不思議な能力がある。
虹北商店街で起こる不思議な出来事を話を聞いただけで解くことができるのだ。
彼に言わせれば話を注意深く聞いて、よく見て、じっくり考えれば解けることだというのだが・・・。
響子が持ってきた事件は駄菓子屋の”こちょう屋”の増えるお菓子についてだった。
仕入れ以外の商品がこっそり置かれているだけならまだしも、袋の端には小さな穴が開けられているのだ。
こんな不思議な事件も、恭助はちょっとした情報収集で解いてしまうのだ。

”虹北みすてり商店街”シリーズ第一作
短編5篇収録
少年少女向けですね。
健康的で健全でとても読みやすいです。
ちょっと物足らない気もしますが、それは平和的ないようだからかも知れません。
小中学校のとき、これを読むことができてたら嵌ってただろうなぁ〜

超・殺人事件 推理作家の苦悩

著・東野圭吾

<超税金対策殺人事件・あらすじ>漸く売れっ子作家の仲間入りした作家は会計士から
思いも寄らない言葉を聴いた。
思いも寄らない税金の額だった。
少しでも税金を抑えるために提出した領収書にも問題があるという。
必要経費として領収書を処理するために出た結論とは・・・

短編8話入ってます。
まぁ、売れても売れなくても、作家も評論家も大変だということですな。
売れ売れの東野さんならではの話なんでしょう。(笑)

毒笑小説

著・東野圭吾

<殺意取扱説明書>私は神田の古本屋に来ていた。
普段は本屋の新刊のコーナーにすら足が遠のいているというのに今日に限って古本屋に入ってしまった。
背表紙だけを眺めて店内を進んでいくうちにある本に目が止まった。
「殺意取扱説明書」−。
中身を確かめもせず、その本を購入し家に帰った。
エッセイなのか、小説なのか。まさか実用書ではないだろう・・・
しかし、読み進めていくうちにそれが実用書であり、私の頭にはっきりとあの女の顔が浮かんでいたのだ。

12話入った短編集です。おまけに巻末に京極さんとの対談まで入ってる!
「怪笑小説」よりはこっちの方がまだ好きだけど、やっぱりなんとなく楽にはしっくりこなかったかなぁ〜
笑いのツボが楽とは違うのであろう・・・・
京極さんもちょうど「どすこい(仮)」の連載をやってたぐらいの時らしく、対談は面白く読ませていただきました。
笑いを追及するミステリ作家・・・、なんかこのギャップたまりませんなぁ〜(笑)
前の小説のときも思ったんだけど、どことなく赤川次郎さんちっくな空気感がするですよ。
好きな人にはたまらないのかもしれないですね。

怪笑小説

著・東野圭吾

<あるジーサンに線香を>あらすじ・ある老人が日頃世話になっている医者からある実験への協力を依頼される。
それはとても信じられないことに”若返る”実験だという。
老人は半信半疑ながらも、恩のある医者の願いを聞き入れる事にする。
そして、医者からは日記を書くことを命じられ老人は日記をつけることになる。
施術後、体が痛いばかりだった老人に変化が訪れる。
それは体だけではなく心までも変化させていった・・・

9話入った短編集です。
楽は東野さんを読んだのは初めてだったんだけど、なんだか合わなかったような・・・
東野ファンのみなさん、すいません(;^^)
話の設定とか面白かったんですけどね、どうしてかなぁ〜
でも、読みやすくてブラックなところが面白かったですよ。

真っ暗な夜明け

著・氷川透

あらすじ・大学を卒業した後、定職につかず推理小説家を目指している氷川透は元バンドメンバーとの飲み会に参加する。
それぞれ仕事に就いているメンバーの中には職場の同僚や婚約者を連れてきているものもあった。
氷川は自分だけが取り残されているような気持ちになりつつ、飲み会は翌日の仕事のことも考えてお開きとなる。
地元の和泉は駅までメンバーを見送り、そこで別れた。
そして、構内で酔いつぶれた者、孤独を求める者、トイレに駆け込む者、様々な後景が流れていたが、その静寂が破られる。
構内のトイレでそこにいるはずのない和泉が死体となって発見されたのだ。
そばに落ちていた凶器は駅の入り口にあったモニュメントの台座だった。
なぜ、撲殺するなら望ましい小振りのモニュメント自身ではなく、その台座を使用したのか?
誰が、いつ、殺したのか?

メフィスト賞受賞作です。
友達が読んだ感想としては「いまいち」とのことだったのですが、楽は比較的おもしろく読めました。
飄々としたキャラクター(探偵役・氷川透)は嫌いじゃないな。
島田さんの「パロディサイト事件」に入っている作品にも氷川透も登場しているんだけど、そっちは好きじゃ無かった(笑)

最後から二番めの真実

著・氷川透

あらすじ・推理小説家を目指している氷川は大学の先輩・住吉に彼の職場である女子大へと呼び出される。
そこで氷川を待ち受けていたのは不当な扱いと推理小説論だった。
職員の反町と女学生(大倉・祐天寺・小杉)も含めた論争は過熱し、夕方となる。
場を移して続きを・・・となったとき、小杉が住吉に2人きりの面談をして欲しいという。
所用で出かける反町を除いた三人(大倉・祐天寺・氷川)は住吉の研究室で面談が終わるのを待つが、そこに届いたのは悲鳴だった…

氷川透シリーズ2冊目。
1冊目よりこっちの方が好きですなぁ。
氷川のひねた性格もいいし、氷川のライヴァル(?)の存在も面白かった。
そして何よりいい!と思ったのは1作目から出ている高井戸警部!
まったくレストレイドになることに憧れていて氷川を名探偵を信じて疑わない姿勢はすばらしい!そのうち警察を追われるぞ!?(笑)
でも、次が楽しみになってきたなぁ〜

人魚とミノタウロス

著・氷川透

あらすじ・小説家の卵・氷川透は高校時代自分の価値観に多大なる影響を与えた同級生・生田瞬と偶然再会した。
生田は調布厚生病院で精神科の医師として働いていた。
氷川は職場の見学がてら生田の病院での再会を約束した。
そして、当日
氷川が病院に赴く途中、初対面にもかかわらず氷川の名前と生田との面会を知っている少年・柿生と出会った。
柿生と別れたあと、消防車や救急車が氷川を追い越して当の病院に向かった。
火災が起こったのは調布厚生病院東棟一階第三面接室・・・・。
そして現場からは1体の死体が発見された。
その面接室を使用していたのは他ならぬ生田本人だった。
氷川は激しい動揺の中、”名探偵”として犯人を探し当てることが出来るのだろうか?

いやぁね、面白かったですよ。氷川シリーズ3弾。
氷川を名探偵だと信じ込んでいる高井戸警部のちょっとした不安も(そりゃぁ、いくらなんでも事件が起こるたび
顔出してるんですよ、氷川君は。怪しいって思わない方が変ですもんねぇ〜〜)
楽的にはかなりプラスポイントだったですね。
でも今回は氷川・高井戸っていうコンビではなく氷川・北沢・ヨッスィのトリオでしたね。
なんだかこれからはこのトリオなのか?という不安も・・・・(楽は高井戸さんファンですね)
あ、読者挑戦ものです。
是非お試しあれ。なかなか面白かったですよ(^^)

密室ロジック

著・氷川透

あらすじ・早野詩織里は昔のバンド仲間の堀池冴子と共に飲み会に参加することになっていた。
本当は冴子に対して複雑な想いそ抱えていた詩織里は参加を見合わせたいところだったが、ほぼタダ酒という言葉には逆らえなかった。
詩織里と冴子は今夜の飲み会の相手(冴子の会社の取引相手)の会社へと向かった。
会社ではちょっとしたトラブルが起こり、ばたばたとしていたが飲み会も1時間遅れでスタートする予定だと言う。
仕方なく、用意された待合室(第二会議室)で待つことになったが。。。
色々な人の色々な思惑が重なってついに殺人事件が起こってしまう。
しかし、それは論理上の密室だった!
警察の取調べから開放された詩織里は冴子を自分の部屋へ呼び、2人で飲み会をすることにした。
それは起こった事件の考察から始まったのだが、行き詰った2人はある人物を呼び出した。
”彼”は安楽椅子探偵としてその事件を解くことが出来るか!?

氷川透シリーズ4冊目。
本当この中篇シリーズっていいよね〜。
密室本シリーズになるはず、だった本です(笑)
面白いと思いますが・・・・なんかもやもやっと残ったような・・・
rakuの読解力がなかったのか?と数度読み戻してみたりしたのですが・・・・
一応、これかな?っという結果は得たつもりですが・・・。
正しいのかしらん???

~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ネタバレ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

結局、密室のロジックは解けた訳だけど、折角最初に書き込んである人物同士の話が活かされてないかな?って思ったのですよ。
動機面が見えないんだよね〜〜〜〜
犯人及び、共犯(ありとrakuは見ていますが)名をここで明かそうとは思いませんが・・・
実際の事件だと確かに動機面が見えないものが多いけれど、ここはやはり折角そこまでパズルをはめたのだから知りたかったかな〜って。
ちょっと思っちゃったです。

追いし者 追われし者

著・氷川透

あらすじ・”ぼく”はシティホテルのラウンジを目指していた。
不安を抱えてある人に会いに行かなくてはいけない・・・

”おれ”は運命の女と巡り合った。
出版会社の営業の”おれ”は工場で一人色香を放つ女・香坂澄香と出会ったのだ。
そして”おれ”は彼女を”追う者”、ストーカーとなったのだ。

”わたし”は最近誰かの視線を感じるのだ。
最初はただの自意識過剰と思っていたのだが背筋を凍らせるような視線を感じるのだ。
”わたし”は”追われて”いるのか・・・・

そして”あいつ”は死体となって転がっている・・・・

すごく読みやすかったですね
文中で指摘されているようにありがちな事かもしれないですよね、うん。
でも、読み終わったあとに読み返したい感じですね。
う〜ん、どうだろう?なんか期待してた分、ちょっとあっけなかったかな?
でも、最後には”追う者”が本当にいい人に見えてくる(笑)
この現象、面白いかもしれない〜

各務原氏の逆説

著・氷川透

あらすじ・軽音楽部でピアノを担当している、みんなはリョーと僕を呼ぶ。
私立の学校で教師は頭の固いやつらばっかり。
そんな中で用務員の各務原氏だけは違っていた。
困ったことがあると僕は各務原氏を頼りにしているんだ。
そして、このときもやはり頼りにした。
同じ軽音楽部の部員の滝祥子が部室で首を吊っていたのだ。
しかも、ピアノを踏み台にして・・・・
僕は困ったことがあった時、頼るのは各務原氏だ。

・・・・・・・・・なんといっていいのか・・・
ロジック派の第一人者、って氷川さんだったんですか?
それ以前にはいなかったのでしょうか・・・(って帯についてはどうでもいいんだけど)
氷川さんの小説はこうパズルがぴしゃ〜んとはまるように謎が解かれて・・・・
でも気になってることがあるんですよ・・・。
ここに書くとネタバレになるので(2004/5/25)の日記に書いておきます。
もし、気になった方はどうぞ。

見えない人影  各務原氏の逆説

著・氷川透

何事にも無気力な女子高生栗林晴美。
スポーツ観戦を趣味とした兄のお陰で付いたサッカーの知識が仇となり、いつの間にか
サッカー部のマネージャーになっていた。
インターハイ目前、エースフォワードのリョーが失踪。
そして彼は無残な痛いとなってグラウンド近くで発見された。
誰が一体こんなことを・・・。
同じクラスの軽音楽部所属の桑折君がある提案をする。
そう、用務員の各務原氏に相談することを提案したのだ・・。
・・・で、各務原氏って何者?

各務原氏の逆説シリーズの第2作。
帯の”ロジックなのか、屁理屈なのか!?”とありますが、
屁理屈な気がします(笑)
話の運びも面白いし、もちろんスジも面白い。
キャラもいいし(桑折君のキャラは弱いかな?まぁ、ワトソンだからこんなものかしら?)、
全体的に面白いです。
これ!!って感じはないけれど、これからも読むな、って感じです。
個人的には”氷川透シリーズ”や”祐天寺シリーズ”(おそらく、シリーズになるであろう)の方が好みではありますが・・・

密室は眠れないパズル

著・氷川透

あらすじ・東大生で推理小説家志望の氷川はようやく夢がかなおうとしていた。
と言っても、担当の小宮山はかなりの難関だった。
打ち合わせと言う名の飲み会を誰もいなくなった会社で行っていたとき、
その事件はおきた。
会社は決して氷川たちだけではなく、アルバイトの上野、そして上の階には編集者の津山とデザイナーの水城、
そして大橋常務と営業部の川上、印刷会社の南、守衛の金子、そして被害者である岡本次長・・・。
彼が残した最後の言葉は
なぜ、俺が常務に刺されなきゃならん・・・・
ビルから出られなくなり、電話も通じない。
密室と化した箱の中、犯人と思われた大橋常務までも刺殺体で発見される。
いったい誰が犯人なのか・・・

あのですね、面白かったです。
やっぱり氷川さんはこうじゃなくっちゃ!って感じです。
地味なんだけど、こうじわじわと読ませて最後には「ほぅ〜〜〜」となる。
読者に挑戦ものなので試してみてはいかがでしょうか。

逆さに咲いた薔薇

著・氷川透

女性の絞殺死体が発見された。
それはある共通点を持った連続殺人事件だった。
共通点、それは左足の小指が根元から切り取られていること、そして
その傷を隠すように左足にだけ履かされていた赤い靴下・・・・
捜査一課の新人刑事・椎名梨枝はこの事件をトレースしたような小説がすでに出版されていることを突き止める。
違うことは小説では靴下は出てこないという点・・・。
梨枝は友人で名探偵の祐天寺美帆の力を借りて事件の謎に挑む。

おっ!「最後から2番目の真実」に登場していたうら若き名探偵が再び登場!
ちょっとうざキャラ?と思っていたけどなかなか鋭くて面白い。
これ繋がりでこっちのシリーズにもそのうち氷川君でてくるかしらね〜
この厚さ(235P)では読み得だと思います

学ばない探偵たちの学園

著・東川篤哉

あらすじ・丸め込まれるようにして”探偵部”に所属することになった2年・赤坂。
部長・多摩川と副部長・八つ橋に振り回されっぱなしだったがそこへ本物の事件が!
学園内で起こった殺人事件。
部長たちの法則ではかなり犯人は絞られてくるのだが・・・。
探偵部と顧問教師は犯人に辿り着くことが出来るのか?

初読みの作家さんです。
福岡在住ということだったので、思わず買ってしまいました(笑)
・・・可もなく不可もなく。
今ひとつ、欠けるような・・・。
後、学園物を読むのが辛くなってきたかな?
こっちの年齢のせいか、作家の年齢のせいかはわかりませんが・・・・。

天帝のはしたなき果実

著・古野まほろ

あらすじ・勁草館高等学校吹奏部金管八重奏。
誰一人欠けることなく全員でコンクールに向けて教師・瀬尾の指導の下特訓中だった。
そんな中、ホルン・まほろの親友であり、生徒会長でもある奥平の首なし死体が発見される。
そしてそれはただのきっかけでしかなかった。
事件に巻き込まれながら探偵として責務を全うしようとするまほろが見る真実とは?

メフィスト受賞作。
最初はね、ルビの嵐と分厚さにむかつきます(笑)
読み進めていくと面白くてね、ついつい手が伸びましたね。
時代が今なのか過去なのか?まぁ、まだ満州を日本が制していた”たられば”
の現代なんだろうなぁ。
最終的にかなりの大風呂敷なのでシリーズの終盤が楽しみです。

上海幻夜 七色の万華鏡篇

著・藤木稟

あらすじ・朱雀十五の両親(朱雀十四・李香蓮)の結婚までの経緯。
上海の阿片を牛耳ろうとする黄金栄と富貴鶏の探りあい。
東泰治の生い立ちと上海での活躍、纏足の少女と幼い十五の話。
混沌とした上海で十五は何を見てきたか・・・

朱雀シリーズ待望の新刊!!と言いたいところですが、今までとはちょっと毛色が違う。
同じ朱雀が出てくるといっても、生まれていない時から5歳ぐらいまでの混沌とした上海を背景に
描かれた作品。これもなんか続きが出そうですね〜
一作目の「陀吉尼の紡ぐ糸」の冒頭で出てくる高等学校時代の東の話の前後も良くわかるし、結構面白く読めました!!

夢魔の棲まう処  朱雀十五シリーズ

著・藤木稟

あらすじ・昭和13年の不安定な社会に同調したかのように、邪教団体「上行之道殉教会」は
集団自殺などで世間を騒がせていた。
それと同時期に浮浪少年たちを狙った猟奇的な殺害事件が続発した。
監禁、暴行、性的虐待を受けた少年たちの遺体は目や口を縫われていた・・・・
新聞記者・柏木は事件を追ううちに彼自身も「夢魔」に取り憑かれていく。

久々の登場!朱雀十五シリーズ7作目!
社会と連動した悲惨で陰鬱な事件、思いもよらない結末。
やっぱり朱雀シリーズは面白いですね。
うん、面白いっていう言葉は違うかもしれないな・・・
そこに絶対的な闇もないけれど、救いがあるかと言われれば「?」かもしれません。
でも、読み続けて生きたいシリーズですね。
着地点がとても気になります。

暗闇神事 猿神の舞 朱雀十五シリーズ

著・藤木稟

戦争の状況が深刻化する世相と比例するかのように猟奇的な通り魔殺人が頻発していた。
被害者は喉を掻き切られ、内臓は野犬に食い荒らされていた。
そんな暗い世相とそこだけ切り離されたような人気の歌舞伎一座・猿田屋では襲名式が行われようとしていた。
一風変わった襲名儀式に取材に行った記者・柏木はそこでまたも殺人事件に行き当たってしまう。
この殺人事件と世間で頻発している通り魔殺人事件は何か関連があるのか?
この暗闇を朱雀が切り開く

朱雀シリーズ8作目。
残念なのは装丁が藤原さんで無くなってしまったこと(;;)
この世界観はやはり藤原さんでなくては・・・・・・・。
話的には面白かったですが、やはりもっと大きい流れの展開が欲しくなってきましたね。
こちら側と新しく始まった十二宮探偵シリーズとは繋がるのか?と今からわくわくしています。

イツロベ

著・藤木稟

あらすじ・臨床心理学者の榎本の息子・弘幸が突然家出をした。
家出の兆候すら感じ取れなかった榎本はその息子の部屋に入ったが中にはたいしたものはなく、
ただ目立つものと言えば流行っているPCゲーム「ゴスペル」だけだった。
息子も見つからず、惰性で仕事をしていた榎本の元へ大学時代からの友人で産婦人科医の間野が尋ねて来た。
間野はボランティアでアフリカに行っていたのだが、帰って来た途端、家庭は崩壊した・・・。
慰める言葉すら見つからない榎本に間野は自分が体験した事を話し始めた。
それはとても不思議な話で・・・

難しい!!すごく読みやすくてすいすい頁が進むくせに、難しい!
現代と間野が生活したアフリカと間野の過去が入り乱れてどれが”今”なのかがわからなくなる・・・
本当に”ドラック”のように混乱していく。(あ、ドラックなんてやったことないけどね ;^^)
本当、藤木さんってこういう本も書くんだ・・・って感じでした。

テンダー ワールド

著・藤木稟

あらすじ・旧世紀の人類はキリストの降臨以降を(AD)、以前を(BC)と分けたが、新世紀は科学の奇跡と言われた
タブレット(非同期式量子コンピューター)が生まれた以降の時代を(AT)、以前を(BT)と分けた。
大気は汚染され、一般区とスラム街との格差も激しかった。
スラム街での事件はよほどのことが無い限り無視されていた。
しかし、高所得者への警備は徹底されていた。そこへ高所得者がターゲットとなった連続殺人事件が起こる。
しかも、死体は去勢されていた。
それら事件は”エイリアン事件”と称され、FBIでもカトラー捜査官が担当となって捜査を進めることとなった。
部下のオカザキと共に捜査を進めるカトラーと”間野”の夢を見るという突撃屋・鳴海、
お互いのスタートや方法こそ違うが、ネットカルト集団”ハイネス・ゴット”に行き着く。
カトラーと鳴海が開けてしまった扉の向こうには一体何があるのか?

う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、難しい・・・・
一応、「イツロベ」の続編なのですが、・・・・・難解さもパワーアップってところです。
これは続きそうですね。
前作で謎だった”ゴスペル”の解説があったことは収穫でしたが、他の謎が倍増〜〜〜(;^^)

CROOK 1

著・藤木稟

あらすじ・成長不全で中学二年だというのに身長が130センチほどしかなく、皮膚はアトピーに冒されている少年・照芽。
その容姿のせいでクラスメートからはいじめられていた。
そんな彼の密かな楽しみは誰にも内緒で飼っている”X”という正体不明のペットだった。
醜い容姿、言葉は悪く暴れると手の付けられない”X”だったが、照芽には大切なペットだった。
その”X”がした悪戯を庇ったせいで母親から腕を捻られ、それがもとでちょっとした手術をしなくてはならなくなった照芽。
それが原因で学校の保険医は虐待を疑い始め、母親は照芽を怪しみ始める。
それぞれの歯車が回り始めてしまう・・・・

う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、続きが読みたい(;;)
幻冬舎文庫から隔月刊で出る続き物なのです。
すごく黒いものがどろどろと渦を巻いているのがまたたまらない藤木ワールド!
あぁ、年末に2が出るなぁ〜。待てないよぅ(;;)

CROOK 2

著・藤木稟

あらすじ・容姿のせいでいじめにあっている照芽は同じ種類のペットを持つ”ブレイン”にいじめを打ち明ける。
照芽のことを自分のことのように腹を立てたブレインは照芽にサバイバルナイフを手渡す。
いじめっ子達の目の前でキレた振りをして脅かせば手を出さなくなるという知恵を与える。
そして、その通り実行し、ブレインの言ったとおりいじめられることもなくなっていく。
ブレインと照芽の絆が深くなる一方で、児童相談所のケースワーカー・桜木圭子が児童虐待の恐れがあると判断して照芽の家を
尋ねて来たことをきっかけに、母親の鬱が益々ひどくなっていった。
冷静沈着なというより、氷のような女・桜木圭子にも秘密があった。
それぞれの歯車はもう止められないのか・・・

う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、続きが読みたい×2(;;)
薄いせいもあるんだけど、あっという間に読んでしまう。
藤木さんぽくない?と思ってたんだけど、読んでいくうちに嵌るところは藤木さんですね(笑)
すごく面白い!いったいどんな締めが待ってるんだろう〜。
今からドキドキですよ(*^^*)

CROOK3

著・藤木稟

あらすじ・”ブレイン”の忠告通りに行動したおかげで照芽は苛められることがなくなった。
変わりにターゲットとなったのは香奈子を妊娠させたクラスメートの葛西だった。
そんな葛西に照芽は”ブレイン”が自分に送ってくれたように葛西にも送ることにした。
ナイフという魔術を・・・
そして葛西はそのナイフでいじめっ子達を刺し、自ら投身自殺を行った。
照芽は葛西がそんな事件を起こしたことよりも、ナイフに宿った魔力に魅せられていく。
一方、ケースワーカー・桜木圭子は探偵を使って照芽のカルテを病院から入手、母親からの虐待の有無を調べていた。
カルテには様々な病歴とともに投与されていた薬が羅列されていたが、その薬とは・・・・

続き読みてぇ〜〜〜〜〜〜〜(笑)
どんどん人間関係が繋がっていくのが面白いっ
あぁ、どうなっていくんだろうぉ〜(ワクワク)

CROOK4

著・藤木稟

あらすじ・照芽に成長ホルモンの抑制剤を飲ませたことのある母・佐和子が新たに照芽に渡した薬。
”X”の忠告により飲んだ振りだけを見せていた照芽だったが、ネットでその薬が何かを知る。
それは成長促進剤だった。
普通なら体の成長が遅れている息子に対して医師として母としてその薬を処方したと考えられるが、
失踪した父親の幻想を自分に抱いているようで照芽は母親を警戒し始めていた。
そしてそんな照芽を心配してくれる”ブレイン”から戯曲を書くように勧められた照芽は
自分の周りで起こった出来事を書き始めていた。

これって確か2ヶ月に一冊の割合で出るはずだったんだけど、続けて出ている!
ちょっと嬉しい〜〜〜♪
いよいよクライマックスに向かって一斉に歯車がぐるぐる回っております!
終わったらちょっと続けて読んでみよう〜っと。

CROOK5

著・藤木稟

あらすじ・母・佐和子は夜になると何者かの声を聞くようになる。
どんどん精神のバランスを崩す佐和子を見て命の危機さえ感じるようになる照芽は
自らを守るため反撃の機会をうかがうようになる。
そして一方、ワーカー・圭子は狩野家の庭の土から人骨を発見し、しかもその骨の廃棄時期が
照芽の父・照良の失踪時期と一致したことから佐和子への疑念を深く抱くようになる。
照良を殺したのは誰なのか?そして殺害の動機は?
照芽は助かるのか?何故そこまで圭子は狩野家へ関与していくのか?

おぉ〜〜〜〜、ついにラスト!!!!!
なんか達成感(笑)
やっぱり読みやすいですなぁ〜、このシリーズ。
それにしてもラストに向けてもなんか淡々と進んだ感じです。
妙に納得させられましたね。
もっとアクロバティックな終結でもよかったかな〜とかも思いましたが、やっぱりこういうラストが
一番すっきりするんですよね〜
この続編があったら嬉しいな〜(^^)

眠れない夜のための短編集

著・藤木稟

<内と外・あらすじ>欲しいヴィンテージ・レコードを買うため、破格のバイト料が約束された
生体実験を引き受けた。
白い部屋に入って何もすることを許されず、定期的に出される単調な食事と簡単なテストに答えるだけ
それだけの実験。
その実験を終えた後から、変な穴が見えるようになっていた。
すべてのものに空いている穴、それは僕にしか見えない穴で・・・・

4作入った短編集です。
なんだろう、現代小説の藤木さんって雰囲気変わりますよね。
藤木さんの短編集ってたぶん、初めて読んだんですが藤木さんって感じが薄いっていうか・・・・
きっと”朱雀”とかのイメージが強すぎるのかな、私の中で。
なんとなく、”阿刀田高”さんの短編を読んでる感じに近かったです。

殉教者は月に舞う 十二宮探偵朱雀 蟹座

著・藤木稟

お蔵入りの事件を押し付けられている二課、通称「オクラ課」
そこの新人刑事・柏木サクラは燃えていた。
ようやく携わった事件、それは随分不思議な様相を呈していたが、怯んでいる暇は無い。
最新鋭の科学設備を誇る実験島で起こった人体発火事件。
様々な科学者たちが繰り広げる怪しげな実験。
そして、サクラ自身も狙われることに!
しかし、サクラには十夜と十八という二人の朱雀が付いている。
二人の力を借りたサクラは真相に辿り着くことが出来るか!?

おぅ、朱雀は朱雀でも十八!
あの朱雀さんが十五ですから・・・・
個人的興味としてはどなたがお嫁さんになったのか、ってことなんですけどね(笑)
かなり軽妙で面白かったですね。
十五シリーズにはない読みやすさです、はい。
   

眼球蒐集家 eyeball collector

著・船越百恵

憧れの捜査一課に配属された七海だったが、初めての現場検証で指導警察官に向かって
吐瀉物をかけた上に現場を滅茶苦茶にしてしまった。
当然ながら、事件をはずされ、そして猟奇事件特別研究室・・・・
けったいな名前の部署に左遷されてしまった。
そこの室長というのがまたきっての変わり者で・・・。
女性の両目を生前にくり抜くという残忍な事件は一回で終わることなく、(七海が滅茶苦茶にした事件だ)
猟奇事件特別研究室もかかわることになって・・・

読み始めはそうとうグロか?と思ってたんだけど、そうでもない。
(と言い切ってしまっていいのか?感覚が麻痺ってるのかな〜)
室長の美咲はいい味出してますね。
かおるちゃんとの係わりあった過去の事件も明らかになっていくといいですね。
   

暁天の星  鬼籍通覧

著・椹野道流

法医学教室の大学院生・伊月崇は凡そ医者と言う風貌には一番かけ離れたところにいた。
痩せすぎの体にぴたりとした光沢のある黒いシャツにブラックジーンズ、そして革のブーツ。
じゃらじゃらとつけたアクセサリーの数々・・・。
国家試験の結果こそまだ出ていないが、おそらく医者になるであろう人物が、伊月だった。
次々と新人歓迎期間(?)で運び込まれる遺体。
その中で不可解な遺体達が現れる。
それは事故としか思えなかったが、駅のホームで坂道で、
突如、何かに怯えるかのように彼女達は死に向かって身を投げたという。
伊月と教室助手・伏野ミチルは彼女たちの共通点を見つけてしまう・・・

鬼籍通覧シリーズの第1作。
久々に再読してみました。
いやぁ、改めて読み直してみるとやっぱり面白いですね。
最初に読んだときはミステリを期待して読んでいたせいか、なんだか期待はずれ!と思ってしまったんですが、
読み直してみるとこの通常にはありえないことも、”法医学者”というフィルターを通すと
妙なリアリティが出てきて・・・・って感じです。

無明の闇  鬼籍通覧

著・椹野道流

冷静沈着な法医学教室の助手・伏野ミチルの様子がおかしい。
何もないところを凝視してみたり、ちょっとしたことで意固地になってみたり、
轢き逃げを目撃したが、ショックで何も思い出せない少女を必要以上に攻め立てた警察官に
烈火のごとく怒りを燃やし食って掛かったり・・・
それはミチルが抱えた心の闇が開いたから。
彼女の少女時代に何があったのか?
そして、今なぜ彼女の闇が開いたのか・・・・

鬼籍通覧シリーズの第2作。
これまた再読。
なんでしょう、精神的に一番ぞっとする話かな。
こういう加害者っていうのは減らないどころか、近頃増えているような気もします。
人間の感情が正しく機能していない恐ろしさっていうのは感じますね。。。最近。
面白い中にこういう問題提起(?)ができるのってすごいな、って思うんです。

壷中の天  鬼籍通覧

著・椹野道流

あらすじ・O医科大学法医学教室の都築教授と伏野ミチル助手、院生の伊月の3人が昼食を取るために外出すると、
たまたまゲームセンンター内で女性が事故死をした処に行き会ってしい、そしてそのまま女性の検死をすることになる。
DDR(ダンス・ダンス・レボリューション)をやっている途中、足を滑らせ転倒、打ち所が悪く死亡した女性の死体があった。
簡単な検死を終わらせ、後で解剖室へ運んでもらうということになるが、その死体が運ぶ途中の車内から消えてしまった!

鬼籍通覧シリーズ3作目!
今回もミステリではなくオカルトで背筋がぞっと・・・いい感じです。
帯にも書かれてるんだけど「絶望のち驚愕ときどき癒し」読むとそのとおりだなって思いますね。
ちょっとお勧めです。

隻手の声  鬼籍通覧

著・椹野道流

あらすじ・大阪医科大学法医学教室の院生の伊月はある老人の司法解剖に立ち会っていた。
その老人を暴行の上、殺害したのは実の息子だったが当の本人は記憶がないという。
稀にある”病的酩酊”の可能性があるということだった。
たいした量のアルコールではなくてもお酒が入ると人が変わったように暴行を働き、酔いがさめるとその記憶はないという。
実の親を殺して記憶はない・・・やるせない気持ちを伊月はもてあましていた。
そんな伊月に幼馴染の筧は今時分がはまっているネット・ゲームを伊月に教える。
「アメージング・ワールド」そのゲームはゲームの中で生活をしていくゲームだった。
伊月はそこで”ブルーズ”と名乗る小学5年生の女の子と出会う。
ネットの中のことだから真に受けるなと心配する筧を横に、伊月は”ブルース”の話に入り込んでいく。
母親と二人暮し、学校では苛めにあって保健室登校していて、母親には新しい彼氏が出来て、その彼氏から時々殴られる・・・。
伊月は心配するが相手がネットの上ではどうすることもできない。
そんな伊月に兵庫県監察医・龍村の下へ週に一度、修行と称して通うことが決定される。
厳しい龍村の指導、態度に衝突する伊月だが・・・・

鬼籍通覧シリーズ4作目!
今回はミステリでもなくオカルトでもない。
これこそ法医学に携わっている人が書いてる本なんだなぁ〜と改めて思いました。
高齢者虐待とか幼児虐待とかおも〜〜〜いテーマをちょっと織り込んでいきながら話を持っていく・・・うまいですね。
オカルトちっくな方が好きだけど、こういうのも考えさせられますね〜。
重いテーマですが、かなり読みやすくなってますのでお勧めです。

禅定の弓  鬼籍通覧

著・椹野道流

あらすじ・火災現場から運び込まれた老人の焼死遺体。
伊月とミチルが解剖したところ遺体は、焼死ではなかった・・・・
事件当夜、不審な車両の目撃談から容疑者として浮かび上がったのは塾の副塾長の男。
容疑は認めたものの、肝心の動機に関しては口をつぐんでいる。
同時期、同地域で起こっている連続動物殺害事件・・・・
二つの現場で発見された同じピンバッチ。
この事件が導き出す結論とは・・・・・

鬼籍通覧シリーズ5作目!
人間の、というよりも社会の闇が照らし出されてますね。
かなり、このシリーズ好きですね。
毎度のことながら重いテーマを上手く織り込んでいきながら話を持っていってますよね。
お勧めです!。

奥さまはマリナーゼ 主婦のしあわせ絵日記in浦安

著・ほしのゆみ

ネット絵日記界の巨匠!ゆみぞうさんの本!

rakuもチェックを欠かさない”絵日記でも描いてみようか”のゆみぞうさんの本です。
やっぱりネットの方がふっと入り込めたりするのですが、読んでいるとあぁこんなのもあったのか〜とか
懐かしいし、やっぱり面白いって思ったり。
のんびりほのぼの具合が最高です!

本格ミステリ06

本格ミステリ作家クラブ・編

収録作品
●東川篤哉『霧ケ峰涼の逆襲』          ●黒田研二『コインロッカーから始まる物語』
●霞流一『杉玉のゆらゆら』       ●柄刀一『太陽殿のイシス(ゴーレムの檻 現代版)』
●佳多山大地『この世でいちばん珍しい水死人』        ●道尾秀介『流れ星のつくり方』
●森福都『黄鶏帖の名跡』●浅暮三文『J・サーバーを読んでいた男』●田中啓文『砕けちる褐色』
●石持浅海『陰樹の森で』●岩井三四二『刀盗人』       ●蒼井上鷹『最後のメッセージ』
●米澤穂信『シェイク・ハーフ』     ●小森健太朗『「攻殻機動隊」とエラリイ・クイーン』
<砕けちる褐色・あらすじ>人気絶頂で腕も確かだが、演奏者の間では最悪くの呼び声高いベーシスト・片桐。
彼は3千万もする名器のベースを異常なほど大事にしていて、そのためには手段も選ばなかった。
なまじ人気と確かな腕があるから何もいえない状況が続いていた。
彼も出演するジャス・フェスティバルでその事件は起こった・・・

すごいメンバーですね、相変わらず。
この本はいつも初読みの作家さんが多数入ってくるので楽しみです。
残念ながら読んでいる作品も入ってくるのでなかなか買わなくなってきているのが現状ですが。
小森さんの評論が面白かったです。

本格ミステリ02

本格ミステリ作家クラブ・編

 収録作品
●有栖川有栖  「不在の証明」                 ●伊井圭  「通り雨」
●折原一  「北斗星の密室」             ●大倉崇裕 「やさしい死神」
●霞流一  「わらう公家」          ●麻耶雄嵩  「トリッチ・トラッチ・ポルカ」
●倉阪鬼一郎  「烏雲に」            ●物集高音 「坂ヲ跳ネ往ク髑髏」
●柄刀一 「人の降る確立」           ●山田正紀  「麺とスープと殺人と」
●若竹七海 「交換炒飯」              ●加納朋子  「ひよこ色の天使」
●鯨統一郎  「『別れても好きな人』見立て殺人」 ●河内実加  「消えた裁縫道具」
●西澤保彦  「通りすがりの改造人間」   ●波多野健  「京極作品は暗号である」
●芦辺拓  「フレンチ警部と雷鳴の城」         ●鷹城宏  「中国の箱の謎」
●倉知淳  「闇ニ笑フ」       ●巽 正章  「論理の蜘蛛の巣の中で  第八回」
●菅浩江  「英雄と皇帝」
<不在の証明>あらすじ・梶山は老婦人から引っ手繰ったバックを片手に逃走していた。
隠れ場所として選んだ建設途中のビルの中、梶山は斜め向かいのビルに入っている男を見かける。
しかしそれは重要な目撃となるのだ・・・。
<人の降る確立>あらすじ・介護福祉士になりたての真理江は車椅子の要介護者・斗志八と
共に北聖綜合クリニックに向かっていた。
しかしそこで二人は悲鳴を聞く。しかも、「人が落ちた」という・・・・・・・・
<英雄と皇帝>あらすじ・優秀なピアノ教師・亮子は教え方も良く、生徒にも好評であったが、
一つ難点があった。それは誰の前であっても決してピアノを弾かないということだった。
その亮子の生徒である中学生・ハルナは実力も飛びぬけていた。
しかし、そのハルナの様子が最近ちょっとおかしくて・・・・・

すごい作家陣ですよね〜〜〜〜!!
面白かったですわ(^^)
そうだなぁ、全部短編の割にはしっかり個性があってなかなか引きずって進まなかったとこかな〜。
まぁ、そんなのは楽だけだろうけど(;^^)
シリーズものもあるようなので気になる作品も多かったです!

紅い悪夢の夏 本格短編ベスト・セレクション

編・本格ミステリ作家クラブ

●有栖川有栖「紅雨荘殺人事件」           ●太田忠司       「四角い悪夢」
●加納朋子 「子供部屋のアリス」          ●北森鴻          「邪宗仏」
●柄刀一  「エッシャー世界」           ●三雲岳斗   「龍の遺跡と黄金の夏」
●小森健太朗「新・現代本格ミステリマップ」●鷹城宏「作者を探す十二人の登場人物『木製の王子』論」
<紅雨荘殺人事件/有栖川有栖・あらすじ>東京から帰ってきた有栖川の家の留守電には火村の伝言が入っていた。
臨床犯罪学者で助教授である火村はしばしば事件の捜査へと借り出されている。
そして今回の事件は資産家の婦人が首吊りしたいとなって発見されたという事件だった。
一見、自殺かと思われたその遺体には明らかな他殺の証拠が残っていた。
この事件へ乗り出そうと有栖川が思ったのには理由があって・・・
<四角い悪夢/太田忠司・あらすじ>千鶴は昔から同じ夢をよく見た。
白くて四角い箱の中に飲み込まれる黒い子猫、白い箱の黒い闇の中が光る。
そこの中にいたのは猫じゃなく、女の子だった・・・
妹の悪夢の元凶を突き止めようとする志郎が千鶴の過去に触れたとき、
昔起こった事件と同じような事件が現れる・・・

評論合わせて8作。
選び抜かれた作品なので当然でしょうが、面白かったですよ。
こういう短編を読んでどのシリーズを読むか、ためし読みにちょうどいいですね(^^)
読み切りなのでお勧めです

透明な貴婦人の謎 本格短編ベスト・セレクション

編・本格ミステリ作家クラブ

 収録作品
●泡坂妻夫  「鳥居の赤兵衛」          ●鯨統一郎  「人を知らざることを患う」
●柴田よしき 「正太郎と井戸端会議の冒険     ●西澤保彦        「黒の貴婦人」
●法月綸太郎 「中国蝸牛の謎」          ●はやみねかおる      「透明人間」
●松尾由美  「オリエンタル急行十五時四十分の謎」●円藤都司昭「POSシステム上に出現した『J』」
<鳥居の赤兵衛/泡坂妻夫・あらすじ>手書きの書本だが、面白く続きを待っている本がある。
和漢貸本屋・鹿田屋吉太が持ってくる”鳥居の赤兵衛”という本だ。
しかし、盗人ん手口があまりにも見事に書き記されているところを見ると、この作家
ただの作家ではないらしい。
続きを待ち望んでいたが、その日現れたのは鹿田屋の使いの者という安造という男で・・・
<黒の貴婦人/西澤保彦・あらすじ>いつものようにいつものごとく、ボアン先輩の家でお酒を酌み交わしていたとき、
ボアン先輩は言った。
「犯人はこの3人の中にいる」
タック、タカチ、ウサコは何のことかと頭をひねると、確かに不思議な問題が姿を現してきた。
その問題に頭をひねる仲間を見ながらウサコは別の問題を見出していた

評論合わせて8作。
選び抜かれた作品なので当然でしょうが、これまた面白かったですよ。
タックシリーズって何冊か読んでるはずなんですが、この短編を読んで改めて読んでみよう!と思いました。
猫探偵も気になるし、泡坂さんの時代物も気になるし・・・大変です。




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