SW−ss Kyranoの製作

SW−ss Kyrano(キラノ)はスカイウォークの主翼をベースとした
モーターグライダーです。名前の前に付いている”ss”と言う文字は、
「サンライズサンセット競技」を意識して付けた物です。
ここに出てくる「サンライズサンセット競技」という物は、モーターを僅かに
回しながらとにかく長い滞空時間を競う競技で、数人のチームで名の通り
日の出から日没まで飛ばし続ける競技です。
Kyranoは実際この競技に使う機体とはほど遠いものではありますが、
近い飛ばし方が出来るようにデザインしてみました。

ハンドランチグライダー、ショックコードで上げるミニグライダー、ウインチで
曳航するF3B機の様なグライダー、またはF5Bやその他の一般的な
グライダーの飛ばし方はある共通性があります。
それは「何かしらの動力で一気に上昇し、動力を切り離して滑空する」
と言う物です。



それに比べると、動力を上昇だけではなく水平飛行にも利用していると言う点で
このKyranoの飛び方は若干異なります。

通常のモーターグライダーのセッティングは、動力を与えるとその速力により
機首を上に向け急角度で上昇しようとします。 角度が強くなれば主翼の
揚力は減りますので、その分機体を浮かす為に大きな動力を必要とします。
モーターの推力が少なければ速力が足りず失速することになりますので、
失速しない角度に機体を押さえるような操作も必要となります。 
加えて、全開でモーターが回りますので消費電力も常時最大で、この為に
モーターを回せる時間も限られた物になってきます。

このようなセッティングは、モーターグライダー競技においては大変重要な
ものですが、競技ではなく単純にサーマルを求めフライトする趣旨には若干
そぐわない気がするのです。

そこでこの機体ですが、大きめのプロペラを比較的ゆっくりとした回転で
長く回す事の出来るセッティングのパワーユニットと、全開でも緩やかな
上昇に押さえられた機体セッティングによって必要高度までの上昇こそは
時間を要しますが、その後のフライトにも積極的に動力を使用することに
よってサーマルを探索してのフライトエリア移動などが大変容易になっています。
また、サーマルの発生がほとんど感じられない場合でもモーターをゆっくり
回し続けることにより高度の維持を可能にし、そのときのフライトスピードでは
モーターラン中でありながらも充分にサーマルを感じることが出来るのです。

モーターランと滑空を上手に組み合わせて1時間を超える滞空を実現出来る
機体なのであります。

この機体に使われているパワーユニットは、モーターにQRPのHyper35N、
ギヤダウンにコスモテックの4.5:1プラネタギヤに11*8の折りベラの
組み合わせで、8セル(9.6V)のニッケル水素電池を使い4400rpmの
回転数を6A台で得ています。
これをハーフスロットルで使用すれば30分以上のモーターランが得られ、
27dm2の主翼を持つグライダーを水平飛行させるには充分以上の
性能があります。

加えてテールブームを延ばして小さくサイズを押さえられた尾翼により
飛行時の抵抗は少なく押さえられていますので、動力を無駄なく
使用することが出来るのです。 

この機体で使われているニッケル水素電池は容量こそは1800mAh
ありますが、カタログ上許容放電能力は3Cと言うことになっていて、
6A弱の能力しかありません。
さらにバッテリー自体の重量は230グラムで、500ARのニッカド電池に
比べると80グラムも重い物を使っています。
ニッケル水素電池を採用したのはその蓄電容量による物なのですが、
ニッカド電池を搭載して軽量モーターグライダーとして飛行する事も可能な
仕様になっています。

前にも述べたとおりにこの機体のジャンル自体は昔からあった物ですが、
モーターパワーに依存しないモーターグライダーの一ジャンルとして
再認識することが出来ました。
1.主翼の製作

2.尾翼の製作


3.胴体の製作


4.メカ積みなど

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