『らき☆すたSS〜かがみSide・ラキレボ編〜』第4話
「でも、ここはもうちょっと感情を込めて演じた方がいいんじゃないかな?」
「そうね〜シーン的にも前半のヤマ場だし・・・」
秋風が吹き抜ける屋上で、私は峰岸と劇の演技について話し合っていた。
ミスコンもそうだけど、こなた達のクラスと合同でやる演劇も大事だし・・・
「もうちょっと細かいところは実際に練習しながら、詰めよう?」
「確かに動きとかも入れてやって見た方がいいだろうしね」
そう言って私は一息付く。
「そういえば、日下部は?」
いつも峰岸と一緒にいる日下部の姿が今日は見えない。
「みさちゃんはさっき、陸上部の後輩に呼ばれて行ったよ?陸上部もイベントやるみたいだし・・・
ああ見えて、みさちゃん後輩には慕われてるんだよ?」
「そうなんだ・・・」
いつもだらけてる姿を見てることが多い私にとってはそれは意外だった。
「・・・柊ちゃん。ゴメンね」
申し訳なさそうに言う峰岸。
「何がよ?」
「ミスコンのこと。私がみさちゃんを止めてればこうならなかったんだろうけど」
「別に峰岸が悪い訳じゃないでしょう?悪いのは日下部なんだし」
それに、辞退をしなかったのも事実だし・・・
「何より、優勝はみゆきで固いでしょう?」
「そんなことないと思うよ」
峰岸は私の顔を見て言う。
「柊ちゃん、ここ最近どんどんキレイになってるような気がするし・・・
案外みさちゃんが言ってたことも的外れじゃないのかなって思うの」
「日下部、何か言ってたの?」
「ほら、この間柊ちゃんにも言ってたじゃない?『永瀬くんのことが好きなんじゃないかって?』そのこと」
「ち、違うわよ!峰岸までそんな勘違いしてる訳?」
「そうかな〜私から見ても、柊ちゃん、永瀬くんと話してる時は楽しそうだよ?
泉ちゃん達と話してる時とはまた違う感じだし」
そ、そうかな・・・そんな感じは私自身はしてないんだけど。
確かに、祐一くんとは数少ないラノベ仲間だし、共通の話題があるとやっぱり会話も弾むけど・・・
「柊ちゃん、結構天邪鬼なところがあるから・・・伝えなきゃいけない時にはちゃんと伝えないとダメだよ?」
「なるほど・・・心には留めとく。経験者の言葉としてね」
「ひ、柊ちゃん・・・」
彼氏持ちの峰岸をからかうように言いながら私は時計を見る。
「それよりお昼にしない?もう時間無いし」
言いながら、私はお弁当箱を出す。
もっとも、ダイエット中の私はバランス栄養食だけど。
「・・・」
お弁当箱の中身を見た私は固まった。
ご飯に焼き魚、冷凍食品・・・
普通のお弁当の中身がそこにはあった。
(しまった〜・・・つかさのお弁当と間違えたんだ)
「ご、ゴメン!峰岸。用事思い出した。ちょっと行って来る!」
「う、うん教室でね」
不思議そうな表情を浮かべる峰岸をその場に残して私は駆け出した。
「つかさ〜!ゴメン〜!!」
私が教室のドアを開けて入った時、そこにはこなた達が集まっていた。
そして―――
何故か祐一くんとみゆきの肩がピクッと動いたような気がした。
「タイミング最悪だよ・・・かがみさん」
そんなことを呟く祐一くん。
「あ、お姉ちゃん、じゃあやっぱりこっちのお弁当はお姉ちゃんのだったんだね」
机の上には見事にバランス栄養食が一個しか入っていないお弁当箱があった。
「そうよ。はい、これがつかさの分」
つかさにお弁当箱を渡す。
「むふふふふふ〜かーがみ♪」
ニマニマと笑いながら私に近づくこなた。
「な、何よ、私がダイエットするのなんて普通でしょう?」
「ダイエットはね〜だけどこれがミスコンに出るためとなると話は別だよ〜」
「なっ!」
「ねえねえ、どんな衣装着るの?なんだったらお店のコスプレ衣装貸してあげよっか?」
「ちょっと!祐一くん!?」
思わず祐一くんをギロッと睨む私。
「ち、違う違う!俺じゃないよ!」
手を顔の前で振りながら全力で否定する祐一くん。
「じゃあ、みゆき!?」
「ち、違います・・・」
「ご、ゴメンね、お姉ちゃん・・・私が、こなちゃんに・・・内緒だってことすっかり忘れてたよ」
申し訳なさそうに言うつかさ。
「つかさ・・・あんたって子は!」
「いや〜今年の学園祭は面白くなって来たね〜」
そんな私の動揺なんかお構いなしに話を進めるこなた。
「ミスコンはお父さんに頼んでHD録画してもらわなくちゃ♪きちんと保存して結婚式とかで上映しないと」
「やめて〜!お願いだからそれだけはやめて〜!!」
涙目になりながらこなたに懇願する私。
「だって高校最後のミスコンなんだよ、目指せ、学園のアイドル!!」
「いや、私はそういうのいいから・・・」
ため息付きながら言う私。
「そうかな?俺はかがみさんだったら十分学園のアイドルになれると思うけど・・・」
「ゆ、祐一君まで何言ってるのよ」
祐一くんから視線を逸らす私。
赤くなってる顔を祐一くんに見られたくなかったから・・・
「おや〜これはこれは・・・」
「言っとくけど、こなたが考えてるようなことは何にも無いからね!」
「ふ〜ん、そういうことにしといてあげるよ」
「みゆきさん、2人共何の話してるの?」
私達の姿を見て、みゆきに聞いてる祐一くん。
「女性同士の大事なお話ですよ。祐一さんは深く立ち入らない方がよろしいかと」
「そうなのか・・・」
祐一くんは考え込むように私達を見ていた。
「ねえ、お姉ちゃんがアイドルならゆきちゃんは何になるのかな?」
「そうだねぇ・・・みゆきさんならマドンナって感じじゃないかな?みゆきさん落ち着いてるし」
つかさの疑問に考えながら言うこなた。
「き、恐縮です・・・」
「かがみさんがアイドル、みゆきさんがマドンナ・・・じゃあ黒井先生が勝ったら何になるんだ?」
「う〜んそれは99%無いと思うけど・・・」
「一言の元に切って捨てるな」
「マスコットかな、学園のマスコット!!黒井先生可愛いし・・・」
つかさの答えた、その時だった。
教室のドアが開いたのが分かった。
(あ・・・)
その人影はゆっくりこっちに歩いてくる。
「いや〜さすがに、マスコットって言うには年齢的に無理があるでしょ」
「ちょっと、こなた・・・」
だけど、私の声を無視して言葉を続けるこなた。
「そもそも、黒井先生がミスコンに出るのが・・・」
「ほぉ〜誰がミスコンに出るのが無理があるって?」
「そんなの決まってるじゃん。黒井先生のことだって―――げ」
振り返ったこなたの目の前には、怒りの表情を浮かべた黒井先生が立っていた。
「で、泉・・・何か言うことはあるか?」
「え、え〜と出来れば手加減して頂けると嬉しいんですが」
「安心せい、特別に3割増しや」
“ゴスッ”
「い、痛い・・・」
「聞こえてへんと思っていらんことベラベラ喋るからや」
「すいません・・・というかかがみ〜かがみの位置からなら黒井先生入って来るのわかってたじゃん!
何で、教えてくれないの!?」
「逆ギレすんな!第一教えようとしたのに、アンタが聞かなかったんでしょうが?」
「はぁ・・・まあいいわ。それより高良、柊、それと永瀬、ちょっとこれからええか?
アレの打ち合わせしなきゃならんやろ?」
「そうですね」
「そうね〜ほら、祐一くんもさっさと来る!」
私は強引に祐一くんの腕を引っ張る。
「わ、分かったよ。こなたさん、つかささん、ちょっと行って来るから」
「行ってらっしゃ〜い、頑張ってね〜」
つかさの声に送られて私達は教室を出た。
〜第5話に続く〜
こんばんわ〜フォーゲルです。第4話になります〜
今回は、ゲームの中でもかなり面白かったこなたにミスコン出場がバレるシーンですね。
オリジナルは前半のシーンです。
もし、かがみに限らず、新たに彼氏持ちのキャラが出たら、
あやのは、こういう出番が多いのかな〜とか思いながら書きました。
というか原作でも今のところ、かがみとあやのだけのシーンはほとんど無いと思います。
大抵、みさおが一緒だし。
次回も楽しみにして頂けると嬉しいです。それでは!!
管理人の感想
今回はダイエットの方にこそ進展はありませんでしたが、かがみの意識もだいぶ変わってきましたね。
あやのに祐一のことを問われて、「伝えなきゃ〜〜」の場面では「心に留めておく」と。普段のかがみんではまず出ないお言葉。
それだけ、祐一のことを少しは意識してきた証拠なのかなぁと思いました^^
そういえば、かがみとあやのが二人きりで会話しているシーンというのは、本編でもなかったですね。
かがみとみさおの会話はありましたが。確か電話で数度。
でもやはり3人一緒っていうイメージが先行しがちですよねぇ。ネタとしてもその方が安定するんだろうなぁ。