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コメント 食い物屋紹介の100軒目は、お蕎麦屋さんになった。。胃の調子がまだあまり良くないので、夕食は蕎麦にした。 本当は、場所を知っていた山泉に行ったのだが、すでに終わっていた。そのまま同じ道を走ると、100mも行かないうちに、潮を見つける。こんなに近くにあったは何とも不覚である。もっと、国分寺に近い場所にあるかと思っていた。 オープンは、96年11月。まだ、比較的新しいお蕎麦屋である。 駐車場はない。 店は木造のもの。外には店の売りである、蕎麦切りと蕎麦会席のメニューが大きく掲げられている。 店の内装は、木を基調としたもの。昔の居酒屋の感じもあるが、洗練されている。カウンターとテーブルで、30人程度。カウンターの背後の壁には、多数の器が並ぶ。客は4人。雰囲気はなかなかいいのだが、BGMで流れていたのは、歌謡曲のインストゥルメンタル。ちょいと、ずっこけた。 店主は板前歴30余年の方。割烹時代に手打ちの蕎麦を独学で始めたとの事。蕎麦は十割の生粉打ちである。今は長野産の蕎麦を使っているそうである。 奥の壁には、単品の肴のメニューが並ぶ。ゆっくり一杯やってから、蕎麦を楽しみたいところであったが、お腹の事を考えて我慢。 まずは、おろしそばを頼んだが、その後で、普通のそばきりも食べてしまった。 さて、感想です。まずは、おろしそばから。 もりそばに、大根おろしが付いてくる事を想像していたら、冷たいかけ物でした。高そうな平たい器に盛られた蕎麦に、あま汁がかけられ、辛味大根と厚削りの鰹節が乗っています。 長野産の辛味大根は、ねずみ大根ではなく、カブの様な形をしたものだそうです。これの方が、一年を通して安定した辛味があるとのことでした。 大根とそれが染みたあま汁と鰹節、蕎麦をからめて口に運ぶと、みずみずしい大根の辛味と鰹の香り、かえしの味が口の中に広がり、多少ざらつきのある蕎麦の喉ごしが、心地よい。 日本酒が欲しかった。蕎麦は、こう言う素朴なものとの組み合わせがいい。量は、普通の一人前、十分にあります。 あっと言う間に食べてしまったのですが、蕎麦自身の細かい所がわからない。腹にも余裕があったので、蕎麦きりを追加注文。 カウンターの奥には、厨房がある。料理はこっちで作っている様ですが、蕎麦は、カウンターで茹でます。茹で時間は1分以下。水で洗うとすぐにカウンターから出てきました。 細工物のざるが綺麗。そばは、極細の物。手切りであるため、多少のばらつきがある。表面には光沢があり、そのまま眺めていたい様なものでした。 蕎麦は、水で荒熱を取っただけで、通常の温度。冷たく感じる物ではありませんでした。氷水などで、冷やした方が蕎麦は引き締まりますが、食べるときには温度が低すぎて味がわからなくなる。ここの様に常温の蕎麦の方が好きです。辛汁の方も、常温でした。 蕎麦は、通常の二番粉のものです。十割蕎麦でもあり、表面の食感は多少ざらついたもの。味見に蕎麦に何も付けずに食べ始めたのですが、最後までこれだけでもいい感じだった。蕎麦の苦味と甘み、そして香り。どれも十分。常温でありながら、腰も十分にあります。最後の方には、短くちぎれた蕎麦は多少出てきましたが、十割だとこれは仕方のない事だと思う。 つゆは、鰹だしに、本返し、更に生醤油を加えたものだと思います。辛目の味で蕎麦の味をシャープに感じさせてくれます。そば屋と言うより、料亭のだしだった。 蕎麦の1/3程度を浸せば、十分なもの。薬味は、本わさびのみ。使いませんでした。ごめんなさい。 前回のほしのに続き、かなりレベルの高いお蕎麦を食べました。値段は、相応の物だと思います。と言いつつ、夕食に1800円はちょっと贅沢か。 メニューを書き写し、根ほり葉ほりと、いろいろな事を聞く私に、ご主人が切り返す。「よく知ってますけど、お蕎麦屋さんですか?」。しばらくして、蕎麦を一気にすする私の食べ方を見て、女将が「お蕎麦屋さんですか?」。連発で言われてしまった。 敵情視察に来たと思われたのかな? お金を払って店を出るとき、出口の横の座敷には、仏像の彫りかけがあった。仏像彫刻がご主人の趣味だそうです。 また行くぞ。絶対行くぞ、今度は、蕎麦会席でゆっくり料理と酒と蕎麦を楽しむぞ。 |