No.68

千ひろ(99/7/5)
ジャンル ラーメン
最寄り駅 京王線 調布駅
電話番号 0424-99-0610
住所 東京都調布市布田1丁目49−24
場所の目安 調布駅北口を出て右へ進む。道の左側に江川亭を見ながら線路沿いを進む。やがて右側にゲームセンター、その後右側に踏み切り。
 まだ、まっすぐ進み最初の道を左。
 しばらく行った右側。
営業時間 11:30〜14:00
18:00〜24:00
休み 日曜日
予約 不可
駐車場 なし
お品 鯛骨スープ麺 900円、豚柔(角煮)らあめん 850円、さつま揚らあめん 750円、、醤油らあめん 600円、味噌らあめん 600円他
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コメント

 「参った。」この言葉は2回目。1回目は、くじら軒だった。美味しかったです。

 はじめに、お断りしなければならないのですが、今日はここのラーメンを食べる前に、生ビールが一杯入ってます。また、金曜日から風邪気味。鼻が利かない。
 こんな状態で食べていますので、細かい事はわかりませんでした。
 それでも、スープは非常にすばらしい物でした。通常のラーメンとは異次元の食べ物だった。

 おっと、味の印象が強くて、先にラーメンの話になってしまった。
 お店は、調布駅の北口。旧甲州街道と線路沿いの道を繋ぐ、百店街と言う横町にある。周りは飲み屋が多い。

 石神秀幸さんの、「ラーメン王石神秀幸 東京・横浜厳選150店」と言う本に、紹介されるまで、店の存在すら知りませんでした。口コミでも聞いた事もなかった。
 お店は8年ほど前に開業したとの事。どうやって、こういうお店を見つけるのか、そのコツを知りたいものだ。

 行ったのは、夜の7時過ぎ。今日の目的は限定20食のラーメン。開店からすでに1時間が経過しているので、きっとだめだと思っていた。
 のれん越しに、「鯛骨ありますか?」と聞いたら、あっさりあると言われた。幸運以外の何者でもない。客は私たちのみ。
 食べた後で聞いたが、テレビ、雑誌のおかげで、このところ腱鞘炎になるくらい、お店は賑わっているそうです。ところが先週あたりから客が減ったとのこと。女将さんは、「お金(ボーナス)が入ると、(ラーメンなんて)食べに来ないのよ」と言っていた。何となく納得出来る。20日の過ぎの給料日前にはまた忙しくなるであろうと言っていました。
 鯛骨スープ麺食べるなら、今が狙い目かも。

 そう。鯛骨スープ麺。これが今日の目的。兎に角一度食べてみたかった。

 出てきたラーメンは、大きな、そして綺麗などんぶりに入っています。スープが透明で色も薄いので、どんぶりが生きます。
 さて、ラーメンの感想です。

スープ
 まずは、香り。ここのはこれから始まる。香りが印象として書けるスープは今までなかった。昆布と、魚の香り。臭いではなく、香り。甘い感じの香りが非常にいい。海産物の香りと言うとなら、たけちゃんなんかもそうだけど。たけちゃんの香りがみそ汁なら、ここのは料亭のお吸い物の香りです(どっちも好きなんですけどね)。

 スープのベースは、鯛の頭と羅臼昆布、あと、長ネギとしょうがかな(薬味じゃなくてスープのなかにね)。本当に透明なスープ。そこに薄く醤油をベースとした元だれが入る。表面には小さな粒となった、魚油が少量浮かぶ。

 臭みのない、魚のまろやかな味が広がる。昆布のうま味がこれを強調してくれます。甘みは鯛のものでしょう。ショウガがちょっときつい。辛みを感じるくらいに入っています。ただ、このショウガが最後までスープの味をぼけさせない。絶妙なバランスとでも言うのでしょうか。

 これだけシンプルな素材で、これだけの複雑な味を出すのはすごいことだと思います。


 麺は、細麺の縮れ麺。粘性の低いスープをからませるためにこの選択をしているのだと思います。かん水臭は弱く、味もあっさりしたもの。
 それでも、麺の味が強いと思いました。最初のうちはほとんど噛まずに飲み込んでいたのですが、よく噛むと麺の味が強く感じられて、スープの味を損ねた。

 喉越しに、麺の味を感じるくらいで十分でした。あのスープには、そうめんなんかの方がいいのかもしれない(それじゃ、鯛そうめんになっちゃうけど)。
 

 このラーメンの特徴の1つは、具らしい、具が無いことでしょう。
 ラーメンの上に乗るのは、貝割れ、針生姜、白髪ネギのみ。具じゃなくて、薬味です。

 生姜はかなり良質の物を使っています。生姜だけ摘んで食べてみればわかります。生のままなのに、ピリピリ来ない。自然に広がる辛みがあります。
 それから、偉いと思ったのは、白髪ネギ。ちゃんと白髪ネギでした。

 白髪ネギは、ネギを縦に切り裂いて、シート上に広がる表層の部分だけを使って作るのが本物。芯の部分は使いません。芯までまとめて千切りにしているのは白髪ネギではない。

 周辺だけだと、食感もいいし、苦味と言うか余計な雑味がありません。


 総評ですが、具のないラーメンをお金を払って食べたのは初めてでした。
 くじら軒は、スープ、麺、具それぞれが洗練されて、また3つのコンビネーションが絶妙のものだった。
 ここのは、スープは、特級品。コンビネーションに関しては、くじら軒に一歩譲ると思います。

 そうだ、前に千ひろのスープの作り方を、テレビで放映していました。
 鯛の頭と骨は、パルコの地下で入手しているそうです。鮮度の高い大きな鯛の頭はああ言うところでないと手に入らないそうです。

 羅臼の昆布のだしを取った後に、一度茹でた鯛の頭と骨で3時間つきっきりでスープを取って、後からネギと生姜を加える。また、うまみをうまく出すために渡りがにを最後に加えるそうです。それを一晩冷蔵庫で寝かせる。

 今日は、今作り始めていると言うことで、昆布だしを取っている最中の寸胴を見せてもらいました。
 肉厚の非常にいい昆布でした。黄金色のスープが綺麗だった。

 手間かかっています。
 900円と言う値段が高いと言う人もいるようですが、私には高いとは思えなかった。

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