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天才児を創る 2
いつ、何を、どう教えたらいいか(2)
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〔 2 いつ何をどう教えたらいいか(2)〕
2 いつ、何を、どう教えたらいいか(2)
●絵本の中に「動詞」はいくらでもある。
効果的な口頭作文方式
動詞を教えるには、語彙をふやす意味からも、絵本を利用するのが一番良い。
絵本を読んでくれという子どもの要求には、嫌な顔をしないで、10回でも20回でも読んであげてください。大人には同じにしか伝わらない感動が、幼児には1回1回すべて違うのです。
「講談社のおはなし絵本館」第一巻の「ももたろう」を調べてみますと、こんなに動詞が出てきます。
働く、行く、流れる、来る、寄る、入る、抱える、帰る、待つ、拾う、食べる、言う、割る、割れる、生まれる、誘う、寝る、呆れる、担ぐ、戻る、置く、潰れる、遊ぶ、起きる、作る、思う、引く、通す、下げる、出かける、飲む、見送る、歩く、打ち寄せる、出る、乗る、めがける、漕ぐ、住む、下さい、やる、渦巻く、見える、閉まる、開ける、食う、さらう、盗む、笑う、飛ぶ、つつく、飛び込む、引っ掻く、噛みつく、ほじる、叩き潰す、許す、あげる、謝る、積む、着く、
これだけ(61)あります。
「動詞カード」を作って、その動詞を使った文章を自分で言ってから、次に子どもに口頭作文させる。
●わかりにくい形容詞、形容動詞の教え方
絵本の書き込み・親子の会話で
形容詞、形容動詞を多く知っている子どもが、いわゆる感受性の優れた子どもになります。
絵を言葉で解説します。(内容とは関係なくてもよい)
「黄色い帽子」「赤い服」「寒そうな空」「優しい顔」「悲しい顔」「嬉しい気持ち」「困った様子」「強い鬼」「強い桃太郎」「長い刀」「短い刀」など。
子どもとの話し合いの中で、気持ちを聞き出して、「カード」に書き出していく方法。
実物によって、形容詞を広げていく方法。
赤い鉛筆 青い鉛筆
長い鉛筆 短い鉛筆
丸い鉛筆 六角形の鉛筆
●「手をこまねく」は子どもでもわかる
ゼェスチャーで説明すればすぐ理解できる
3歳の子どもは、次のような問題が解けるだけでなく、言葉の意味を理解したり、書いたり、日常会話で使ったりできる。
a 指を イ かかえる
b 頭を ロ こまねく
c 手を ハ くわえる
これは左と右を意味がとおるように結びつける、中学の入試問題です。
指をくわえるは、 「うらやましいなあ、っていうこと」
頭をかかえるは、 「困ったなあ、っていうこと」
手をこまねくは、 「手を組んで何もしない、っていうこと」
と、実際の動作を示して見せてやると、そういう動作は非常に幼児的な比喩であることが理解できるでしょう。子どもはすんなりわかってしまいます。
「カード方式」
2枚1組になったペアのカードをいくつも作ります。このカードを百人一首のように上の句と下の句にして、二人でわけます。ジャンケンで先攻を決め、勝った方がカードをよく切って1枚並べます。後攻の人は、そのカードに合うカードをすばやく選び出してくっつけます。
食べる かぶる
読む かける
はく くわえる
こまねく ケーキを
はく 靴を
帽子を 組む
指を 靴を
眼鏡を 手を
腕を 本を
ゆっくり三つ数えて反応がなければ、次のカードを隣に並べることができます。三つ数えるうちに置けたら、今度は好きなカードを置くことができます。
●上下左右はどう教えたらいいか
効果抜群! 「動物アパート」
座布団の上に子どもを立たせ、マジックインキで足の形を描いた。その形の中央に右には黒丸2つ、左には黒丸3つつけました。子どもは足の形を早く覚えます。
手の右、左は「動物アパート」ですぐ覚えてしまいました。
大きな模造紙に動物のアパートを作ります。6階建てで、1階ごとに5部屋、全部で30匹の動物が住んでいます。上下左右の概念を刺激します。子どもの好きな動物は3〜4階のまんなかの部屋つまり中心部に置いてやると、わかりやすいのです。
○兎の左は誰ですか? 兎の右は誰ですか? 兎の上と下は誰ですか?
○兎の2つ右は誰ですか? 3つ下は誰ですか?
○右から3列めに住んでいる動物をみんな言ってください。
○下から3段めに住んでいる動物をみんな言ってください。
○コアラはどこに住んでいますか? コアラの2つ下の3つ左は誰ですか?
○右から2番めの下から2段めに住んでいるのは誰ですか?
こんなことを、急に言えるわけがありません。指で一つ一つ押さえながらゆっくり言います。
「兎の、2つ上は、サイですね。サイが住んでいるのは、右から、1、2。2列めですね」
インプットなしにはアウトプットはあり得ません。
何せ、どうぶつを30も描くのですから、子どもが一朝一夕で覚えてしまってはかえって、がっかりするというくらいの気持ちで、あせらず毎日ゆっくりやってください。
●むずかしい漢字も「電話ごっこ」なら簡単
漢字でしゃべるから早く覚える
「電話ごっこ」をするときは、できれば襖越しで遊びます。
good
situation
母 「リカちゃん、これから何をしましょうか」
子 「いっしょに、こうちゃを、のみましょう」
母 「一緒に紅茶を飲みましょう、と言ったのね」
子 「はい、そうです」
母 「では、少し待っててね」
こうして、素早く漢字で「一緒に紅茶を飲みましょう」と書いてやります。そして、カードの文をはっきり読ませることによって、会話を続けていく遊びです。カードは、普段の「言葉カード」より少し長めのものがよいでしょう。
漢字を知らない子どもの耳には、話し言葉は「ひらがな」という音標文字で入ってくるため、「さけ」「さかや」を聞いただけでは頭の中はごちゃごちゃになるが、ひとたび「酒」「酒屋」という漢字を教えてから「さけ」「さかや」と発音してやれば子どもにもすぐ「さかや」が「さけや」の変化だとわかるのです。
子どもは普段、ひらがなでしゃべっているのです。それを漢字でしゃべらせるということなのです。
電話カードを作ると、子どもはいくら難しい漢字がその文章の中に入っていようが、すらすら読んでしまいます。なぜなら、それは他ならぬ自分が、苦労して集めた語彙で構成され、母親に添削された最も大事な一文だからです。
いつも子から母へだけではなく、母から子への電話ごっこも混ぜていくとよいでしょう。
●絵本読みは語彙吸収の宝庫
朗読の仕方でこうも違う
語彙が豊かな子はどの子も本好きですが、本好きの子どもの親は、
きまって朗読が上手です。朗読が上手な親に本を読んでもらって育
った子どもは、理解力もそうでない親に読んでもらった子どもより、
ずっと上をいきます。創造力も豊かです。
どうしてでしょう。もちろん、朗読が上手な親というのは、わかり
やすく読むからです。
読み方は、早すぎても遅すぎてもいけません。
子どもは、日本語を学びはじめてごく日の浅い外国人と同じなのです。
朗読には、表情もなければなりません。
発音は、正確でなければなりません。
読んでいる途中で口をはさんだとき、叱らず、わかるよう納得させてから、また初めから読んでやります。
難しいいいまわしだと思うところは、それを読み終えてからもう一度、噛み砕いて説明してやります。そして、そのいいまわしの意味を教えた後で、そのすこし前のきれのいいところから、再び読み直してやります。
また、感想を途中で言い出してとまらない子どももいます。そんな時にはしゃべりたいだけしゃべらせて、次に進むのです。
読み終わってから、自分で感動にひたる時間をもちたいものです。しいて感想を求めないようにします。ときにはつよい感動部分を感動表現してあげることも大切です。
お昼の前のラジオ放送の「朗読」の朗読の仕方や、テレビアナウンサーの「話し方」の、発音の仕方、間の取り方、スピードなど比べて参考にするのもよいでしょう。
●語彙を増やす字のない絵本
(自分で本が読めるようになってから)正確な描写で説明させる。
字のない絵本が市販されています。子どもの言葉の発達を知り、チェックするのに大変いい教材です。同時に、絵のどういうところに子どもが注意を向けて話しているかを見極めることによって、子どもの興味や注意力、欠けている知識などを確実につかむことができます。
「たまにはお母さんにも絵本を読んで」
と言って渡します。
一度もそういう訓練を受けたことのない子どもは、ただ、
「こうなって、こうなって、こうなって」
と言いながら、一枚ずつページをめくっていくに違いありません。そんな時は、「お母さんは夕飯の支度をしていますから、リカちゃん、このご本を読んでおいて、あとでお母さんにお話ししてね」
とでも言ってごらんなさい。子どもというものは、愛する人から、
「なになに、しては駄目よ」
と言われるよりは、
「なになに、してくださいね」
と言われる方が、大変喜ぶものです。
はじめての時には助け舟を出してやります。
助け舟の出し方は「天才児を創る」98頁を参考にする。
最初は、1頁だけにして「説明の仕方」を学び、だんだんと説明の要領をつかみとらせていけばよい。
何度めからは、子どもは自分で本を抱えてきて、読んでくれるようになります。小さい子どもが遊びにきた時など、みごとに読み聞かせることができるようになります。
●漢字混じりの“分かち書き”本を与える
ひらがな文は 読みにくい
漢字混じり文は 読みやすい
[ねずみのよめ入り]
A 「むかし、あるところに、たいへんきれいなねずみのむすめがいました」
B 「昔、ある所に、大変きれいな 鼠の娘が いました」
どちらが読みやすいか、言うまでもありません。
子どもがよむ場合、極端にいえば、
A 「む か し、あ る と こ ろ に、た い へ ん き れ い な ね ず み の む す め が い ま し た」
となって、とても意味を取りにくいのです。 まして、
A 「ふたえにまげてくびにかけるじゅず」
B 「二重に曲げ、手首に掛ける数珠」
「二重に曲げて、首に掛ける数珠」は間違い
こんなのになると、大人でも困るものです。
●「昔、ある所に、大変きれいな 鼠の娘が いました」の“分かち書き”
子どもに朗読の指導をする時には、まず“分かち書き”の単語ごとに読ませます。続いて句ごとに読ませます。完全にわかってから声にださせます。だから、その結果として、最初のうちはきわめて遅い朗読になります。
この訓練では一度にたくさん読ませずに、1〜2ページくらいにします。何回か読みますと、別人のように読めるようになります。つまり子どもへの負担が少なく、読みやすく、しかも意味がかわる喜びで目を輝かせます。さらには、人にわからせようと読むようになります。
この“分かち書き”の本は、自分で作らなければなりません。こうした本を
100冊作り、それを繰り返して読んでいると、教育漢字のすべて、当用漢字の大方を読み、かつ理解するはずです。
●文章力をアップさせる連想ゲーム
ゲーテも同じやり方で育った
ゲーテも、実は早教育を受けた人でした。ゲーテの母親は、毎晩息子に話をしてやり、一番おもしろいところでぷっつりと切って、こう言ったといいます。
「さあ、あしたの晩までに続きを考えていらっしゃい」
こういう訓練を母親に毎日してもらったというケーテの幸せを、私は大層ねたましく思いました。
文章を上達させるためには、文の構造上の性質を慣れることによって理解してしまうことも大切ですが、「概念で一つのビットを拡散思考する」知能因子を訓練することが大切です。
“しりとり”遊びは、子どもの語彙を増やしていくためにはいい遊びですが、渡しは拡散思考を訓練する“連想ゲーム”をおすすめします。
「好きな食べ物は何ですか?」
「アイスクリーム」
「アイスクリームは甘いですね。甘い物は何ですか」
「チョコレート」
「チョコレートは茶色ですね。茶色いのは?」
「熊さんのぬいぐるみ」
「熊さんは足が4本。足が4本なのは?」
「きりんさん」
「きりんは首が長いですね。首が長いのは?」
「ろくろっくび」
「ろくろっ首はお化けですね。お化けは?」
「からかさおばけ」
「唐傘は雨の日に使いますね。雨の日に使うものは?」
「長靴」
「史子の長靴はピンクでしたね。ピンクのものは何?」
「私のリボン」
「リボンは、何の形かな?」
「蝶々」
「蝶々は春になると出るね。春になり見られるのは?」
「チューリップ」
「今出てきたもので、お話をつくってごらん」と集中思考させます。
「ろくろっ首のきりんさんと唐傘お化けが、長靴を履いて、熊さんのぬいぐるみのそばで、アイスクリームとチョコレートを、食べています。私のリボンのような蝶々が、チューリップの周りを飛んでいます」
たとえおかしくとも、ストーリーができあがってきます。
この“連想ゲーム”は折々一日プログラムの中に取り入れてやりましょう。
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