0歳教育関係へ

ドッツの教え方 B3
常識を打ち破る画期的な方法


【ドッツの教え方 B 01】 【ドッツの教え方 B 02】
【ドッツの教え方 B 03】 【ドッツの教え方 B 04】


    〔 内容 〕             〔 ドッツの教え方 No 〕

第六章  ドッツ講習会での村松先生、西先生の話          01
     講習会での問答                    01
第七章  速読法を取り入れたドッツのすすめ方
   一 五歳でもできた                    02
   二 速読の練習とは                    02
   三 ドッツをやってみての感想               02
第八章  ドッツで算数がわかる原理
   一 ドッツかうまくいかないのは技術の部分ではない     02
   二 たし算、ひき算、かけ算、わり算、がどうして分かるのか 02
   三 これが真実である、とどうして分かるのか        02
   四 子供は分かり過ぎて退屈している            02
   五 ドッツの見せ方(応用編)               02
   六 ドッツを成功させるには                03
第九章  ドッツ・カードの効果的な見せ方
   一 繰り返しにつして                   03
   二 古いカードについて                  03
   三 ドッツは記憶ではない                 03
   四 出方は子供によって違う                03
   五 楽しく見せる工夫をせよ                03
   六 ドッツは途中いくら抜けてもいい             03
第十章  ドッツ成功者の体験例
   一 ドッツ体験講演                    03
   二 ドッツ体験記                     04
   三 ドッツ体験記                     04

【 第八章 ドッツで算数がわかる原理 】

【 六 ドッツを成功させるには 】

イ 子供に何かを教えることは素晴らしいことだ、母親にしか出来ないことだ、と思っ
  ておしえなさい。義務感で教えようというのなら、やめなさい。
ロ はっきり、大きな声で、熱をこめて、話しなさい。
  低い、熱のはいらない声ではだめ。声を変えなさい。声に熱をこめなさい。
ハ リラックスして楽しみなさい。緊張を持ち込んではだめ。
  リラックスできないのは、やっていることの意味を充分理解していないからです。
  ドッツを教える原理を充分理解して、親子ともに楽しんでください。
  速読法でいう深呼吸をして、アルファー波を取り出して始める心がけがよい。
ニ 子供を信じなさい。それをあなたの態度で、行動で示しなさい。
  子供があなたを信頼していなければ成功しません。子供はこの世の何よりも、学ぶ
  ことが好きであることを信ずること。子供の学びたい気持ち、子供の驚くべき能力
  を知ったら、それに応えてやろうという気持ちがおきます。子供の能力を、疑うの
  だったら、やってはいけません。
ホ いつも新しい情報を子供に与えなさい。ここが一番大切なポイントです。同じこと
  をされると、子供はすぐ退屈してしまいます。ここがいつも見逃されていることで
  す。子供はわかり過ぎて退屈してしまうのです。子供の世界はいつでも広がってい
  きます。子供はいつも、知識を広げることを願っています。同じことの繰り返しば
  かりでは、いやになります。
へ 教えている間、雑音が入らないようにしなさい。集中力を妨げないようにすること。
卜 子供が、機嫌よくやる気でいるときに、教えなさい。病気や機嫌の悪いときは、避
  けなさい。生活のリズムを作るように心かけるとよいでしょう。
チ できるだけ早くめくりなさい。
リ 子供かやめたいと思う前にやめること。これが非常に大切なことです。もっととい
  うところでやめる。「5分後にまたしてあげましょうね。その前に、〜を片つけま
  しょう。・・・・」というように言葉がけをするとよい。
ヌ 教えたことは、子供がわかっていると、信じなさい。実際そうなのです。母親がそ
  う信じていることを子供が知ることは、子供にとって嬉しいことなのです。子供に
  はわかっているかどうかと疑いをもっているようだと、子供は直ぐそれを感じて、
  知ることをやめてしまいます。
ル 疑わしいときは、子供がわかっている、と思うほうに賭けなさい。普通の親は、子
  供が理解していない、覚えていない、わかっていない、と思うほうに賭けるもので
  す。この考え方に陥ると、子供が伸びなくなります。
ヲ いつも接し方を変えなさい。毎日を新しく、楽しいものにしなさい。(接し方のパ
  ターンを千通りくらい考え、更にその都度プラスアルファーを加えるようにすると
  よいでしょう)小さな子供は日に日に変化しているのです。子供はあらゆる方面か
  ら新しいことを学んでいます。子供の知識は日に日に増していて、いつもフレッシ
  ュなものを求めているのです。
ワ 子供がいい子をしていた時、ご褒美として知識を与えなさい。子供を尊敬し、抱き
  しめ、チュウをしてあげなさい。
カ 何時でも何処でも、子供との約束を守りなさい。それは、子供がいいろに惑わされ
  ず、すくすくと伸びる基本的なことであり、親がよい手本にならなければなりませ
  ん。
ヨ どんな時でも、子供がわからないときや何か聞いたとき、親は優しく教えてあげな
  さい。
  「ちがうわよ」「そうじゃないでしょ」とは決して言わず「それはね〜よ」「それ
  はね〜ではなかったかしら」と言ってあげましょう。
  子供を尊敬するということは、子供を独立した人としてつきあってい<、というこ
  とにほかなりません。
タ テストをするな。
  子供が自分から答をいいだしたときは、喜びなさい。
  今まで正しい答を言っていたのに、間違った答ばかり言うようになったときは、母
  親をからかっているのです。わかりきったことを聞くなという、態度の現れです。
  子供が退屈して、ゲームを工夫したのです。子供は自分がテストされていると知る
  と、つむじを曲げるものなんです。時には逃げて、学ぼうとしなくなります。
レ ドッツに成功するしないの秘密は、やり方の「技術」にあるのではありません。親
  の「やり方」にあるのです。親のやり方は、親の「考え方・態度」にあるのです。
  幼児は素晴らしい、不思議なほど素晴らしい能力をもっています。
  親はドッツの原理をよく理解しなければなりません。原理をよく理解すれば、やり   方はいくらでも工夫できます。原理をよく学んでください。

【 第九章 ドッツカードの効果的な見せ方 】

 先ずドッツカードをいきなり見せないてください。始めはやはり絵カードからです。絵カードは最初、枚数を少なく5枚〜10枚から見せてください。子供の様子をみながら、毎日少しずつ枚数をふやしていってください。しまいには1日100〜200枚見せてください。

【 一 繰り返しについて 】

 一度見せたあと、すぐまた同じカードを繰り返し見せてはいけません。その日の別な時間に見せても構いません。続けて2回同じカードを見せると、子供は視線をそらします。「もういい」と言っているのです。翌日みせるのは構いません。
 絵カードの場合、同じ絵カード100枚、200枚を延々と2ヶ月も続けて見せるお母さんがいます。すると子供は飽きて見なくなります。こういう過度の繰り返しはいけません。絵カードの場合でも、見せ始めて1週間すると、カードの1〜2割はスライドしていかないといけません。30枚なら3〜6枚を古いカードと新しいカードを入れかえます。1回100枚見せる家庭では、、そのうちの10〜20枚は新旧入れ換えてください。

【 二 古いカードについて 】

 古いカードは、もう見せないのかという質問があります。古いカードでも、2週間たてばリサイクルして組み込んでください。また興味をもって見てくれます。でも、これをあまり繰り返してはいけません。子供が飽きて見なくなります。

 幼児は繰り返しが好きで、いくら繰り返してもいい、という間違った考えがはやっています。幼児は大きい子供達よりも学ぶのが速いので、大きい子供達ほど繰り返しかいらないのです。特にドッツカードはそうです。ドッツカードでしくじるのは、このことがわからないからです。子供は、始め喜んでドッツカードを見てくれます。でもすぐ見なくなります。「もうわかった」と言っているのです。親はそれがわからず強引に見せようとします。ドッツは、子供が見ようとしない限り成功しないのです。楽しんで見せる工夫をしなくてはなりません。これは絵カードでもドッツカードでも同じことです。
 楽しく見せるには、変化を考えることです。繰り返しの反対です。新しいものを見せることです。「もういい」と言っているのですから、新しいことを始めないといけないのです。ドッツは、狂ったように早いスピードで見せるほうが、成功するのです。1日5枚〜10枚スライドして、1〜100を10日で終わった会員さんもいます。

【 三 ドッツは記憶ではない 】

 ドッツは、記憶させて算数を教えるのではありません。幼児の頭は、生まれつきコンピューターと同じなんです。そのコンピューターにスイッチを入れ、入力させるだけです。そこでたし算を 1+1,2+2,と順番に教える必要もないのです。たし算は4日もあれば充分です。ひき算も4日、かけ算も4日、わり算も4日、あれば充分なんです。

 ドッツを1から始めて、1ケ月もたたないのにもう簡単な四則は終わりです。5+8は教えていなかったからわからないという頭ではないのです。教えない式の答も出てくる頭なんです。

【 四 出方は子供によって違う 】

 こう書いたからといって、どの子供もこの通りにならないのが会員の皆様の悩みになります。
 ドヅツは頭に入れるのはやさしいのです。でも子供が頭から出すのは難しく、時間がかかります。1歳から始めて、成功がわかるのに1年以上かかることもあります。ドッツがちゃんと成功しているのに、子供がそれをきちんと出せるようになるのには、時間がかかるのです。そこで、親は忍耐強く侍つことを知らなくてはなりません。焦ってはぶちこわしです。
 会員の大鳥さんが「子育て革命」(仮称)という題で、0歳教育で子育てをした体験記を書いてくださいました。これは1〜2ヶ月後に日本文芸社から発行されます。この中で大鳥さんは、ドッツを教えた体験も書いておられます。大鳥さんが息子さんにドッツを教えられたのは、子供さんが1歳半を過ぎてからです。確認をすると正解をしないことが多いので、親が落ちこんでしまうから確認はしないほうかよいと書いておられます。2歳2ヶ月になって始めて確認し、全問正解するようになっているのを見出されました。
 「わかっている」というほうに賭けて、焦らず無心に続けられたのでうまくいったのです。大鳥さんも一辺でうまくいったのではありません。何度かしくじり再挑戦しておられるのです。

【 五 楽しく見せる工夫をせよ 】

 ドッツは楽しく見せる工夫が大切です。変化を考え、何か変わったことをして、子供を楽しませてくださると、子供がドッツを見るようになります。じっと見てくれさえすればしめたものです。ドッツはどんどん子供の頭に入っていきます。
 ドッツと同じ大きさの、変わり種シールを沢山みつけたので、これをドッツに混ぜて見せることを、皆さんにおすすめします。その結果が現れ、その様子が今回のお便りにのっています。ドッツと同じ大きさのパンダやきりん、新幹線や船、果物、花、などの丸い形のシールを沢山用意しました。セット1800円でそれを買って頂いています。それを使って、子供を楽しませてください。親もドッツを見せるのが楽しみになります。

【 六 ドッツは途中がいくら抜けてもいい 】

 ドッツは毎日3回しなくてはならないのと違います。出来ないときは1日1回でもよく、休みの日があっても構いません。親子の気がのらないときは、1週間休んだって、再開の時はその続きをやればいいのです。
 記憶ではありませんから、また元に戻って1からやりなおすのは、返ってマイナスです。子供は「またか」と、見てくれないでしょう。親は「繰り返しが大切」という言葉にひっかかっているのです。ドッツでは繰り返しはいりません。新しいことをするのがいいのです。変化を工夫し、楽しく見せてあげると成功するのです。とうしても成功させようと親がりきむとうまくいきません。リラックスして、親子が楽しくやると成功するのです。ドッツはどの子も成功するものですが、泣きどころは、子供がドッツを見たがらないと、頭に入らないのです。見たがらないときは見せないでください。そんな時に見せると失敗して、カードを見たがらないようになります。そういう時は思いっきり間をおいて、子供が忘れたころ、親が勉強して、今度は楽しく見せる方法を会得してやってくださればよいのです。

【 第十章 ドッツ成功者の体験例 】

【 一 ドッツ体験講演 】
           (昭和61年9月)帯広市 森野まり

 私がドッツのことを何処で知ったかといいますと、8年前北海道の公文指導者大会があった時でした。その時大阪の障害児教育をなさっている先生の側に立っていまして、何か一つ、私にとって素晴らしいことが、話の中からこぼれてこないかしら、絶対この先生の側を離れずなにか一つ手に入れたいと思っていました。
 その内に、その先生が他の先生に 「ドーマン法っていうのは素晴らしいです」 という言葉を何回も繰り返されていましたので、ドーマン法ってなんだろうかと思っていました。当時は若くて、その先生に 「ドーマン法ってなんでしょうか」 とは尋ねる勇気がなかったんです。それで帯広に帰って1年位したときに、ちょうど本屋の棚の隅に「グレン・ドーマン」という名前を見かけたのです。それが七田先生が紹介されている本なんです。
 私はこの本をすぐ求めました。もう7年くらいまえ1200円でしたから、とても高い本だったんです。なんて高い本なんだろうと思って買ってきました。それでこの本を読みまして、私は全然わからなかったんです。ドッツカードなるものを実際手にとって見ることや、情報を得るどころか何もなったものですから、読んでも理解できなかったし、こんなもので子供が算数が出來るようになるというのがまるっきり理解出来なかったんです。
 だから今お母さん方も、七田先生に「子供はすごいですよ」「あなたの子供さんは天才なんですよ」と言われても、「そうだろうか。今日話をしている森野さんの子供さんだけがドッツで成功して、あの方のお子さんだけが才能がなんかあって成功されたんじゃないかしら」って多分思われるんじゃないかと思います。0歳教育の会員で、中野さんという仙台の方から電話をかけてこられたんですが、「どうしても信じられない」と言われるものですから、とにかくお母さんが信じる、信じないじゃなくって、全部プログラムを終わったときに、子供はすべてのものを、1回説明されると全部わかるようになりますから、ということで続けてもらったら、やはり全部わかるようになったそうであ ります。しかも、ドーマン先生は3歳以上の子供はやりにくいって言っておられるにもかかわらず、5歳の子供で成功なさったんです。それから、東京の村松先生のご指導で、幼稚園などでやっている所でも、わり算までしかやらなかったそうですけれど、やはり総て成功していらっしゃるそうです。
 私は微分・積分とかいろいろやっていますけれど、全部が全部子供にやっているわけではないんです。私は子供と一緒にしておって、自分でわかる問題を子供にどう説明したらわかるだろうか、というところだけしかやっていません。全部の過程を終え素晴らしい高校生なみに、すごいことをやっているというところではないんです。そしてやっている期間というのも、すごく間がありまして、3日に1度とか、4日に1度、問題を1〜2題やるだけなんです。
 この間もふと考えたんです。子供はこの問題にひっかかるだろかと考えたんですね。木と木の間のメートルの問題を子供にやるときに、「5本の木があって、その5本の木の間に1メートルずつの間隔をおいて木を植えた場合、端から端までの木の間は何メー卜ルあるだろうか」と問題を出したらどうだろうかと。まだ家の子は何メートルという数では言えないんですが、問われた数の中からの選択はきちっとします。それで4mだろうか、5mだろうか、6mだろうかって聞いたとき、最初5mと答たんです。これ、ひっかかってますね。それで、こたえは4mだと言ったんです。子供の表情を見てますと、ふーんという感じでジュータンの上に寝っころがっているんですね。じゃあ、次にはわかるだろうかということで、10本の木の間に、20mずつ間隔をおいたときに、両端まて何mあるか、というのをやったんです。これは、答は200mにはならないですね。10本ですから間は9つですので。それで、220mか、200mか、180mか、160mか、と、こういうふうに答を並べて言いましたら、今度はひっかからないんです。
 その次、10題位同じような問題を出しますね。するとやっぱりひっかからない。それから、池の周りに木を植えた場合はどうだろうかと、こういうのを出したんです。これも全部正解でした。何故、こういうふうにわかるのかというのは、七田先生が言われるように、子供の頭がコンピューターなみに出来ている、と言うよりほか説明のしよう もありません。
 微分・積分という話を出しても難しいんですけれども、すべての計算というものは、四則で成り立っていると思います。四則混合なんです。ルートにしても、方程式にしても、微分・積分にしても、全部、たすひく、かけるわる、これが基本になっています。
 子供はこの四つをどの位でマスターするかという話なんですけど、私はドーマン先生のほうではわかりにくかったので、七田先生のほうから出ているカリキュラムを利用したんです。この中には、ちゃんと式と答が全部用意されています。15日位で全部を大体終わった方もいらっしゃるそうですが、そういうのは素晴らしいスピードですね。家の子供は2ヶ月位でしたけれども、今考えると、もっともっと早く進んでよかったんだな、ってことがよくわかりました。
 どういうふうに進めているか、に移ります。先生の指導ですと、1日から10日までは1〜10のカードを1日3回ずつ、10日間見せるんですね。そうすると30回同じものを見せるんですね。家の子供は一度、1歳5ヶ月の時七田先生の友の会に入る前、自分で作った手作りのカードでやったときには、2回で失敗したんです。明らかにそっ ぽを向くんです。どうしてそっぽを向くんだろう、もう1回やってみようと思ってやってみますと又そっぽを向くんですね。まだ言葉を沢山しゃべれるようになるちょっと前だったんですね。これはこの子供にドッツは向いていないんだろう。これは、子供に才能がないと思って、何もわからずにやめてしまったんです。今考えると、どんどん進め ばよかったんです。それで2歳で友の会に入ったとき、今のようなカードを売ってなくて、シールを売っていたんです。このドッツの玉は、ちょっと大きいんですけど、大きさは28センチ四方のカードヘ、1・8ミリ〜1・9ミリの玉ですね。私が自分で作ったときのシールは、1・7ミリでちょっと小さいんですね。実際自分のカードでやり終えたときに、また友の会で買い求めたんです。実際のカードってどういうものなんたろうかと思って。そのとき子供に、どっちのカードの方が見やすいかと尋ねたら、明らかに購入したカードの方が「楽しい」と言ったんです。わかるんじゃなくて、楽しいって言ったんです。これは、子供にめくってもらうと、私には、目の中にモコモコと赤いものが動くようなイメージが残るんです。私が手作りしたカードは、その印象が残らないんです。この大きさ、赤い丸、カードの大きさって、すごく大切なものだと思います。そして、手作りしたときは、毎日5枚位大きな紙を切って、シールを貼ったんです。一つ間違ったら大変ですから、手でおさえて数を数えて作ったんですけど、今では友の会で出来あがったカードを出していますね。手作りよりずっと安く出来ますので、皆さんがもし続けるときは、このカードをお求めになって、すぐ子供さんにやってあげてください。私は、今ここにいらっしゃる方々が、子供さんがいらっしやらない方でもいいし、隣の方でもいい、親戚の方でもいいから、ドッツをおすすめして子供さんにドッツをやってくれることが願いであります。
 そういうことでどんどん進んできましたが、最初のときは、明らかに面白くないというような表情をして、そっぽを向きましたので、どんどん進んだんです。七田先生のカリキュラムでは、全部、たす、ひく、かける、わる、の順で2週間毎に仕切られています。1日10枚のカードを3回、同じことを繰り返すんですね。それを1週間、たとえば2つの項のたし算、次の週は3つの項のたし算までやって、その次にひき算の2つの項のひき算、3つの項のひき算に入って、増えていくんですけれども、どうも途中でまた、飽きだしたんですね。もういやだという顔をするんですね。それで、これはもうわかり過ぎているのだかも知れないから、一か罰かの賭だと思って、とにかく沢山やって みようと思って、四則混合全部をやりました。だから、1日3回ですから、延べ題数にすると120題を子供に見せたんです。それで多少休んだりしましたけれど、2週間で全部終わったんです。
 ドーマン先生のカリキュラムでは、3ヶ月になっています。これは、私が思ったんですけれども、ドーマン先生のカリキュラムというのは、障害児のために作られて、障害児の脳の発達がまだ未分化、全部できていない段階に、3歳児くらいまでというんであれば、秀れた子供の場合は、もっともっと早くていいんではないたろうか、そう考えた んです。
 会報を読みますと、東京の村松先生が「平均の子供でしたら、1歳位からでいいんじゃないんですか」と書いているんですね。でも私は、自分で考えて6ケ月でもいいだろう、と言おうと思って原稿を用意してきたんですが、今日の七田先生の講演では、更にもっと進んだ生後1ヶ月か2ヶ月くらいの子供でわかる、とお聞きし、素晴らしいことだと思います。それと、この本の最後に書いてある大事なことなんてすが、ドーマン法とは、このカードで数字を覚え算数の計算ができるようになる、そう思ったんですけれど、大事なことを1つ見落して、3年間気がつきませんでした。
 3年目に本を読んだとき、この裏表紙に書いてある言葉の重大さに、すごく気がついたんです。一番最初に、目と耳で覚える算数になっています。目と耳です。これを見て、何回もみせて算数がとけるようになったのは知っているんですね。ですけれども、耳で覚えるという、ああ、なるほど耳か、すごいと思ったんです。またその話を沢山しようと思って原稿を用意してきたんですが、七田先生が胎教の話をされて、子供がお腹の中にいるときに語りかけたものは、こどもはマインドで学んでいるということで、やはりドーマン法も、お母さんがたし算なりひき算なり赤ちゃんがお腹の中にいるときから、このドッツカードで教えれば出来るかもしれませんね。どなたか妊娠なさっている方、やってご覧になりませんか。私は多分、可能性がすごく高いものだと思います。
 ドッツカードを見せる間というのは、私はすごく早かったんです。10枚のばらばらのカードを用意しまして、下に親がわかる数字を書いてあるんですけど、これはさかさまにしようと、何しようと子供はわかるんですね。これが5、斜めにしても5であることは子供が一目でわかるようになっています。たし算をするとき、まず子供に「たし算をします」と言うんです。2+4=6とサッと見せるんです。順番は関係ないんです。次に0+5=5とサッと見せるんです。3つの項のたし算といいますと、1+3+4=8です、とサッと見せるだけなんです。このようにしてずっとやってきました。四則混合に入っても同じです。親が見たら難しい式のようですが、親が式を書き写して、用意するのが大変なくらいです。子供には簡単なことなんですね。毎日やらなくてもいいと思いますね。本当にのんびり書いて、1週間に1度式が全部用意できたらパッと見せてやれば、子供はそれでもうわかっちゃうんです。
 でも大人の頭ではわからない。これはわからないことなんです。この本の題名の副題に「大人はわからない」という副題をつけようかというくらいの本なんです。このドッツのことを、ドーマン先生自身も、これでどうして子供が計算出来るようになるのかっていうことは、恐らくまだわかっていないんじゃないかと思うんです。多分四角ではなく丸の符号だというのは、これは子供の心の中に溶けこみやすい、わかりやすいということで丸になっていると思いますけどね。今のような感じで、2ヶ月半で、プログラムを一通り終りました。多分七田先生の方式で、四則混合が終った後、分数、小数など全部やってたのは、私が始めてだったんじゃないかと思うんです。
 それで分数や小数になると、何も指導書がないんです。ドーマン先生の本には四則混合しかないんです。でも、中に書いてある話を読みますと、ニューヨークからどこそこまでは何マイルあって、時速何キロで走ると、何時間で着きますか、という問題を2〜3歳の子供にやらせているんですね。で、子供はそれをちゃんと口で答えているという部分が、この中にあるんですね。家の子供は答られない、これはどうしたことなんだろうかと心の中で思ったんです。ずっとそれから、2歳から3年間、手探りでやってきました。すると子供はまだはっきりと答えられませんけれど、徐々に答を口で言えるようになってきました。時々21×3=というのを、答は63ですけれども、36なんて言 ったりするんですね。「あれ、数字は左から読むんだよ」と言うと「あーそうか」という感じで言っていますね。それから間違ったら怒られると思って、まるで見当違いのことを言ったりするんですね。これは、失敗したなあと思うんですが、少し怒ったんですね、子供を。 「あんたこんなのわからないでバカじゃないの」 と一時期すごく怒ったこ とがあるんです。それは、ドッツをこんなに成功しているんだから、口でも言って欲しいと願ってやったんですね。子供にとっては、それはその時は、無理だったんですけれどもね。怒りますと、子供は沢山のカードの中から「正解を選びなさい」と言うと、必ずいたずらしまして、答から1少ない数を選んだりするんですね。全部、10問くらい 出しますと1少ない数を渡すんです。あれ、1少ないと思って「あんたお母さんからかっているの?」と言うと、ニヤリと笑うんです。それからまた、カードを10枚くらい並ベておいて、正解のカードを取りなさい、というと、正解のカードだけは絶対示さないんです。何10回やってみても「これかな?お母さんこれじゃない?」というわけです。正解のカードは絶対示さないんです。怒るといけないことはわかっているんですけれど、何回も何回もしつこく怒ったんですね。
 皆さん 「ドッツって子供に本当に出来るのかな」 という顔をされていますけれど、これはドーマン先生も10何カ国語に翻訳しておられますし、障害児教育の先生も採り入れていますし、公文先生もやっとられますね。そして私も言っています。沢山の方が成功してますから、必ずこれは成功しますから、5歳になっても、6歳になっても私は試してみて損はないと思っとります。
 たんだん5歳になると、家の子は能力が欠けてきて、ドッツをやっても、進まないんじゃないだろうか、やっても他の子より出来ないんじゃないだろうか、というふうには考えないでください。5歳、6歳になって能力が落ちたということは、反対に考えると、障害児の領域と同じ分野くらいに考えてください。或いは早過ぎて無理かなという子供 でも、障害児と同じように、まだ未分化の子供に、ドッツを早く教える、その位の考えでやって、私は大丈夫だと思います。
 この中で、四則混合までの説明はお母さん方で出来ると思います。例えば四則混合で、混じったところでは、かけ算わり算を先に計算して、それからたし算ひき算をします、という説明をします。2回くらい。そして四則混合を10題くらいやったら、後はもう子供にはわかります。
 その後の問題ですけれど、私は1ヶ月くらい、分数ではどうやって入ったらいいだろうかとか、小数はどうやって入ったらいいだろうかとか考えたんですけれど、これは簡単でした。等式を使うんです。等式というのは、普通の式でイコールなんですけれども、分数をどうやって教えたらいいだろうかと悩んだ時に、先ず一番最初に厚紙で1/10から始めたんです。それから9/10というカードを作りまして、10/10まで作ったんです。それでどういうふうに説明したかと言いますと、1/10 というのは1ワル10=1/10これで説明しました。これも2回くらい見せて、こういうふうになるのよ、というと、子供はすぐわかって、即、何百何十分の何かける云々という計算まで出来ました。本当に不思議ですね。私はわからないんですけれど。
 それから小数も同じです。小数の場合は1/10=0.1とカードに書いて0.1というのは、コンマの位置を説明しました。更に1/100=0.01ここまで説明しますと、小数の桁が何桁であろうと、これはもう全部計算出来ます。それからいくら等式を長くしても、子供はうわの空で聞いているような感じなんですね。私がパーッと問題を言うと、子供が 「エッお母さん今の何て言ったの?もう一度言ってみて」 と言うので、もう一回ゆっくり繰り返すんですけれども、その時にはもう子供はわかっているんです。わかっているんですけれど、確認のためにきっと聞くんだと思うんです。
 その次に、すぐ方程式に入りました。簡単な一次方程式ですとX+1=0などは、1を移項してX=−1と習いましたね。ここのところでぶっかったんです。マイナス!あらマイナスはどうやって教えたらいいだろうか、それで、マイナスの出ない問題をやりましょう、と思ってX−1=0のときはX=1になりますね。こういう問題だけ最初にやっ たんです。でも片手落ちなんですね。その後で、つっかかった所というのは、二次方程式に入ったところでした。これは子供がつっかかったんではなくて、私が子供にどう説明したらいいかつっかかったんです。私がわからなかったんです。
                               xN= の時に、X
の答はどうなるかと言いますとプラスとマイナスの答が出てきますね。この時に始めて、理屈をつけないでプラスはプラスとマイナスという値があるんだということ、それを子供に説明しました。そしてそれをそのまま、ひき算に応用しまして4−6=−2こういう問題を沢山出しました。大体50題くらいやりました。次に二乗とか、指数法則にな りますけど、この指数法則をよく考えないと、プラス、マイナス、の因果関係がちょっとわからないんです。そこで奇数と偶数の問題が出てくるんです。
 この指数法則では、
 プラスの数のx乗はすべてプラスになります。
 マイナスの数の 2,4,6,8,のような偶数乗はすべてプラスになりますが、
 マイナスの数の 1,3,5,7,のような奇数乗はすべてマイナスになります。
ということを説明しました。  この説明は一回だけです。指数法則を一度説明しただけで、あとは全部わかるんです。こんなこと嘘のように思いますけれど、本当にわかるんです。これは私だけでなく仙台の中野さんも全部わかると言っています。
 そしてこの後、しばらく間がとだえて遊びました。一次方程式、二次方程式までやりますと、三次、五次・・・全部一度に瞬間に答がだせます。いくら答の数字をだしても、全部正解を選びとります。それで、こどもが「あれ?」という顔をして答えないときは、私の問題の出し方が間違っていたか、あるいは答を書くときにプラス、マイナスの符号がおかしかったり、何かしているんですね。答えないんです。おかしいな、と思って「ふざけないで、ちゃんとやってちょうだい」というと、黙ってのらりくらりとしているんですね。そうしますと、私が計算間違いをしているんですね。大人の方か間違っているんです。
 それと、その後は三角形の面積、円の面積、球の体積ですね。これも全部かけ算の応用です。ただ説明をするときは、ちゃんと書いてみて 底辺×高さ÷2 で、三角形の面積が出ます、ということと、センチメートルの符号にも指数のつくことを必ず説明します。一度説明をしましたら、面積も体積も全部計算できます。
 ここまではかけ算の延長でいいなと思ったんです。
 その次に、高校入試直前に、新聞などに予想問題が出ますね。その問題をやってみると、新聞の答と違うんです。答は4なんですね。私がやると答は2になったんです。この2を出すまでに私は10分かかったんです。子供に「ちょっと待っててね。お母さん、計算してみるから」と言って10分かかって間違った答を出したんですね。それて問題を言って、この間違った答も含めて、子供に6つくらい答を並べて「このXの値はどれだろうか?」と言ったらニヤリと笑って「4です」と言ったんです。その時の顔は、楽しいという感じでした。もっとやりたいな、と言っています。これはあまりやり過ぎると、きりがなく続けてしまうことになりますので、私は半年くらいほっておきます。
 このドーマン法のままで、ドッツカードを続けていく時に、最初の四則混合までは、このカードを見せていきますが、後はただ、読み上げるだけでいいんです。
 今はどういうふうに進んでいるかと言いますと、本当に何ケ月かに一度ですけれども、例えば、珠算の能力検定の問題集がありますね。これは一番最初に、答を全部問題の脇に書いとくんです。何憶何千の桁になりますと、ソロバンも何もやっていませんので、私が読めないんです。それで、その側に平仮名て書いておくんです。それで書いておいたものをズラズラッと読みます。10題くらい一度に。
 例えば、子供に「72803*6491=472,564,273になるんだって」と言うんですね。これだけです。これをやる時には、四捨五入のことを教えてなかったんですね。ズーッと読んでいきましたら、子供が 「お母さん答間違ってる。そこおかしいよ」 と言うんですね。何がおかしいのかな、と見ましたら、小数点の多い計算のときに、四捨五入のことを教えてなかったので、子供はそこで、お母さんがおかしい、間違っていると思ったんですね。そこで、四捨五入ということを教えますと、それはもう、ああそうかというような表情でした。後は、中学生、高校生の薄い問題集にすべて答を書いて、ページの右端に微分・積分とは?無理数とは?と書いてあるのを選びまして、その中からダーと読みあげるんです。
 「今日は微分・積分をやります」と言って微分・積分の注意書を読んだら、あとは問題をやります。
 循環小数にしても、例えば 13.54444....と割りきれずに循環する場合、ずっと繰り返される4の上に点をつけて 13.54(4の上に点をつける)とするんですね。この循環小数を説明したときは、子供がどんな態度を示したかと言いますと、ケタケタ・・・・と笑ったんですね。面白かったんでしようね。こういうのも子供には一回でわかっちゃ うんです。
 ドッツで教えるこの方法は、子供には確実です。1たす1は、指を折りながら2です、3です、4ですとかやってたら、たし算やかけ算の繰り上げの説明などなかなか大変になります。ドッツカードなら、カードでやったあと「4+9=13 口で言ってご覧」と、これを3〜4回言わせれば確実に「4+9=?」というと「9」と言えるようになります。そういうことに気がついたのは、本当に最近で、今、口で言える訓練をしています。
 七田先生のところで、ドッツメソッドをとってやってらっしゃるお母さんで、始めから子供が数式を一緒に唱えている子供は、ちゃんと答も言えて、カードを見たら、答が言えるって本に出ていますから、これは本当に出来ると思います。
 それから、家の子供は5歳になったばかりでこざいますが、顔つきはちょっとませた所と、非常に幼い所とあるんですね。5歳は5歳の子供で、5歳なりに甘える部分がすごくあるんです。
 能力の高い子供というのは、どうしてもお母さんが中学生くらいで見るんです。私があの子の大体のレベルを見て、話しかけるレベルというのは、高校生位のレベルで話しかけているんです。物を問う時とか、悩みごとを訴えるときとか、やっばり高校生、大人ぐらいの間隔ですべて言います、だから大人の感情の悩みなり、そういうものは、あの子は全部わかります。七田先生が、お母さんと子供はESPですか、超能力で結ばれていて、感じが全部伝わると言われますが、本当に全部わかるんですね。親が、今日のドッツの講演があるということで緊張が続きますと、子供が風邪とぜんそく、湿疹みたいなのが現れるんです。おわるとピタッと止まるんです。親の緊張で、別に子供につらくあたっているわけではないんですけれど、親が緊張しているのが、子供に伝わるんです。話の内容でも大人並のことを聞きます。ただ書くことなどは、無理にやらせていないので、今の段階では、たまに自分でお手紙書いたとか言って簡単なものは書いています。
 それから、平仮名は全部読めますし、漢字は1年生の漢字は全部読めます。今1年生の漢字の音読み、訓読みの勉強をしています。これは無理にやったんではないんです。このドッツカードを終了したとき、このカードの半分くらいの大きさにマジックで漢字を全部書いたんです。1年生の漢字は貼つけておきまして、平仮名と一緒にパーッと見せたんです。1ケ月くらいの間に「これは、あ」「これは、い」といった感じで、それだけのことなんです。
 それで、子供は平仮名を読めるようになったんです。不思議ですね。別に指示しながら文の脈絡を教えたんじゃないんです。ただし、文字が書いてある場合、お母さんが声を出しながら、指さしながら読んであげると、これは早く覚えるようです。家の子供はドーマン法をやっていましたので、同じようにやったら無理なく覚えちゃったんです。
 で漢字も2年の半分くらいは読めます。かなり長い本も読めるんですけど、一つの事を努力して、長くやっているという性格ではないんですね。これは赤ちゃんの時から見ていますと、そういうタイプだから、ドーマン法をやったから、そういう子供になったと言うことじゃないと思います。
 本の読みは、中学生ぐらいや大人のものでも、私が読んで楽しいお話とか、いいお話というものは、時々読み聞かせます。あるいは、4〜5歳くらいの簡単な本ですと「今日はお母さん早く寝るから、寝るために読んで聞かせてちょうだい」と言うと、子供が最後まで読んでくれ、「おやすみ」と言って私のほうが早く寝ちゃう時もあります。すると子供が「今日はお母さん、いい子だったね」と頭をなでて、寝かしつけてくれる日もあるんです。
 不思議なことに、難しい本でも何回も何回も読んでいますと、子供は全部暗記してしまうんですね。そうすると、読めない漢字を含めてでも、全文を読ませたとき、平仮名を見て全部わかるんですね。知らない本はつっかえ、つっかえ読むんです。これは不思議ですね。子供にとって何回も何回も読み聞かせをしてから、殆ど暗記してから、本の読みに入るというのは、とってもいい方法だと思います。胎教でもそうですし、ドーマン法も耳で聞いて目で見る、これが大切なことだと思います。この感覚であります。

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