No.66

とうふ屋うかい(99/6/25)
ジャンル 豆腐料理
最寄り駅 八高線 北八王子駅
電話番号 0426-56-1028
住所 東京都八王子市大和田町2-18-10
場所の目安 徒歩:八王子駅よりバス(豊田、日野方面行き)石川入口バス停下車
車:甲州街道を日野から八王子方面に進み、八王子バイパスの手前。石川入口交差点の角右側手前
営業時間 営業:11:30〜21:30
受付:11:00〜20:00 
休み 無休
予約 可 土日祭日は予約が望ましい
駐車場 店の前に10台ほど。第二駐車場に20台ほど
お品 とうふ料理 3500円、松前とうふと信田鍋 3500円、お子様料理 2300円、宴席料理5000円 油あげ炭火焼400円、松崎牛炭火焼1000円他
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コメント

 かなり強い雨が降る中、甲州街道を走る。石川入口交差点を曲がり、店の前に車を停めて門を一歩はいると、中央に池を配した庭園が広がり、池を囲むように和風の建物がある。

 ここは、八王子一円に広がる、うかい系のお店の1つです。少数のコース料理に限定し、仕入れ等を一括化して原価を下げ、安い値段で美味しい料理をと言うのが方針。
 ここも、コースが2つと、宴席用のコースが1つのみ。ファミレスの様に、多様なメニューからセレクトするのとはちょっと違います。

 とうふ屋うかいは、自家製の豆腐をメインとしたとうふ料理のお店です。店の中に掘った井戸から汲み上げる天然水、北海道産「鶴の子」大豆、伊豆大島産の天然にがり。素材に関してはかなりのレベルです。製法については情報がないので、はっきりはわかりません。伝統的な製法なら、大豆は石臼で挽くと言うことになりますが、たぶんそこまでは無理でしょう。スーパーで売っている豆腐とは別次元の物であることは確かです。

 豆腐料理のメインに置かれる豆腐はざるとうふ、豆水どうふ、松前とうふの3種類。それぞれに特徴のあるものです。

 ざるどうふは、汲み上げとうふとも呼ばれる物です。豆乳ににがりをいれて固めた物をそのまま汲み上げてざるに盛った物。型に入れたり、水にさらしたりしていないので、豆の持つ味がそのまま生かされています。

 豆水(とうすい)とうふは、ここの名物料理。吟醸とうふと呼ぶここのとうふを、豆乳の中にいれて湯豆腐として頂きます。土鍋に入ったとうふと豆乳は、食べるときも炭火で温められています。これもお湯ではなく豆乳の中で暖められているので、豆本来の味が強い湯豆腐が食べられます。また、豆腐を食べ終わった後の豆乳は、表面に膜を張ります。つまり湯葉。うちわで扇いで湯葉を作って食べる。ここ以外では聞いたことのない、趣向の料理です。

 松前とうふは、吟醸とうふと呼ばれるここのとうふを、鰹だしに浸して頂く物。暑い時期にはお勧めの一品です。

今回は、「とうふ料理」のコースを食べました。それを紹介する前に、もう一つのコースの「松前とうふと信田鍋」のお品だけ書いておきます。
 松前とうふ
 田楽(三品)
 鮪ずけ
 信田鍋(鴨肉)
 じゃこめし
 白玉ぜんざい

 松前とうふは、過去に食べているのですが、信田鍋と言うのは最近出来たメニューで、まだ食べていません。どんなものなのかわからないので、今回はお品の紹介だけ。

 では、今回食べた「とうふ料理」コースの感想です。このコースのメインは、豆水とうふ、ざるとうふからの選択になります。今回は豆水とうふを食べました。

胡麻とうふとうの花
  コースの最初は、胡麻とうふと、うの花でした。
 胡麻とうふは、黒胡麻と白胡麻の胡麻とうふが、マーブルになっているもの。土佐醤油の様な、だしと醤油のつゆに入ってきます。黒胡麻の部分は、香りが非常に強い。白胡麻の部分は濃厚な味があります。胡麻の特徴を生かした物ですが、コースの最初にこれは強すぎるのでは?と思ってしまう物。でも、一緒に出てきたうの花の方は、味付けが薄目で、胡麻の油を口の中で吸い取ってくれるような物。胡麻とうふと、うの花を交互に口に運ぶと、それぞれの味を更に引き立たせてくれます。この2品に関しては文句なし。

田楽(三品)と茶碗蒸し
 油あげ、鶏肉、ヨモギ餅の三品を、炭火で焼いたもの。
 油あげは、赤味噌。2つに折った油あげの間には、ネギが挟んであります。白味噌ベースの物で味がついています。油あげがいい。油の臭みがなくて、豆の味がしっかり生きている。
 ヨモギ餅は、赤味噌で味付け。これもなかなか。鶏肉は赤味噌に辛子が入ってます。鶏の味が強い。たぶん地鶏でしょう。三品それぞれに美味しいのですが、鶏肉を先に食べると唐辛子の味で舌が麻痺するので、後に回したj方がいいかも。
 それから、三品の共通する問題。炭火で焼いている事は確かなのですが、炭が問題。天然の物ではなく、豆炭の様な合成した炭で焼いているのではないかと思います。合成された炭独特の香りが食べ物に移っていました。

 茶碗蒸しの具は、鶏肉、銀杏、キクラゲ。料理法は完璧と言ってもいいくらいのものでした。すは全く入ってない。きめの細かいもので、舌触りが非常にいい。ただし、昆布のだしは、だめだった。渋味や雑味がある。昆布の引き出しのタイミングを完全に失敗してます。非常に残念。

煮物
 ニシンとジャガイモの煮物でした。
 ジャガイモは煮込んだ物ではなく、蒸したもの。鰹だし、味醂、濃い口醤油で煮込んだニシンに、ジャガイモが添えられていました。にしんは、臭みがなくいい味に仕上がっていましたが、煮込まれていないジャガイモは浮いていました。

豆水とうふ
 本体がどういう物かはすでに書きました。塩、湯煎されたたれ(濃い口醤油と鰹だし)長ネギの小口切りが一緒に出てきます。
 お店の人は、何も付けずに食べることを薦めますが、薬味を入れないと、味がのっぺりしていまう。お勧めは、塩です。塩を少量入れるととうふの味が、強調されて非常に美味しく感じられます。
 たれの方は、いいとは思わなかった。鰹のいいだしのが入った物で、これ単品では非常に美味しいものだと思うのですが、とうふにかけると、とうふの味が後ろに下がってしまいます。
 また、ネギは水にさらしたものでシャッキリした食感があるのですが、これととろける様なとうふの食感がミスマッチ。ネギはほとんど使いませんでした。

 自分で作る生湯葉。これは一度お試しください。出来たては、やっぱり美味しい物です。

かき揚げ
 小海老とネギのかき揚げ。衣には小麦粉以外に、米粉が入っている。米粉がはいるとカラッとした物になるのですが、私は好きになれない。かき揚げの煎餅を食べているような感じになってしまう。まあ、天婦羅の専門店ではないのだから、このあたりは仕方ないかな。天つゆは、かつおだしに濃い口醤油と味醂。これは美味しかった。全部飲んでしまった(^^;

深川めしと白玉ぜんざい
 深川めしとあるのだが、アサリご飯を蒸した物。深川めしは、ネギとあさりをゆつで煮込んだものをご飯にぶっかけるもの。ここのは、ずっと上品。ショウガが効いている。
 でも私には物足りなくて、とうふの薬味のネギをかけて食べてしまった(^^;

 ぜんざいは、粒あんの冷製。ちょっと、甘すぎた。また、とうふ屋なんだから、豆にはもうちょっとこだわってもらいたいと思った。

 総評ですが、高級料亭の味なんてものには到底近づけませんが、化学調味料のなどを使わず手作りでいいものを出していると思います。
 メインとなるとうふは、期待を裏切らない。3500円と言う値段は非常に安いと思います。ファミレスより一段上の物を食べたいと思ったときには、お勧めのお店です。

 

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