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コメント ラーメンのオフ会は別として、ラーメンを食べるだけの為に初めて都心のお店に行った。私は、自分の生活圏にある食べ物屋を中心にレポートを書いている。自分がいつでも食べに行ける店の記録を残すためである。 記録の中心は、ラーメンになっている。気軽に食べに行けるものであること、HPの立ち上げとラーメンブームがちょうど一致して情報が多くあったこと、多種のラーメンが存在し評価を書くのが比較的簡単であったこと。などが理由である。 自分の生活圏内のラーメンについて、書き続けていて、どうしても食べておかなければならない、他地域のラーメンが出てきた。その一つがこの二郎三田本店である。 昨今のラーメンの高品質化の流れの中でも、昔からの絶大な人気を維持する二郎。ラーメンブームに乗って登場した高品質(こだわりのラーメン)ラーメンとは、全く別の存在としか思えないのだが、三田のお店は常に行列があり、支店が出来る度にラーメン掲示板では多数の書き込みがある。 多摩にも支店が増えてきた。これらの支店を試して見ようと思っていた矢先、二郎ファンの知り合いから、「二郎を食すならまずは、三田の本店に行け」と言われた。それ以来、多摩の支店で食べる前に三田に行くことが私の課題となっていた。 会社の夏休み突入の初日。やっと二郎に行く時間が出来た。家族を実家に届けて、そのまま一人車で三田に向かった。 二郎の行列に列んだのは、ちょうど12時。20人弱の人が列に並んでいる。大学休みの時期だし、お盆も近いし、そんなに長い行列はないと思っていた私の期待は、完全に裏切られた。 そしてこの行列が、なかなか前に進まないのである。三田二郎には2つの入口がある。券売機のない方の入口にさしかかる頃、店内の様子が見えてくる。食べている人の丼の中身が見える。なぜか減って行かない。通常のラーメンを食べるペースに比べると異様に遅いのである。行列の原因はこれかと思いつつ、丼の中身がなかなか減らない理由がわからない。スープが熱いのかな〜〜〜なんて思いながら、30分ほどしてやっと、券売機の前までたどり着いて、店内の状況がわかるようになった。兎に角、ラーメンがヘビーなのである。時間かかっても食べきるだけすごいと思った。 みんな、大を頼んでいるのかなと思いつつ。小ぶたを買ってしまった。その後になって気づいたのだが、食べている人のほとんどは、大ではなく小のほうなのだ。すごい。そりゃ食べるペースも遅くなるよ。 外観は、写真の通り、店内は黒が基調(ウソ)。長年の脂で汚れた店内は、黒が基調と思えるようなもの。カウンターのみで15人程度の収容。カウンターも厨房も狭い。 券売機の前まで来て、店内が見渡せると、この二郎の厨房で行われる行為が目の当たりに見える。これが、すごい。これだけ迫力のある厨房を見たことがない。 一番の迫力は、スープの寸胴である。スープの材料が、寸胴全体に詰まっている。山盛りで溢れそう。一番上には、スープの中に浸かれないでいる紐で縛られたチャーシューが生のままのっかっている。その上に、8cm角ぐらいに切られたキャベツがさらに押し込まれる。スープを取り出すレードルを入れるスペースもない状態である。 じゃあどうやってスープを取り出すのか? 麺上げと供用の平ざるで、具材を押しのけてレードルを入れるスペースを作るのである。ザルの向こうには、生の豚肉がある。ホントにこれ食って大丈夫なの?と多少不安になる。アク取りなんて行為は無用の物のようである。 元ダレは、スープの中で煮込まれたチャーシューが大量に漬け込まれた容器のなかから、取り出される。丼につがれる量はかなりアバウト。スープの量もまたかなりアバウト。そして、丼に注がれるスープの量は以外に少ない。理由は簡単、溢れんばかりの麺がこの後に投入されるのである。 麺の鍋は、丼が並べられたテーブルの横。それほど大きくない。ここに多量の麺が一気に投入される。お湯替えの直前で合ったようで、湯はどろっとして、黒っぽい感じだった。麺を茹でる時間はかなり長い。麺が茹で上がると、平ザルで1つ分づつ引き上げられる。湯きりはほとんどなくそのまま丼に投入される。麺をほぐすこともしない。チャーシューと野菜が盛られ、ニンニクが投入されて出来上がり。 ちょうどこの一行程が終わったところで、席が空いて、私が座ると野菜を入れるか、ニンニクを入れるか聞かれる。あれ、ずいぶん早いなと思っていたら、1つ余っていたやつが私の前に(^_^;) このところ多くなっているラーメン屋と正反対の店だった。店は汚く、女性一人で入るには勇気がいりそうだし、スープの作り方も、繊細と言う言葉とは正反対にある。麺のお湯も湯きりもトッピングの方法もそうなのである。 ただ、この厨房に、独特の迫力があったのは確かである。 さて、こうやって出てきたラーメンの感想である。 スープ スープのベースは、トンコツに野菜。キャベツ、タマネギなど。そして、チャーシューもこのスープの中で煮られてだしとなっている。表面に浮く脂の量は多く、乳化している脂も多い。元ダレは、醤油ベースのもので、チャーシューが漬け込まれている。元ダレの醤油味は標準でもかなり濃いめである。そして、化調も多い。 脂の量は多いが、後から述べる野菜のトッピングがあるため、脂のしつこさはずいぶんと緩和されている。スープのうま味は、化調の為もあるがしっかり出ており、見た目からは想像できない様な、柔らかいものであった。 トッピングを含め、野菜を多量に使っていることが、このギトギトのスープを優しい物にしているようである。 麺 極太麺のストレート。断面は多少平たいもの。色は黄色っぽく、比較的低い温度で長時間茹でるためと、湯きりをほとんど行っていないため、表面にぬめりがある。また、丼に投入した後、麺をほぐしていないので、麺が絡まって食べづらい。麺の食感は、モチッとしており、腰はあるが固いのではなく粘りのある感じ。引き延ばせばいくらでも伸びて行くようなゴムのよう弾性がある。固いことが腰のあることではない麺の典型と言ってもいいのでは。 小(普通の量)で頼んでも通常のラーメンの倍くらいの量がある。 具 チャーシュー、野菜(茹でたキャベツとモヤシ)、ネギ、ニンニク 「ぶた」のつくラーメンは、いわゆるチャーシュー麺。チャーシューはもも肉で食感は硬め。多少ぱさついた感じはあるが、肉のジューシーさは残っている。量は非常に多い。ダブルとなるとさらに肉の量が多くなるようであるが、普通の「ぶた」でも150g以上はあるだろう。これで私は十分だった。醤油ダレに漬け込まれているため、味はかなり濃いめである。 野菜と、ニンニクは無料だがオプション。野菜は入れるのが普通の様である。私もその方がいいと思う。野菜の量は、大人の男性が片手でがっぽりつかむくらいの量で、麺だけでも、丼からあふれ出そうな量なのに、その上に山盛りとなる。ラーメンが出てきた時点では、チャーシューや麺は、どこにも見えなかった。 ニンニクは生ニンニクのみじん切り。これが多量に入る。ニンニクが入る前の味を知ることは出来ないが、ニンニクは後の事を考えなければ、入れるべきオプションであろう。但し、強烈である。翌日まで臭いが残る。 ボリュームがあった。まだ食べたいと脳が思っているのに、胃袋がギブアップした。スープとぶたの一部を残すこととなった。これは初めての体験。完全にノックアウトでした。 「二郎はラーメンにあらず、二郎は二郎と言う食べ物である」って、言う言葉を体感しました。単なる味や食感だけでは語れない食べ物。それが二郎なのかもしれない。 |