『かがみside〜ラキレボ編第5話〜』
「さて、この2日間、永瀬に教えて貰った通りにやって見た訳やけど・・・」
職員室について、早速黒井先生はダイエットについて話し始めた。
「柊、高良、どうやった?」
その言葉に顔を見合わせる私とみゆき。
「その様子やと・・・うまくいってないみたいやな〜・・・」
腕を組んで考え込む黒井先生。
「え・・・そうなの?」
私に聞く祐一くん。
「そうなのよ・・・」
「私はダイエットの経験が始めてなので、感覚が分からないのですが・・・」
「おかしいのよね〜ちゃんと言われた通りにやってるのに・・・リンゴダイエットって3日で3キロなんでしょ?」
「うん、そのはずだよ。つかささんがウソをつくとは思えないし」
私の問いに答える祐一くん。
「そうよね〜だけど、そしたらもう少し減っててもいいはずなのに・・・」
「何にしても、3食リンゴだけっていうのは、さすがにキツイで〜。カロリー足りんで授業にも集中できひん」
「そうですね。私も今日は耐えられなくてヨーグルトを持って来ました」
「えっ?ひょっとして、みんな3食リンゴなの?」
頷くみゆきと黒井先生。
「私は、今日バランス栄養食よ?それで明日はサツマイモにする予定」
「だから、かがみさん・・・それじゃこのダイエット法の意義に反してるって」
「そうなの?そっか〜だから太っちゃったのか・・・」
「えっ?太ったの?」
「ち、ちょっとだけよ!本当にちょっとだけなんだから!!」
祐一くんの言葉に反論する私。
「で、永瀬・・・他に何かないんか?」
「はい?」
「だから、他のダイエット法や。出来るだけ楽チンで!すぐに効果が出て!しかも劇的に痩せられる!!
そんなダイエット法、どこかにあるやろ?」
「ある訳ないでしょう・・・そんな都合のいいダイエット法なんて」
呆れたように言う祐一くん。
「そうは言っても、学園祭まで時間が無いのは事実よ」
「そうですね。うまい話がある訳じゃないと言うのは分かっていますが・・・」
「・・・どうしてもって言うなら」
「何や、何かあるんか?」
「結局、普通のダイエット法が一番なんじゃないかと思うんですが」
「普通?」
「そうです。食事をちゃんと取って、適度に運動する。地味ですけどやった分はちゃんと返ってくると思いますよ」
『う〜ん・・・』
私達3人は考え込む。
「だいたい3人共10キロも20キロも落とさなきゃいけない訳でもないんですし」
「・・・そうやな」
最初に頷いたのは、黒井先生。
「確かに、他に方法も無さそうだしね」
「そうですね、頑張りましょう!」
「あ、でも3人共、ムチャはしないでね。ミスコン前に倒れたなんて言ったらシャレにならないし」
「何や、そんなに心配やったら電話すればいいやん」
「電話ですか?」
「そうや〜そんでウチら3人が死にそうになってたら、救急車呼んでや〜」
笑いながら言う黒井先生。
「勘弁して下さいよ。マズイ時は本当に自重して下さい・・・」
「でも、それいいかもね」
黒井先生の意見に賛成する私。
「そうですね。誰かが気に掛けてくれてると思うとやる気も出ますし・・・」
みゆきも賛成の意見だった。
「そう?じゃあいつごろ電話すれば・・・」
「そんなの決めんでもいいやん。好きな時に電話すればいいねん。何なら、柊か高良・・・」
私達を見ながらニヤニヤする黒井先生。
「口説きたい方にばっか連絡すればええねん」
「なっ!?」
「ちょっ!先生。何言ってるんですか!」
「くくく口説くだなんて、そんな・・・」
「なはは〜!だってお前らそんな話全然聞かへんし、せっかく男子とつるんでるんやからそんな関係になってもええやん」
そう言った後、黒井先生は急にゲンナリとした。
「ってアカン・・・自分で言ってて何か悲しゅうなってきたわ・・・」
黒井先生は祐一くんを見る。
「ちなみに永瀬!ウチはアカンからな、教師と生徒の恋愛はご法度や」
「いや、誰に対してもそういう気はありませんから・・・しかし俺は誰に電話を・・・」
そう言う祐一くんの目が一瞬みゆきを見たような気がした。
(・・・)
その時、何故か私の心はざわつくような嫌な感じに襲われて。
そして、次の瞬間には口を開いていた。
「ちょっと!祐一くん!調子に乗ってみゆきに手を出したら許さないからね!」
「な、何でそうなるの!」
「か、かがみさん・・・」
顔を赤くするみゆきを見て、私は言葉を続ける。
「大丈夫よみゆき。そんな真似絶対にさせないから!」
「お、俺だってそれくらいの分別はついてるよ。あ、だけど・・・」
祐一くんは考えた後で口を開いた。
「みゆきさんがダメってことは、かがみさんならいいの?」
「そんな訳ないでしょ!バカ!」
祐一くんのしょうもない質問に言い返す私。
「まあまあお二人とも、それじゃあ今日からまた心機一転頑張るということですね」
「そうやな。そんで2日たったらまたここに集まろうな」
黒井先生の言葉で今日は解散ということになった。
「こら!かがみ!ご飯ちゃんと食べなきゃダメよ」
「うるさいな〜ちゃんと食べてるでしょう!」
「そんなちょっとじゃ食べた内に入らないわよ」
その日の夜。ちょっとしか夕飯を食べなかった私をお母さんが怒った。
「お母さん、放っときなよ。どうせ3日もしたら、普通に食べてるだろうし」
私とお母さんの会話を聞いていたいのり姉さんが呆れたように言う。
「う〜ん、でもね〜」
心配そうな顔のお母さん。
「え〜でも今回はお姉ちゃん、今までで一番頑張ってるよ」
つかさが私のフォローをする。
「そうよね〜確かに今回は・・・一週間だっけ?頑張ってる方よね」
いのり姉さんも頷く。
「ねえ、かがみ。本当にミスコンに出るためだけなの?」
「どういう意味よ?」
「いや、何かミスコンに出る以外の理由があるのかな〜って思って」
「バカね〜いのり。そんなの理由は一つに決まってるじゃない?」
「あ、まつりお姉ちゃん。お帰りなさい」
「ただいま〜あ〜疲れた・・・」
つかさの声に答えながら椅子に座るまつり姉さん。
「まつり、何か知ってるの?」
「うん?いや何も知らないけど、かがみがここまで頑張る理由は・・・」
そこまで言って笑いながら私の方を見るまつり姉さん。
「ズバリ、オ・ト・コ♪でしょ!」
「なっ・・・」
まつり姉さんの言葉に慌てふためく私。
「うわ〜分かりやす〜・・・」
呆れたように呟くいのり姉さん。
「ねえ、つかさ、心当たり無いの?」
私の様子を見ながらつかさに話を振るまつり姉さん。
「う〜ん・・・あ」
「えっ?ウソ!マジで心当たりあるの?」
身を乗り出して、つかさに詰め寄るいのり姉さん。
「うん。お姉ちゃんのダイエットを手伝ってる―――」
「つかさ!余計なこと言ったら今後一切勉強教えてあげないからね!!」
「え〜お姉ちゃん〜」
そう言って私は立ち上がる。
「ちょっと、かがみ!夕飯は?」
「いらない。今日はもう寝る。お休み!」
私はお母さんの言葉にそう答えて自分の部屋に戻った。
自分の部屋に戻って、私はベットに腰掛ける。
ふと、近くに置いてある鏡を見る。
私の顔は真っ赤になっていた。
(全く、まつり姉さんが変なこと言うから・・・)
『ズバリ、オ・ト・コ♪でしょ!』
まつり姉さんがそう言った時、私の脳裏には―――
(何で、そこで祐一くんが出てくるのよ?)
また脳裏によぎる祐一くんの顔を振り払う私。
(そういえば、あやのも勘違いしてたみたいだし)
昼間のことを思い出す。
(大体、祐一くんは女の子の着替えを堂々と覗くし、こなたみたいにオタクだし・・・授業中に昼寝してるみたいだし・・・)
祐一くんのダメな点を思い出す。
(でも、何だかんだ言ってダイエットは手伝ってくれるし、学園祭の準備でも自分の担当じゃなくても
いろいろサポートしてくれるし、頼りがいはあるのよね)
その一方で祐一くんのいいところも上げられる。
『かがみさん』
私の名前を呼ぶ祐一くんの姿がまた脳裏に浮かぶ。
(―――!!)
それだけで、私の心はドキドキする。
(な、何なのよ。これじゃまるで私が―――)
思わず手近にあったクッションをギュッと抱きしめる。
その先の言葉は考えないようにした。
そうしないと、明日からどんな顔して祐一くんに会えばいいのか分からなかったから―――
〜第6話に続く〜
こんばんわ〜フォーゲルです。第5話になります〜
今回は後半の柊家の部分に力を入れました。
このシーンは、ゲームでつかさが、「お姉ちゃん、ご飯全然食べないでお母さんに怒られてた」っていうセリフから、連想して書きました。
後はゲームにはまつりといのりが全然出ないので、このSSでは登場して貰いました。
口調がおかしくなってなければいいのですが・・・
今回の話からラストまで『かがみ可愛いよかがみ』とか思うシーンが多いので楽しみにして貰えると嬉しいです。
次回もゲームのシーン半分、オリジナルのシーン半分くらいの比率かなと。
それでは、失礼します〜
管理人の感想
かがみ可愛いよかがみ(笑)
いや、本当に可愛らしかったですね。まつりに図星を指されて戸惑うところや、その後自室で一人悶々と考えに耽っているところなど。
そして無意識ですが、段々とかがみも祐一のことを・・・。もう少しで自覚できる段階くらいまでは、恋心が芽生えてきているようですね。
それでは!