『らき☆すたSS〜かがみSide・ラキレボ編〜』第1話
『クシュン!!』
大きなくしゃみを一つする私。
「お姉ちゃん、大丈夫?やっぱり休んだ方が良かったんじゃない?」
私の隣りを歩きながら心配そうに言うつかさ。
「そうも言ってられないでしょ・・・ただでさえ、人手が足りなくて忙しいのに、2日も続けて休めないわよ」
「そうだけど・・・」
陵桜学園の学園祭―――桜藤祭まで後2週間。
特に私達3年生には最後の学園祭になる訳だし、いい思い出にしたかった。
「つかさ〜かがみ〜おはよ〜」
「あ、こなちゃんだ。おはよ〜」
学園に行く途中でこなたと合流する。
「おっす、こなた・・・って今日は珍しいわね」
私がそう言ったのは、こなたと一緒にいる人がが居たからだ。
「2人共、おはよう。ついさっきそこで一緒になったんだ」
こなたと一緒にいた人―――祐一くんはそう説明する。
「何だ〜私はてっきり、こなちゃんと祐一くんが付き合ってるのかと思ったよ〜」
「な・・・何でそうなるの?」
つかさの言葉に動揺する祐一くん。
「だってさ、いっそのこと私を攻略してみる?ただし、簡単には落ちないよ?」
「え、え〜と」
困った表情をする祐一くん。
(しょうがないか・・・)
「ほら、こなた!祐一くんをからかうのもいい加減にしろ。困ってるじゃない」
私の言葉に何故かニヤリと笑うこなた。
「ふ〜ん、かがみは私と祐一くんの間にフラグが立つと困るんだ〜」
「な・・・べ、別にそんなんじゃないわよ!ただ、祐一くんが困ってるみたいだから・・・」
「祐一くん、かがみフラグはいつの間に立てたの?」
「い、いつと言われても・・・」
私の話を無視して祐一くんを尋問するこなた。
「人の話を聞け〜!というか祐一くんも普通に答えてるんじゃ無いわよ!」
「あ、あの〜お姉ちゃん?」
「何よ?つかさ」
私達3人の会話におずおずと割り込んで来たのはつかさだった。
「もう、周りの人達ほとんどいないよ?急いだ方が・・・」
言われて腕時計を見てみる。
もう、遅刻ぎりぎりの時間だった。
「ああ、ヤバっ・・・もうこんな時間だ、急ぐわよ。3人共?」
「久々に遅刻ギリギリの時間じゃないと思ったのに・・・結局いつもと同じじゃん」
「アンタのせいだろうが!さっさと走る!」
私はそう言いながら、学園に向って走り始めた。
「で、どういうことよ。日下部・・・」
「しょうがねーじゃん?他に候補がいなかったんだから」
「だからって・・・」
授業の間の休み時間。私は日下部を問い詰めていた。机の上に置かれたプリントを見ながら。
そこには桜藤祭で行われるミスコンの出場者に渡されるプリントがあった。
それが『私に』渡されたものでなければ何の問題もなかったんだけど。
「人が休んでる時に勝手にエントリーするんじゃ無いわよ!」
日下部は昨日、私が風邪で休んでる間に勝手に私の名前でエントリーしてしまったのだ。
「だってよ〜ちびっ子が・・・」
「こなた?こなたがどうしたのよ?」
「スゲー自信たっぷりに『ミスコン優勝はうちのクラスが貰ったから』とか言うんだぜ。
そしたらうちとしても黙って引き下がる訳にはいかねーじゃん」
「それは、私をエントリーする理由にはならないでしょうが!」
「ま、まあまあ、柊ちゃん、落ち着いて・・・」
「峰岸は黙ってて!だいたい・・・」
私を宥めようとした峰岸の声を遮る。
「ミスコンで勝ちたいなら、それこそ私なんかより峰岸を送り込んだ方が確実だと思うけど?私なんかより可愛いんだし」
「ひ、柊ちゃん・・・」
頬を赤く染める峰岸を見ながら日下部が口を開く。
「いや〜あやのはダメなんだな〜これが」
「何でよ?」
「兄貴が見に来るからな〜自分の彼女がミスコンで晒し者にされたら気分悪いだろうし」
「・・・なるほどね」
「だろ〜出る気になったか?柊」
「それとこれとは話が別よ!何とかならないかな・・・」
「それは大丈夫だと思うな。柊ちゃん」
「どういうことよ?峰岸」
話が落ち着いたところで峰岸が話し始める。
「元々、各クラス一人は代表者出さないと行けないみたいだったんだけど、どうしても出たくないって場合は、
辞退することも出来るみたいだし」
「そうなの?」
「今日、会議があるんでしょう?その時に辞退すればいいんじゃない?」
「そっか、じゃあそうしようっと」
「あやの〜何バラしてんだよ〜ちびっ子と賭けまでした私の立場は?」
「そんなの知るか!」
日下部にツッコミを入れる私。
「でも・・・私は柊ちゃんは出てもいいと思うわ。柊ちゃん可愛いし」
「な、何言ってるのよ・・・」
「おっ?出る気になったか?柊」
「ならないわよ!」
私の声が教室に響いた。
そして、放課後―――
ミスコン出場者の会議に私は出ていた。
(うう、自信なくしそう・・・)
当たり前のことだけど、ミスコンに出るだけあって各クラスの可愛い娘ばっかりが集まっていた。
(とっとと辞退するって言って戻ろう・・・)
私は担当者を探した。
その時―――
「かがみさん!」
「みゆき!」
私の姿を見つけたみゆきが近寄って来る。
「どうされたんですか?こんなところで?」
「それはこっちのセリフよ。ってここにいるってことは、みゆき、ミスコンに出るの?」
「ええ・・・実は・・・」
みゆきの話だと、最初は誰か候補者を募っていたらしいんだけど、やっぱり立候補者がいなかったらしい。
「そうしたらですね、泉さんが・・・」
「こなたが?」
『だったら、みゆきさんが出なよ〜露出度の高いドレス着て出れば優勝間違いなし!ていうか私が見たいから、出てください!』
「と、おっしゃいまして・・・」
「アイツは・・・しょうがないわね」
なるほどね、これでこなたが自信満々に日下部に賭けまで吹っかけた理由が分かったわ。
(みゆきが出れば間違いなく優勝確実だしね・・・)
みゆきのバツグンのプロポーションを見ながら考える私。
「あの〜かがみさん?」
「えっ?ああ・・・何でも無いわよ?」
みゆきの問いをはぐらかす私。
「でも、別に無理して出なくてもいいんじゃない?」
辞退するつもりの私はみゆきにそう聞く。
「ええ、最初はそうしようかと思ったんですが・・・ミスコンは桜藤祭の最初のイベントなんですよね」
考えながら話すみゆき。
「実行委員の私としては、最初のイベントが盛り上がるかどうかで桜藤祭の成功が決まると思っています。
最初に勢いを付けるためなら、出てもいいんじゃないかと・・・」
「みゆきは真面目よね〜」
ため息を付きながら言う私。
「だけど、ホッとしました。正直一人では心細かったんですが、かがみさんが一緒に出てくださるなら勇気が出せそうです」
「えっ?」
みゆきは心底安心したような表情を見せている。
(ま、参ったな〜)
本当は一緒に辞退しようかと思ってたんだけど・・・
とはいえ、ここで私だけ辞退してみゆき一人にするのもそれはそれで可哀想だし・・・
「・・・仕方ないか」
「?・・・かがみさん、何かおっしゃいました?」
「う、ううん!何でも無いわよ?」
こうして私はミスコンに出場することになったのだった。
「う〜ん・・・こっちのダイエットはこないだ試したし・・・」
会議の後、まだ実行委員の仕事があるみゆきと別れて、私は早速ダイエットの本を探して本屋に来ていた。
「だけど、巷に流行ってるダイエットってどれもアテにならないわね〜」
今まで、色んなダイエットを試して来たけど、劇的に効果があったのは一つもなし。
「とはいえ、今回は本気で成功させないとね・・・」
私はとりあえず、今まで試したことの無いダイエットの本を2・3冊ほど買った。
「あ、そういえば今日・・・」
いつも読んでるラノベの新作が今日発売のはずだった。
「買っていかないと・・・」
私はラノベの棚に向った。
「え〜と・・・あ、あった」
私は目的のラノベを見つけると、手に取った。
「よし、じゃあ帰ろうかな」
私が会計を済ませて出口の方に向ったその時だった。
「かがみさん!」
「あ、祐一くん?」
祐一くんは私に近づいて来る。
「どうしたの?こんなところで」
「えっ?あ〜そ、そう!ラノベを買いに来たのよ?」
祐一くんから、こなたに情報が漏れるのを恐れた私はとりあえず誤魔化す。
「ふ〜ん・・・」
「祐一くんは?」
「何か、面白いラノベが無いかな〜と思って」
「祐一くん、ラノベ読むの?」
「うん、マンガとラノベだったらラノベかな」
「そうなんだ?じゃあ・・・これなんかどう?」
そう言って私が差し出したのはさっき買ったラノベの新刊。
「テンポもいいし、面白いわよ?」
「でも、それってその新刊で10巻目だろ?シリーズものだし、1巻から読まないと分からないんじゃない?」
「あ〜そうね・・・だったら私が貸してあげるわよ」
「えっ・・・でもいいの?」
「いいわよ?私としてはラノベ仲間が増えるのは嬉しいし」
「ラノベ読む人少ないの?」
「だって、こなたとつかさはマンガ派だし、みゆきはあんまりラノベ読まないしね・・・」
「あ〜何となく分かる。特にこなたさんとつかささんは」
「でしょう?読んでみれば分かると思うんだけど」
その後、私と祐一くんはラノベの話で意気投合しながら、途中まで一緒に帰った。
〜第2話に続く〜
こんばんわ〜フォーゲルです。
前作のつかさsideの話が好評だったので第2弾・かがみsideになります。
ラキレボ『編』とタイトルに入っているのはこのあとにらきメモ編に入る予定だからです。
かなり長くなる可能性が高いですが、お付き合い頂けると嬉しいです。
内容ですが、今回はかがみのミスコン参戦の訳を詳しく描写してみました。
「あ〜ありえそうだ」と思って頂ければ嬉しいです。
次回からはゲームの部分に入ろうと思っています。
楽しみにして頂けると嬉しいです。ではでは〜
管理人の感想
というわけで。フォーゲルさんの新連載、「かがみSide ラキレボ編」をお送りしました〜.
主人公はお馴染み、祐一。時期は・・・まだ学園祭まで時間があるようですね。
かがみがミスコン参加に至った理由。なるほど、みさおの差し金だったんですね。それも、ちびっ子(こなた)との対立、というのがまた「らしい」です。
そしてラノベ仲間ということで、主人公ともちょっと近づきました。これからどうなっていくのか、楽しみですね^^
それでは!