『らき☆すたSS〜かがみSide・ラキレボ編〜』第2話
「そかそか〜結局柊はミスコンに出るのか〜」
「結局、アンタの思惑通りって言うのは気にくわないけどね・・・」
翌日の放課後、ミスコン出場を決めた私に、日下部が面白そうに言う。
「だけど、ちびっ子のクラスは高良が出るのか〜それであんなに自信があったんだな」
「みゆきが出る時点でほとんど優勝確定だろうしね」
私はそう言ってため息を付く。
「そんな弱気でどうすんだよ〜そんなんじゃ勝てるものも勝てね〜ぞ。柊」
「いや、そもそも勝つ気も無いし」
呆れながら言う私。
「そんな柊に今からでも、勝つ方法があるっつてことを教えてやるぜ〜」
「・・・ちなみにどんなのよ?」
私の言葉に日下部は視線を動かす。
「峰岸?」
視線の先には読書をしている峰岸がいた。
「ある時期からあやのが急に可愛くなった時期があったんだよ。その時期を調べてみたらな・・・」
日下部は私の耳元で囁くように言う。
「兄貴と付き合い始めたころだったんだよ」
た、確かに『女の子は恋をすると綺麗になる』とは聞いたことはあるけど・・・
「それ、どうしようもないじゃない」
だいたい相手がいないと無理だし・・・
「またまた〜とぼけるなよ〜柊。昨日ちびっ子のクラスに転入して来た男と2人で歩いてるのを私は見たんだぞ〜」
「なっ・・・」
昨日の祐一くんとの下校を目撃されてたとは思わなかった。
「ちっ・・・違うわよ!!祐一くんとは偶然会っただけで・・・」
「そうか〜?そういう割には結構嬉しそうだったけどな〜てっきり柊は転校生のことが好きなのかと」
「何でそうなるのよ・・・あ、あれはたまたま祐一くんが同じ趣味の持ち主だったからよ」
「うんうん、そういうことにしといてやるぜ」
「ア、アンタね・・・」
私はガックリしながらふと時計を見る。
「あっ・・・ヤバイ!!」
『放課後、ドレスの採寸がありますので、よろしくお願いしますね』
みゆきにそう言われていたのを私は思い出した。
「ゴメン、用事思い出した。じゃあね!!」
私はそう言って教室を飛び出した。
「おう〜頑張れよ〜」
「みさちゃん、柊ちゃん慌てて飛び出していったけど、どうしたの?」
日下部と峰岸の会話が私の耳に聞こえて来た。
私が廊下に出ると同時に―――
「すいません。ご迷惑をお掛けして・・・」
「大丈夫だよ。手伝うって言ったしね」
みゆきと祐一くんが教室から出てくるところだった。
「お〜い!みゆき〜!」
「あっ、かがみさん」
「ゴメン!待った?」
「いえ、これから迎えに行こうかと思ってたところですよ」
「そうなんだ。ところで何で祐一くんも?」
「祐一さんにはいろいろとお手伝いして頂いてまして・・・」
みゆきによると、採寸に使う教室とかを祐一くんが押さえてくれたらしい。
「さて、じゃあ行きましょうか?パッパとやってチャッチャと終わらせるわよ」
「って・・・何でかがみさんもついて来るの?」
祐一くんの疑問に答えたのはみゆきだった。
「ががみさんも採寸するからですよ」
「そうなんだ・・・ってそれってかがみさんもミスコンに出るってこと!?」
「ちょっ・・・バカ!声が大きいって!こなたにでも聞かれたらどうするのよ!?」
「かがみさんの声も大きいと思いますが・・・」
「はぅっ・・・」
みゆきのツッコミに我に変える私。
「だけど・・・意外だな〜」
「何よ。私がミスコンに出るのがそんなにおかしい?」
「だって、かがみさん、性格的にこういうのキライだと思ったし・・・」
「あったり前でしょう!好き好んでこんなのに出ないわよ」
「じゃあ、何で?」
「しょうがないでしょ?いろいろと事情があるのよ!事情が!」
「ま、まあまあお2人共・・・それよりも早く行きませんか?」
「そうね・・・」
私達は採寸をする教室に向った。
「ふう〜こんなところでいいかな?」
祐一くんが最後に残った机を動かして一息付く。
「そうですね。ご苦労様です」
「祐一くんがいてくれたおかげで早めに準備出来たわね」
準備が整って後は、採寸をするだけになっていた。
「お〜準備出来てるやないか?」
「あ、黒井先生」
扉の方を見ると黒井先生が立っていた。
「黒井先生、さっきはありがとうございました」
「あ〜かまへん、かまへん。お安い御用や」
祐一くんの言葉に手を振って答える黒井先生。
「ところで、先生は何でこんなところに?」
「何でって・・・ウチも出るからや」
「何にです?」
「ミスコンに」
「ちなみに、何でです?」
「おもろそうやから」
「・・・」
「何や、永瀬、何か言いたそうやな?」
「い、いえそんなことは・・・」
かなり言いよどむ祐一くん。
「あ〜それより、早くやっちゃいません?」
困っている祐一くんを知り目にそう提案する私。
「そうですね。すぐに終わらせましょう」
「そういう訳で・・・」
私は祐一くんの方を見る。
「祐一くんは外に出ててね」
「うん、分かった」
「ちなみに言っとくけど・・・」
黒井先生は笑いながら言う。
「覗いたら殺すで?」
「・・・別に興味ありませんし」
「それはそれでなんかムカツクわね」
「すぐに終わると思いますので、ちょっとの間待ってて下さいね」
「分かった」
そう言って祐一くんは教室の外へ出て行った。
(・・・自信無くすわ)
私は思わずヘコんでいた。
下着姿になって改めて分かったみゆきと黒井先生のスタイルの良さにだ。
2人共出るところは出てて、引っ込んでるべきところはちゃんと引っ込んでるし・・・
それに引き換え・・・
自分の胸を見て、更に落ち込む私。
「?どうしたんですか?かがみさん?」
「い、いや?何でも無いのよ?」
「こら、2人共とっとと採寸やって終わらせるで〜」
黒井先生の声に測定を始める私とみゆき。
(・・・一応節制はしてたから大丈夫だと思うんだけど・・・)
そう言って自分で腰にメジャーを回してその数値を・・・
(えっ・・・)
ウエストの数値がありえないはずの数値を示していた。
『きゃあああっ!!』
何故か3人同時に悲鳴が上がった。
「みんな!どうしたの?大丈夫?」
教室に入って来る祐一くん・・・ってえっ?
「あ・・・」
「いぃ・・・」
「うう・・・」
「ええっ・・・」
「お、おお〜とか言って見たり・・・」
一気に固まる教室内の空気。
そして―――
『きゃあああっ!!』
私達の2回目の悲鳴が響いた。
「何やってんのよ!アンタは!」
「ゴ、ゴメン!」
回れ右して教室を出る祐一くん。
「女の子の着替え中に堂々と入って来るなんて!」
「だ、だから悪かったって!!」
「とにかく!いいって言うまで入って来ちゃダメよ!分かったわね!」
私の声は恥ずかしさからか、少し上ずっていた。
「本っ当に申し訳ありませんでした!!」
着替えを終えた私達に祐一くんは思いっきり土下座していた。
「その方・・・ぶっちゃけ見たんか?」
「そ、それは・・・」
「隠し立てするとためにならぬぞ」
「見たのであれば、何を、どこまで、どのくらいご覧になったのか・・・詳細に話して下さい」
「ひぃぃぃぃ・・・」
黒井先生、私、みゆきに責められ、心なしか震えている祐一くん。
それでも、覚悟を決めたのか、ゆっくりと口を開いた。
「み、見ました・・・」
「見た?ふ〜ん、何を?」
「そ、それは、か、かがみさんの・・・下着・・・姿を」
「ふ〜ん・・・あっそう。まあ過ぎたことをグダグダ言ってもしょうがないしね」
「えっ・・・じゃあ、許してくれるの?」
「ンなわけないでしょ!バカぁっ!!」
私のパンチが祐一くんの頭を殴る。
『ゴスッ!』
結構いい音がした。
「い、痛い・・・」
「かがみさん、祐一さんも反省しているようですし、これくらいにしてあげても・・・」
「ふむ、そうね・・・これでチャラにしてあげるわよ」
みゆきの言葉に頷く私。
「2人とも、ありがとう・・・」
「そうやで〜むしろこれくらいで済んで良かったと思わなな〜」
「はい・・・本当に・・・」
そう言って立ち上がる祐一くん。
「ところでさ・・・何であんな悲鳴上げたの?」
『うっ・・・』
私達3人の呻きが重なる。
「あ〜そ、それは・・・」
「その・・・何と言いますか・・・」
「いろいろとあんねん。女の子的にな」
『はぁ〜・・・』
私達3人のため息が重なる。
「やっぱり、昨日食べた焼イモが原因か・・・」
「私は心当たり無いんですけど・・・」
「みゆきは良いわよ・・・元々がナイスバディーなんだし」
「2人共、あんまり気にせんほうがええで〜成長期なんやからこれから増えると思っとき!
それに比べてウチは・・・やっぱり不摂生がアカンねやろな〜」
「ああ、なるほど・・・」
私達3人のリアクションを見ていた祐一くんが不意に口を開く。
「3人共、太ったんだ」
『ピシッ!』
私達の固まる音がリアルに聞こえたような気がした。
「ど、どうして分かったんですか?」
「うそ・・・ウソよ。これは夢だわ。そんな男子にバレるほど・・・」
「ありえへん・・・ありえへんわ」
「あ、あの〜3人共?」
落ち込みまくった私達に祐一くんが声を掛ける。
「べ、別に俺は3人の話を聞いてそう判断しただけで、痩せてると思うけど・・・」
『ほ、本当に?』
「う、うん・・・」
何故か若干身を引きながら答える祐一くん。
「な、何だ〜良かった〜」
「そうですよね。数字上は許容範囲ですよね!」
「それで、永瀬・・・ウチらどこらへんが痩せてる?」
「はっ?あ、あのどのへんと言われても」
今度は祐一くんがキョトンとする。
「あ、それ聞きたいわね。男子の意見なんてなかなか聞けないだろうし」
「そうですね。貴重な意見になります」
『どのへんが痩せてる?』
ハモッて聞く私達に祐一くんはしどろもどろになりながら答える。
「あ、あの〜え〜と・・・ぜ、全体的に?」
「何よ、それ。ハッキリしないわね」
「も〜何かあるやろ!スラーッとしてるとか、腰がくびれてるとか」
「そ、そんなこと言われても・・・」
戸惑っている祐一くん。
「あ〜もういいわ。つまりアンタは何にも分かってなかったってことね」
一瞬でもぬか喜びした自分がバカみたいじゃない・・・
「とにかくダイエットしないとダメよね・・・時間も無いし」
「大丈夫ですよ。かがみさん。祐一さんはちゃんと分かってくれてます」
自信ありげに言うみゆき。
「私、ダイエットって経験ないんですけど、祐一さんがちゃんと手伝ってくれますから」
「あ、あの、みゆきさん?俺手伝うなんて一言も・・・」
「・・・手伝って下さいますよね?」
「・・・はい」
(みゆき・・・私が言うのもなんだけど、怖いわよ)
「いや〜でも良かったわ〜これで永瀬が断ってたら、最終手段を使わざるを得なかったやろうしな〜」
「ち、ちなみに最終手段と言うのは・・・」
「ノゾキの現行犯で補導。間違いなく謹慎・・・いや退学やろな〜」
「不肖、この永瀬!3人のダイエットを手伝わせて頂きます!」
直立不動で答える祐一くん。
そんな様子を眺めながら私は―――
(みゆきと黒井先生を敵に回すのは止めよう・・・)
そう自分に言い聞かせたのだった。
家に帰った後、私は一息ついてから宿題に取り掛かった。
ダイエットは祐一くんが効果的なダイエット方を調べて来てくれるとのことなので、それからということになった。
(だけど、本当に祐一くんが効果的なダイエットを調べて来てくれたら感謝するけどね・・・)
そんなことを考えながら、私は英語の辞書を―――
「あれ?どこにやったかな・・・あ」
私はつかさに辞書を貸したままだということを思い出した。
(あの娘は・・・しょうがないわね)
私はため息を付きながらつかさの部屋に向った。
私はつかさの部屋のドアをノックした。
返事が無い。
ノブを回すとドアがゆっくりと開いた。
「つかさ〜入るわよ」
部屋に入ると・・・
「スー・・・スー・・・」
最近、お気に入りの着ぐるみタイプのパジャマを来たつかさはベットの上で寝ていた。
(仕方ないわね・・・)
私はつかさを起こさないようにそっと布団を掛けて上げる。
つかさは携帯電話を掴んだまま寝ていた。
(誰かと会話中に寝ちゃったの?)
電話の向こうの相手が面食らってるんじゃないかと思いながらつかさの手から携帯電話を外してあげる。
ふと、携帯の液晶画面が目に入った。
そこには―――
(祐一くん?)
祐一くんの名前と携帯の番号が表示されていた。
(・・・つかさと祐一くん何話してたんだろう)
何故かそんなことが気になった―――
〜第3話に続く〜
こんばんわ〜フォーゲルです。第2話になります〜
今回は祐一、役得だな〜な第2話です。
まあその後に、メチャメチャ恐怖を味わうことになる訳だが(笑)
最初と最後は完全オリジナルで、中盤はかがみ視点だったらこんな感じかなと思いました。
今回、意図的にメリケンサックの部分は外しました。
というか普段からメリケンサック持ち歩くような凶暴なキャラじゃないだろうし>かがみ
次回も楽しみにして頂けると嬉しいです。それでは!!
管理人の感想
ということで、かがみSSの第2話をお送りしていただきました〜^^
今回のメインは、やはり服の採寸でしょう。
正直、悲鳴を上げた3人の様子を見に行った祐一が逆に折檻されるのは理不尽かもしれませんが、まあ役得だしねぇ(笑)
そして日下部の言葉と、つかさの電話で、少しずつ祐一のことが気になり始めた我らがかがみん。
これからどのように展開していくのか、非常に楽しみです〜。