No.180

純手打ち讃岐うどんあや(02/10/13)

ジャンル ラーメン
最寄り駅 東急田園都市線宮前平駅
電話番号 044-976-5433
住所 神奈川県川崎市宮前区犬蔵1-9-21
場所の目安 宮前平駅から尻手黒川道路を百合ヶ丘方面に進む。東名高速道路をくぐり、犬蔵の交差点の先250mくらいの右側
営業時間 10:30〜15:30頃(麺売り切れ次第閉店)
休み 火曜日
予約 不可
駐車場 無し
お品 あつあつ、ひやあつ、ひやひや、ゆだめ、しょうゆ 各小300円、大450円
縄連(じょうれん)(夏季限定)500円
おにぎり、天ぷら各100円(セルフサービス)
ホームページ  

地図はこちらから
コメント
 この店の噂を聞いたのは、今年の3月だった。行ってみようと思いつつなかなか機会が無かったのだが、なんだか春頃からブレイク。
 今では、週末大行列の店になっている。All about japanやdancyuに紹介された影響も大きそうである。

 ご主人は、川崎生まれの川崎育ち。讃岐の「山内」と言うお店で食べたうどんに魅入られて、「山内」での修業を希望するもお弟子さんが多くてちょっと無理、そこで紹介されたのがこれも有名店の「あたりや」。ここで1年半の修業をして、今のお店の開店に至った。

 讃岐のそのまんまのうどんを出すことを目標に、一切アレンジしないことにしたそうで、うどん粉、だし、薬味のネギ、塩まですべて「あたりや」と同じ物を使っている。水だけは丹沢の湧き水。でもこの水も非常にいい。店内にあるセルフサービスのお冷やはこの湧き水を使ってる。飲んでみればその水の良さがはっきりとわかる。
 これでダメだったら、トラックのハンドルを握る覚悟でいたとか。

 お店は駅から遠く、駐車場もない。その場所で、このうどんを出すことには、躊躇があっただろうと想像される。讃岐のそのまんまのうどんを出すと言う考えは、結果的には大成功だった様である。

 かみさんと二人で昼食を食べる時間が出来たので、この店に行ってみることにした。
 行ったのは、日曜日の12時ちょっと過ぎ。店の前には10人ほどの行列が出来ていた。回転が早いので15分ほどで店内に入れた。  店内はカウンターのみで16席。セルフサービスが基本で、席への案内とかはない。前の人が食べ終わったら席について、まずはうどんをオーダーする。
 あつあつは、熱い麺に熱い汁。ひやあつは、冷たい麺に熱い汁。ひやひやは、冷たい麺と冷たい汁である。ゆだめは、いわゆる釜揚げ。醤油は熱い麺のみのもので、醤油をかけて食べる。縄連はざるうどん。

 オーダーが済んだら、お冷や天ぷら、おにぎりは、セルフサービス。 席を立って自分で取りに行く。
 天ぷらとおにぎりはガラスのショーケースの中に置かれている。同じくケースの中にある皿に食べたい物をとって、自分の席に持って行く。お冷やは、是非お飲みください。ここで使っている水の良さがわかります。

 カウンターの中では、ご主人は、事前に仕込んだうどんを順次伸ばして切っています。切り終わると空いた釜にそれを入れる。茹で時間は、8〜9分。釜のうどんの茹で具合は、奥様が見ています。茹で上がると釣りに使うような網で麺を上げて、中央のシンクに持って行く。
 熱い麺は茹で上がりをそのまま丼に。冷たい麺はこのシンクで冷やされます。汁をいれて、薬味のネギが入って各席へ配られます。
 讃岐うどんにつきものの生姜は、小さなおろしといっしょに各席へ置かれ、自分で必要な量をすり下ろして使います。
 テーブルには、醤油、一味、天カスなどが置かれており、後はそれぞれが自分の好みの味を作って食べます。コロッケなどもあるので、テーブルにはソースもあった。

 わたしは、ひやひやを、かーちゃんはひやあつをオーダーして、天ぷらをそれぞれ2つずつ。
 さて、感想です。


 汁のベースになるのは、いりこ(小型のかたくちイワシの煮干し)。これに昆布などの海産物が入る物で、透明で味も雑味が少ない。いりこ特有の香りがあり、なれない人の中には、気になる人もいるかも。ただし、いりこが入っている割には、苦味は弱い。いりこ(煮干し)の苦味は、その内臓の味。ここでは、だしを取る前に1つ1つはらわたを取り除いていると言う。
 これに塩と薄口醤油の味付けで、本当にサッパリした汁である。特にひやひやの汁の様に冷たいと、ミネラルウオーターい塩を入れて飲んでいるような錯覚すらする。


 太めの断面が正方形のうどん。角が立っていて、見た目にも腰があることがわかる。透明感があり麺の表面には艶がある。
 讃岐のうどん好きの方にとっては、これでもまた、艶も透明感も今一らしいが、私がお目にかかってきたうどんの中ではピカ1のものであった。
 福生の麦太のうどんも凄いと思ったが、ここのは、それを凌駕する。

 うどんの一本を箸でつまんですすり込むと、そのまま喉へ流れて行きそうになる。讃岐のうどんは喉越しで味わうと言うのこのことかと思う。
 前歯で麺を噛むと、簡単には切れない。麺の持つ弾性が凄いのである。力をさらに加えて行くとやっと歯が麺の中に入って行く、一気にさっと切れる。
 このプルッっと言う食感がまたいい。 麺を大量に口の中にいれると大変な事になる。噛みきれないのである。
 麺を口の中で噛み続けると、小麦粉の香りと味がまた心地よい。

 まさに、おそるべし讃岐うどんであった。


 うどんには、ネギがかかるのみ。うどんといっしょに、生姜が出される。これは、小さな下ろし金の上に置かれていて自分の必要な量をすり下ろして使う。
 テーブルには、天カスがあって、これは使い放題。
 あとは、セルフサービスで取ってくる天ぷら。天ぷらは揚げたてではないので油っぽいが、アッサリとした汁にはこれくらいのアクセントがあってもよい。


 行ったことのない讃岐。たぶん、讃岐のうどんのスタイルはこの店に近いのだろうと、そんなことを想像できるお店であった。
 いらっしゃいませの声はあるのだが、店の人と客とのコミュニケーションが無いことがちょっと寂しい。

前のレポートへ上位へ次のレポートへ