〜か行〜



羊の秘 HITSUJI NO HI

著・霞 流一

あらすじ・アンティークショップ「闇雲屋」の店主・露沢は買い付けのために訪れた土蔵で、
変わり果てた姿になった依頼主・仲丸伸之を発見する。
謎に包まれた死体の犯人として在らぬ疑いを掛けられてしまった露沢。
彼を心配してか、はたまた好奇心からか、露沢と行動を共にしていた伊羅水姉弟もその謎を解くために身を乗り出していく。
伸之が参加していた「夢視の玉」という不思議なグループのメンバーに会い、様々と話を聞いていく3人。
しかし、次々とそのグループのメンバーが謎に包まれた死を迎えていく。
この謎を3人は解くことができるのか?

絶対、読んだことがある作家さんだと思っていたのですが、初・霞さんでした。
なんか柄刀一さんと混同していたようです。
出している本、全て動物が絡んでいるということでまず驚いたんですが、
中身は真っ当な推理物です(なんかひどい言い様ですが、面白かったです)。
それにしても、このノベルスの表紙はどうかな・・・・。
   

沙羅は和子の名を呼ぶ

著・加納朋子

<エンジェル・ムーン・あらすじ>伯父が経営している喫茶店「エンジェル・ムーン」はお気に入りの場所だった。
エリートサラリーマンだった伯父が奥さんを船の事故で亡くした後にオープンさせた店だった。
どうして?と訪ねた答えの代わりに伯父さんは一冊の古ぼけた日記帳を渡した・・・。
<天使の都・あらすじ>麻理子は不注意で子供を亡くしたことを後悔していた。
子供を亡くしてからバンコクへ栄転の決まった夫・明彦には付いていかなかった。
その麻理子がバンコクへ来たのだ。
自分だけを責めた明彦と終わりにさせようと思っていた。
空港で待っていたのは明彦の部下という浅黒い肌をした青年だった。

短編集10話入ってます。
加納さん特有の優しさが溢れたミステリですね。
ちょっと苦手な作家さんなのですが(どうしてかは全然判らないのですが・・・)、すんなり読めましたね。
癒し系〜って感じなんでしょうか?(^^)
ありそうでなさそうな日常の中の不思議な空間です。

ガラスの麒麟

著・加納朋子

<ガラスの麒麟・あらすじ>美しく、聡明な女子高生・安藤麻衣子は通り魔に襲われあっという間に亡くなってしまった。
それを同じくして不思議なことが起きた。
クラスメートの野間尚子がまるで麻衣子に乗り移つられたように事件を話し始めたのだ。
警察に話しても到底信じてもらえるような話でもなく、弱りきった尚子の父親に声を掛けてきた人物がいた。
それは二人の学校の養護教諭・神野だった・・・
<三月の兎・あらすじ>教え子を1人失った教師・小幡康子は不思議な空気を感じていた。
みんなの憧れの的だった安藤麻衣子が亡くなって1ヶ月が経とうとしていた。
最初こそ悲しみに暮れていた生徒たちだったが、最近はそうではない感情が麻衣子へと向けられているようだった。
それは”腹立たしさ””怒り”・・・・。
それを不思議な感覚で察知していた康子だったが、何故かは理解出来ないでいた。
そこへ起こった事件が康子の心中をかき乱していく・・・・

6作入った連作短編集です。
買ったものの、ずっと寝かせておいた本なのですが・・・・面白かったです。
本当にガラスのように繊細な人物描写がよかったですね。
細かくは書かれていないんですよ、でも読み手に伝わってくるんです。
切なくて、暖かくて、最後には希望が見える本です。

掌の中の小鳥

著・加納朋子

<掌の中の小鳥・あらすじ>大学時代に起こった事件。
美しい絵を描く女とその絵を愛した男と女を愛した男
この奇妙な三角関係は不思議な終わりを見せた。
展覧会に出展すべく完成させた絵が無残な姿へと返られていたのだ。
女は筆を折り、自分を愛してくれる男と結婚した。
4年経った今、真実が見えてくる・・・・
<自転車泥棒・あらすじ>いつも遅刻してくる紗英は理由をもっていた。
例えば、歩道橋の真ん中から老人が落ちたのを目撃したり・・・。
と言うことで僕はいつの間にか”待つ男”になっていた。
いつものように喫茶店で紗英を待っていると真っ赤な傘をさした女の子が僕の傘と今までさしていた
自分の傘を取り替えて何食わぬ顔で立ち去っていった。
この不可解な事象は何を示しているのか・・・・

5作入った連作短編集です。
主人公の二人(圭介と紗英)の仲も気になるところですが、rakuがきになったのは
時折出てきては渋い一言を残していく”先生”なる人物
彼の素性が明かされるような続編は出てくるのでしょうか・・・・
ほのぼの、という言葉が似合う本です。

月曜日の水玉模様

著・加納朋子

<月曜日の水玉模様・あらすじ>陶子は裏切られたような気分でいっぱいだった。
通勤の満員電車の車内、必ずシートに座っている男、3着のスーツを順番に着まわし、ネクタイも曜日毎に決まっている男。
彼は登戸駅で下車をする。
陶子はさりげなく彼の前に立ち、そして彼が降りた後そのシートに体を沈めるのだ。
しかし、その愛しの君が今日に限って降りない。
いつも恩恵に預かっていた陶子は裏切られた気持ちでいっぱいだったのだ・・・
<火曜日の頭痛発熱・あらすじ>陶子は風邪気味だった。
通勤電車で一緒の男・萩が風邪を引いており、どうもうつされたらしい。
仕方なく、二人は近くの診療所へ出向き診察を受け薬をもらって帰ってきた。
が、どういうわけは薬袋には別の人物の名前が書いてあったのだ。
仕方なく、正しい薬の持ち主の会社に(近くだったのだ)届けに行くが、その主は現在人間ドックに入って休んでいるという。
人間ドックに入っている人物がわざわざ診療所に行くのだろうか・・・

月曜日から日曜日までの7作入った連作短編集です。
相変わらず、読みやすかったです。
本当の日常生活にはこんな冒険はないと思いますが、それでも切り取られた作品には”日常”が描かれてるんですよね
あっと、それと楽は文庫本で読んだのですが、装丁があまり好きではなかったです。
・・・・完全な私情ですね(;^^)

モノレールねこ monorail CAT

著・加納朋子

<モノレールねこ・あらすじ>ふらりとやってきたデブな野良猫。
その野良猫に赤い首輪を付けた”タカキ”との奇妙な文通で培われていく友情。
しかし、ある日猫は交通事故にあって・・・

短編6話入ってます。
面白いです!どれも当たりだったなぁ〜〜。
激しさはないけれど、切ないような優しさがふんわり残る読後感です。
6話目の”バルタン最後の日”が好きでした。

螺旋階段のアリス

著・加納朋子

<螺旋階段のアリス・あらすじ>大企業のサラリーマンから私立探偵へ転身を果たした仁木。
もちろん、そう簡単に仕事が舞い込むはずもなく、代わりに舞い込んできたのは
白い猫と美少女だった。
美少女・安梨沙は女探偵になりたいと言う。
仁木にパートタイムで雇ってくれないか?と持ちかけ・・・・
<中庭のアリス・あらすじ>今回の依頼は少し変わっていた。
犬を探してほしい・・・ここまではよかった。
しかし、依頼主の上品な老婦人の話を聞くと話の辻褄が合わなくなっていく・・・
30年ほど前から飼っている犬がいなくなったと・・・・
7作入った連作短編集です。
明確な悪意を持った人物はいません。
主人公がほのぼのしているってパターン多いですね。
安心して読める一冊です。

虹の家のアリス

著・加納朋子

<虹の家のアリス・あらすじ>探偵・仁木の助手である安梨沙のお目付け役である伯母・篠原八重子に仁木は呼び出されていた。
八重子は自宅で有閑マダムたちを招いて教室を行っていたのだが、その日が今日であった。
一通り話を終え、開放された仁木はすぐマダムたちに捕まった。
探偵を生で見るのが初めてのマダムたちはそれぞれに口を開き、仁木を辟易とさせた。
そこで話された一つの不思議な話・・・。
参加している育児サークルへの悪質な嫌がらせ。
仁木が導き出したひとつの答えとは・・・

短編6話入ってます。
”螺旋階段のアリス”の続編です。
前回よりも悪意を持った人間が出てきましたね。
ちょっとそれは残念でしたが、ささやかで不思議な謎は面白いです。

本棚探偵の冒険

著・喜国雅彦

ロックな漫画家・喜国さんがいかにして古本に溺れていったか過程がわかるエッセイ

いや、まず表紙が好きですね。
奥様(国樹さんの漫画”こたくんとおさんぽ1・2””エブリディ、おさかなちゃん”)の漫画に
出てくる旦那さんはこんな人で、あの家は実はこうなっていて・・・
と双方読んでいくと面白いです。
とっても愛妻家、愛犬家と思っていた喜国さんの本性とはいかに!?
まぁ、するだけなんだけどね(;^^)

怪奇城

著・菊地秀行

<領海侵犯・あらすじ>自宅に帰る途中のサラリーマンの乗ったタクシーにいきなり飛び込んできた男。
相乗りすることになったその男はサラリーマンに「見たのか?見たのなら忘れなよ」と言ったが、
サラリーマンは話を聞かせてくれと言った。
そしてそのサラリーマンはタクシーを降りて深夜スナックの席で信じられないような話を聞くことになる…

ホラー作品集。6篇、入ってます。
菊地さんを読んだのは初めてじゃなかったけど、なんだかイメージが違ったなぁ〜
まぁ、今まで読んだのが続きものだったから仕方がないんだろうけど
短くてかなり読みやすかったですね。
幽霊、ゾンビ、生身の人間、怪物と様々なホラーな話が入っています。

共犯マジック

著・北森鴻

人の不幸のみ予言する占い書”フォーチューンブック”を巡る連作ミステリ。
話はどのように紡がれ、そしてどんな結末を生み出すのか・・・・
<原点・あらすじ>学生運動が盛んだった1969年。
5人の大学生、そなかの一人の死。
告発された犯人とは別に存在する真実の犯人
なぜ、彼は自分の無罪を叫ばなかったのか・・・・・
<さようなら神様・あらすじ>仲睦まじい母子の目の前の電光掲示板が光る。
”1968年に電車爆発事件の犯人の死刑が執行された”
そのニュースを見て涙を落とす母親。
それは彼女の中の”神様”が一人亡くなった事だった・・・

連作7作が次々と話を紡ぎ、そして最終話で結実を迎える。
この一冊の本を巡って起こる事件が面白いです。
かなりお勧めです
本当にこんな”フォーチュンブック”があったら怖くて手に取れないですよ。

メイン・ディッシュ

著・北森鴻

<ストレンジ テイスト・あらすじ>劇団・紅神楽の劇団員は皆不安を抱えていた。
座付き作家・小杉隆一の台本が遅れているのだ。
一度は出来たと思われた本だったが、どうしても気に入らない箇所があるという。
看板女優・紅林ユリエは奥の手を出すことにした。
それはユリエの家に居る2本足の猫”ミケ”の手を借りることだった。
”ミケ”こと三津家修は人の心を癒す料理を作ることが出来るのだ。
そして、小杉が語りだした台本の気に入らない箇所とは・・・

連作短編9話入ってます。
一編一編が様々な視点で書かれていてそれがトータルでひとつの大きな流れの答えを
導き出していく様は圧巻でしょう。
北森さんの連作短編の中でも1、2だと思いますよ

花の下にて春死なむ

著・北森鴻

<家族写真・あらすじ>ひっそりと佇むビア・バー「香菜里屋」
そこには上手い肴と上手いビールとそして客各々が持ち込む謎があった。
今日もまた持ち込まれた謎が一つ・・・
改札の片隅に市民の寄付によって出来た本棚がある。
駅の利用者がそこで本を貸し借りしているのだ。
そこで挟んであった一枚の家族写真。
偶然挟んで忘れたものではなく、調べると本棚の本、30冊に同じものが挟まれていた。
この写真の意味するところは・・・・

連作短編ミステリ集です。
北森さんの数ある連作短編の中でもrakuはこれが一番好きですね。
ここのマスター工藤さんがまた控えめ謎を解くさまが良いです。
ちょっとほろ苦な謎解きです。
ハードでもう一冊出ているようですが、文庫落ちを待ってます!!!

桜宵

著・北森鴻

<十五周年・あらすじ>ひっそりと営業しているビア・バー”香菜里屋”。
常連の日浦はそこでちょっとした考え事をしていた。
地元岩手にいた頃の馴染みの店の十五周年記念パーティーに呼ばれたのがきっかけだった。
久しぶりにと顔を出したのはいいのだが、故郷を離れて5年も経つ自分を何故呼んだのか?
記念パーティーだというのに常連の顔ぶれが少なすぎるのではないか?
いろんな当惑が綯交ぜになったまま、消化不良の気持ちを持って帰ったのだ。
そして、導き出された答えとは・・・

短編5話入ってます。
この”香菜里屋”シリーズは好きですね。
短編好きのrakuが自信を持って一押しします。
ほろっとする謎、ぞくっとする謎、虚しくなる謎。
この店でビールを傾けながら、耳も傾けたいものです。

孔雀狂想曲

著・北森鴻

<ジャンクカメラ・キッズ・あらすじ>下北沢の骨董品屋・雅蘭堂は店主・越名とひょんなことで
雇う羽目になったアルバイト安積と2人で営んでいた。
そこに同業者竹島が顔を出した。
越名も参加していた市で竹島が落札した長火鉢には抱き合わせとしてジャンク・カメラ30ばかり付いていた。
実は越名はカメラの方を狙っていたのだが、竹島はあっさりとそれを譲ってくれた。
場所柄、客に受ける品だったのだが、保険調査員が訪れてそしてついには警察まで・・・

連作ミステリ集です。
いやぁ、いつもながら北森さんの連作ミステリは面白いですね。
知らない世界だからというのもあるんでしょうが、引き込まれます。
ふと見かける冴えない骨董品屋さんでもこれからなんだか不埒な想像が沸いて楽しくなりそうです。

狐罠

著・北森鴻

あらすじ・店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う旗師・陶子は
同業者の橘薫堂から仕入れた唐様切子紺碧碗が贋作だったことに気づく。
プロを騙す「目利き殺し」にあった陶子は意趣返しの罠を橘薫堂に罠を仕掛けるため、
別れた夫・プロフェッサーDの元を4年ぶりに訪れる。
しかし、橘薫堂の外商が殺され、その手帳に陶子の名があったことから事件に巻き込まれてしまう。
陶子の意趣返しは成功するのか?そして事件の真相とは・・・・

知らない世界に本の中だけでも踏み込めるのは読書の楽しみの一つだと思います。
でも、興味も無い世界だと知らない専門用語で頭痛を催し、ページが進まないという難点も(笑)
でも、北森さんの文体はとても読みやすくて良いです。
やっぱり骨董の世界も恐ろしい。蛇の道は蛇ですね。。。
博物館に飾られている全てのものが贋作だったら・・・ぞっとしますね。
     

緋友禅 旗師・冬狐堂

著・北森鴻

<「永久笑み」の少女・あらすじ>宇佐見陶子は町澤という作家に手紙を書いていた。
一見するとただのファンレター、しかしわかる者にだけわかる手紙だった。
町澤が書いた「永久笑み」という作品に隠された真実。
陶子が辿り着いた真実とは・・・

短編集4編入ってます。
長編になるとかなり無茶をしなさるこの陶子さんですが、短編でも無茶なさってますなぁ〜
制約の多い世界のようで魑魅魍魎が跋扈していますね。
このシリーズ、長編はきついですが短編は意外と好きです。
骨董の世界が好きな人もそうでない方も覗いてみると面白いですよ。

『クロック城』殺人事件

著・北山猛邦

あらすじ・1999年、終わることを運命付けられた世界。
退廃しきったその世界に探偵を生業としている男が居た。
僅かばかりある依頼のほとんどはゲシュタルトの欠片、所謂”幽霊”を退治することだった。
探偵・南深騎はゲシュタルトを見、そして退治することが出来た。
そんな深騎の元に新しい依頼者が訪れる。
『クロック城』から来たと言う黒鴣瑠華という少女は城に現れる怪物”スキップマン”を退治して欲しいという。
瑠華に招かれ、深騎とその幼なじみ・菜美は『クロック城』を訪れる。
三つの大時計が”過去””現在””未来”を示していると言うクロック城・・・
人々の思惑に揺れながら”スキップマン”を調査していく二人の前に死体は現れた・・・

メフィスト賞受賞作。
最後が綴じてたぐらいだから相当期待してたんだけど、期待が重かったかな・・・
馴染むまでが大変だけど、設定も舞台も主人公達もそんなに悪くないんだけどなぁ〜
ミステリというか、その設定とかですべて終わってしまったと言う感じ・・・
う〜ん、次回作まではチェックしよう。

『瑠璃城』殺人事件  CROSS END

著・北山猛邦

あらすじ・1989年、日本の「最果ての図書館」で病に侵され、死を待つ君代の前に不審な男が現れる。
男は名を樹徒と名乗った。
生まれ変わり続け、不思議な短剣の元に再会し、求め合いながらも殺し合うふたり・・・
1243年のフランスの瑠璃城で、1916年のドイツ×フランスの最前線で、
1971年の日本で何が起こったのか

嫌いじゃないです。
前作「『クロック城』殺人事件」はいまいち理解できなかったけれど、これはなんとなく付いていけましたね。
まぁ、トリックとしては実現可能かと言われれば厳しい、と思いますが・・・
ミステリというかファンタジーですね。

『アリス・ミラー城』殺人事件  CHESS END

著・北山猛邦

あらすじ・江利ヶ島に建てられた『アリス・ミラー城』
そこに集められた8人の探偵たち
集めた女主人・ルディの読み上げたルール。
『アリス・ミラー』を手に入れられるのは、最後まで生き残った人間のみ
これから起こる惨劇を予言するようにチェス盤には10個の白い駒が・・・
そして夜明けに最初の惨劇が幕を開ける・・・
犯人の目的は、そして犯人は誰だ・・・・・

本当に最後の最後までわからなくて、最後まで行ってもわからなかったですね(笑)
読み返してもわからなくて、読んでない第3者(この場合、この本を読むことはない旦那さんになります)
に話している時にやっとわかった!(笑)
それにしては途中の記述が「どうなのよ?」ってとこが満載。
勝手に勘違いして騒いでたところはあるけれど、それにしてもさぁ〜〜〜〜
途中まで面白かっただけに残念でしたっ。

『ギロチン城』殺人事件 Cutting END

著・北山猛邦

あらすじ・ヒルベルト・ホテルの屋根裏部屋に住み着いている自称探偵の幕辺ナコは人形塚と呼ばれている場所から
一体の奇妙な人形を持ってきていた。
ナコはその人形は『ギロチン城』と呼ばれている所から廃棄された人形だとにらんでいた。
自動筆記が出来るその人形が書き出した言葉は”Help”
そして人形に隠されていた写真には美しい女性と後ろに置かれた巨大なギロチン・・・・。
ナコはそれを依頼と受け取り、友人・ライカと共にギロチン城に乗り込むことを決める。

自分勝手な探偵と引きずられる助手。
これは永遠の関係なんだな(笑)
しかも、助手が必ず恋に落ちる。
北山さんのトリックはかなり・・・アクロバティックで・・・。

アルファベット荘殺人事件  A LoveStory

著・北山猛邦

あらすじ・岩手にある変わった洋館・アルファベット荘。
庭や屋敷内に大きなアルファベットのオブジェが点在しているのだ。
そこに招かれた劇団の看板女優であり変人・美久月。
同じ劇団員の未衣子と探偵・ディを連れてアルファベット荘を訪れる。
パーティーとは名ばかりで主催者も行方がわからず、招かれた人々もまた奇妙な人たちばかり・・・
そして謎の物体・創生の箱をめぐり雪の密室で惨劇が起こる・・・・

これが噂の(日記に書いていた)本です。
他の北山作品と違ってかなり、ライト(いろんな意味で)
設定が面白いので出来れば続きなんてあったら読みたいですね。
まぁ、この白泉社My文庫から出ることはないとは思いますが・・・・(;^^)

姑獲鳥の夏

著・京極夏彦

あらすじ・どこまでもだらだらといい加減な傾斜で続いている坂道を登り詰めたところが京極堂である。
作家・関口巽が古書店店主・京極堂(中禅寺秋彦)にもってきた噂話・・・
由緒ある産婦人科の入り婿が密室で消失、そして残された妻の腹には20箇月を過ぎても
出てこない子がいるという話・・・。
「雑司ヶ谷の久遠寺医院というと、婿養子の名は牧朗・・・」
「何だ、君は知っていたのか。」
怪訝そうな顔をした京極堂は関口の顔を見た。
「君は気付かずにこの話を聞いていたのか?君は君の脳髄を一切信じないほうがいいぞ・・・」
当事者・牧朗は旧制高校時代の先輩だった。
京極堂は友人で探偵の榎木津礼二郎に話を持っていくように進めた。
翌日、関口は破天荒な探偵・榎木津の元に行くのだが、そこで会うことになった探偵の依頼者は
久遠寺医院の娘・涼子だった。
くるくると不思議な糸が関口の暗い過去と事件を結びつけて行く・・・・

京極さんのデビュー作ですな。
もう何度読んだか知れません(^^)
京極堂シリーズで一番好きなんですよ、姑獲鳥が
関口くんが壊れきる前だから威勢いいしね、皆が優しいしね(笑)
ノベルスとこのハードカバーの中身の違いはわかりませんが、面白いことには変わりなし(^^)
永遠のraku Best One!オススメです!!

陰摩羅鬼の瑕

著・京極夏彦

あらすじ・白樺湖畔に聳える洋館は周囲の者から「鳥の城」と呼ばれていた。
館の中には無数の鳥の剥製が住んでいた。
その「鳥の城」の主・元華族の由良昴允は5度目の婚礼を迎えようとしていた。
過去、4度とも花嫁は婚礼の翌朝、死体となって発見された。
5度目の花嫁・薫子をどうしても護りたいと思った伯爵は探偵を雇い入れた。
ただの探偵ではない、元華族の子息だったことで親類縁者にも意義を唱えるものはいなかった。
探偵、榎木津礼二郎・・・
旅先で視力を無くした榎木津は友人を同伴して現れた。
伯爵がずっと会いたいと願っていた小説家・関口巽だった。
盲目の探偵と病み上がりの陰鬱な小説家が係わることとなったこの婚礼の闇の扉が再び開かれる・・・

いや〜〜ん、やっぱり京極堂シリーズ面白いです!!
もう最高!!!!
なんだろう、いろんなものを超越して面白いです!!
全部読み直したくなるほどの面白さ!!
実際読み直したら・・・・・・どんだけかかるだろう・・・・
とりあえず単品でも楽しめますが、やっぱり正しくは一冊目「姑獲鳥の夏」から入った方がいいと思いますです。
あの厚さに悩んでいるあなた!是非一度お試しを!!

ルー=ガルー 忌避すべき狼 

著・京極夏彦

あらすじ・舞台は近未来。学校はなくなり、直接顔を合わせなくても端末だけでコミュニケーションが取れる世界。
リアル・コンタクト自体が珍しい世界で連続殺人事件が起こる。
14歳の少女たちが次々と残酷な死体となって現れてくる。
食べ物さえも人工肉で賄うようになった世界で見るリアルな”死”の世界。
そして、少女たちは覚醒していく・・・。

講談社から出ている京極堂シリーズのイメージが強いせいか、新作が近未来を舞台と聞いたときちょっと驚きましたね。
現代を舞台にした作品だって少ないというのに、いきなり近未来!
それはさて置き、この作品はとても読みやすくて、面白かったです!!
少女たちの章と指導員の章とが交互に展開していくところが臨場感を感じられてすごく良かった
京極さんぽくない感じ(う〜ん、やっぱりうんちく話と難しい言い回しとかになるのかな)はしたけれど、話の流れがすごくイイ!!
最初はあの分厚さに圧倒されたけど(毎回のことですが)、やっぱり面白い!!
リアルに人間や死を感じたことのない世代がどんな風に覚醒していくか、読んでいてどきどきしました。
あの表紙の絵、ちょっとびっくりしたけど、読み終わると納得!って感じですね。
オススメですよ〜!!
 

続巷説百物語

著・京極夏彦

「巷説百物語」の続編。御行・又市や山猫廻しのおぎんなどが活躍する2冊目。
映画化された「七人みさき」も収録されている。

短編六編収録。
面白い!!もちろん、映像化された「七人みさき」を見たせいも少しはあるんだろうけど、すごく面白かった!
原作と映像との落差でがっかりすることってよくあるけど、これはそれがなかったよ〜
まぁ、読んでいるとその配役の俳優が頭に浮かぶぐらいはあったけどね(笑)
これは是非是非、オススメの1冊です!
もちろん、前作「巷説百物語」を先に読んで、ということですが。

後巷説百物語

著・京極夏彦

<赤えいの魚・あらすじ>時代は江戸から明治へ・・・
大きな体を寄せ集め、一等巡査長・剣之進の放った問いに頭を悩ませる一団あり。
洋行帰りの合理主義者・正馬、町道場主の豪傑の惣兵衛、温厚なまとめ役の与次郎の4人だった。
戎を祭っていた島の若者が言い伝えを護らず、戎の顔を赤く塗ったところその島は沈んでしまった・・・という話だった。
信じがたい話ではあったが、真偽となると心許無くなり4人はいつものごとく
薬研堀の隠居のところへと話を持っていくのだ。
それは隠居の身の回りの世話祖する遠縁の娘・小夜会いたさもあるのだが、
その隠居は無類の不思議話が好きな老人で博識であったのだ。
今回もその話を聞くなり、過去に自らが出会った話をしてくれた・・・・

短編六編収録
いやぁ〜、切ないです!
直木賞受賞作ですが、それよりもやはりこのシリーズがもう読めなくなるのかと思うと切ない!
最初の「巷説百物語」は語り部の百介が又市などと旅をして出会った出来事を話しているのです
次の「続巷説百物語」はその百介と又市たちの別れが記されているのです
そして今回のは体裁もちょっと違うでしょ?
かなり読みやすくなっていると思います。
どこから入ってもよいと思いますが、やはりここは「巷説〜」から入っていただきたいなぁ〜
時代の流れに押され、怪し物が無くなりつつある今、小股潜りもまた無くなりつつあるのか・・・
いや、どこにでも影があるようにそこにはやはり又市さんが・・・・と思いたくなりますね。

豆腐小僧双六道中ふりだし

著・京極夏彦

あらすじ・舞台は江戸の終わり頃
あばら屋に出たる妖怪・豆腐小僧。
少々大きな頭には笠を乗せ、両手には大事そうに豆腐の乗った盆を持っている小僧、そのまんま。
名前のまんまの容姿は人を驚かすわけでもなく、悪さをするわけでもない。
いたって情けない妖怪でありました。
妖怪とは人の頭に浮かんでこそ姿を得る概念の塊、そこはこの豆腐小僧を思い浮かべた人間がいるはず・・・
そして、妖怪を思い浮かべた人間がその場を離れとき、その妖怪は消える。
しかし、何故かこの豆腐小僧は消えない。
ここからこの豆腐小僧のちょっと変わった道中が始まるのでございます

お笑い系と言っていいのかな?
「どすこい」よりもこっちの方が好みですよ(^^)
妖怪のキャラがどれもこれも良い!!
出来るなら続きが読みたいなぁ〜
ちょっとサイズ(厚さ)になかなか手が出ないかもしれませんが、これはオススメ!
ゆっくり座り読みの出来る書店などで一度手にしていただきたいなっと!
こちらで直木賞でも良いのではないかなっと・・(言いすぎ?)

名探偵はもういない

著・霧舎巧

あらすじ・雪で覆われた山荘。
予定外の客たち、そして予約客さえも怪しい雰囲気を持つものばかり・・・。
5年前に起こった悲劇が元で再会した二人・・・。
不意に起こった地震、そして殺人事件・・・。
犯人はこの中にいる。
偶然居合わせた海外の名探偵と日本の刑事。
彼らが導き出す真実とは・・・

霧舎さんって最近霧舎学園ばっかり読んでたから
こういうの読みたかった!って感じです。
キャラものも嫌いじゃないんですが、やっぱり落ち着きます(笑)
これまた読者に挑戦ものなので試してみてはいかがでしょうか。

マリオネット園 《あかずの扉》研究会首吊塔へ

著・霧舎 巧

あらすじ・《あかずの扉》研究会の書記である二本松翔はちょっとだけ浮かれていた。
彼の長年の夢である推理小説家としてのデビューが決まったのである。
今年の4月に体験した「流氷館事件」を「ドッペルゲンガー宮」とタイトルを変えて出版することが決まったのだ。
今日は担当の編集者を会のみんなに引き合わせえるべく部室に向かっていた。
しかし部室には顧問の後動さんと森咲枝の姿が無く、変わりに以前係わり合いになったことのある
純徳女学院の生徒・沢入美由紀がある手紙をもって尋ねて来た。
その手紙にはすでに故人となった野々原涼子の名前が記されており、内容はかなり奇妙なものだった。
それは行き掛かり上、編集者も巻き込んだ事件へと発展していく・・・
ゲームのように繰り返されていく謎解きの先に現れた廃墟となった遊園地《マリオネット・ランド》。
後動たちと翔たちが交差していく先に見える事件の答えとは・・・・

《あかずの扉》シリーズ第4弾
いや〜、面白かったですよ。
第一弾の「ドッペルゲンガー宮」と不思議なリンクが見えたのがなんか良かったですね〜
建物の建築家の名前がわかった時点で何かトリックがあるに違いない!とか決め付ける所なんか、
綾辻さんの館シリーズじゃないんだからさ(笑)と思わず・・・。
本当に推理小説が好きな作者さんなんだなぁ〜と思わせる箇所が多々あり。
首吊塔の中と外の話が交互に語られていくんだけど、そこもいつ繋がるんだろうというワクワク感も楽しめたし、
本当に楽しく読めました。
でも、一応これは「ドッペルゲンガー宮」を読んでから読んだ方がいいかなぁ〜。
「カレードスコープ島」「ラグナロク洞」は読まなくてもいいですが。

霧舎巧 傑作短編集

著・霧舎巧

<動物園の密室・あらすじ>石岡は先だっての事件の解決を聞きたくてうずうずしていた。
しかし、当の御手洗はのらりくらりのその質問から逃れるばかりだった。
石岡は急に思い立った御手洗の付き添いとして動物園に来た。
そこで一緒になった迷子の少年と少女、そして謎の死体が二つ。
<まだらの紐、再び・あらすじ>麻薬中毒の女性が部屋で殺された。
死因は毒蛇に噛まれたらしい。
隣人の女性から電話を受けた男が警察と対自して謎を解く。
女はアジサイ団地と呼ばれるマンションの花壇の前で紫陽花を一輪、切り取った。
その女の姿を三階のベランダから老婆がずっと見ていた・・・

霧舎さんのこれまでの短編を全て網羅したそうです(6編)
そう上手く行くものか?とはてなが付くものもありますが、面白く読みました。
そう言えば、由井も過去の”あかずの扉”シリーズで言ってたんだけど、
そうか、ここに繋がるのか・・・と思いました。

新本格もどき

著・霧舎巧

<三、四、五角館の殺人・あらすじ>カレーハウスでマスターと推理小説談義を楽しんでいる一人の男。
彼は記憶障害で病院に運び込まれた患者だった。
院長の指示を受け、彼を尾行する小児科の看護婦。
しかし、彼を追っているのは彼女だけではなかった。
記憶を失った男はどうやって事件を収集させるのか?

”もどき”面白かったですよ。
もともとの小説を読んでいるとより面白いですが。
まだまだ”もどき”できる探偵は大勢います!
また是非続きを!!

十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書

著・霧舎巧

あらすじ・体育祭で棚彦と琴葉は体育祭実行委員に据えられる。
そんな中、時計塔で小火騒ぎがある。
これが10月の事件の始まりだった。
パソコンに残された”十月十日の殺人”のメールとの関連はあるのか?
理事長の姪・さーやも巻き込んだ事件の行き着く先とは?

シリーズ7作目。
読みやすかったですね。
何だろう、でも印象には残らないかな〜。
こういうのはテンポ良く出さないとあまり意味がないような・・・。
最後までお付き合いしますけどね。

名探偵はどこにいる

著・霧舎巧

あらすじ・今寺の甘酸っぱい過去と双子の姉妹の決意の事件。
二つの過去が交じり合い、そして導き出される答えとは?

《あかずの扉》シリーズの外伝。
っていうか、本シリーズを読みたいんですが・・・・
まったくの別物として面白いですよ(^^)
前の「名探偵はもういない」も好きでした。

九月は謎×謎 修学旅行で暗号解読 私立霧舎学園ミステリ白書

著・霧舎巧

修学旅行で京都へ来た棚彦と琴葉だったが、なぜか教師・脇野に連れられてきたのは京都の名家・倉崎家だった。
理事長の依頼でこの名家に伝わる財宝を巡る謎を解いて欲しいという。
しかし、そこには財宝を巡る謎とは別に誘拐事件が起こっていた。
棚彦と琴葉は別々になり、それぞれ謎を追うことに・・・・

シリーズ6作目。
今回はトリックがしっかりしてるな〜と思ったら”あかず”シリーズのトリックだったようですね。
(あとがき参照)
それにしてもなんとなく、続刊が気になってきましたね。
これも今回だけではない面白さだといいな。

八月は一夜限りの心霊探偵 私立霧舎学園ミステリ白書

著・霧舎巧

あらすじ・とてつもない偶然の末に、グラビア・アイドルとしてデビューを飾ってしまった琴葉。
夏休みは養護教諭の日辻先生の伊豆の”別荘?”へと棚彦たちとやってきた。
途中に不思議な女性に「水に気をつけて」と突然声をかけられたりと幕開けから不穏であった。
それに誘ったのが保だったのだが、そこにはもちろん”事件”も付いてきていた。。。
奇妙な怪談に彩られた事件とは・・・・・

2冊同時発売には意味がある!
と書いてありましたが、読むとあっさりわかります。
本屋で手に取ったときから「?」という感覚があったので、
読み進んでいくと「そうかぁ〜〜〜」という気持ちになりますよ。

七月は織姫と彦星の交換殺人 私立霧舎学園ミステリ白書

著・霧舎巧

あらすじ・1年生の弓絵に無理やり連れ出されて琴葉が向かったのは
同学年のナオキのバースディー・パーティーだった。
しかし、そこで待ち受けていたのはまたしても事件だった。
時期を同じくして棚彦に送られてきた不思議な短冊。
その短冊は「笹乙女委員会」という謎の組織が送っている七夕伝説に由来する恋愛成就の短冊なのだが、それと同じ短冊が死体に!!
「笹乙女委員会」とは一体何なのか?その正体は!?
棚彦と琴葉は事件の真相にたどり着けるのか!?

このシリーズ4冊目
今回のしおりはストーリーに出てくる短冊でした。
今回はプレミアム晩を買おうかどうか悩んだんだけど、高額なことと(プレミアム版は2500円)
先に出てるなら読みたいし〜という気持ちが勝り通常版を買いました。
感想としてはものすご〜〜〜〜〜く読みやすいなぁと(相変わらず)
軽く一読されるのも良いのではないかと・・・
シリーズ物なのでやはり第一作から、オススメします。

六月はイニシャルトークDE連続誘拐 私立霧舎学園ミステリ白書

著・霧舎巧

あらすじ・3年生の図書委員・中込椎奈は琴葉と棚彦を学校の図書館へと案内した。
椎奈は図書館に無断で置かれた2冊の本を差し出した。
『私立霧舎学園ミステリ白書 《四月・密室》」「《五月・アリバイ崩し》」
中身は4月、5月と立て続けに起こった例の事件たちのことをさした内容となっていたが、
登場人物は全てイニシャルで書かれていた。
ただのいたずらならばいいのだが、図書館のコピーに紙詰まりで挟まっていた用紙にはどこかの建物の図面と、
その犯人が落としていったレフィルには《六月・誘拐》と書かれていた。
教師は過去の事件の内容も知っていると思われ、犯人である恐れもあるので相談は出来ず、
本のイニシャルで割り出した伝説の主・琴葉と棚彦を呼び出したのだ。
まだ誘拐が実際に行われたわけではないが、椎奈と司書の三田島恵は心配をして
琴葉の母親である警察署長・倫子に電話をするように迫った。
渋々、電話をかけに行った琴葉が図書館に戻ってきたときには棚彦、椎奈、恵の3人は姿を消していた・・・。

このシリーズ3冊目
今回もしおり、期待してたんだけど、普通のやつでした(前回は学生証になっていました)
このシリーズの中では一番好きかな?
ちょっと無理というか、大掛かり過ぎ・・・。
それにしても、《あかずの扉》シリーズ2作目の方々にまた会えるとは(笑)
これは一緒になって謎解き!っていうのも有かな?でも、名探偵がいっぱいで大変かな?BR>

五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し 私立霧舎学園ミステリ白書

著・霧舎巧

あらすじ・やっと制服の届いた琴葉はゴールデンウィークの最中、棚彦とともに学園に来ていた。
生徒、一人一人に発行しているメールアドレスを使うためだった。
他校の友達・ひろみが琴葉宛にメールを送ったというのだ。
ひろみは琴葉が自宅でパソコンをしていると思ったのでいたずらで”ランチタイム”
というウィルス・メールを送ったのだ。
そうと知らない琴葉は学園でそれを開き、結果昼の12時にすべてのパソコンが閉じられた。
琴葉たちは気づかなかったが、同じパソコン教室の片隅で名探偵・頭木保もパソコンを触っていた。
仕方なく保がサーバの置かれている隣の部屋へと復旧作業をしに入ったが、そこで見つけたものは奇妙な死体だった。
全裸の女性の死体、頭からピンクのペンキをかけられ、左胸に水色の矢を突き刺されていた死体・・・
まるでピンクと水色の伝説のような死体だった。

なんかどんどん買うのが恥ずかしくなっていくタイトルと表紙・・・・
でも、しおりが学生証になっているのはなかなかポイント高いね〜(使いにくいけど)
キャラも嫌いじゃないんだけど、なんかこの年齢にもなるとなかなかこっぱずかしいものがありますなぁ〜
楽としてはこっちのシリーズよりも”あかずの間”シリーズの方の新刊が読みたいです・・・

四月は霧の00(ラブラブ)密室 私立霧舎学園ミステリ白書

著・霧舎巧

あらすじ・入学式に霧舎学園へ転校してきた羽月琴葉は初日早々遅刻していた。
すでに閉ざされていた門を攀じ登り体育館を目指していた時、白い霧が足元を隠していた。
事態が把握できない琴葉は何かに躓き、霧の中に倒れたが、その後何かが覆い被さってきた。
覆い被さってきた、というかやはり足を取られて躓いたのは琴葉のクラスメートとなる小日向棚彦だった。
事故だとはいえ、覆い被さる形で倒れてきた棚彦と琴葉は何故か5分遅れで9時を知らせる時計台の鐘が
鳴り響く中、唇を合わせていた。
琴葉にとってキスをしたことも大事件だったが、もっと大きな事件が足元に転がっていた。
二人が躓いた”何か”は白衣を纏った死体だったのだ・・・・・・・。
名探偵(?)の先輩と学園の伝説に振り回される琴葉だが、謎を解くことが出来るのか?

これ、シリーズ物になるみたいですね。
作家の氷川さんのサイトのBBSでこれはアニメから来ているのではなく、ギャルゲーでは?という話がありましたが、
そうっすね〜〜(笑)
学園ラブコメミステリ(恥ずかしいぞ、私は ;^^)っていうのはわかるのですが、どうなんでしょう?
講談社のノベルスじゃなくてもよかったかな?って。
ミステリ部分はしっかりしてて面白かったし、コメディ(ラブコメ部分)も面白かったと思いますが、
読んでいる最中、なんだか中高の時に読んでたコバルト文庫とかそいういう雰囲気もあったような・・・・
あ、ラブコメ部分限定で、ですけど。
ミステリもコメディも好きなので一応、シリーズはチェックするとは思いますが・・・・・・

新・世界の七不思議

著・鯨統一郎

<アトランティス大陸の不思議・あらすじ>やはり流行っているとはとてもいえないBar「スリーバレー」
そこに夜な夜な集まる3人の男女。
来日中のペンシルベニア大学教授と彼を接待する麗しき歴史学者、そして在野の歴史研究家。
この3人の歴史をめぐるバトルを楽しみにしている雇われマスター。
在野の歴史研究家には知識の浅い世界の不思議に渡るものだったが、
話が進むうちに彼は新しい論を次々と出してくる。
あまりの非常識さに口を閉ざすみんなだったが、話が進むうちに・・・・

”邪馬台国はどこですか・”の姉妹作。連作短編7編。
一作目の面白さに惹かれて読んでみました。
在野の研究家(宮田)がこれまでと違って知識の浅い分野ということで、
比較的細かい説明がされて、名前は知ってるけど深くは知らない世界七不思議もかなり楽しめました。
これまたお勧めです。

邪馬台国はどこですか?

著・鯨統一郎

<悟りを開いたのはいつですか?・あらすじ>流行っているとはとてもいえないBar「スリーバレー」
そこに夜な夜な集まる3人の男女。
教授と麗しき助手、そして在野の歴史研究家。
この3人の歴史をめぐるバトルを楽しみにしているのは雇われマスター。
今夜の始まりは四苦八苦は仏教用語だというところから・・・

連作短編6編。
タイトルは知っていたけれど、歴史にからきし弱いrakuは見送っていた一冊。
これって相当有名だったんですね(;^^)
ほとんど小説を読まないrakuの旦那さんも知っていました。
さて、歴史について造詣が浅い私でも楽しく読めました。
あまりにも有名なもの(邪馬台国然り、聖徳太子然り)だったので薄い知識でも楽しめました。
きっと、深い知識をお持ちの方も持論と照らし合わせても面白いかと思います。
お勧めです。

九つの殺人メルヘン

著・鯨統一郎

あらすじ・日本酒バーに集まる刑事と犯罪心理学者、マスターを含めた3人が未解決事件を酒のつまみに話していると
カウンターに座っていた女性・桜川東子嬢が酒を呷る度にするすると完璧なはずのアリバイを解いていく・・・
タイトル通り九つのお話が入っています。

 ちょっと長編の後だったので、短編に走ってみました(^^)
とっても読みやすい一冊でした。
”メルヘン”と付くぐらいですから、各章はすべて絵本のタイトルです(赤ずきん、シンデレラ、白雪姫・・などなど)。
桜川嬢がアリバイを崩すシーンは見てきたように・・・と思いながらも、事件とメルヘンをリンクさせる所が面白かったですよ。
独特のメルヘンの解釈の仕方もなんだか興味があったし、最後には必ず空になった一升瓶が・・・というところも好みでしたし(笑)
トリックのオンパレードといった感じの本ですね。
毎回出てくるお酒も飲んでみたくなる本ですね〜!
でも、ちょっとラストが弱かったかな・・・。もっと違う落とし方はなかったのでしょうか・・・と失礼ながらも思ってしまいました

浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話

著・鯨統一郎

<浦島太郎の真相・あらすじ>魔法少女物の話に花を咲かせる中年男3人。
そこに場違いな美女が一人。
この男3人はただ馬鹿話をしているわけではなく、そのうちの一人、探偵・工藤の持っている事件について
美女・桜子に意見を聞きたくてそのきっかけとして馬鹿話をしているのだ。
その事件とは娘による母親殺しの事件なのだが・・・

短編8話入ってます。
”九つの殺人メルヘン”の続編です。
前作を読んでなくても話は充分繋がります。
もうトリックを解くのはどうでもよくて、この作者の無駄な知識を読むのが楽しい。
もちろん、それ在り気のミステリなんですが。

ミステリアス学園

著・鯨統一郎

あらすじ・ミステリアス学園のミスミス研。
部長の小倉、副部長の長生、渉外担当の平井、会計の星島、書記の西村、新人の薔薇小路と湾田。
この7人が部員の全部だった。
今、ミスミス研では”本格ミステリの駆逐”が行われようとしていた。
現在、本格を支持しているのは平井だけで、後のメンバーはハードボイルドや冒険小説などに傾いていた。
がちがちの本格支持者の薔薇小路が入ったことでなんとか駆逐までは逃れた感があった。
湾田に至っては今まで読んだミステリが”砂の器”の一冊だけということで宙ぶらりんという状況だった。
しかし、歓迎会コンパの席で平井と星島の対立が激化して後味の悪い解散を迎えてしまう。
その後、西村から誘われて薔薇小路と湾田は星島の部屋を訪ねるのだが、その押入れでなんと平井の刺殺体が発見されてしまう。
二転三転を繰り返しながら辿り着く事実とは・・・・

ミステリの講義満載です。
巻末には作家さんのデビュー年賦や本格ミステリ度MAPなどもあります。
ミステリの講義、面白かったですよ。
話の中ではどっち派(本格派か否か)というのは大きく扱われているのですが、
結構意識して今まで読んでなかったなぁ〜と。
でもですよ、本格を全否定してなんでミス研に入ったのかね?と思うところもあったり・・・。
(否定の仕方がすごいんですよね)
設定とかなかなか面白いんですが、もう一声!って感じがしました
後、キャラ萌えの話の所で「リザベル」と出てくるのですが、これが高里さんの本を指しているのなら
「リベザル」です。
ストーリーとは関係ないのですが一応ね

パラドックス学園 開かれた密室

著・鯨統一郎

あらすじ・パラドックス学園パラレル研究会、通称パラパラ研。
新人のワンダー・ランドはミステリ研が無かったため、パラパラ研に入ったのだ。
しかし、不思議なことに気付く。
みんな”ミステリ”を知らないのだ!
書店に行ってもアガサ・クリスティの本も、エラリー・クィーンも置いていないのだ。
そしてもう一つ、不思議なことが・・・。
ランド自身の記憶。
彼の記憶は2つあるのだ。
ロンドンで育った記憶と日本で育った記憶・・。
彼は一体どこに来てしまったのか?

えっ?またそのオチ?
そのオチ使っちゃぁいかんだろう、2度も。

すべての美人は名探偵である

著・鯨統一郎

あらすじ・公開番組で一騒動を起こした早乙女静香は大学から謹慎処分を言い渡された。
給料は出ないし、通帳の残高も散々たるもの。
完全なオケラになった彼女を救うべく、彼女を慕う大学生・三宅亮太は大学のゼミ仲間と共に沖縄へのフィールドワークへと誘う。
もちろん、費用は亮介持ちで。
しかし、そこで静香を待ち受けていたのは彼女と番組で口論をした教授の死体だった。

超強気の歴史学者の早乙女静香と、頭脳明晰の女子大生桜川東子がついにタッグを組んだかぁ〜。
他にもなみだシリーズの高島警視も出ていましたが、あまりにも盛りだくさん。
ちょっとお腹いっぱい感がありますね。
raku的には今ひとつでした。

喜劇ひく悲奇劇

著・鯨統一郎

あらすじ・”回文”愛好者たちのサークル「回文こんぶイカ」
刑事、居酒屋経営者、OL、サラリーマン、お嬢様、宗教団体の教祖様・・・
様々なメンバーを連れ、合宿旅行のため利尻へ。
しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは回文見立て殺人だった。
謎の探偵・乾と共に陸の孤島と化した島で犯人の究明を急ぐメンバーたちだったが、次々と事件は起こってしまう。
一体、誰が犯人なのか!?

あぁ、誰の本だろうか?
こんな”回文”だらけの短編ミステリ小説を読んだ覚えがある。。
しかし、作者を思い出せず!!
それにしても回文、てんこ盛りです。
よく、回文見立てなんて考えるな、と思いつつ、
回文をこれだけ搾り出せる鯨さんって・・・変。と思いました。
   

サイコセラピスト探偵 波田煌子 なみだ研究所へようこそ!

著・鯨統一郎

あらすじ・新米臨床心理士の松本清は大学の恩師に薦められて「なみだ研究所」に見習として赴くことになった。
所長・波田煌子は数々の実績をもつ伝説のセラピストとしてその世界では知らないものがいないほどった。
しかし、そこで松本が出会った波田はすべての想像を破壊するものだった。
10代と見紛うばかりの幼い容姿、セラピストとしても一般人としても幼い知識、惚けた会話。
遥かに自分の方が優秀だと思う松本と相反する波田。
美貌の会計士・小野田を加えた3人の微妙な関係。
伝説のセラピストと言わしめた波田の意外な治療方とは?

長編かと思って中身を見ずに買ってしまいましたが、連作短編でした。
このこの、松本清の歪んだ性格と波田の惚けたようでクライアントに向かって実直な姿がイイ感じです。
あぁ、これってシリーズ物にならないかな?
読み終わってみるとシリーズにはしないつもりなんだろうなぁ、とは感じ取れるのですが・・・
フロイトとかユングとか楽には無縁の世界の話なんですが、こういう精神的な何かを患った時は波田先生にお願いしたい!
と心から思った楽でした(^^)

サイコセラピスト探偵 波田煌子  なみだ特捜班におまかせ! 

著・鯨統一郎

<涙の冷蔵庫殺人事件・あらすじ>セラピストだった波田煌子は民間人ながらスカウトされ特捜班のメンバーとなった。
一見的外れのような彼女のプロファイリングは見事に犯人を言い当てる。
しかし、彼女を良く思わない高島警視は何かと辛く当たるのだが、当の本人は気にしていない様子だった。
この特捜班は御蔵入り寸前の事件を扱うシークレット部隊といえば聞こえはいいが、用はお荷物なメンバーが揃っていた。
今日持ち込まれたのは一年半ほど前に起こった事件で、寿司屋の店主が自宅でバラバラにされ、
冷蔵庫に詰められているところを発見されたというものだった。
おまけに冷蔵庫にはガムテープで目張りまでされていたのだが、肝心の玄関の鍵はかけていないという奇妙な事件だった。
何も指示されなかった煌子は同僚の花山を無理やり連れ出し、被害者の元妻に聞き込みに行くのだが・・・

短編7編入ってます。
いや、この”波田煌子”シリーズは面白い!
前作も面白かったですが、なんだかパワーアップした気がしますね、煌子(笑)
次作は学習塾が舞台のようですが、これも楽しみです。

タイムスリップ森鴎外

著・鯨統一郎

あらすじ・大正十一年、誰かに毒を盛られていることを悟った森鴎外は遺作を書き上げるために弱った体を抱え、家を後にする。
渋谷道玄坂あたりまで来た時、何者かから崖から突き落とされてしまう・・・・・・
そう、確かに崖から突き落とされた鴎外だったが、彼が行き着いた先は冷たい地面ではなく、2002年の渋谷だった・・・。
何故だかタイムスリップしてしまった鴎外は彼を助けてくれた女子高校生・うららたちと共に
誰が自分を殺そうとしたのか?という謎を解くこと、どうやったら過去に戻れるかを模索していく・・・

すっご〜〜く面白い!!
いや、この表紙がどうなん?って感じだったんだけど読み終わるとなんか笑ってしまう(笑)
森鴎外ってめっちゃ堅そうなイメージだったのになんか読んでみようかな、森鴎外って感じです。
ミステリ的にというか、森鴎外が楽しい!という本でした。
軽くスランプだった楽にはちょうどよかったっす!

猫丸先輩の推測

著・倉知淳

<夜届く・あらすじ>僕が肩まで炬燵に入り、贔屓の美人女優が出ているTVを見ているときだった。
不意に鳴らされたドア・チャイム。
「デンポーです。」
そして受け取った電報には・・・・『病気、至急連絡されたし。』の文字が・・・・
頭にいろんな故郷の人間の顔を浮かべながら実家へと電話をかけたがそこにはのんきな声が・・・。
要するにだまされたのだ。
こんな悪戯がそれから不定期ながらも3回も続いているのだ。
僕一人ならともかく、銭湯で同じ被害にあっている男性とも知り合いになった。
なぜこんなことが?と悩んでいるときに大学の先輩だった猫丸先輩から電話がかかってきて・・
<失踪当時の肉球は・あらすじ>探偵はこうあるべきだ!と独自のダンディズムを持っている男・郷原
彼はペット探偵事務所の所長だった。
今回の依頼は白い体毛の額に黒いぶちが付いている「ヒノマル」ちゃん
バイトの鯖江君を引き連れて捜索したのだがなかなか見つからない。
2日目にはポスターを作り町に貼りだした・・・。
ところが!!午前中に貼り終わったポスター全てに悪戯がされていたのだ!
「ヒノマル」ちゃんの顔が見えないように真っ黒に塗りつぶされたのだ。
近くにいた猫丸先輩を不審者だと決め付けて言い寄る鯖江。
そこに依頼者から猫が自力で戻ってきたと言う連絡が入ったのだ
何はともあれ良かったと早速その猫に会いにいったのだが、そこには別の猫が・・・
納得できないまま、依頼者宅から出てきた郷原と鯖江に猫丸先輩はある推測の話をする・・・・

猫丸先輩の短編集、6篇
あはははは、悪意のない小説は読んでいてほのぼのしますよ〜〜
ちょっとだけ物足りない気もしますが、その抜け具合がまたいいのかもしれませんね・・・

日曜の夜は出たくない

著・倉知淳

<日曜の夜は出たくない・あらすじ>彼女には付き合って2ヶ月の男性がいた。
とても誠実な彼とは毎週日曜日デートをする。
その後、必ず彼女の家まで送っていき、部屋に入ることなく別れる
そして彼が自分の家に着いた45分後、電話をかけてきてくれる。
時を同じくして、彼女のマンション周りで起こり始めた若い女性ばかりを狙った殺傷事件が頻発。
事件があった日は日曜日・・・
彼女はある後姿を見てしまう。
マンションの近くで、すでに帰路についているはずの彼の後姿を・・・

短編7篇収録
猫丸先輩シリーズの1作目です。
最後におぉ〜!と唸らせるものがありました。
人も死にますがなんとなく、平和的なものを感じるのは猫丸先輩のお陰かもしれません。

幻獣遁走曲  猫丸先輩のアルバイト探偵ノート

著・倉知淳

<寝ていてください・あらすじ>報酬に引かれて引き受けたアルバイトは新薬の臨床実験。
薬を飲んで簡単な検査と採血、あとはごろごろと寝転がって二泊三日するだけで・・・。
しかし、実際来てみると後悔がじわりじわりと襲ってきていた。
4人部屋に通され、順番にどんな薬かも説明されないまま投薬と採血を繰り返す。
しかし、一人のアルバイトが検査へと向かった後、冷静な顔をしていたはずの看護婦が部屋に飛び込んできた。
あわてて彼女はいたはずのアルバイトのベットを片付け、彼の持ち物も持ち去って行った。
まるで最初からそこは3人部屋のような風景へと変わっていたが、残された3人の心境は穏やかではなかった・・・。

短編5篇収録
猫丸先輩シリーズの4作目です。
rakuは最初にノベルスから入ったんですが、苦手だったんですよ、猫丸先輩って
でも、こう読んでいくと愛着がわいてしまうから不思議。
現在、2作目(かな?)の長編”過ぎ行く風はみどり色”を残すだけ。
・・・・厚さを見ながらなかなか手を出せずにいます(笑)
短編のテンポに慣れてしまうとなかなか長編に戻れなくなりますね。。。

過ぎ行く風はみどり色

著・倉知淳

あらすじ・祖父と仲違いをし、家を飛び出した成一だったが、母親からの電話で10年ぶりに家に戻ることになった。
祖母が亡くなってから急に元気をなくした祖父は霊媒師に頼りだし、またそのインチキを暴こうとする超常現象の
研究者たちまで家に入り込んでいた。
そして成一が家に戻ったその日、祖父は密室で殺されてしまう・・・・。
霊媒師は悪霊の仕業で亡くなった祖父を呼び出すために降霊会を開くと言い出す。
そんな中、成一は足の不自由な従兄弟・左枝子に対する何者かの殺意を感じ取っていた。
彼女を守るため、成一はある先輩に相談を持ちかける。
そう、猫丸先輩に・・・・

猫丸先輩シリーズ初の長編。
なかなか面白かったですね。
全てのアリバイがそろったと思わせながら、そのトリックを破る盲点。
文章を細かく追うとわかるのかもしれませんね。
大きな波があるわけではないですが、いけます!
     

猫丸先輩の空論

著・倉知淳

<子ねこを救え・あらすじ>久しぶりに幼馴染の真美に呼び出された幸太に心には
”期待”の二文字があったのだが、彼女の持ち出したミッションを聞くなりぺしゃんこに潰れてしまった。
親猫に見捨てられた子ねこを可愛がってくれる猫婆が居るらしいのだが、
その猫婆が子ねこのうち一匹を虐待しているというのだ。
その虐待されている子ねこを救うのだという。
しかし、いざ決行というとき、現れたのは小柄な猫男だった。

猫丸先輩全開短編6話入ってます。
5作目ですね。
いやぁ、こう人死にが出ないのも良いですが、「過ぎ行く〜」のような猫丸作品にもまた
出会ってみたいというわがままな思いもありますな。
2話目の「とむらい自動車」が意外なところで好きでした。
屁理屈だろう?っても思うけれど、決して押し付けがましくない推理がよいですよね。

占い師はお昼寝中

著・倉知淳

<三度狐・あらすじ>美衣子は大学進学と共に上京、叔父が経営する”霊感占い所”でアルバイトをすることにした。
ただででも胡散臭い名前だが、一番胡散臭いのは叔父本人だった。
大袈裟なデモンストレーションにも似た儀式をお客の前で行い、口にするのは全てインチキ。
インチキなのだが、そのご神託は見事に的に得ていた。
今日のお客さんは引っ越したとたん、家や会社で失せ物を3度続けてしたという。
何か悪い兆しでもあるのだろうか、と悩むお客に叔父が出した答えは・・・

連作短編6篇収録
このシリーズ、好きですね。
これまた所謂安楽椅子探偵なのですが、情報収集もお客の話だけ。
基本的にいい加減、ってところが好感が持てます(笑)
猫丸先輩よりもほんの少しの毒気も、そして心優しさ加減も良い感じです。

まほろ市の殺人 春 無節操な死人

著・倉知淳

あらすじ・大学生・湯浅は恋人の美波から変な話を聞く。
「幽霊の痴漢に遭った」
夕べはまほろ市に吹く春のカラッ風・浦戸颪が吹いていて、一人暮らしの美波は女友達を引き連れてオールで
カラオケをしていたという。
朝方、5時には風も収まっていたので解散となりその帰り道の途中その幽霊の痴漢に遭ったというのだ。
恋人が痴漢に遭ったというのに今ひとつぴんときていない湯浅を見て憤慨していた美波だったが、
そこへ夕べのカラオケで一緒していた友達・鹿之子から電話がかかってきた。
「私、人を殺したかも知れない・・・・」

以前、「まほろ市の殺人 秋」だけを読んでたのですが、その春バージョンです。
すがすがしい青春物?(笑)
犯人はダレだっ!と追求するわけではなく、友人にかかった火の粉を振り払う友達っていった感じ。
倉知さんらしい話でした。
まぁ、読んでいくとなんとなくそうかな?って気はする話でしたがなかなか掛け合いが面白かったです。

青い館の崩壊 ブルー・ローズ殺人事件

著・倉阪鬼一郎

あらすじ・リアリティの欠ける存在―吸血鬼
ゴースト・ハンターと黒川はまさにその存在だった。
現代に生きる吸血鬼は以前の存在とは異なり、人間世界と均衡を保って生活している。
しかし、以前の吸血鬼を良しとする原理主義者の吸血鬼もいるのが実状である。
その原理主義者が潜んでいるという噂のマンション<ブルー・ローズ>の隣にゴースト・ハンターは引っ越してきた。
吸血鬼は死なない、いや死ねないのかもしれない・・・。
有り余るほどの長い時間の退屈凌ぎにと<ブルー・ローズ>を見ながら小説を書き始めたゴースト・ハンターだったが、
顔の解けた幽霊が目撃されたり、どこか病んだ住人達を見るうちに想像は膨らんでいくばかり・・・
<ブルー・ローズ>の所有者・青蓮寺崇は失踪、残されたのは2冊の小説と童話だった。
ゴースト・ハンターと黒川は秘密を解くことが出来るのだろうか。

ゴースト・ハンターシリーズって他にもあるのね〜
生き続けねばならない現代の吸血鬼の悲しみがひしひしと伝わってきましたわ
ミーコ姫、可愛いですね(^^)
ラストシーンもかなりぞッとしました。
ん・・・・・・・・・・でも、古本で買っても良かったかな・・・・・・(失礼なやつですいませんっ)

十三の黒い椅子

著・倉阪鬼一郎

あらすじ・十二人の作家たちが”椅子”を題材にしたアンソロジー本を出すことになる。
本のタイトルは「十三の黒い椅子」・・・・・
十三番目の椅子に座るのは一体誰なのか?
その小説と南光一が管理人となっているサイトの掲示板”サザンクロス掲示板”、赤池朗馬の日記。
そして現実に起こった殺人事件、犯人は一体誰なのか?

あらすじ書くのが難しい(;;)
アンソロジーの小説の合い間にHPの掲示板”サザンクロス掲示板”や作家の日記などが書かれてるんですけど、
一応、これが現実の時間の流れの軸です。
そして現実に起こっる殺人事件、犯人は一体誰なのか?と楽は読み進めていたのですが・・・・・
「メフィスト」に連載されていた当時からちょっと気になっていた小説なのですが、難しいですね(;^^)
ネットの掲示板を載せて現実の流れを見るっていうのは面白いです。(黒田さんの”ペルソナ探偵”もチャットルームを使ってましたね〜)
途中までは最高に面白かった!でも後半よりもっと後の方だけどだんだん難しくなっていって・・・・。
頭の中がすでにミステリモードなのでなかなかホラーモードに切り替わらなくてね(;^^)

サイト sight/site

著・倉阪鬼一郎

あらすじ・右目の違和感が始まったのは辺見の作家人生を左右しかねない長編「サイト」を起稿したのと同時期だった。
作家・辺見啓三の右目は極端な弱視だったが、最近右の視野に白い小鳥大のものが飛び始めた。
飛蚊症の一種かと思ったが、目薬を差しても消えなくなった違和感のため、眼科へと赴いた。
眼科にて2度の手術を受けた辺見は今まであまり使うことのなかった右目のリハビリを行わなくてはいけなくなった。
時折、歪む世界を見始めた日常にシンクロニシティが度々起こるようになる。
「サイト」にも行き詰まりを感じ始めていた辺見は最近起こったOL惨殺事件の現場へと取材に出かけるが、
そこは辺見が夢で見た場所に告示していた。
何者かが辺見を、どこかに導こうとしていた・・・・・・

なんと言ってよいのやら・・・・・・・
倉阪さんの本、これで5冊目なんですが、(楽の)好き嫌いはっきり分かれてますね〜
なんだろう?どこがどうと言うわけではないのですが、漠然と受け付けない系です(;^^)
こういう読後感を狙っているのかな?
でもなんか気になる作家さんなんですよ。つい他の作品も読みたくなるような・・・・

四重奏 Quartet

著・倉阪鬼一郎

あらすじ・静謐な風景の中に孤立するように建つ”館”
名前を付けられた奇妙な部屋たち、館内に響くクラシックの音色・・・。
そして、狂気の歯車が回り始める・・・

あまりにも難しい内容過ぎてうまくあらすじが書けません(笑)
頭痛くなるような話。でも、意外と好きな話かも・・・。
最後にばらばらに提示された話をつなぎ合わせていく作業が面白かったりして・・・。

幻影のペルセポネ

著・黒田研二

あらすじ・尊敬するプログラマー・各務が殺されてしまう。
その謎に頭を悩ませながらも、日々の糧のため忙殺されていく来栖。
そんな中、雑誌のコラムのために<ヴァーチャル・プラネット>を体験することになる。
自ら選んだアバターを使い、電脳世界<ペルセポネ>で生活するのだが、そこは窃盗や殺人さえもある世界だった。
もちろん、殺されても殺されたアバターが使えなくなるだけで、新しく登録すれば問題は無いのだが、
電脳世界の殺人と実際の殺人がリンクし始めて・・・・

岡嶋二人氏の「クラインの壷」もゲーム世界の話。(同月に読んだのです)
これまたネット・ゲームの話。
ですが、こっちの方がよりリアルでありそうですよね。
まぁ、こういう殺人も出来る(RPGではなく感情で殺せる)ネットゲームってきっとマスコミとかに取り上げられて
実現しないかもしれませんが、実現したら流行りそうな気がします。
全体的に上手いですね、面白いです。

嘘つきパズル  究極の名探偵★誕生

著・黒田研二

あらすじ・間男(はざまおとこ)愛する妻・麗華ちゃんとの旅行中だったというのに目覚めるとそこは絶海の孤島だった。
夕べ、泥酔した僕は船のデッキから落ちてしまったらしい。
流れ着いたのは一人ではなく、乳を振り回す老婆・エリザベス、オタクのマコト、美男子のタクヤ
巨乳美人のミキ、可愛い7歳のミドリ、そして筋肉質の謎のオカマのぜにーちゃん。
話によると夕べ、嵐がひどく50名ほどは波に飲まれてしまったという。
無人島だと思われた島には建物の建っており、そこには誰かが住んでいた形跡すら見られた。
ここに住んでいたであろう人物を探したが、見つかったのは男の死体と人面猿の死骸だった・・・。
この謎の人面猿を求めてやってきたのは世にも恐ろしい・・・・・

面白い!
しつこいぐらいのギャグが峰央先生のイラストとシンクロしてますね。
いや、これは絶対傑作ですよ。
帯の”バカミスにして純粋本格”とはさすが!
結構、いいのも出してたのにMy文庫もったいないな・・・。
この本、発見され方はご一読することをお勧めします。
・・・新刊では難しいと思いますので、古本屋さんで根気よく探されることもお勧めしておきます。

よもつひらさか往還

著・倉橋由美子

<花の雪散る里・あらすじ>突然、クラブを譲られた慧は自分の財産が増えることには関心がなかったが、
そのクラブはとても居心地の良い場所だった。
そこのバーテンダー九鬼の作る怪しげなカクテルは慧を異世界へと誘って・・・・

連作短編15篇収録
大体、九鬼のカクテルを飲んでトリップして美女と会って・・・という筋ですが、
トリップの場所や人間関係などで飽きずに読ませてくれます。
ミステリかな?と思って読み始めたので、ちょっと違ってて・・・だったのですが、
これはこれで大人な感じです。

今日を忘れた明日の僕へ

著・黒田研二

あらすじ・朝目覚めると、自分が記憶していた日付よりも半年も先に時は進んでいた・・。
戸惑う僕に妻はやさしく諭すように説明してくれた。
僕は嵐の夜に事故にあってから、それ以降の記憶を蓄積できなくなっているという。
毎朝、おそらく繰り返されたであろう説明は板についていた。
僕は失われていく記憶を少しでも補うために日記をかかさずつけるように医者に指示され、そうしてきたらしい。
記憶を失い続けた半年の間に僕の親友は失踪をしていた。
それを知ったとき、頭の中で血まみれの親友の姿がフラッシュバックのように浮かんできた。
僕はどうしてこんなシーンを覚えているんだ・・・・・
謎の女編集者、死んでしまった妻の友人、自殺した女子高生、そして失踪中の親友。
すべてのパーツをはめることができるのか?
タイムリミットは記憶がリセットされる前、そうわずか1日。

いやぁ、面白かったですね
主人公の記憶を蓄積できないという戸惑いとさらにタイムリミットに追われながら
謎を追う焦燥感がたまりません。
あぁ、どうなるんだろう?
犯人は誰だろう?
結構、はまりましたね。黒田さん、面白いです。。

阿弥陀ヶ滝の雪密室  ふたり探偵シリーズ

著・黒田研二

あらすじ・ルポライター・向河原友梨は婚約者・胡田キョウジが入院している病院に来ていた。
三週間前、ある事件を追っていた刑事・キョウジは爆破事件に巻き込まれ、意識不明となってしまった。
傷が治った今、意識だけ戻らないキョウジを見舞いに毎日来ているのだ。
しかし、そのキョウジの声は友梨の中に響いてくるのだ。
その病院で知り合った小学生・一輝が誘拐されたのだ。
しかもその同時刻、キョウジも何者かに襲われていた。
前後して新興宗教団体の教祖殺人事件が発生!
謎を辿って友梨が行き着いた場所は岐阜にある阿弥陀ヶ滝だった・・・・

わぁ〜、面白かったです!!
シリーズ2作目!
なんか”J"の存在が意外な方向へ行って面白いですよ
なんだか”コナン”の黒の軍団みたいで・・・(笑)
これはどんどん続いて欲しいシリーズですわぁ〜
新しい登場人物”元気"君もこれから活躍してくれそうですね〜〜
彼が”J"の関係者だったりしたらおもしろいかもっ!

ふたり探偵  寝台特急「カシオペア」の二重密室

著・黒田研二

あらすじ・ルポライター・星崎綺羅のアシスタントとして寝台特急「カシオペア」に乗車することになった
向河原友梨は変な胸騒ぎがしていた。
一緒に同乗するはずだった同僚の笹川耕平が3日前から行方不明になっていたのだ。
世間ではシリアルキラー「J」が騒がれており、すでに被害者も5人とその数を増やしていた。
友梨の婚約者・胡田キョウジが刑事でその事件を追っているという点も胸騒ぎの要因のひとつだった。
ほかに同乗するメンバーはこの仕事を持ってきた友梨の友人・小早川清香と星崎綺羅こと川端真理、
プロダクションの社長・岡崎美樹、旅行雑誌の編集長・南條渉の4人だった。
そこへ胡田の同僚からの電話が・・・・!
キョウジが「J」を追いかけている途中爆破に巻き込まれ重体だという。
絶望の淵に追いやられた友梨にどこからともなく声が聞こえてきて・・・・・

面白かったです!!
列車もののミステリーって時刻表が出てきてぇ〜とか楽には苦手なものが多いのですが、
これはどっちかっていうと密室ものって感じなので読みやすかったわぁ〜
なんか”オタク”的な人の感じもなんか出ていてそれがまた面白かった。
これはシリーズになりそうなのでたのしみだなっ!

笑殺魔  ハーフリース保育園推理日誌 1

著・黒田研二

あらすじ・幼児図書の営業マンの次郎丸諒は保育園の新規開拓に四苦八苦していた。
最近人気のハーフリース保育園、ここと取引が出来れば・・・と緊張しながら営業に向かった。
しかし、そこで起こったのは子供が怪我したと言う母親の保育士たちへの抗議。
ところが、園児は不思議なことを言い出す・・・
「雪村先生の笑ったところをみると絶対に死んじゃうんでしょう・・・」
笑顔を封印した保育士・雪村は笑顔を取り戻すことができるのか?

面白かったですよ!
重ためのテーマなのにその周りの人物描写の面白さですいすいと読ませてくれる。
子供って純粋な分、残酷なんですよね〜。
でも、大人のほうが怖いやいって感じです。(笑)
2も出ているのでこちらも楽しみです。

白昼蟲  ハーフリース保育園推理日誌 2

著・黒田研二

あらすじ・幼児図書の営業マンの次郎丸諒には思い出したくない過去がある。
そのために大事な夢さえも封印してしまったのだ。
その経緯を知る友人・小菅が仕事の都合で次郎丸の住むM市に滞在することになった。
次郎丸は先だっての事件で住むアパートを無くし、ハーフリース保育園に間借りしている状況で、仕方なく
友人・田原の住むアパートの空き室を小菅に紹介した。
そして次郎丸の過去と今起こった事件がリンクして、目の前に立ちはだかる。
次郎丸は過去を踏み越えて、事件を解決へと導くことが出来るのか・・・?

ハーフリース保育園シリーズ第2弾。
前作も重めのテーマでしたが、今回のテーマも重い・・・・
いじめものってすっご〜〜〜く苦手なんです(;;)
でも、最後に光明が見えたような・・・・
ますます次回作が楽しみです。

千年岳の殺人鬼

著・二階堂黎人・黒田研二

あらすじ・流行っている”キラー・エックス”のキャラクターを犯行現場に置いて立ち去るという殺人事件が連続して起こっていた。
時を同じくして、千年岳ではタイムスリップ現象を引き起こすという<ワームホール>の噂で持ちきりとなっていた。
オーストラリアの日本語学校の仲間と日本人教師・フミコは夏休みを利用してスキー旅行に千年岳にやってきていた。
彼らはヘリスキー中にある人物の思惑からコースを外れ、<ワームホール>があるとされてい場所へと導かれてしまう。
そこで起こる凄惨で奇妙な連続殺人事件が発生!
恐ろしい未来を予見した手帳の出現、誰が一体犯人なのか?
生き残ることは出来るのか?

豪華な顔ぶれですよね〜>黒田さん、二階堂さん
ラスト、そうかな?ってちょっと思いましたね。
それも数多くあった伏線のおかげなんですけど・・・(;^^)
面白かったですけど、読後感はイマイチすっきりとはいきません。
rakuがナイーブ(笑)すぎるのかな?
後、ちょっと思ったことも・・・・あり

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ネタバレ注意〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日本語の名前って確かに難しいけれど、わざわざ正しい名前を先に読んでおいて後で
間違った名前(まぁ、あだ名的な考えなのか?)で呼ぶ??
しかもそのとき、周りの人の名前もいっせいに変えてっていうのはちょっと無理あるよね・・・
ちょっとくるしくないかな〜・・・・

永遠の館の殺人

著・黒田研二・二階堂黎人

あらすじ・スキー場に訪れた一組の平凡なカップル。
しかし、男は決して別れようとしない女の殺害計画を頭に描いていた。
それが吹雪に見舞われ遭難、やっとの思いで辿り着いた山荘・霧山邸。
歓迎されていない雰囲気ではあるが、なんとか中に入ることの出来た二人だったが、
その館の人々もまた何か隠し持ったものがある雰囲気だった・・・。
新たなる遭難者、消える死体、切り取られた本たち、隠された秘密
吹雪の山荘で何が起こり、何が始まってしまうのか・・・

「KillerX」「千年岳の殺人鬼」と続いてきたこのシリーズもこれで終了です。
やっと殺人鬼・KillerXの正体も、そして犯行理由さえもはっきりとします。
あぁ、すっきりした(笑)
なんだか、こういう推理小説が読みたかった気がします。

闇匣

著・黒田研二

あらすじ・勉は勤める岡部音響の社長令嬢・杏奈と婚約まで漕ぎ着けていた。
いよいよ、社長・杏奈の父親と会うために彼女の実家の近くのホテルで杏奈と会っていたそのとき・・・
何者かに拉致されてしまった。
音もなく真っ暗な部屋に縛り付けられた勉は程なく犯人を知ることとなった
それは幼馴染の龍一だった。
彼は一年前、勉、枝理(当時付き合っていた彼女)、龍一、勉の妹・薫の3人でキャンプに行ったとき、
薫が事故死した事件の犯人を捜していた。
そう、それは事故ではなかったのだ。
龍一は2時間以内に薫を殺した犯人を告白しろというものだった。
しかし、勉は本当に薫を殺した犯人を知らなかった。
この闇の匣の中で勉は何を知り、何を失うのか?

黒田さんの密室本です。
黒田さんの本ってそこにどろ〜っとした何かが流れてますよね〜
なかなか面白く読みました。
でも、もうちょっと長編で読んでみたかったかな〜

硝子細工のマトリョーシカ

著・黒田研二

あらすじ・1年前、晋太郎の弟・健司は熱烈なファンだったアイドル・小泉つばさの自殺を知り、後追い自殺をした。
かなり人気のあるアイドルだったので他にも後追い自殺が絶えなかったらしく、
晋太郎の知り合いにももう一人後追い自殺をした男がいた。
人気女優でミステリ作家・美内歌織のファンクラブの会長であり恋人であった昭島準也だった。
そして1年経った今、晋太郎は歌織の恋人となっていた。
その歌織が脚本と主演を担った生放送のサスペンスドラマ「マトリョーシカ」が決まった。
しかし、そのドラマの内容は1年前の事件を匂わせるものであった。
しかも晋太郎が家でその番組を見ていると不吉な悪戯電話が!
電話の話通りに倒れる歌織、驚いてTV局に駆けつける晋太郎
進んでいく生放送の中、犯人を見つけることが出来るのか?
1年前の真相とは?晋太郎は歌織を守ることが出来るのか?

本当にマトリョーシカ状態(爆)
いや、ストレートなタイトルだからそれなりに心して読んでたつもりなんですけどね(笑)
読んでいると本に引き込まれるタイプだから結局、ぼろぼろになるんですよ(爆)
いやぁ、楽しめましたが最後のエピローグで整理つけるのが大変でした(;^^)

ペルソナ探偵

著・黒田研二

あらすじ・作家を志す6人の男女が集まる会員制のチャットルーム<星の海☆チャットルーム>
星の名前をHNに使って名前や住所、メールアドレスさえ仲間に明かすことを禁じ、同人誌を作ることを目的としていた。
チャットルームでは主に雑談を交わしていたが、それぞれに起きた(または起きている)事件や出来事を話していた。
一見、ばらばらに見えるそれらの出来事が一つの線となって最後には真の悲劇を招き寄せる。

前作(ウェディング・ドレス)でメフィスト賞を受賞した黒田さんの2作目です。
楽は初めて読んだ作家さんなんだけど、とっても読みやすかったなぁ〜
すっごく綺麗に、美しくまとまってるって感じがしました。
実際、こういうチャットルームってありそうなだけに妙に真実味があってさ
もう3作目が出ているのでそっちも読んでみようかな〜(続き物ではないけど)

あきらめのよい相談者

著・剣持鷹士

<あきらめのよい相談者・あらすじ>福岡の法律事務所に勤める弁護士・剣持はありがちな相談を受ける。
ホテルのドアに気付かずにぶつかり怪我をしたのだが、慰謝料は取れるだろうか?というものだった。
取れないわけではないが、こちらにも過失が無かったわけではない。
穏便に引き取ってもらうのが一番なのだが、この手の相談事をする人ほど諦めが悪かったりする。
どう引き取ってもらうか思案していた剣持だったが、相談者はおどろくほどのあきらめのよさを見せた。
しかし、その後同ビルに入っている法律事務所に片っ端から同じ相談事をしていたのだ。
あきらめがいいのか、悪いのか・・・。
しかし、思わぬ事件をこのクライアントが引き起こして・・・

短編4話入ってます。
地味な感じがありますが、小粒でピリッとした短編集ですよ。
作者が福岡在住の現職の弁護士とのこと、rakuも福岡なんで知ってる地名とかでると
妙に嬉しかったり(笑)。
現職さんだから生々しい裏事情が垣間見れたり。
次回作も楽しみですね。

少年たちの密室

著・古処誠二

あらすじ・クラスメートの宮下が死んだ。
投身自殺だと大人たちが口にする中、親友だった相良は同じクラスの城戸を疑っていた。
しかし証拠が無く、いつか証言をとってやると息巻いていた。
そんな時、宮下の葬儀に反目し合うこの二人を含めた生徒たちをミニバンに乗せて連れて行くと担任教師・塩澤が言い出した。
険悪な空気の中、マンションの地下駐車場を出ようとした時、地震は起こる。
地下駐車場に閉じ込められた六人の高校生と教師。
まったくの暗闇の中で少年が死ぬ。
それは瓦礫が落下した事故なのか?それとも殺人なのか?光の無い世界で一撃で殺すことが可能なのか?
これは学校の中で起こる理不尽ないじめ、それに対する卑怯な教師の姿がものすごく印象に残った作品でした。
重い雰囲気のする作品だったのでなかなかページが進まなかったのですが、暗闇での殺人や主人公の心理描写が読み応えがあり!!
帯に恩田陸さんの絶賛コメントがありましたし、期待作品でした。
期待は当たりだったと思います(^-^)

未完成

著・古処誠二

あらすじ・以前、防衛部調査班朝香二尉の補佐をした経験を買われて転地訓練と言う名目で
再び補佐を命じられた野上三曹は自衛隊の分屯基地がある伊栗島へと向かっていた。
基地の隊員にも知られないように極秘に調査し、解決していく・・・それが調査班の仕事だった。
島民と一体となったこの基地で起こった事件とは・・・射撃場で射撃の訓練中に何人もの隊員が見守る中、
小銃が消え失せてしまったというのだ!
事態を伏せて調査をする二人は事実を探り当てることが出来るのか?

朝香二尉シリーズ2作目。
前作も自衛隊内部の事件の話で(まぁ、このシリーズはすべてそうなると思うんだけど)、
内部に詳しいからこの作家さんは自衛隊の人か?と思いつつ読んでいますが(実際のところは知らないんだけど)
今回はさらに自衛隊の苦悩が描かれてるなぁ〜と思いました。
そうなんだよね、自衛隊ってそうなんだよね・・・と読むと不思議と肩入れしてしまう。
読むと勉強になると思いますよ、うん。

UNKNOWN

著・古処誠二

あらすじ・小さなノイズがきっかけでその盗聴器は発見された。
しかし、一番の問題は発見された場所だった。
自衛隊の基地、警戒監視隊隊長室の電話機・・・そこが発見場所だったのだ。
窓一つない部屋、隊長しか知らないその部屋へ入るための暗証番号、そして基地内に入ることすら難しい・・・
そうその盗聴器は基地内の人間、仲間がつけたものにほぼ間違いなかった。
そしてこの事件を調べるため、防衛部調査班朝香二尉がやってきた。
補佐として付いた野上三曹はその不思議な朝香の人柄に惹かれていく。
一体犯人は誰なのか?どのようにして進入不可能な部屋に入り込めたのか?そして盗聴の理由とは・・・?

第14回メフィスト賞受賞作。
軍事物って苦手だから手に取らなかったんだけど、古本屋さんで見つけたのでちょっと手にとってみました。
そうしたら、面白い!!!
この朝香二尉がすごく魅力的な人物ですよ。
補佐に付いた野上三曹も人間チックでいいですよ〜
これはちょっとおすすめですよ。

マダムだもの

著・小林聡美

夫に三谷幸喜を持つ女優・小林聡美のマダム(?)な日常をつづった第2弾。

子役時代から大好きでした。
特に”やっぱり猫が好き”シリーズは最高!
そして小林さんの書かれるエッセイも面白い!!
室井さんといい、どうしてこんなに面白い文章が書けるのでしょうか。
文庫化されることをずっと待ちに待っていたんです!
猫好きにもたまらない1冊です。

密室・殺人

著・小林泰三

あらすじ・四里川探偵事務所に舞い込んできた依頼は依頼者と同じぐらい奇妙なものだった。
「息子の容疑を晴らして欲しい」
という依頼だったが、現場に着くと関係者は被害者を入れてたったの4人。
依頼者の息子、その愛人、妻、弁護士。
被害者は妻でおまけに息子だけではなく、愛人の無実を証明しなければ報酬は払わないという。
この窮地に出陣したのは四里川探偵ではなく、助手の四ツ谷礼子。
おまけに妻が身を投げた部屋というのは密室で・・・

だらだら、という表現は正しくないかもしれないけれど、継ぎ目も無く
起こっていることを一つの視点でずっと表していく感じ。
疲れるけれど、面白かったですよ。
でも、あのラストは。。。どうなんでしょう?
続きでもあれば納得する何かがあるのかも・・・・。

天使はモップを持って

著・近藤史恵

<オペレータールームの怪・あらすじ>新人社員の梶本大介は女性社員ばかりの
オペレータールームに配属された。
女性社員に揉まれながら仕事をする中、大介の周りで些細だが奇妙な事件が起こり始める。
その謎を解くのはミニスカートをはいた清掃員・キリコだ。

連作短編8話入ってます。
シリーズ最初の本です。
ひとつの会社でワトソン役に大介を。なかなか面白いですが、やはり今後の広がりを考えると
次回作からのように場所場所を移動していくのがよいのでしょうね。
清掃員が清掃場所を移動していくのもおかしくない設定だし。
面白く読みました。

モップの精は深夜に現れる

著・近藤史恵

<悪い芽・あらすじ>部下や自分の娘とのコミュニケーションに悩む課長・栗山の前に現れた
ミニスカートの派手な清掃作業員。
その服装に怒りを露にする栗山だったが、彼女の仕事振りは完璧だった。
そして数回会う度に妙な親近感を覚え・・・

連作短編4話入ってます。
これって2冊目なんですね。
この前の”天使はモップを持って”も読まないとな。
結構、面白く読みました。
補足:この感想文を書いた時点でまだ1冊目の”天使はモップを持って”を読んでいなかったのです。

モップの魔女は呪文を知っている

著・近藤史恵

<愛しの女王様・あらすじ>地方から大学進学のため単身上京してきた奈津は友人もできず、
あまり楽しくない生活を送っていた。
しかし彼女は運命の出会いを果たす。ペットショップの22万のスコティッシュホールド。
彼女を買うために怒涛のバイト生活に入り、2転3転あったもののやっと手にすることができたのだが・・・

連作短編4話入ってます。
シリーズ3作目。
よりトリック(ねたが)面白くなっています。
楽しみなシリーズの1つになりました。

EDS 緊急推理解決院 EMERGENCY DETECTIVE SERVICES

著・石持浅海・加賀美雅之・黒田研二・小森健太郎・高田崇史・柄刀一
鳥飼否宇・二階堂黎人・松尾由美

あらすじ・新宿副都心に開設された<EDS 緊急推理解決院>は警察では対応しきれない何事件などを
市井の名探偵の力を借りて解決へと導く施設だった。
当初こそその存在を疑問視されていたが、解決率の高さから今となっては無くてはならない施設となっていた。
細かく分野分けされたそれぞれの推理科にはその分野専門の探偵師と助師が付いている。
この順風満帆と思われた<EDS>の中で事件は静かに起こっていた・・・・。

錚々たるメンバーで書かれた合作長編。
それぞれの専門分野の探偵は担当した作家さんたちの主力探偵さんだったりではっきり言って楽しいです!
時系列に並んだそれぞれの事件の流れ、石持さんが主に書かれている<EDS>内部の事件の流れBR> これはお勧めです!!!

五十円玉 二十枚の謎

競作

 収録作品
●若竹七海            「五十円玉 二十枚の謎 問題編」
●法月綸太郎                「解答編―土曜日の本」
●依井貴裕                       「解答編」

●佐々木淳(倉知淳)                    若竹賞
●高尾源三郎                        法月賞
●谷英樹                          依井賞
●矢多真沙香                        優秀賞
●榊京助                          優秀賞
●高橋謙一(剣持鷹士)                  最優秀賞

●有栖川有栖             「老紳士は何故・・・・・・?」
●笠原卓 「五十円玉二十枚を両替する男  または編集長Y・T氏の陰謀」
●阿部陽一              「五十円玉二十枚両替男の冒険」
●黒崎緑                        「消失事件」
●いしいひさいち                 「50玉とわたし」
<五十円玉 二十枚の謎 問題編>実際に若竹七海氏が遭遇したちょっとした事件。
若竹氏が書店でアルバイトしている時のこと、毎週土曜日の夕方、50円玉を20枚持ってきて
千円札への両替を希望する男性が来ていた。
当時はまだ土曜日も銀行が営業しており、しかもその書店の近くにちゃんと銀行もあった。
にも関わらず、何故書店で両替を希望するのか?
何故毎週毎週、そんなに50円玉が溜まるのか?
などという謎を含んでいたが、若竹氏が体調を崩し書店を辞めたことでその謎は解かれることが無かったのだが・・・
作家、一般公募作品がこの謎に挑むっ!!

どの短編も面白く読みました。
笑えたり、それなりに説得力あったり・・・・
でもこれは若竹さんが実際に合った事件・・・・・・あぁ、真実はなんだったのでしょう?
いくら小説を読んでもそれがものすご〜〜〜く気になります(笑)
一番自然に納得できるのは(高尾)さんの説明かなぁ〜
でもミステリ読みとしては(阿部)さんのかなっ
読むのもいいけど、考えるのも面白い謎ですね〜

Killer X

著・クィーン兄弟

あらすじ・多発する突き落とし魔の事件。
デパートやマンションの非常階段の上から人を突き落として怪我、もしくは殺してしまう・・・
その事件と前後して、新進気鋭の推理作家・本郷大輔は高校時代の恩師・立原茂の家へと向かっていた。
シゲルちゃん(高校時代の先生のあだ名)から同窓会の誘いの手紙を受けたのだ。
吹雪く中、シゲルちゃんの家に集まったのはたったの5人。
それぞれ手紙の内容は違っており、不審がる5人が見たものは完全にオートメーション化された山荘だった。
シゲルちゃんは昨年行われた同窓会で階段の上から何者かに突き落とされ、声、足の機能など失われていたのだ。
そして始まる悪意の連鎖とは・・・・

えっとですね、このクィーン兄弟とは二階堂黎人さんと黒田研二さんです。
すでに読了本の「千年岳の殺人鬼」の先行本がこれです。
あはっ、rakuは前後を間違えて読んだんですね〜
まぁ、どっちを先に読んでも楽しめますです。
なんかさらに続きが出来そうな感じですよ。
なんか寂しいと言うかなんと言うか、言いようのない感じを受けるラストです。




あ行へさ・た行へ
な・は行へま行へや・ら・わ行へ

honndana