『解かれた魔法 運命の一日』〜第39話〜






                                   
                               

                                       投稿者 フォーゲル






  「♪〜♪〜♪」
 わたしはご機嫌で掃除機を掛けます。
 今日は、絶好のお掃除日よりです。
 「はぁ・・・だけど、和志くんもしょうがないですね」
 そうです。今日わたしがお掃除しているのは、和志くんのお部屋でした。
 2・3日前、和志くんが、『一人暮らしは気楽でいいけど、掃除とかが面倒くさいんだよな〜』と言ってました。
 それを聞いたわたしは、思わずこう言ってました。
 「じゃあ、わたしがお掃除してあげましょうか?」と。
 最初は、和志くんも遠慮していましたが、わたしのお願いに最後は根負けしてくれました。
 「分かったよ。けど、気が向いた時でいいからな」
 和志くんはそう言って、何かをバックから取り出しました。
 「じゃあ、これ。渡しておくから」
 和志くんが手に持っていたのは、一つのカギでした。
 「それ、ウチの合鍵だから、好きな時に入って来ていいぞ」
 「あ、ありがとうございます。・・・嬉しいです」
 「どうしてだ」
 「だって、『合鍵渡す』って恋人同士の基本じゃないですか」
 「そ、そうか?」
 「そうですよ〜」
 わたしと和志くんが恋人同士になってから2ヶ月・・・やっと一歩先に進んだような気がしました。



 そして、わたしは和志くんをビックリさせてあげようと思って、和志くんのいない時に家に上がらせて貰いました。
 自分がいない間に家の中がキレイになっていたら、和志くんがきっと喜んでくれると思ったから・・・
 「う〜ん、お掃除はこれくらいでいいですね」
 和志くんは魔法絡みの資料とかが置いてある部屋はキレイにしてましたが、
 (魔法のことはわたしは、よく分からないのでタッチしてませんが・・・)
 自分のお部屋のことは、案外無頓着でした。
 お洋服は脱ぎっぱなしだし、洗濯した物は畳まずにタンスに入れてありました。
 (兄さんもそうですけど、男の子ってどうしてこう無頓着なんですかね)
 まあ、だからこそわたしは、やりがいがありますけど・・・
 (それにこうしてると・・・し、新婚さんみたいですし)
 自分で自分の考えにドキドキするわたし。
 「さ、さて次は何を・・・」
 ふと、目をやるとお布団が目に入りました。
 (外はお天気ですし・・・お布団も干してあげましょう)
 わたしはお布団を抱えるとベランダに出ました。
 


 お布団を干している間に、お腹を空かせて帰って来るだろう和志くんのためにお昼ご飯の準備をして、
 ちなみに和志くんは、伊吹ちゃんのところに行って修業を受けています。
 わたしはお布団を取り込みます。
 お日様でフカフカになったお布団をギュッと抱きしめます。
 フカフカになったお布団からは、お日様の匂いと―――
 (和志くんの匂いがします・・・)
 まるで和志くんに抱きしめられてるような幸せな気分になります。
 (和志くん・・・喜んでくれるといいな)
 


 『スゴイな・・・これ全部すももがやってくれたのか?』
 自分の部屋を見た和志くんは驚いた声を上げます。
 『えへへ・・・そうですよ』
 『すもも、ありがとう』
 和志くんはそう言ってわたしを抱きしめます。
 『和志くん・・・嬉しいです』
 『すもも・・・お前は本当に可愛いな』
 和志くんはそう言ってわたしにキスをします。
 『あっ・・・ふんっ・・・』
 わたしの唇から、熱い吐息が漏れます。
 気が付くと、わたしは和志くんにさっき干したお布団の上に寝かされていました。
 『ダ、ダメだよ・・・また汚れちゃうよぅ・・・はぁん』
 だけど、和志くんはわたしの敏感な部分を触って来ます。
 『何だ?すもも?やめてほしいのか?』
 



  「や、やめないで下さい・・・」
 「何が『やめないで下さい』なんだ?すもも?」
 「へっ?」
 急に掛かった声に私は抱えていたお布団から顔を上げます。
 「か、和志くん!?」
 そこには、呆れたような顔をした和志くんがいました。
 「ど、どうしたんですか!?和志くん?」
 「いや、修業が早く終わったから、家に帰って来て見れば、すももが俺の布団を抱えて顔真っ赤にしながら、
  クネクネしてるから、どうしたのかと」
 「べ、別に何でもないです」
 わたしは慌てて、抱えていた布団をベットの上に戻します。
 「本当か〜?」
 ニヤニヤしながら言う和志くん。
 「ほ、本当です!!そ、それより早く下に行って下さい。お昼ご飯用意してあるんですから!」
 「わ、分かった!分かったから・・・」
 和志くんは早々に下に降りて行きました。
 (はぁ〜ビックリしました・・・)
 わたしはホッと一息付きます。
 (だけど、わたし、何であんなこと・・・)
 自分の想像を思い出して、わたしはまた自分の顔が熱くなるのを感じました。
 (か、和志くんは・・・『そういうこと』したいって思ってるのかな?)
 そんなことを考えながら、わたしは和志くんのお部屋を出ようとしました。
 その時です。
 わたしは何かにつまづいて、思いっきり転びました。
 「いた〜い・・・?」
 転んだわたしの視界は、和志くんのベットの下を見ていました。
 その奥の方に何か袋のような物が見えました。
 (・・・まさか)
 兄さんはもうちょっと工夫しているみたいですけど・・・
 わたしは、その袋を引っ張り出すと、思い切ってその袋を開けました。
 中から出てきたのは・・・予想通りにHな本やDVDでした。
 まあ、それには驚きません。
 男の子なんですから、持ってて当たり前でしょうし。
 問題は、その内容です。
 
 『巨乳美人教師の情事』
 
 『Dカップ女子高生乱れまくり』

 などなど、胸の大きな人のものが多かったことです。
 (和志くんも・・・胸の大きな人の方がいいのかな・・・)
 わたしがそんなことを考えたその時です。
 「すもも〜何やってるんだ〜」
 下から、和志くんの声が聞こえて来ます。
 「あ、い、今行きます〜」
 わたしは、本やDVDを袋に戻すとそれを元の場所に戻しました。





  「はぁ・・・」
 その翌日『Oasis』でジュースを飲みながら、わたしは思いっきりため息を付きました。
 もちろん、原因は和志くんの好みのことです。
 まさか、本人に直接聞く訳にもいかず、どうしたものかと悩んでいました。
 それにもう一つ気がついたことがあります。
 付き合い始めて、2ヶ月。その間に和志くんが一度も『そういうこと』を求めて来なかったってことです。
 (やっぱり、わたしが和志くん好みのスタイルじゃないから・・・かな?」
 思わず、自分の胸を見ます。
 そのまま、地面が見えてしまう現実がそこにはありました。
 「はぁ・・・」
 「どうしたの?すももちゃん?さっきからため息ばっかり付いて?」
 「あ、姫ちゃん・・・」
 お昼休みなのに、珍しく一人の姫ちゃんがわたしのテーブルに座ります。
 「どうしたんですか?兄さんは一緒じゃないんですか?」
 「雄真くんは御薙先生のお手伝いをしてるの」
 「そうなんですか・・・あ」
 わたしは姫ちゃんに聞いてみたいことがありました。
 「姫ちゃん、あの・・・」
 「?どうしたの?すももちゃん?」
 「実はですね・・・ちょっと聞きたいことが・・・」
 「私に答えられることだったら何でも答えてあげるよ?」
 わたしは意を決して、姫ちゃんに質問しました。
 

 「・・・・えええええっ!!」

 
 「ひ、姫ちゃん!?声大きいです!」
 「あ、ゴ、ゴメンね?だ、だけど・・・」
 真っ赤になる姫ちゃん。
 まあ、しょうがないですよね・・・
 わたしがした質問、それは―――
 
 『兄さんと姫ちゃんは付き合ってから、どれくらいで『一線』を超えたんですか?』でした。

 「どうしても言わなきゃダメ?」
 「・・・」
 姫ちゃんは困惑していましたが、わたしの真剣な顔を見て、諦めたように口を開きました。
 「に、2週間くらいだけど・・・」
 「そ、そうですか・・・」
 (やっぱりそれくらいですよね・・・)
 「だ、だけど、すももちゃん・・・何でそんなこと聞くの?」
 小声で話す姫ちゃん。
 「えっ、えっと、それはですね・・・」
 「ひょっとして・・・和志くん?」
 「・・・はい」
 わたしは、昨日の出来事を姫ちゃんに話しました。
 「なるほど・・・でもそれはきっかけが無いだけで、すももちゃんに魅力が無いとかそう言うことじゃないと思うな」
 「そうですかね・・・そうだといいんですけど」
 気を取り直すわたし。
 「そうね〜なにしろ、私をフッてカズ君が選んだんだから、もっと自信を持っていいと思うわよ」
 「あ、渚さん・・・」
 私達の会話を聞いていたのか、渚さんが近寄って来ます。
 ちょうど、『Oasis』も少し平穏を取り戻して来たところでした。
 「それに、カズ君はひょっとしたら、ペッタンコな胸の方がいいのかも知れないし」
 「姫ちゃんや渚さんに言われても説得力が無いです・・・」
 2人の大きな胸を見ながら、ため息を付くわたし。
 「だけど、すももちゃん?今はそれよりももっと大切なことがあるんじゃないの?」
 「えっ?・・・何でしたっけ?」
 「ほら、もうすぐ、カズ君の誕生日じゃないの?」
 「あ・・・」
 そういえばそうでした。
 「私もね〜10年振りに再会出来たから、誕生日には奮発してあげようかと思ってたんだけどね」
 フッと寂しそうに笑いながら言う渚さん。
 「今や、カズ君には最愛の人がいる訳だし。どうしようかな〜プレゼント」
 わたしの方を見ながら言う渚さん。
 「だからね、すももちゃん」
 渚さんはわたしの肩を抱きながら言う。
 「すももちゃんがそうやって悩んでいる顔してたら、カズ君が心配するわよ」
 「・・・そうですね」
 ひとまず、その問題は頭から忘れることにしました。
 今は、カズ君の誕生日をどういう風に祝ってあげようか、そのことを考えることにしました。




  「それなら、すももちゃんにしか出来ないプレゼントがあるじゃない?」
 家に帰った後、和志くんにあげるプレゼントをどうしようか―――
 そのことをお母さんに相談したら、最初に返って来た言葉がそれでした。
 「何ですか?」
 「もちろん、リボンで自分の身体を巻いて『プレゼントはワ・タ・シ』ってやればいいのよ〜♪」
 「そ、そんなこと恥ずかしくて、出来る訳ないじゃ無いですか〜」
 反論するわたし。
 (それに、このスタイルじゃ和志くん、喜んでくれるかどうか・・・)
 「まあ、それはともかく、すももちゃんにしか出来ないことがあるはずよ」
 「それを考えてるんですよね・・・」
 “チリン”
 ふと、気が付くとわたしの手の中で和志くんの家の合鍵が揺れました。
 (・・・!!)
 その時、わたしはいつだったか、和志くんが言っていた言葉を思い出しました。
 (ひょっとしたら、和志くんに体験させてあげることが出来るかも・・・)
 そして、わたしだけが出来るプレゼントかも知れないと思いました―――






                        〜第40話に続く〜

                 こんばんわ〜フォーゲルです。39話になります〜

                    今回はすもも視点のラブラブ話ですね。

           もはや、すももと言えばお約束(?)のスタイル関連の話を入れて見ました。

           すももがラブラブ過ぎて、R−15な妄想をしてたりしますが(爆)

                 最後のプレゼントに関してのヒントとしては、

           『和志の言っていたことに春姫と杏璃が同意していた』と言う設定があります。

           次回は和志の誕生日編です。和志とすももは『一線』を超えるのか?(←オイ)

                     R−18な展開があるかも(爆)

                       それでは、失礼します〜


管理人の感想

あ〜、もうっ。甘いなぁ、コンチクショー(笑)

というわけで、39話をお送りして頂きました〜^^

すもも視点のラブラブ話ということで。確かに合鍵を持っているというのは、恋人同士っぽいですよねぇ。和志はおそらく天然で渡したんでしょうけど(汗)

あと和志よ。そういったものを、ベッドの下に隠すのはあまりにもベタなのではないかと(笑)

すももも、「兄さんはもっと上手く隠しているようだけど・・・」とか言ってますし・・・ってあれ?結局それってバレてるってことなんじゃ(爆)

次回は和志の誕生日編。すももの言う「プレゼント」とは?

というわけで、次回もお楽しみに。



2008.7.23