〜ま行〜



ジェンダー城の虜

著・松尾由美

あらすじ・奇妙な入居資格を設けられている地園田団地。
伝統的家族制度に挑戦する家族、そう括られた資格取得者は夫婦逆転家族や契約家族、同性愛カップルだった。
そこに住んでいる高校生・友朗も友人から浴びる奇妙な視線のお陰で学生生活を微妙なものにしていた。
その友朗の通っている高校に転入してきた美少女・美宇も地園田団地へ引っ越してきたというだけで
まわりから奇妙な眼で見られてしまう。
彼女の父は、マッドサイエンティストと呼ばれ、団地設立者から招待されて引っ越してきたという。
その小田島博士が何者かに誘拐されてしまう。
地園田団地の有志で結成された”地園田が丘イレギュラーズ”は犯人を突き止めることが出来るのか!?

やっと見つけました!
手に入らないとなると意地でも手にしたくなるこの根性。
読む前からいろいろ賛否両論ありましたが、(否が多かったかな?)でもrakuとしては面白かったです。
できれば長編のシリーズとしてもいけたかな。
1冊ではもったいないキャラの宝庫だと思います。
  

銀杏坂

著・松尾由美

<横縞町綺譚・あらすじ>古いアパートで起きた盗難事件。
早速、捜査へ向かってみるが容疑者は全員シロ。
しかし、一部屋だけ操作していない部屋があるという。
そこには幽霊が住んでいるのだと・・・。
幽霊など信じていない刑事・木崎と吉村が部屋に向かうがそこにいたのは
・・・はにかむ幽霊だった。。。

香坂市を舞台につづられる連作ミステリー5編入ってます。
最初に幽霊の係わっている事件を解決したがために”それ”絡みの事件をまわされてしまう木崎。
この中年刑事が最後に交わる空虚にも似たラストが切ないです。

バルーン・タウンの手毬唄

著・松尾由美

<バルーン・タウンの手毬唄・あらすじ>家庭欄記者の友永さよりは手に弁当を抱え、ある家を目指していた。
その目的はひとつ。
元・妊婦探偵の暮林美央からまだあるであろう事件の話を聞くためだ。
そして手土産が功を奏し、彼女の口から出たのは不思議な手毬唄を基にした見立て事件だった。

妊婦探偵シリーズ第3弾。連作短編4編収録
様々な語り部がいるのもこのシリーズの特徴ですね。
私としては江田ワトソン役が一番のお気に入りなのですが。
例の政治家たちと長編で戦ってほしいものです。

バルーン・タウンの手品師

著・松尾由美

<バルーン・タウンの手品師・あらすじ>シングルマザーとして子供を生み、バルーン・タウンを後にした美央
彼女を”先輩”としたっていた夏乃の出産予定日、彼女はバルーン・タウンに戻ってきた。
そこで起こった不思議な事件。
そして、やはり謎を解くのは・・・・

”妊婦探偵”シリーズ2作目。4話連作短編集。
社会への風刺やパロディの魅力(今回はクリスティにハンニバル博士です)
面白かったですよ。
妊婦にならないと暮林美央は探偵の才能が花咲かないのか?
特殊な能力が妊婦になると備わるのか?
何はともあれ、帰ってきた妊婦探偵を堪能してください

バルーン・タウンの殺人

著・松尾由美

<バルーン・タウンの殺人・あらすじ>人工子宮・AUの利用が普通になった世界で、敢えて自らの母体で出産を
望む女性たちが暮らす東京都第七特別区・通称バルーン・タウン
殺人を犯した犯人がそのバルーン・タウンに身を潜めたと言う。
しかし、バルーン・タウンに入るには厳しいセキュリティをパスしなければいけない。
そしてそのセキュリティを簡単にパスできるのはそこの住人・妊婦たちであった。
目撃者は複数いるものの、今や特殊となった妊婦という姿を目にして記憶しているのはお腹ばかりだった。
特別区のため、男性捜査員が潜入するわけにも行かず、抜擢されたのは江田茉莉菜だった。
彼女は初めて見る妊婦たちに戸惑いながらも、そこの住人であり、大学の先輩・暮林美央の
力を借りて事件を解決へと導いていく・・・

”妊婦探偵”シリーズ1作目。5話連作短編集。
妊婦という存在を特別なものに買えたこのシリーズ、面白いです。
実際、rakuは妊娠したことがないのでこの茉莉菜の初めて接する妊婦たちへの感想など、
妙に頷きながら読めました。
作品のパロディ(ホームズもの)も面白かったです!

いつもの道、ちがう角

著・松尾由美

<琥珀のなかの虫・あらすじ>本来決まった形からはずれてしまったもの、を集めるのが趣味という同僚。
取って置くために合成樹脂の中に入れ込んで保存するという。
そこへ入った行方不明になった女子大生のニュース
ぼんやりと頭の中でその同僚と女子大生の事件をくっつけて考えていた。
そしてついに同僚の家を訪ねることにする。
そこにあったものとは・・・

短編7話入ってます。
ダークファンタジーというやつらしいです。
いやぁ、はっきり言ってraku大好きです、こういう感じ!
ビターチョコレート食べたら口の中に残る苦味に似てると思うんですよ。
読み終わった後思わず考え込んで、ぞっとした結末を頭の中で導き出すって感じ。
お勧めです。

安楽椅子探偵 アーチー

著・松尾由美

<首なし宇宙人の謎・あらすじ>小学五年生の及川衛は2万8千円という大金を持っていた。
それは忙しい両親からもらった誕生日プレゼント(ゲーム機)の代金だった。
しかし、それは一客のアンティークの椅子へ変貌していた。
衛が聞いた”ため息”がその椅子が発しているものと気づいたとき、衛は骨董店の店主の下へといっていたのだ。
そして、驚くべきことにその椅子は喋ったのだ・・・・・

短編4話入ってます。
安楽椅子探偵って、椅子が探偵かよ(笑)
面白い短編集です。
子供とおじいちゃんのような椅子との掛け合いも楽しいし、その謎解きもよいですね。
これを子供が読んだら椅子に耳を傾けるかも〜

みんな元気。  Cuckoos&TheInvisibleDevil

著・舞城王太郎

<みんな元気。・あらすじ>夜中に目が覚めると隣に寝ているゆりちゃんが浮かんでいた・・・。
家族でその話に持ちきりになるが妹の朝ちゃんも体が浮くという。
この奇妙なことから段々と不思議な世界へと足を踏み入れてしまったようで・・・・
<我が家のトトロ・あらすじ>突然、脳の医者になるという天啓を受けた慎平は会社を辞めて受験生になった。
妻・りえも娘・千秋もそして猫のレスカも協力してくれる。
受験に落ち続けるがなんとなく手応えを感じ始める慎平は千秋が苛めにあっていると気づくが・・・・

5作入った短編集です。
相変わらず、舞城さんワールド爆発。
話に現実を求めてはいけない、作り物だから
なのに突拍子も無いことが出てくると混乱するのは頭が固いからだろうな、と最近思う。
相変わらず、暴力的で愛が溢れていて不思議な読後感を与えてくれます。

煙か土か食い物 Smoke,Soil or Sacrifices

著・舞城王太郎

あらすじ・サンディエゴのERで有能な外科医として働く奈津川四郎に凶報が届く。
四郎の実家がある福井で起こっている「連続主婦殴打生き埋め事件」の第5の被害者が母親だと言うのだ。
幸いにも父親・丸雄が発見し、救出したものの意識は不明のまま・・・・。
白衣すらそのままに飛行機に飛び乗った四郎だった。
代々政治家として辣腕を振るってきた奈津川家。
実力者である丸雄、そして後を控えている一郎、敷地内の三角形の蔵で行方不明になった二郎、小説家であるがやる気のない三郎
そして、何故か眠ることの出来なくなった四郎・・・・・・。
母親の復讐を誓った四郎は事件の捜査へと乗り出す。
連続主婦殴打生き埋め事件と奈津川家の繋がりとは・・・・・・・・

やっぱり面白いっすわ(笑)
これにはルンババが出ている!!ちょっと嬉しい(^^)
でも、「煙」くんは出てこなかったなぁ〜〜

************ちょっとネタバレ入ります。読みたくない人は飛ばしてね!*************
出てくるのはいいんだけど、なんだかメルカトル鮎みたい
コレを読んで察しが付くでしょ?
「世界は密室でできている。」から入った楽としてはちょっと思い入れがあったので悲しいかなぁ〜
さっ、「暗闇で子供」を読もう〜っと(^^)
とにかく、面白かったです!!

暗闇の中で子供 The Childish Darkness

著・舞城王太郎

あらすじ・有能な奈津川家で唯一価値なし男で三文ミステリ作家・三郎はこの間奈津川家に起こった嵐のような
事件に振り回された後だった。
事件は一応の解決を見たものの、母親は昏睡状態、父親・丸雄と長男・一郎も入院したまま。
サンディエゴから帰ってきて事件を解決に導いた四郎は新しい彼女の家に入り浸りだった。
そんな時、三郎は変の少女を見つける。
美しい少女は畑にマネキンを埋めていた。
場所を変えては何体も何体も・・・・・・・・・・。
そして三郎は気付く。
前の事件の時描かれた絵の続きを彼女が描いていることを。
四郎と共に動き出した三郎が見る真実とは何か?

あぁ〜、壊れてるね〜〜〜
物凄く壊れてるよぉ〜〜〜
なんか救いなし!って気もする、今回のは。
前回の四郎視点と違って三郎視点はちょっと支離滅裂な文章。
それはやっぱり三郎の視点だからなのか?
とにかく、この続きが早く読みたい!!

世界は密室でできている。 THE WORLD IS MADE OF CLOSED ROOMS

著・舞城王太郎

あらすじ・小さい頃から高いところが好きだった僕は「煙」と呼ばれていた。
でも、隣の家の涼ちゃんが家の屋根から飛び降りて死んだのを見てから高いところには登らないようになった。
涼ちゃんの弟・ルンババは僕の親友で名探偵だった。
そして2年、15歳になった僕とまだ14歳のルンババは東京へ修学旅行に行く。
そこで強い女・ツバキと家事をこなす妹・エノキに出会い事件に巻き込まれていく・・・・。
それは”世界と密室”をめぐる冒険の始まりでしかなかった。

舞城王太郎、最高〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
これはまず伝えておこう(笑)
まだ「煙か土か食い物」も「暗闇の中で子供」も持っているものの未読なのですが、いやぁこれは最高っす!!
最初はなんか読みにくいな〜って思ってたんだけどこれはツボっ!!
楽、嵌りました〜〜!!!

九十九十九

著・舞城王太郎

あらすじ・清涼院流水の産み出した美しい探偵・九十九十九の魂の旅。
彼はどこから来てどこに行こうとするのか?
JDC TRIBUTE作品

はははははっ、なんじゃこりゃ〜〜〜!!
前にも言いましたが、清涼院流水さんのJDCシリーズを読んでいない私でも九十九十九は知っております。
美しさのあまり、見たものが失神してしまう!(笑)
でもこの本って微妙ですよね?
JDCファン(特に九十九十九ファン)などが読んだら、違うよぉ〜〜っとなりそうだし、
舞城ファンもどうなんだろう?
まぁ、rakuはなんじゃこりゃぁ〜〜って思いながらも結構楽しく読めましたが・・・・

熊の場所

著・舞城王太郎

<熊の場所・あらすじ>僕がまー君の猫殺しに気づいたのは11才のときだった。
休み時間、友達と教室でふざけていた僕が机の横にかけていたまー君のランドセルとけり落としてしまった。
落ちた弾みで中身が出て、教科書やプリントの中に混ざっても紛れ様もない茶色い縞の入った猫の尻尾・・・・
学校が終わるととにかく恐怖に怯えた僕は家まで走り続けた。
でも、頭の中にあったのは父親の語った体験談だった。
恐怖の場所に立ち戻るには早い方がいいのだ。
明日ではいけない、僕は再び家を飛び出した。
まー君に会わなくてはいけない・・・・・・・・

舞城さんの短編集
<熊の場所><バット男><ピコーン!>の3作。
これって純文学なのだろうか?
読み終わった後、思ったのはそのこと。
いつもと一緒の読後感。舞城さんってすごいな・・・・いろんな意味で(笑)
舞城さんの本ってミステリとか純文学とか分類がないんだと思うわ
きっと、その文章を楽しめるか、楽しめないかだけだと思うな。
幸いにも私は楽しめる方。
でも、きっと何年か前の私なら嫌悪感、感じるかもな・・・・
舞城さんのノベルスを面白いと思う方にはお勧めです!!!

山ん中の獅見朋成雄

著・舞城王太郎

あらすじ・獅見朋の男たちに受け継がれていたのは首元から背中へと生えた鬣だった。
中学生だった成雄にもその血は流れていた。
足が速かった成雄にはオリンピックの候補選手にと声も上がっていたが、
ランニングから見える鬣を気にして成雄はその話にはのらずに
父親の友人の風変わりな書道家・杉美圃モヒ寛とつるんでは遊んでいた。
ある日、モヒ寛に書道を習っていたとき、成雄の前に馬が現れる。
その馬に導かれて進んだ先にモヒ寛が頭から血を流して倒れていた。
九死に一生を得たモヒ寛だったが、警察は成雄を疑っていた。
嫌疑を晴らすため、成雄は一度は目の前に現れた馬を探すのだが・・・・

えっとね〜。。。。わかんないっす(笑)
わかんないけど、なんか面白いのは判ります。
もっともっと長編で読みたいですね。
”神話的世界”ってこれ?って感じですが・・・。
続きが読みたいですね〜
西暁つながりで全部がくっ付くんだろうか?
まるで”京極ワールド”みたいに・・・

好き好き大好き超愛してる。

著・舞城王太郎

<好き好き大好き超愛してる・あらすじ>体を虫によって蝕まれていく病気になった智依子
自分の夢の中でまだ会った事のない自分の愛する少女を探すツトム
亡くなった恋人にインスピレーションを受けて小説を書いてしまう治
愛は祈りだ。
過去にすでに起こったことでされも、希望を持ってこうなって欲しいと願う。
過去について祈るとき、言葉は物語になる・・・

2作入った短編集です。
舞城さんの本は好き嫌いが分かれますね、いつも思うけど。
そしていつも”死”が含まれていて・・・・
暴力的なものや静かなものや。
死を感じながら、後ろにある生を感じさせる恋愛小説。
だと思いました。

ファントム・ケーブル

著・牧野修

<ファントム・ケーブル>あらすじ・高校時代に秘密を共有した3人の男。
佃と久保田と吉住はそれぞれ別の生活を送っていた。
しかし、今になって「ヒトゴロシ・・・」と囁く電話が掛かってくるようになる。
表示された電話番号に掛け直してみても「この番号は現在使われておりません」とテープが聞こえるだけ・・・
何年ぶりかに3人が集まろうとするのだが・・・・・

ちゃんと読むのは初めてですね、牧野さん。
短編集で8話はいっております。
なんだろう?オドロオドロしてて、でもなんだかこの世界の話じゃないような・・・
でも、一皮剥くとこの世界なんだろうな・・・みたいな不思議な感覚です。
長編を読むとまた違った感想を持つかもしれないですね。

スイート・リトル・ベイビー

著・牧野修

あらすじ・ボランティアで児童虐待の電話相談をしている秋生には過去があった。
彼女自身もかつて育児ノイローゼになりかけて保健婦に救われたと言う過去
その時、立ち直ったのに子供は不意の事故で亡くなってしまったと言う過去
人は何故、幼い子供を虐待しなくてはならないのか・・・・・・・・
答えの出ないはずのこの問いに用意された恐ろしい答え・・・
秋生を待ち受ける恐ろしい出来事とその答えとは!

えっとですね、なんと感想を言っていいのかわからないです。
自分がそっち側の人間ではないことを祈るばかりです。
(そっち・・・というのは虐待をしてしまう親側ということです)
いろいろと思うことはあるのですが、それを書いてしまうとネタバレになってしまうので。
読んでると痛い感じがします。
でも、嫌な感じはしないんですよね。不思議。
ここで用意された”何故、虐待するのか”の答えは小説的には「おぉ〜」ですが、
実生活的にはちょっと違いますよ(当たり前か・・・)
今回はわけのわからない感想でごめんなさいです。

だからドロシー帰っておいで

著・牧野修

あらすじ・亭主関白な夫、無関心な息子、痴呆(認知症)が出始めた姑に囲まれて生活している内気で平凡な主婦・伸江
伸江は突然夫が連れてきた客のためにビールを買いに出た。
昔に買ったピンクのスーツと姑がくれた赤いエナメルの靴を履いて・・・。
彼女の中の妄想が作り出した世界とすれ違っているリアルな世界。
血と狂気の宴の果てにヒロイン・伸江はどこに辿り着くのか?

妄想と現実が入り混じっていってなだれ込んでいくラストが圧巻でしたね。
何だろう、現実の主婦もあんな風に壊れていってしまう・・時が来そうで怖いですね。
あそこから始まる狂気が支配する世界も続きとして読んでみたい気がしました。
     

  Firefly

著・麻耶雄嵩

あらすじ・雨の中、大学のオカルトスポット探検サークルの6人は京都の山間部にひたすら車を走らせていた。
目指す場所はいわくのある建物、ファイアフライ館・・・
そこは実際に殺人が行われた場所であり、そしてOB・佐世保の所有する建物の一つだった。
事件発生から事件発覚までの4日間、同じ日付で肝試しを兼ねた毎年恒例の合宿。
去年と違うことは女子メンバー・対馬つぐみがいないこと。
彼女は未逮捕の殺人鬼”ジョニー”に殺されてしまったのだ。
ふざけあう悪趣味な仲間の中に漂う不穏な空気・・・・
そして、殺人は行われた・・・・

おぅ、麻耶さん面白いよ〜〜
こうでなくっちゃ!って感じですね。
ぐんぐん引き込まれるように読了いたしました。
お勧めです。

神様ゲーム

著・麻耶雄嵩

あらすじ・小学4年生の芳雄の住む神降市で連続猫殺害事件が発生していた。
芳雄の父は刑事だったが被害者が猫だけになかなか動いてはくれない。
芳雄は同級生らで結成した探偵団で犯人探しをはじめた。
そんな時、転向してきたばかりのクラスメイト鈴木君が芳雄にだけ自分のことを神様だと言い始めた。
猫殺しの犯人も知っているのだという。
彼は本当に神様なのか?それともただの大嘘つきなのか?

面白い!子供向けではないけれど(笑)面白い!!
さすが麻耶雄嵩、と唸ります。
最後の最後まで子供向けではないけれどね(爆)

名探偵 木更津悠也

著・麻耶雄嵩

<禁区・あらすじ>半年ほど前から噂されていた御殿通りの白い幽霊。
半年前といえば薫香の友人・夏苗が行方不明になったのと時を同じにしていた。
友人・知耶子は幽霊は夏苗だと言い張った。
結局、その幽霊に会うべく5人の高校生が御殿通りへと向かった。
ほとんどの者が幽霊を信じてはいなかったが、彼らは見てしまったのだ・・・その幽霊を・・・
<交換殺人・あらすじ>妻と喧嘩をし、泥酔した平田はバーで隣り合わせた男と奇妙な約束を取り交わしてしまう。
それは交換殺人だった。
お互いのターゲットの名前と住所を書き、交換したメモが手元に残っていた。
自分から、という約束だったので自分さえ実行しなければ大丈夫だと思っていたのだが、
なんとその男が何者かに殺されてしまった!
平田は自分の妻を守るために探偵・木更津悠也の元を訪れた。

4作入った連作短編集です。
どの話にも出てくる白い幽霊は・・・次回持越しのようです。
なんだか長編の香りがしますね(^^)
久々の麻耶さん、やっぱり面白かったですね。
この、ワトソン(?)役の香月の鼻につくこと!(笑)
帯の”名探偵の名探偵たる所以。”なるほどな〜と思ってしまいました。

まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事

著・麻耶雄嵩

あらすじ・非番だった刑事・天城憂の車に突然乗り込んできて前の車を追えと命令してきた女・・・。
真幌市在住の有名なミステリー作家・闇雲A子だった。
今、真幌市で連続して起こっている殺人事件の犯人”真幌キラー”(命名はA子)を追っているというのだ。
のちにA子は天城をメランコリー刑事、略して”メランコ”と名付けて捜査に協力するように申し出た。
捜査をかく乱されるのを恐れた警察は人柱よろしく天城を差し出したのだ。
突然のひらめきとも思われる推理で事件を時々解決する天城を見込んでの指名だったのだ。
しかし、そのひらめきも実は天城のものではなく、妻・あきのもので・・・・・
”真幌キラー”とA子に引き回される天城は事件の真相を見ることが出来るのだろうか?

麻耶さん、久し振り〜〜〜。
面白かったですわぁ〜。
キャラの濃いさは相変わらずですわ(笑)
麻耶さん読みたさにこれだけ買ったけど、やっぱり”春・夏・冬”も読まないとかしら・・・・。

むかつく二人

共著・三谷幸喜・清水ミチコ

二人でパーソナリティを務めたラジオ番組を加筆再構成したもの。

ただただ面白い!!
あぁ、このラジオ聞きたかった!
HPでまとめたものを流しているようですが、どうせならダイジェストじゃなくて全部聞きたいなぁ〜
みっちゃんの突込みなどは、文字から声が聞こえそうでした(笑)

有頂天時代 三谷幸喜のありふれた生活5

著・三谷幸喜

朝日新聞に連載されていたエッセイ 2005/4/6〜2006/4/5まで
古畑と大河「新撰組!」との別れ、3本目の映画監督作品、なんと大河で役者デビュー盛り沢山のエッセイ。

始まったときから見ていた「古畑」の終わりは私も寂しかったけど、脚本家からするともっと寂しかったでしょうねぇ
raku的にはホイの話が一番胸に来ました。
あぁペット欲しい!!

冷や汗の向こう側 三谷幸喜のありふれた生活4

著・三谷幸喜

朝日新聞に連載されていたエッセイ 2004/3/31〜2005/3/30まで
大河「新撰組!」のラスト、一人舞台「浪速バタフライ」を私生活を交え、書かれたエッセイ。

何を勘違いしたのか、この”4”で終わりだと思ってました(笑)
いやいや、それにしても面白かったです。
喜劇人協会の授賞式でのコメント、生で聞きたかったなぁ〜。
それにしても、生でも文章でも面白い人は面白い!

大河な日日 三谷幸喜のありふれた生活3

著・三谷幸喜

朝日新聞に連載されていたエッセイ 2003/1/8〜2004/3/24まで
「オケピ!」の再演、大河「新撰組!」の舞台裏を私生活を交え、書かれたエッセイ。

ただただ面白い!!
最近、活字離れしていた私でもこれはどんどん読みたい!と思える本でした。
あの舞台裏はこうだったんだ!と頷きながら読みました。

怒涛の厄年 三谷幸喜のありふれた生活2

著・三谷幸喜

朝日新聞に連載されていたエッセイ 2001/9/25〜2002/12/25まで
「バット・ニュース☆グット・タイミングオケピ!」「今宵の君は」などの舞台裏を私生活を交え、書かれたエッセイ。

これまた面白い!!
面白いだけではなく、rakuも好きだった俳優・伊藤俊人さんのご葬儀の話など涙を思わず零してしまう話もありました。
早く続きが読みたい!
まだ三谷舞台を生で見たことがないんですが、早く見たいなぁ〜〜!

三谷幸喜のありふれた生活

著・三谷幸喜

朝日新聞に連載されていたエッセイ 2000/4/4〜2001/9/18まで
「オケピ!」映画「みんなのいえ」などの舞台裏を私生活を交え、書かれたエッセイ。

面白い!!
三谷さん憧れのビリー・ワイルダーに会いに行ったときのエピソードなどもあり。
和田誠さんのイラストも良い味です!

背の眼

著・道尾秀介

あらすじ・静かな宿を求めて立ち寄った白峠の宿で、作家・道尾は聞いてはならぬ声を聞いてしまう。
恐れおののいた道尾は学生時代の友人で霊現象探求所なるものを主催している真備のところを尋ねた。
真備は自分の抱えていた事件とリンクするものを感じ、助手の凛と道尾を伴って白峠へと向かう。
そこに隠された恐ろしい過去、そして起きようとしている悪意・・・。

ちょっと長いですが、頑張って読み進めていくと手が止まらなくなります。
これも続刊が出ています。(もちろん、ノベルスに落ちるまで待ちます)
何だろう、ホラーという括りだけど、どこか哀しくて切なくて。
次、次、と成長していく作家さんだと思います。

ホラー作家の棲む家

著・三津田信三

あらすじ・編集者の三津田信三は同人誌「迷宮草子」から怪奇幻想小説の連載を依頼される。
引越しを終えたばかりの三津田は散歩がてらに小説の構想を練っていたが、そこで偶然にも洋館〈人形荘〉を発見する。
絡みつく感覚に気後れしながらも惹かれた三津田はそこに住むことに。
不動産屋の奇妙な態度を皮切りに、身に覚えのない応募原稿、連載小説の制御不可能な展開…
愛読者だと言う女性との付き合いが始まるとさらに三津田の日常は怪異に満ちて…

怖、怖、怖、怖、こぇ〜!!!!
ホラー小説としてはなかなかの出来で、かえってもっとスプラッタでも…と思うんだけど、
登場人物やあとがき、帯の菊地秀行氏の言葉を見る限りでは事実起こったものかと…
だったらめちゃこわですがな〜(;−O−)
それに読んでる途中、楽も肩がず〜んとして…(まぁ、肩に力が入りすぎてたと言うこともあるが(笑))
楽のような小心者にはなかなか…な本でしたが、肝が据わってる方には物足りないかも〜

あやし 〜怪〜

著・宮部みゆき

<女の首>あらすじ・おっかさんと二人暮しだった太郎は赤ん坊の頃から声が出なかった。
おとっつあんを早くに亡くし、働き者のおっかさんと暮らしていたが流行り病で頼りのおっかさんも亡くしてしまった。
長屋で居候させてもらっていたが、夏が終わる頃奉公に出されることになった。
厳しい修行にも耐える覚悟をした太郎は母親の位牌を預け奉公先に出向いた。
奉公先の葵屋は袋物を扱っていたが、そんな太郎が拍子抜けするほど明るく良い御店だった。
しかし、そんな葵屋で太郎は奇妙なものを見てしまう・・・

楽にとって初宮部でした!
時代物って結構苦手としているのですが、短編ということもありかなり読みやすかったですね
全部で9つ入っています。
他に楽がすきなのは「安達家の鬼」ですね!
恐れ多くも(;^^)あぁ〜この作家さん(宮部さん)はさすが売れるだけあるなぁ〜って思いましたね。
長編を読むのが楽しみになりました♪
いやはや、この「あやし」オススメです!!!

チチンプイプイ

著・宮部みゆき・室井滋

売れっ子作家と売れっ子女優の顔合わせ。
美味しいものを食べながら、美味しい話を聞きましょう

アウトドアな室井さんとインドアな宮部さん。
でも、どこかで似てるんですよね。
室井さん初挑戦もミステリも入ってます!

うろこの家

文・皆川博子 絵・岡田嘉夫

<朱鱗の家・あらすじ>母から父が女の家に入り浸って家に戻ってこないと泣きつかれ、
仕方なしに相手方の家に訪ねていったのだが迷い、尋ねがてらに覗いた家にいたのは美しい女だった。
父の相手でないことを願いながら話を聞くと・・・・

絵と文が戦ってますね。
全12話入ってます。
美しいながらもぞっと背筋をなでられる絵、様々な世界を背景に書かれた美しく、哀しく、
恐ろしい文。
読むと世界に引き込まれますよ。

眠る盆
夜中の薔薇
父の詫び状
無名仮名人名簿
霊長類ヒト科動物図鑑
女の人差し指

著・向田邦子

故・向田邦子さんが残した最初から最後までのエッセイ6冊。

最初に楽がこの本達を既に15年ほど前のこと。
当時10代だった楽にどれだけ理解できたかわかりませんが、ただただ面白く読みました。
それから幾度となく読み返してきましたが、5〜6年振りに再読。
向田さんの子供のころの風景はrakuとは時代が違っていて懐かしいな、という感じは受けませんが
そこにある風景はなぜか見たことあるような・・・・
そこにはお正月に必ずTBSでやっていた向田邦子新春ドラマスペシャルの映像そのままが封じ込められていたのです。
それが今年は向田さんのものではなく、ちょっとショックでした。(「夏目家の食卓」これも面白いドラマでした)
笑えるエッセイなのに1冊に1箇所は必ず楽の泣き文章があって、読むと大変です。(15年前から同じ箇所で泣きます)
でも、これを読んで泣ける自分に安心したりもします。

ふしぎな図書館

著・村上春樹 絵・佐々木マキ

あらすじ・図書館で本を探そうとした僕は”107号室”に案内された。
そこには不思議な老人がいて僕が探している本は貸し出し禁止の本だから閲覧室で読むように言った。
閲覧室は地下の巨大な迷路の真ん中にあった。
そしてそこには羊男がいたんだ・・・。

あぁ、春樹さんの本久しぶりだな。
羊男が懐かしくてつい買ってしまいました。
中身、装丁とも好きです。
不思議、本当に不思議。
この不思議が解明されるときは・・・・ないな。

すっぴん魂(コン)

著・室井滋

本場トルコのトルコ風呂でバイトしたり、近所のガキの遊び相手、変な能力をもっている友達、
いかした婦警さんを見たり、ロケ弁を死守したり・・・室井の周りにはいろいろなネタが集まっていく!

他の女優さんも毎日こんなに面白くでハードなのかしら・・・
相変わらず、面白い!!一冊です。

まんぷく劇場

著・室井滋

言わずと知れた女優・室井滋のエッセイ。
巻末に室井さんおすすめの映画が載っています。

嵌りますね、室井さんのエッセイ。
本当にいろいろな事件に遭遇する人だ(笑)
オススメの一冊です。

キトキトの魚

著・室井滋

元気でけなげな魚になりたい!女優・室井滋のエッセイ。
自意識過剰な子供時代、フライデー事件など読んだ後、絶対”キトキト”になること請け合い!

rakuのおすすめは”可愛いあの子は誰のもの”です。
室井さんとご近所の親切なクリーニング店のお話。
あぁ、こんな暖かな町に住みたいわぁ〜〜〜
オススメの一冊です。

ふぐママ

著・室井滋

室井が所属する事務所の社長・通称”ふぐママ”のトラブルてんこ盛りの笑撃エッセイ

トラブルを引き寄せる人っているのね(笑)
普通、拳銃のため仕打ち(やーさんの)に行きあって、しかもそこから逃げることに成功する人っていませんよ(笑)
そんなすごい人をまた引き寄せる室井さんもすごいですね!

東京バカッ花

著・室井滋

故郷肩大学進学で上京した東京での波乱に飛んだ生活を描いた室井滋のエッセイ集。

結構真面目に(羽目をあまりはずさなかった)rakuとしては羨ましい学生時代だわ〜(笑)
多種多様なアルバイト、淡い恋、お父さんとの切ない思い出。
読んでいると思わず笑いがこみ上げて、そしてほんわかとしてきますよ

むかつくぜ!

著・室井滋

言わずと知れた女優・室井滋のエッセイ処女作。

立ち読みとかはしたことあったんだけど、ちゃんと本を買って読んでなかったなぁ〜と思い読んでみました。
いやぁ〜、面白かったですよ。
”室井滋”と言うと私の中で”やっぱり猫が好き”のレイちゃん!というイメージが強かったのですが
最近は個性的な演技派の女優さんという部分が大きくなってきましたよね。
でも、エッセイを読むとあぁ〜この人は”レイちゃん”だぁ〜と妙に安心感が(笑)
ちょっと空いた時間に、オススメですっ

すっぴん魂 カッパ巻

著・室井滋

笑いのネタに溢れた室井さんのエッセイ。

なんか安心して読める(笑える)エッセイですね
はずれなし!って感じ。
人がよく死ぬ本ばっかり読んでますんで、こういう本で均衡をとっていかなくては・・・

すっぴん魂 愛印

著・室井滋

笑いと愛が溢れている女優・ムロイのエッセイです。

それにしてもどうしてこんなに面白い人にムロイさんは巡り会えるでしょうかね?
不思議な人の愛溢れるエッセイです。
馬鹿笑いできてちょっぴりほろっとします。
頭を使いたくないときにお勧めの本です。

私は、おっかなババア すっぴん魂C

著・室井滋

おっかなババアを目指す女優・室井滋のシリーズ・エッセイ

相変わらずパワー全開のムロイさんですが、なんか変にこのご時世にしり込みをしているようで残念。。。
でも、もちろん面白いですよ!

あなたが怖い すっぴん魂5

著・室井滋

爆笑シリーズついに5作目!怖い体験もなぜか室井さんが絡むと笑ってしまう・・・

いろいろな”怖い”体験を書かれているのだが、こんなに経験豊富な女優さんも珍しいだろうなぁ。
そしてどんなに怖い話も室井さんの語り口だと笑いが最後起こってしまう。
この文章力、羨ましい〜

心ひだひだ

著・室井滋

心理テストとエッセイが一つになった本。

何だろう、読むのに疲れた。
心理テストいらない。

大東京三十五区亡都七事件

著・物集高音

<悪魔ノ命ジタル殺人・あらすじ>銀座の真ん中で短剣を持って暴れたその男は五人の命を奪い、
重軽傷者十八名を産む大惨事を引き起こした。
捕まった男は「悪魔から命ぜられるままに行った」と言ったという。
男の身辺からそんな大それた事件を起こすような人物ではないと思われたが、悪魔の言葉など到底信じることもできない。
悪魔の声、それは催眠術ではないか?と考えた女記者・尚子は阿閉を連れて心理学教授の下へ・・・

シリーズ3冊目、しかもシリーズ完結。
連作短編7篇収録
このシリーズ、面白いです。
神隠しや家鳴りなど、それぞれの作者さんの解釈が面白いです。
明確にくっきりと、というよりも、ぼかすところはぼかそうよって感じがさらにすきですね。
でも、この最終話はどうでしょう?
この唐突なエンディング。
そこまでして終わらせる必要があったのか?
それとも、ラスト!!と身構える事件ではなく、淡々としたラストを描きたかったのでしょうか?

大東京三十五区夭都七事件

著・物集高音

<死骸、天ヨリ雨ル・あらすじ>明治20年、平和博覧会の最中その事件は起こった。
いろいろな出し物の中に人造富士山というものがあった。
高さ32メールはある富士を模した山に皆で螺旋に登らせるというものだったが、
開門前にその富士の頂上に派手な着物を着た菩薩様が現れたという。
その菩薩が皆の前で天へと消えて暫くしてから隣の見世物小屋で悲鳴が・・・!!
首なしの死骸が天から降ってきたという・・・・。
編集者から尻を叩かれた”ちょろ万”こと阿閉万は、頼みの綱の大家・玄蕃が姿を消したことから悩んでいた。
ネタはあるのだがさっぱりそのからくりが分からない。
困り果てて下宿屋に戻ったとき、そこには玄蕃の姿が!!
<画美人、老ユルノ怪・あらすじ>ちょろ万の元へ早稲田の鏑木博士から呼び出された。
その用向とは博士の前の教え子である清家氏の持っている不可解な絵を取ってきて欲しいとのこと。
清家氏は先日結婚をし、そのお祝いにと知り合いでもある女流画家かみお先生に奥さんをモデルに描かれた絵をいただいたという。
飾って3日、気付いたときにはそこに描かれた奥さんの顔は皺が寄り、年老い始めたという。
それがショックで奥さんは今となっては寝込んでいるという。
ちょろ万は絵を受け取ると早速博士へと届けた。
そして事のあらましを大家・玄蕃に聞いて聞かせたのだが・・・・

このシリーズ第2作。
掛け合い落語のような連作短編7編が入っています。
第一作よりもより読みやすくなった感じがしましたが、こういう文体に慣れてきただけかな?
登場人物も増え、これからも続きそうな感じ・・・。
これからも楽しみな作品の一つになりました。

大東京三十五区冥都七事件

著・物集高音

<老松ヲ揉ムル按摩・あらすじ>明治13年、大雪のころ、ちょっと変わった事件が起こった。
東海寺の七不思議にも上げられていた”血出の松”を巡査が見回りに行った時、一人の若い按摩が
先日の大風でふき倒れてしまった松に膏薬を貼ったり揉んだりしていた。
おまけにその手は血に染まっていた。
その按摩は盲人で巡査も顔見知りだったため、不問にしたがその後”血出の松”の名前が一層挙がったことは言うまでも無い。
そして時は昭和六年、この昔の事件を探し出してきた男がいた。
”ちょろ万”こと阿閉万、早稲田の書生ではあるが雑文をものにして小遣い稼ぎするのに忙しい。
この不思議な事件を早速大家の間直瀬玄蕃に当時の世相を聞きにやってきたというのだ。
しかし、話を聞きながら玄蕃はその謎を解き始める・・・・・。
<花ノ堤ノ迷途ニテ・あらすじ>明治三十四年、四月の上旬、花見客でごったがえす向島。
横浜の豪商・糸甚は花魁を引き連れて花魁道中としゃれ込んでいた。
花見の見世物の一つ、迷途(迷路)に興味を持った花魁・白浦のために糸甚は皆でそこに入ることにする。
一人出、二人出・・・しかし、待てども待てども花魁の白浦と綾瀬が出てこない。
し切れを切らした糸甚はその迷途を畳ませたのだが、そうしてもどこにも簪一つ、出て来はしなかった。
花魁たちはどのようにして消えたのか?
うんうんと唸るばかりの”ちょろ万”とは別に大家・玄蕃の言うことには・・・・・

この”ちょろ万”と大家・玄蕃の掛け合い落語のような連作短編7編が入っています。
物集さん、好きですがこういうタイプは【第四赤口の会】の方が好きですね。
でもなかなか面白く読みましたよ〜

赤きマント 【第四赤口の会】

著・物集高音

<赤きマント・あらすじ>一丸一美は知り合いの古書屋から奇しい会を紹介してもらった。
その会【第四赤口の会】とは<欺瞞><制圧><色欲><死><嘘>・・・様々なものを蒐めている者たちの集まりであり、
月に一度の会合で順番に《奇やし物》を持ってくるというものだった。
そう一美は魔女史研究家であり、<冷血>の蒐集家だった。
職業(著述家、医師、女子高生、占師・・・)も年齢も様々な集まりだった。
一丸が初めて会合に参加した時の《奇やし物》−赤マント−を持ってきたのも最年少の女子高生・富崎ゆうだった。
年齢にそぐわぬ博識をもった<嘘>の蒐集家である彼女の話とは・・・

連作短編集4話入ってます。
う〜〜〜〜〜、面白かったです。
物集さんといえば楽的にはあまりいい印象がなくて避けてたんですが、とま姐さんから進められて読んでみたら・・・!
ものすごく面白かった(;^^)
すごく時代がかった話のように感じますが、舞台は現代。
MDとかPS2とかぽんぽん出てくるところがまたミスマッチ歩喰って面白い
ともかく、これは続き物っぽいので早く続きが読みたいぞ〜って思うほど面白かったです!
オススメ!

吸血鬼の壜詰  【第四赤口の会】

著・物集高音

<吸血鬼の壜詰・Bottling aVampire・あらすじ>様々なものを蒐めている者たちの集まり、【第四赤口の会】の今夜の奇し物は
古本屋の店主・相見小夜子の《吸血鬼の壜詰》だった。
内側の黒い紙を張った壜詰を皆は覗き込んだが、不意に中から音が聞こえた。
「え、何!これ生きてンじゃん!マ、マジ〜?」
さぁ、この謎をどの様に解いていくのか・・・・・

【第四赤口の会】の2冊目
《花咲爺の灰》《手無し娘の手》《吸血鬼の壜詰》《口裂け女のマスク》の4話入ってます。
面白いっすよ、このシリーズ好き♪
昭和初期や明治っぽい雰囲気を放ちながらも舞台はちゃんと現代なんだよね(笑)
そのアンバランスな感じも好きですが、やっぱり豊富な知識でいろいろと紐解くのが面白いですね〜
是非是非、読んでみてくだされ!

迷宮百年の睡魔 labyrinth in arm of morphevs

著・森博嗣

あらすじ・マスコミを完全にシャットアウトしていることで有名な伝説の島、イル・サン・ジャック
しかしエンジニアリング・ライタのミチルがアポイントを取った時、許可が下りた。
許可が下りたこと自体に不審を抱きながらミチルとパートナーのロイディはその島を訪れた。
一夜にして森が消え、周囲が海になってしまったと言う不思議な島。
そこに住む人々はどこかよそよそしく、過去に森が消えたと言うこと自体にも疑問すら抱いていなかった。
そしてその島の女王、メグッシュカとの接見はミチルにある人物を思い出させた。
島の王、シャルル・ドリィとの深夜の接見中に事件はおきた。
外部の人間として疑いの目を一身に受けるミチルは・・・・

女王シリーズ第2弾。
まさか「女王の百年密室」に続編が出るとは思いませんでした。
かなりオススメです。
でも、ラストを読む限りまだまだ出そうだな、このシリーズ・・・・
ハードカバーでシリーズ化はつらいですっ
ノベルスや文庫になってから(前作はすでにノベルス・文庫両方ともなってます)揃えればいいのですが、
このハードカバーの装丁が一番素敵なんですよ(笑)
困った困った・・・・。

六人の超音波科学者 Six Supersonic Scientists

著・森博嗣

あらすじ・山中に建てられた壮大な研究所。
六人の科学者が集う「土井超音波研究所」でテレビを呼ぶほどのパーティーが行われた。
高名な学者やテレビ・リポーターという招待客の中には何故か紅子と練無も含まれていた。
二人を研究所にまで送ってきた保呂草と紫子は行き掛かり上、足りないテレビ・スタッフの手伝いをしていた。
その頃、研究所に続く唯一の橋への爆破予告の電話が鳴り響いた。
冗談とも思える予告だったが、捜査に来た刑事・七夏が研究所方面へ歩き始めた直後、轟音とともに本当に橋が爆破されてしまった。
幸い、七夏は助かったものの、一人で研究所に助けを呼びに行かなくてはいけなくなった。
そこには七夏の天敵・紅子とそれ以上の不運が待ち受けているとも知らずに・・・

研究所が設定というだけでなんだかS&Mシリーズを彷彿とさせますねぇ〜(−▽ー)
前作までは保呂草の仕事絡みの話ばかりでちょっと・・・という感じだったのですが今回は純粋な事件!
すごく面白かったですよ!
「冷たい密室と博士たち」とか「笑わない数学者」を思い出しますねぇ〜
設定もそうなんだけど、確かどちらかに萌絵ちゃんが監禁されて生死の境を彷徨うというシーンがあったんだけど、まさに!
こっちでは練無君が危機一髪!というシーンがあります。
お話だとわかっていてもドキドキしますね(笑)
後、紅子さんをただの美しいだけのゲストとして話をする科学者達が紅子さんの豊富な知識と鋭い話題に驚き、
そして感心するシーンが好き
まるで自分が紅子さんの知り合いのように「ど〜だっ」という気分になりますね(爆)

恋恋蓮歩の演習 〜A Sea of Deceits〜

著・森博嗣

あらすじ・航空学科の院生・大笛梨枝は本意ではない文化教室を受講していたが、そこで建築家・羽村怜人と出会う。
少しずつ距離を近づけていった2人はヒミコという豪華客船で旅行することを計画する。
そのヒミコにはなぜか保呂草や紫子、紅子や練無、そしてあの関根朔太の「エンジェル・マヌーヴァ」も乗船しているという。
そして船で起きる事件・・・。保呂草は仕事をまっとうできるのか?紅子は謎を解けるのか?

関根朔太の「エンジェル・マヌーヴァ」がこんなところで繋がってくるとは・・・
前作「魔剣天翔」にもちらっと(か?)出てましたね
大笛さん、また登場しそうなキャラだなぁ〜って思いました。
どうなんだろう?
毎回思ってるような気がするんだけど、保呂草さんの家業が家業だけに(裏の方)事件が起こるとどうしてもそっちを見てしまう。
面白かったんだけど、いいかげんS&Mシリーズと比べるの辞めよう・・・って思いますね、毎回。

朽ちる散る落ちる Rot off and Drop away

著・森博嗣

あらすじ・「土井超音波研究所」で起こった事件を見事に解決した紅子だったが、あの事件にはまだ開けられていない扉があった。
開かずの地下室を警察が開けるのを、立ち会う事になった紅子たち。
そして地下室の全容が明らかになる時、紅子たちは干からびた死体を発見した。
完全な密室の中、他殺か自殺かも判定できない死体・・・・・。
紅子は自分を「土井超音波研究所」のパーティーに行くようにお膳立てをしてくれた小田原教授の下へ向かうが、
そこには答えがなく、変わりに小田原教授の後輩・周防教授の元を尋ねるように言われる。
答えを求めて向かった紅子に周防が話した内容はまた別の謎だった。
小田原が紅子に差し出した新たなる謎は事件に関係があるのか?
完全密室の地下室の中で男はどのような最後と遂げたのか・・・・

これで前作「六人の超音波科学者」もすっきり終了と言った感じです。
相変わらず冴えまくってる紅子さん!
やっぱり圧倒的な天才ですわなぁ〜〜
それにしても大掛かりな装置、天才が起こす事件とは想像がつかないものです。
突拍子もなくて(;^^)
練無君の過去(【地球儀のスライス】の「気さくなお人形、19歳」参照のこと)と繊細な思いが可愛かった〜♪
主人公は紅子さん(だってVシリーズだもんねぇ〜)ですが、がんばれ!練無君!
主役の座を奪還するのだ!(爆)
あ、もしくはへっ君が主役でもいいな(笑)

アイソパラメトリック ISOPARAMETRIC

著・森博嗣

森博嗣の支店で世界を見る世界観が変わる25の掌編  帯より

単行本で限定で出た作品の文庫化です。
前回も買っていたのですが、もったいなくて未開封(笑)やっと中読めました。
お題があって、すっごく短い短編が次々と・・・って感じです。
森さん視点、こんな不思議に見えているのだと思いました。
やっぱり、長編の方が好き(笑)

捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest

著・森博嗣

あらすじ・霧深い熊野御堂の別荘へ美術鑑定士として招かれた秋野(保呂草)は自分のビートルを追い越していくフェラーリを見た。
フェラーリの持ち主ももちろん熊野御堂の招待客であった。
紅子を髣髴とさせる西之園萌絵と国枝桃子(最初はてっきり男性かと思っていたが)だった。
当主・熊野御堂譲氏は面白いものを見せるという。
名品 エンジェル・マヌーバと関係あるものだという。
そして案内された場所には巨大なメビウスの輪があり、中にはいくつモノ扉とそしてマヌーバが飾られていた。
建築を専行している萌絵は建物に、保呂草は当然マヌーバに興味をそそられていた。
そして、翌日その捩れた密室では死体と失われたマヌーバが発見される。
おまけに隅に建てられていたログハウスには譲の死体とともに
この密室がとけるかな。この謎を看破したものに、エンジェル・マヌーバを譲ろう。
と謎まで残されていた。
誰が一体人を殺し、誰が一体マヌーバを持ち去ったのか?萌絵はその謎を解くことが出来るか?
そして、保呂草は無事に帰ることが出来るのか?

いや〜もう、すっごく面白かったですよ!
練無君には嫌われている萌絵ちゃんですが、保呂草さんには気に入られてるみたいですね〜
まぁ、それも紅子さんを通じてですが・・・
犀川先生の出番が少なかったことは不満ですが、萌絵ちゃんの鋭い推理に(相変わらず空回り気味ですが)
ちょっと成長したんじゃな〜い!と余計なお世話的感動を覚えたりして(笑)すごく楽しめました。
あぁ、久々にドキドキとした本を読んだな!って感じです(^^)

赤緑黒白 Red Green Black and White

著・森博嗣

あらすじ・マンション駐車場で死体が発見された。
ありとあらゆる場所が赤い死体だった。
血ではない。わざわざ赤のペンキのスプレー缶で丁寧に赤く染め上げられた死体・・・。
おまけに殺された男の名前は”赤井寛”。
探偵・保呂草のところに奇妙な依頼が舞い込む。
依頼者は田口美登里、殺された赤井の婚約者で依頼内容も今回の事件だった。
犯人はわかっている、その証拠を探してほしい・・・・
犯人は女流作家・帆山美澪だ。
考えあぐねた保呂草は最初に少し調べてみて無理のようなら断るという条件付で引き受けることにした。
しかし、殺人は続く・・・。
赤、緑、黒、白とカラフルな色に染められる死体。
犯人は一体誰か?その目的とは?

これで一応”Vシリーズ”も終わりのようです。
結局これがVでは一番好きですね。
オススメです!!!!
が、最後の最後で君が出たかぁ〜〜〜〜!!!って感じです。
あぁ、これで次に出るこの関連の長編は・・・あれ・・・やね(^^)
訳分からんってね〜(;^^)
”すべてはFになる”の登場人物が出ておりますっ!
しかも、四季博士ではないよぉ〜〜〜ん♪
あぁ、楽しみがいっぱい♪いっぱいすぎてハイ状態だわぁ〜〜〜〜〜

探偵伯爵と僕

著・森博嗣

あらすじ・僕・馬場新太は公園で変なおじさんを見た。
全身黒尽くめでブランコに乗っている男。
僕があんまりまじまじと見ていたので男は声をかけてきた。
「ごめん、乗りたかった?」
それが僕と探偵伯爵が知り合ったきっかけだった。
伯爵はいろんな話をしてくれた。
僕は話半分に聞いていたけれど、それでも伯爵と過ごす時間は楽しかった。
そんな時、同級生のハリィが行方不明になったんだ。
伯爵と僕はその事件を解決しようと動き出した。

ずっとこの新太くんの日記という視点で書かれています。
あぁ、子供ってこういう風にクールに大人を見てるよね〜
とか、秘密基地ってやっぱり永遠の子供の憧れだな〜とか色々思いながら読みました。
かなり面白かったです。
オススメですね!

墜ちていく僕たち

著・森博嗣

あらすじ・アイアイこと相沢愛樹は自分のアパートの一室で大学の先輩・小林とラーメンを作り、食べる。
そしてなぜか倒れこみ、墜ちる夢を見る
目覚めると、アイアイは自分がまさに”墜ちた”ことに気が付く。
5章からなる連作小説。

 感想から言うと「だ〜・・・」って感じぃ〜。
主人公視点のストーリー展開も、そのだらだらとした思考による話の展開も好きなんだけど、そこから先がありそうでない。
”ラーメン”をきっかけに男が女に”墜ち”女が男に”登る”(といった方がいいのか?)
という設定の5章なんだけど、同じきっかけなら最後に繋がるのか?って思うじゃないですかぁ〜!!!
でも、別に繋がらないの。そのまんまで終わっちゃうの・・・。
期待してただけにつらい・・・
まぁ、男が”墜ちて”女になるという(女性蔑視な気もするけどそれはさて置き)発想が面白いだけに・・・
ちょっと楽的には残念だったかな〜

どきどきフェノメノン A phenomenon among students

著・森博嗣

あらすじ・大学院のドクターコースに在籍中の窪居佳那。
趣味は”どきどき”の探求。
いろんな”どきどき”を探し、求めているのだ。
講座の後輩の好青年、同じく後輩の人形オタク、指導教官の相澤助教授、父親の知り合いの謎の怪僧・武蔵坊・・・
誰が佳那を一番どきどきさせるのか?

ん、ミステリっていうか、ラブ・ストーリーですな。
この佳那はかなり自分中心で、でも臆病で、大胆で、なんか面白いです。
なんか、流れ変わったって感じです。
装丁、爽やかで良いですね。背表紙の絵はいらんかったかな?とも思いましたが、
概ね良好ということで。
   

スカイ・クロラ

著・森博嗣

あらすじ・カンナミは飛行機乗りだ。
新しく配属された基地から飛び立ち、偵察し、時には闘う。
淡々と過ぎていくはずだった日々が前任者の謎の死を知ったのをきっかけに一転する
その死に何か関わりをもっている若い上司・草薙水素にかかる深い謎。
”キルドレ”をキーワードに話は展開していく。

 う・・・ん、なんか難しかったっす。
すごく淡々と話が進んでいくのよ、淡々と・・・。淡々と進みすぎて盛り上がる場所が見つからなかった
ネタばれになるから”キルドレ”の説明もしないけど、なんだかなぁ〜
表紙に書いてある言葉がすべてを物語っているようです。
それにしても、森さんって飛行機が好きだなぁ〜って思った一冊でした。

ナ・バ・テア Nave But Air

著・森博嗣

あらすじ・新しく配属された基地には飛行気乗りなら誰でも目標とするティーチャーがいた。
もちろん、僕も彼と一緒に飛ぶことに今までに感じたことのない喜びを感じていた。
地上のあらゆるしがらみから解き放たれた空の上。
死ぬときは何かに包まれていたい。そう、できれば飛行機の中で・・・

前回の「スカイ・クロラ」の続編です。
これはネタバレになるのかな?続編なんだけど、以前の話なんですよ
前のうろ覚えだったので読み直しましたが、そうなるんだ、って感じです。
これでなんだかすっきりしました。

ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven

著・森博嗣

あらすじ・空中戦で怪我を負ったクサナギ。
退屈な入院生活、空へ戻りたいと欲求するクサナギの心に反して上層部は指揮官へと昇格を望む。
そんな中、クサナギはティーチャーと一戦交えるチャンスを手にするのだが・・・

「スカイ・クロラ」「ナ・バ・テア」の第三弾。
読む限り、これが「スカイ・クロラ」へと繋がってラストになるのかな〜って感じです。
ここまできてみて、あぁ、面白い!と感じることが出来るシリーズでしたね。
一番森さんらしい本なのかもしれません。
   

奥様はネットワーカ Wife at Network

著・森博嗣

あらすじ・スージィこと内野智佳は某国立大学工学部化学工学科の秘書をしている。
独身と言っているが、旦那様は同大学の情報工学科助教授・三枝洋侑だ。
二人が結婚していることは秘密になっているが、どうして秘密なのかスージィは知らない。
幸せだから良いのだ。
そんな中、大学周辺で暴行傷害事件が多発する。
スージィの友人で同大学の図書館の司書をしている鈴木奈留子も狙われてしまう。
彼女は一命を取り止めたものの、同大学の女学生が命を落としてしまう。
それぞれに秘密を抱えた6人の視点で事件を追う・・・。
一体犯人は誰なのか?

久々の森作品じゃないかな?
いつも2〜3ヶ月に1冊は出ているような気がするけどな〜
ハードの割にはイラストレーターのコジマケン氏とのコラボレートと作品なので
あまり行間が詰まってなく、すごく読みやすい(笑)
私、コジマさんの絵って意外と好きだな〜(「浮遊工作室」でも描かれてた人ですね)
それに、この小説も好きでしたよ(^^)
大学の教授(イエダ)ってみんなそうなのか?とか思っちゃったりもしました(;^^)
森さんの舞台って大学多いですよね〜
やっぱりご本人の職場だから書きやすいのかしら?
実際はこんなにもドラマティックじゃないのでしょうけど(^^)
サエグサ氏、爽やか系とか書かれてましたけどあれは女の敵って言うのじゃないでしょうか??(ネタバレかも・・・・)
一番悪いやつですよね・・・・。

ZOKU  zionist Organization of Karma Underground

著・森博嗣

<第一話・off the beaten path〜ちょっとどきどき・あらすじ>
「TAI」と書かれた白い不思議な機関車から降り立った2人を出迎えたのは長官補佐と警部だった。
白衣を着た男・科禁研の揖斐と小柄の女性・永良野乃だった。
二人が出向いた用件とは社会をちょっとだけ騒がせている事件のことでだった。
オートバイの激しい爆音が聞こえたのに、肝心のオートバイがいない・・・
被害が小さいけれど、見逃すには大きすぎる・・・
正体不明、目的不可解
壮大な悪戯の組織「ZOKU」と彼らの企みを阻止しようとする「TAI」
次に「ZOKU」が仕掛けてきたのは・・・・
<第三話・a simple funny story〜笑いあり 涙なし・あらすじ>
野乃は揖斐と一緒に車の運転練習をやっていた。
夜中に、こんな寂しい場所で揖斐と二人きりだと考えるとウキウキとしていた野乃だったが、
マニュアル車が思うように動いてくれず、苦戦していた。
やっとエンジンが掛かり、一息を付いた二人は車外に出て緊張をほぐしていた・・・
そこへ不意に笑い声が聞こえたのだ。
誰もいないはずの場所で聞こえる笑い声・・・
そう、それは「ZOKU」の新たなる悪戯だった・・・

5話入ってます。
なんだか続きが出そうな感じ〜(っていうか出て欲しい)
段々「ZOKU」の仕掛ける悪戯がちんけになっていくのがいいですね(笑)
それと、揖斐と野乃の感じがまるで犀川と萌絵のようです。
中年(っていうか一見もっさい男)と美少女の組み合わせ、森さん好きだよね〜
なんか力抜きながら読める感じの本です。
オススメするかというと、森ファンの方なら・・・ってところです。
(「奥様はネットワーカー」とかが好きな人ならよいかも。あ、話は関連してませんよ)
(あぁいう軽いタッチのものだと思ってくださいませ)
一話ほど立ち読みしてから購入は検討されたほうが良いかと思います。(好みの問題で)
rakuは結構楽しく読みました。

工学部・水柿助教授の逡巡  The Hesitation of Dr.Mizukaki

著・森博嗣

あらすじ・N大工学部で助教授をしている水柿くんは読書家(主にミステリ)の奥さん・須摩子さんの
一言から小説を書いてみることにした。
須摩子さんだけを対象にした小説だったが感想が今ひとつ・・・
第三者の目線で評価してほしくなり、とりあえず出版社へ送ることに。
すると即効電話があり、本にしたいという・・・。
とんとん拍子で作家になることになった水柿くんだった

中身はこれだけです(笑)
中の文章のこねくり回し方が激しいよ。
体調が悪いといらいらするよ〜(;;)
まぁ、森さんに言わせるとそんなにしてまで読むことはないって感じだろうけど。
前作のときも思ったんだけど、水柿くんって森さんなんだなぁ〜〜〜〜
才能がある人はこうやってチャンスも物にするんだなって思いました。

虚空の逆マトリクス INVERSE OF VOID MATRIX

著・森博嗣

<赤いドレスのメアリィ・あらすじ>海辺の町で名物になっている女性がいた。
かなりの高齢と見受けられるその女性は真っ赤なドレス、真っ赤なブーツ、真っ赤な手袋を身に付けて
バス停で朝から夕までずっといるのだ。
白く塗られた顔には表情が無く、話しかけても反応もしない。
見苦しいけれど不思議と醜くは無い、名前も住んでいる場所もわからないが、町の皆は彼女のことを”メアリィ"さんと呼んでいた。
ある時、メアリィさんと同じバス停でバスを待っていたサラリーマンは彼女を見て驚いている老人を見て、メアリィさんの説明をした。
するとその老人は彼女のことを知っているという・・・・・。
<不良探偵・あらすじ>従兄弟のシンちゃんは自分のことを探偵だと思っている。
それは僕が書いた小説の主人公の探偵と彼が同じ名前だったから。
字をあまり読めないシンちゃんは自分を探偵だと思っている。
ある日、僕の古くからの知り合いの女の子が殺された。
シンちゃんは彼女のマンションに入り込んで”捜査”をしたのだ。
彼は”探偵”として当然のことをしたまでで・・・・・・・・・

短編集4冊目。
7話、入ってます。
前は森さんの短編って苦手だったんだけど、短編集の仲ではこれが一番好きかも〜
久々に犀川&萌絵コンビが出ていますが、この二人の進展はもう至極当然というかなんというか・・・・
それよりもこの犀川・萌絵にVシリーズのメンバーが混ざって何かやらかしてくれないかなぁ〜願うばかりです。
それも、短編じゃなくて長編、読みたいですね〜〜〜
でも、次の発刊予定を見ると「四季」となっているので真賀田博士が三度登場か!?とワクワクさせますね〜〜♪

レタス・フライ LETTUCE FRY

著・森博嗣

<檻とプリズム・あらすじ>ずっと檻の中で育てられた少年と彼の友人、周りで起こっている連続殺人事件。
犯人が求めているものは何なのか?

短編集9編入ってます。
rakuはこの「檻とプリズム」が一番好きですね。
萌絵物(とうか、ほとんど現シリーズの主人公たちがメインな気がしますが)もあり。
やっぱり森さんの短編集は今ひとつ萌えません。
でも読んでしまう悲しいファンの性〜

四季 冬 Black Winter

著・森博嗣

あらすじ・真賀田四季の孤独とは・・・
誰にも理解されることなく、誰の理解を求めることもなく生きてきた超絶の孤高の存在。
彼女の奥底に秘められたものとは・・・・・

もう、どんな風にあらすじを書いていいかわかりませんでした。
あまりにも突き抜けていて・・・
”秋”で世津子が四季について「4年前にちらりとですけど見てるんですよ」という台詞があるのだが、
本作のエピローグを見ると確実に世津子と四季はかかわりを持っている。
もちろん、”F”以降だ。
ただ、世津子がその時点で”四季”を”四季”として認識していたかどうかは怪しい。
また再読をしなくてはいけないだろうな。。。
後、100年という括り。
四季博士が100年括りっていうのはわかる気がするんですよ。
ただ、犀川や萌絵はどうなんでしょうか?
四季の中だけの話なんでしょうか・・・・・
そしてまさかあのシリーズまで巻き込むとは・・・・
現代のものだと思っていたものが過去の時代のものだったり、未来だと思っていたものが急に身近な時代になったり。
忙しいですね、森作品。
読まないとわからない感想でごめんなさいでした。

四季 秋 White Autumn

著・森博嗣

あらすじ・儀同世津子の前に四季博士の情報交換を持ちかけてきた男・椙田泰男。
彼は自分の元から消えた女を捜していた。
その女は昔、四季と一緒に仕事をしたことがあるという。
しかし、椙田は不思議なことを沢山知っていた。
世津子の母親のこと、兄・創平のこと・・・。
一方、萌絵は四季の影に怯えていた。
いつか犀川を連れて行ってしまうのではないか、その考えが頭を離れなくなっていた。
犀川の頭の中にはまだ四季がいるのだ・・・。

四季がでこないとういのになんんとうい存在感。
もうすでに論議されていたのだろうか?あの方の息子があの方で・・・
(未読の方のために一応、書きません)
いろいろと繋がるわぁ〜〜〜〜。
VシリーズもS&Mシリーズも全部復習しなくちゃかしらね?
いよいよ”冬”ですね!
早く読みたいっ!!

四季 夏 Red Summer

著・森博嗣

あらすじ・13歳になった真賀田四季はアメリカから帰国していた。
それは彼女の側近であった森川須磨がアメリカで交通事故によって亡くなった事が大きく関係していた。
最初は驚きはしたものの、すぐに彼女がいなくなったことで受けるビジネス上のダメージを考えていた。
しかし、だんだんと精神的ショックが大きく彼女の中に占めてきたのだ。
特に気に入っていたわけではないのに、すでに彼女は四季の中に入っていたのだ。
そんな四季が日本で会いたかった人物は瀬在丸紅子だった。
しかし、紅子は四季の誘いを断った。
そして四季は紅子が子供を産んだ経験があることを知る。
自分が経験していないこと、自分がリセットされる経験・・・
四季はそれを望んだ。

うわ〜、とにかくいろんなタイムラグを考えるのに忙しかったです。
どうしても「すべF」を軸に考えていたんだけれど、これに乗っ取るとですよ、
犀川シリーズと紅子シリーズが交わることは可能でも、オールキャストは無理か?とか
色々と考えに幅が出てくるです。
の”ぶるぶる人形にうってつけの夜”の練無と萌絵はいくつといくつの時の出会いになるんだ?
などと考えましたよぅ〜
内容はとにかく保呂草さんの新しい事実なども発見されて面白かったですよ。
早く”秋”が読みたいです。
いよいよ犀川VS四季博士なんですよね〜〜〜♪

四季 春 Green Spring

著・森博嗣

あらすじ・5歳の少女・真賀田四季はすでに超越していた。
ありとあらゆるものをスポンジが水を吸うがごとく身に付けていっていた。
多くの人と話をするが、得るものがないと判断すると口を利くのをやめた。
それでも、人は四季と話せたことを感謝するのだ。
そんな四季に寄り添うように従う”其志雄”
彼もまたいつか自分が四季にとって不必要なものになるのを恐れ、覚悟していた。
そんな中、四季の叔父・新藤清二の病院で起こった密室殺人事件。
完全に事切れた被害者は扉を閉めることは出来ず、そして犯人が鍵を閉める意味も見出せない。
誰が、何故鍵を閉めたのか。
四季はあっという間に事件の本質を見抜いてしまうのだが・・・・

あの、真賀田博士がシリーズとなりカムバック!
春夏秋冬と4冊出るらしいです。
この人物がすでにこの時点で関係してるのか〜とかなかなか面白いです。
当然のことながら「すべF」は必読です。
前後してもいいのかもしれないけれど、夏か秋には「すべF」の事件が絡んでくるので、
「すべF」の驚きが半減してしまうかもしれませんので・・・
でも、実際こんな5歳児(〜8歳児)がいたら小憎たらしいんだろうな(笑)
本文中には圧倒的な存在で大人を蹴散らしておりましたが・・・・

工作少年の日々

著・森博嗣

趣味のために小説を書いている作家・森博嗣の生活と意見

最初のほうはね、むかつくんですよ(笑)
原稿何枚でいくら・・・あれを買いたいからがんばって書かないとね〜とか。
まぁ、才能ある人を妬んでもいけないな、って途中で気づく(;^^)
第一、妬んだところで森さんの本が出たら買っちゃって、結局趣味に貢献しているわけだし。
独特の考えだと思うんだけど、それを素直に行動に出来るのって言うのも才能ですよね。

Φは壊れたね  PATH CONNECTED φ BROKE

著・森博嗣

あらすじ・院生の山吹は大学時代のクラスメート・舟元の家を訪ねていた。
舟元がコンビニへと酒を買い足しに行き、山吹が留守番をしていると、
上の階の住人・町田の友人と言う女が尋ねてきた。
部屋を開けて欲しいと言う。
なぜか、舟本は大家の代わりのようなこともしており、仕方なく変わりに山吹が鍵束を持って開けにいったのだが
そこに居たのは町田ではなく、町田の形をしたオブジェ・・・・
飾り立てられた部屋に吊り下げられた骸だった・・・・。

帯に”西之園萌絵、ふたたび事件に遭遇。”って書いてあるから、
すっごい期待しちゃったよ・・・・。
事件には遭遇しても主人公ではないのね・・・、萌絵も犀川先生も・・・
それにしても、萌絵ちゃんも院生だというのに、あの大人しさは何?
急に大人びちゃって。
新しい主人公たち、まだつかめません。
”F”のような刺激はありませんが、まぁお勧めです。

θは遊んでくれたよ ANOTHER PLAYMATE θ

著・森博嗣

あらすじ・早川聡史は自らの25歳の誕生日に飛び降り自殺をした。
いや、そう見られていた。
額に口紅でかかれた「θ」を見るまでは。
半月後に発見された女性の遺体にも手のひらに同じ「θ」が。
その後も複数の転落死体に記されていた「θ」
同じ口紅で書かれたθの意味するところは?
自殺なのか、殺人なのか!?
萌絵と海月たちが見出す真相とは?

Gシリーズ2作目
いろいろと繋がっていきますね、相変わらず。
”四季”で収まったのかと思っていたのですが、さらに人物関係は繋がっていきそうです。
続く謎を残して。。。。
また10作目に大きな波が来るのでしょうか
   

τになるまで待って PLEASE STAY UNTIL τ

著・森博嗣

あらすじ・探偵・赤柳のアルバイトで加部谷、海月、山吹は森の中に佇む”伽羅離館”を訪れた。
そこには館主・神居を取材する目的で3人の人間が先に来ていた。
館主・神居は超能力者として名を馳せているらしく、彼の身の回りの世話をする2人の信者と共に館に住んでいた。
建物に対して極端に小さな窓、小さなドアを有している不思議な建物だった。
赤柳の仕事は館内にある図書室での調べ物であった。
取材チームのカメラマンが外からの写真を撮ろうとしたとき、その自体が発覚した。
ドアが開かないのだ。
館という大きな密室に放り込まれた彼らは更にその中の密室で死体を発見することとなった・・・

シリーズ3作目。
きっと後で大きな謎に包まれるのはわかっているのですが(しかもそれはまたしても”四季”)
それでも味気ないですね。
きっと大きな広がる謎を知りたくて買い続けるのは目に見えているのですが・・・・。
探偵はやはりあの、探偵なんでしょうかね〜
一度美味しい目に合うとなかなかそれを忘れられなくて、また期待してしまう悲しい性ですね。

εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε

著・森博嗣

あらすじ・別々に東京に遊びに来ていた加部谷と山吹は一緒に高速バスで帰ることになった。
ところがそのバスがバスジャックに!
犯人グループはバスと都市部に爆弾を仕掛けたと言う。
そのバスの乗客名簿に《εに誓って》という奇妙な名前の謎の団体が。
不可思議な事件の連鎖を解く鍵を見出すことが出来るのか?

Gシリーズ4冊目。
ハイジャックやバスジャックってなんか苦手でなかなか読み進まないので大変でした。
なんかすっきりしない終わり方が続くこのシリーズ。
最後の10冊目には大物が釣れるのか?
ひたすらそれに期待をして読み続けますとも!!

λに歯がない λ HAS NO TEETH

著・森博嗣

あらすじ・技術研究所の施設を借りて実験に参加していた山吹と海月だったが、同研究所内で
身元不明の銃殺体が4体発見される。
それぞれのポケットには《λに歯がない》と記されたカード。
そして、死体には歯がなかった。
被害者同士の関係も、一連の事件との関連も、そして犯人の脱出経路さえも不明。
事件を推理する萌絵は自らが封印していた過去とも対峙する事となる・・・。

Gシリーズ5冊目。
なんだか昔のS&Mシリーズを彷彿としてましたね。
それにしても、このすっきりしないシリーズの結末が早く欲しい・・・

ηなのに夢のよう Dreamily in spite of η

著・森博嗣

あらすじ・ありえない場所、意味のない場所で発見される遺体たち。
残された言葉”ηなのに夢のよう”
事件の裏で感じられる真賀田四季の影。
萌絵と犀川の間に流れる空気が変わる・・・

Gシリーズ6冊目。
あぁ〜、言いたいことを小出しにし過ぎてイライラする。
一つ一つに区切りが欲しい・・・。
こんなんだったらGシリーズは全部そろってから読むんだったよ。
でも、このラス(ネタばれだから書きませんが。内容とは関係ないっすよ)泣きました。
現実でも。。。。ですから。

イナイ×イナイ Peekaboo

著・森博嗣

あらすじ・美術品鑑定を主の生業としている椙田事務所に訪れた依頼人・千鶴は不思議なことを言う。
自分の屋敷の地下牢に閉じ込められているはずの兄を探して欲しいという。
同じ屋敷に住みながらもどこか他人事のような依頼に椙田の留守を預かる秘書の令子は燃える。
バイトの真鍋も巻き込みながら見た事件の底とは・・・

新シリーズ。
事件らしい事件。
でも、またいろいろと人を巻き込んで・・・真賀田歯車のひとつになってしまうんだろうな・・・
(勝手な私の予想)
面白かったし、次作も期待!

少し変わった子あります

著・森博嗣

あらすじ・後輩の荒木が行方不明になった。
小山は以前荒木から紹介されていたちょっと変わった料理屋のことを思い出した。
何かの手がかりになれば、と思い小山は教えられた番号に電話する。
そしてその料理屋に通うことになった小山は荒木がこれまで感じたであろう感覚に触れる・・・。

森作品でひょっとして私はこれが一番好きかもしれません。
帯に書かれていますが、料理ではなく”孤独”を味わってる感じ。
この料理屋、行きたいような行きたくないような・・・。

カクレカラクリ An Automation in Long Sleep

著・森博嗣

あらすじ・廃墟マニアの郡司と栗城は策を練って、同じ大学の真知花梨の故郷・鈴鳴村へ
招いてもらうことに成功した。
そこにはマニア垂涎の廃墟施設があるのだ。
しかし、行ってみるとその村は山添家と真知家で2分された村だった。
そしてその根底には奇妙な伝説があった。
天才絡繰り師が120年後に作動する絡繰りを遺して逝ったという。
そして今年が120年目というのだ。
3人と花梨の妹玲奈、山添太一の5人はその絡繰りを探すのだが・・・

初の映像化作品だそうです。(放送は今現在06.09.7はまだです)
そうね、映像にはしやすいでしょうね。
迫力ある映像も取れるだろうし、可愛い恋愛模様も見れるしね。
でも、折角なら「F」とかにして欲しかったなぁ、初映像化。
爽やかで面白かったですよ。でも、ひねりが欲しい・・・
見ました。(現在08.07.02。放送は06.09.13)
惜しいですね。
森作品にしてはストレートな感じだったので、青春〜な感じに仕上げたかったのでしょうが、
せっかくコカコーラの120周年記念作品なら、ガチガチのミステリでも良かったのでは?
まぁ、さわやかでしたけどね。確かに。

フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life

著・森博嗣

あらすじ・飛行気乗りのクリタは上司・クサナギから研究者・サガラに会わないようにと言われた。
しかし、クリタは組織から追われるサガラを逃がす手伝いをしてしまう。
クサナギが実母の葬儀に行くときクリタは護衛として着いていくが、そこにサガラが現れる。
サガラはクサナギの命を狙っていた・・・。

シリーズ4作目。
なんだかんだ言ってこのシリーズ好きです。
すごい狭い視野での話しなんだろうに、なんだか一番広がりがある。
5作目で終わりだっけ?そんなことを森さんが言ってたような、言ってなかったような(笑)
とにかく、することのない秋の日にこのシリーズを読むと何かが見えそうで見えない、そんな感じが味わえます。

クレィドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky

著・森博嗣

あらすじ・飛行気乗り病院から抜け出してフーコと旅に出た。
二人とも追っ手が来るのは分かっていた。
彼女を巻き込まないように飛行気乗りはあるところへ電話をした。
飛行気乗りはどこへ行くのだろう・・・

シリーズ最終作5作目。
このわからないもやもやっとした感じ、嫌いではないです。
1作1作が離れて(出版時期)いるからまた頭からたったっと読んだら理解できる部分が増えるだろうか?
アニメ化も決まってめでたいことです。
押井監督なので少し期待。
飛行機のイメージがすでに違うけど(笑)

クラブ・ポワブリエール

著・森福都

<火曜日の糸杉・あらすじ>拓也が家に帰るとそこには妻が慌てて出て行ったと思われる形跡が残されていた。
携帯さえ置いていった妻は一体どこへ行ったのか?
手がかりは彼女が友人達にだけメーリングリストで送っていた短編小説の中にあると思われる。
友人達に起こった小さな出来事から彼女が実名で書いた短編小説。
それを読み進める拓也が辿り着く妻の居場所とは・・・

短編5話入ってます。
この人の現代小説って珍しい!
面白いんだけど、最後に明かされる事実がなんか今ひとつ。
でも、大袈裟な感じがなくて良い感じだと思います。

琥珀枕

著・森福都

<太清丹・あらすじ>東海郡藍陵県の県令の一人息子・趙昭之の熟師・徐庚先生は
老人の形をしているものの、実態は古井戸に住み着いたすっぽんであった。
これまでも前途有望な少年に学問を授け、半数は仙道へ、半数は官史として出世の道を歩んでいる。
徐庚は他言無用という約束の下、世間の不思議を昭之に説いていた。
そして目の前を走り去る指物師・李通が持っていた”太清丹”の話を始めた・・・

すっぽんの徐庚先生と昭之少年の連作7作。
面白い短編集です。
のらりとした徐庚先生と幼き昭之少年の成長ぶりも読みどころですね。

お見世出し

著・森山東

<お見世出し・あらすじ>「花流」というホームバースタイルをとった珍しい御茶屋に同僚の誘いで足を踏み入れた。
そこには美しい舞妓”小梅”が待っていた。
小梅の話は舞妓になる以前、稽古に励む日々の話だった。
悲しい話はやがて背筋も凍る話へと・・・・

短編3作収録されてます。
読んだ直後よりも、時間が経って思い返したときのほうが怖い本。
馴染みのない京都の御茶屋さんなどの舞台が多いせいか、これもまた怖さが増しますね。
また表紙も怖いです。。。。。

夜鳥

著・モーリス・ルヴェル 訳・田中早苗

<或る精神異常者・あらすじ>彼は意地悪でもなく、残忍軽薄な男でもなかった。
ただ、芝居や見世物小屋という道楽を尽くしてしまった今、突発的な事故にしか快楽を得られなくなってしまう。
そして、彼が今夢中になっているのは自転車曲芸団の興行だった・・・・
<暗中の接吻・あらすじ>痴情の縺れから男の顔に硫酸を浴びせてしまった女。
そんな女を法廷で放免してくれるように願い出た男。
彼の優しさに心を打たれ後悔する女だったが、醜く爛れた男の顔を直視することは出来なかった・・・・
<誤診・あらすじ>「肺結核ではないか?」と診察に来た男は全くの健康体だった。
Drがそう告げると男は一年前の話を始めた・・・

おそらく、昭和3年に刊行された本の復刻。
32編からなる短編集で、本当に3〜4ページで話が終わるんだけど、これが面白い!
ちょっと面白い短編になるともっと深く読みたいと思うこんだけど、これはそのページ数で完結した面白さがある!
キレがいい短編集です。
ルヴェルの作品についていろんな方が書いた文章を最後に掲載してるんだけど、その面々たるや!
江戸川乱歩夢野久作などが書いている。
rakuにとってはそこも魅力でしたね(^^)




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