ザッとシャワーで浴槽を水洗い。昨夜のうちに1回洗ってたんで、もうこれだけで結構綺麗な我が家のバスルームは、3人暮らしのクセに広い。

 去年のリフォームのおかげで、ホントに大人2人で入っても余るくらいだし。

 浴槽に栓をして、台所のパネルボタンをスイッチオン。後は放っといても勝手に沸いてくれる。

「ん……」

 と、不意にズボンのポケットに入れてたケータイが震える。ディスプレイに表示されたのは――――おふくろ。

「はいよ」

『総志ー? 元気でやってるぅー?』

「ああ。こっちは平気。っつーか、愛に鍵持たせんなよ」

『あら、愛ちゃんもいるの?』

「もう帰った。明日、文化祭なんだと」

 喋りながら冷蔵庫を開ける。電話の向こうでは談笑してる気配。

『なによぅ、お母さん気を利かせたつもりだったのに。せっかく両方の親が公認なんだから、もっと一緒にいたらいいじゃない』

「余計なお世話でごぜーますよ」

 すんませんおふくろ様、嘘吐きました。実は2人で一緒に寝るつもりです。

「そっちは? 誰か有名人には会えた?」

『うん、ちょこちょこねー。明日はドラマの収録現場を回る予定。明後日からはまあ、普通の観光かしらねぇ』

「そっか。夏樹さんは?」

『夏樹ちゃん? 今愛ちゃんと話してるみたいだけど、替わる?』

 夏樹さんってのは愛のおふくろさん。年がおふくろより少し下なんで、ちゃん付けで呼ばれてる。もう42歳なのに。

「いや、いい。邪魔しちゃ悪いし」

 冷蔵庫から昨日買って来たりんごを2つと、徳用サイズの無糖ヨーグルトを取り、りんごを包丁でサクサク剥いていく。その間、ケータイは肩で押さえて左耳に。

『何か困ったことない? お金とか、ちゃんと管理できてる?』

「心配しなくても大丈夫だって。いつまでも子どもじゃねーんですから」

 剥き終わったりんごを2つに切って、芯と種を取ってから賽の目切り。

収納スペースに入っている蜂蜜をボウルに開けて、切ったりんごに絡ませる。

「こっちはいいからさ、まだしばらく楽しんで来いよ」

『はぁーい。信用してるわよ、一人息子! それじゃあね、お休み』

「へーい、おやすみ」

 電話が切れる音。それを聞いてから手を拭いて、ケータイの電源ボタンをプッシュ。

 ケータイはそのままカウンターに置いて、蜂蜜の絡んだりんごの上からヨーグルトをぶっかける。

 で、それを冷蔵庫に入れて冷やしておけば、1時間くらいで簡単なデザートが完成。

 風呂から上がる頃には、ちゃんと出来上がってる計算だ。

 

 

 〜秋の夜長の恋人たち〜

 

 <Part3>  天国の拷問

 

 

「ただいまぁー」

 15分ほどして帰ってくる愛。リビングのテレビを消して廊下に出ると、愛はちょっと大きめのバッグを玄関に置いて、ローファーを脱いでた。

それを下駄箱に……って、ああ。だから最初、愛が来てたのが分からなかったのか。

「おかえり。遅かったな」

「お母さんから電話掛かってきたの。総志くんも、おばさんから掛かってこなかった?」

「ああ。話はすぐ済んだけど」

「ちゃんと家の掃除しとけって言われたよー。うぅ、綺麗にしてるのにー」

「やっぱ、見えないと分からないからだろ。お前が下駄箱に靴隠してんのと同じでな」

「あ……あはは」

 苦笑いしながら愛は靴を玄関に戻す。

そしてわっざとらしー上目遣い。

「…………(うるうる)

 子犬のように潤んだ瞳で俺を誤魔化そうとしてやがる。

 狙いが分かってるのに、誰が騙されるか。

「愛よ」

「は、はい……通じませんか、やっぱり……」

「…………自信がないなら、アホな真似すな」

しょぼーん、って感じで肩を落とす。軽くため息をついてから、俺は愛の頭をこつんと叩く。

「あぅっ」

「ま、今回は許してやろう。そのうちおふくろの許可もらって、合鍵作ってやるから」

 さらさらの髪を梳いてやると、愛は気持ちよさそうに目を細めた。

髪を撫でられるのが好きだってことはずっと前から知ってるから、こっちも半ば無意識にやってしまう。

「でも、幼馴染って窓から入ったりするのが普通じゃないの? マンガとかだとよくやってるけど?」

 バッグを受け取って俺の部屋に移動しようとした途端、アホなことを言い出す。今度こそ、俺は深いため息をついて。

「マンガと現実を一緒にするな。大体、お前の部屋と俺の部屋は逆向きだろうが」

「ハシゴとか!」

「引っ掛ける場所がない。それにお前の非力で10m級のハシゴ持てんのか?」

 森川家と秋月家の距離は10m以上ある。それくらいのハシゴは大層重い。とてもじゃないが、女の子である愛が1人で持てるとは思えない。

つーか、市販じゃまず売ってないだろう、その長さは。

「ロープ!」

「運動神経悪いくせに。落ちて捻挫か、下手したら骨折るだけだぞ」

「むー……うー……そーじくんのバカ」

「んだとコラ」

「あっ、ゴメンなさっ、うぁっ……?」

 バッグを肩にかけて、愛をひょいっと抱える。いわゆるお姫さま抱っこ。それに驚いて俺を見上げる呆けた顔。

「お、怒ってない……の?」

「バカって言われたくらいでいちいち怒るほど、子どもじゃねーよ」

「えーっとぉ……なんで、抱っこ?」

「んー、まあ。愛の着替えもココにあるし」

 うっ、とイヤそうな顔に変わる愛。でもこれは、前からたまにやってたことだし。

「一緒に、風呂入ろうと思って」

「……うぅー……えっちだぁ……」

「だから、えっちはしないっつーの」

 イヤ、これはこれでもの凄ーく辛いんだからな? 生殺しもいいとこなんだから、むしろ耐える俺を褒めてくれ。

「そうじゃなくて…………もうーっ」

 心情的には色々思うところはあるんだろう。でも、愛はぎゅっと俺の首に腕を回す。

「ホントは、あたしから言いたかったのに……そーじくん、ずるい」

「えっちなのはどっちもだな、やっぱ」

「言わないでよー……言葉にすると、やっぱり……恥ずかしいんだから」

 複雑そうにしながら頬を赤らめて、ぎゅーっと俺のシャツを掴んでくる。

 その可愛い抗議を、俺はあえて受けながら風呂場に向かう。

 

 

 

 ――――さて。

 作者として、総志に代わって注意させていただきます。

 

 こっから先は結構えっちぃ部類に入ります。もちろん世に言う本番行為はありませんが、出来ることなら露骨な性的描写が苦手の人は避けた方が無難かもしれません。

無論可能な限り健全な範囲で抑えますが、それでも2人の恋人同士という関係を一層理解していただく上で必要な描写である以上、ある程度はご理解ください。

 また、前提として総志と愛は、Part2のタイトルイン前に書いた通り2年半近く交際しており、当然身体を重ねた回数もそれなりに多いです。

だって2人ともまだまだ若いから。無理することもしばしばあったんです。

 よって、2人の間に置いて恥じらいというのはあまりありません。

 それはこれまでの描写を見ていれば分かることだとは思うので、深くは語りませんが。

 

 

 さて、準備はよろしいでしょうか?

 

 では。脱衣所の扉を開けましょう。

 

 

 

「前も思ったけど。キレーになっちゃったね、お風呂」

「まあな。無駄に広いし、最初はホント使い辛かった」

 貸してやったジャケットを脱がし、ブラウスのボタンを外していく。

メガネをしてなくて見えず苦戦してたのが嘘みたいに、今はメガネなしでもあっさり外せる。

「つーか、自分で脱げよ、シャツくらい」

「うん。でもシャツくらいって言うなら、いいじゃん♪」

 初めての頃は真っ赤になって恥ずかしがってたくせに、今じゃコレだ。ま、それだけ愛も慣れたってことなんだろーけど。

「ほれ、手、後ろに伸ばして」

「はぁーい」

 するっと脱げていくブラウス。その下にはきゅっと締まってくびれたウエストと、飾りの少ない薄いピンクのブラジャー。

そして……そこからあふれそうなボリュームのおっぱい。

「はぁ……相変わらず、デカいな」

「うぅ、しみじみ言わないでよぅ……重いんだから」

 世の貧乳女性を敵に回す発言。いや、デカいって時点で十分敵視されてるだろう。

「じゃ、そーじくんの番。ばんざいして、ばんざーい」

「はいはい」

 母親が小さな子どもに言うみたいでなんかムカついたけど、大人しく従う。

長袖と下に着てた半袖のTシャツは一気に引っ張られて、あっという間に上半身は裸。

大して鍛えてもいないけど、重い機材とか運んでるんでそこそこ筋肉はついてる。

「そーじくん、体重何キロだっけ?」

63キロ。痩せてる方らしーけど」

「ふ〜ん……えい」

 ぐに、とへその上を指でつつく愛。ちょっとくすぐったい。

「おー……硬いねー」

「ところで愛、今何キロだ……って、いてぇっ!」

 腹! 腹すっげぇ掴まれてる! いや、冗談抜きで痛い!!

「いくら、そーじくんでも、カノジョの体重だけは、聞いちゃダメ、なんだ、よー!?」

「わ、わーったから、放せ!」

 ぶちん、と腹を引っ張られて解放される。ぐあー、いってぇ。

「んだよ……気にするほど、太ってねーだろ、お前。むしろ細いぐらいだし」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、それでもっ! 女の子には体重聞かないのが、デリカシーってものなのっ!」

 まあ、女はいつも体重を気にしてるって言うし。

それに大体なら、愛の体重くらい分かるけどな。抱き上げたりしてるから。俺の勘では478キロくらい?

「何か言うこと、あるんじゃないの?」

「あー、……悪かった、ゴメンナサイ」

「もう…………………キロ」

「ん?」

「……47………….9キロ!」

 47.9キロねぇ……四捨五入して48キロって認めたくないのか。

 なんつーか、聞くなって言いながらもちゃんと教えてくれるのが可愛い。

「ありがとな、愛」

「うー、複雑だよぉ……」

 頭を撫でてやるけど、やっぱり不満は残るらしい。何とも言えない微妙な視線がその証拠。

「でもなー。それだけしか体重ないのに、こんなに胸あるって、どうなんだ?」

「どうって聞かれても、困るよー……」

 ため息交じりに胸を見下ろす。好き好んで大きくなったワケじゃないってのは知ってる。

 でも、彼氏としては愛しの彼女がスタイルいいってのは、結構嬉しい。

 というか、口には出さないけど。

 愛が彼女って時点で、最高に嬉しいんだけどな。

「ま、俺は好きなんだけどさ」

「うー」

 

 なんてやり取りもほどほどに、俺たちはさっさと服を脱ぎ続ける。

 けど。

「そーじくん……その……前くらい、隠してくれると……嬉しいんだけど」

 トランクスに手を掛けた所で、ちょっと赤くなりながら言う愛。

何回も手で触ったり、それ以上のこともしてるくせに、恥ずかしいってのは……やっぱり、明るいところではそう何度も見てないからだろう。

「はいはい……って、お前も隠すのかよ」

「うぁ……だ、ダメ……?」

 長めのタオルを手で掴み、胸元から垂らして、絶妙に見えないようにしてる。

 いやそっちの方が逆にえっちなんですが愛さん? 先とか少し見えてるし。いや、どっちのとは言わないけどさ。

「ま……別にいいけど。どーせ風呂に入ったら取るし」

「いいもーん、入浴剤持って来たもん」

 鞄からその入浴剤とやらを取り出す。その間、ぱんつはいてない可愛いおしりが丸見えなんだが、言う必要もないんで黙っておく。

「はいコレ」

 ずいっと突き出す白いボトル。うわ、よりにもよってミルクかよ。まあ下手な果物系じゃない分マシなんだが。

「うち、あんま入浴剤とか入れないんだけどな」

「もったいないよー、せっかく広いんだから。泡風呂にしようよー?」

 ねーねーとせがむ愛。素っ裸になるのは恥ずかしいくせに、ほぼ全裸でぐいぐい身体を寄せるのは恥ずかしくないのか?

「わかった、わーったからっ。でもな、ちゃんと風呂洗うの手伝うんだぞ?」

「うんっ。そーじくん大好きー」

 べたーっと密着。タオル越しに押し付けられる質量。理性防壁が決壊しそうだが堪える。

コレくらいなら…………いや、ホントは結構つらいが、まぁどうにかなる。

……なるんだって! ホントだからな!?

 

 

 

 

 湯気の漂うバスルーム。申し訳程度に開けた窓から、その湯気がするすると抜けていく。

「じゃ、入れるねー」

 フタの3分の2くらいまで注いだ乳白色の液体を浴槽に流し入れて、その上から強めのシャワーを流し込む。

「うわ、泡立ちすごいな」

「うん。混ぜるともっとすごいんだよ」

 ざばざばと手桶を使ってお湯をかき回す。泡はあっという間に浴槽を埋め尽くして、シャボン玉まで出来始めた。

「このまま入っても平気なんだっけ? 泡風呂って」

「全然だいじょーぶっ。それにこれ、入るだけでボディーソープの代わりにもなるから」

 便利なモンだ。確かに、使いたがる気持ちも分からなくはないな。

「けど、なんか洗ったーって感じがしないな、それだと」

「総志くん石鹸派だもんね。たわしとかあるし、おじいちゃんみたい」

 シャワーを蛇口に切り替えて、ちゃぽん、と足を浴槽に入れながらくすくす笑う愛。

確かにジジくさいとは俺も思うが、実際、洗ったって気分にはなれないんだから仕方ない。

「いいだろ、好き好きあるんだから」

「誰も悪いなんて、言って、ない、よー…………っとぉ」

 思いっきり手足を伸ばし、語尾まで伸ばす愛。広すぎる浴槽は愛が全身伸ばしてもまだ余る。我が家の風呂ながら、全くデカ過ぎる。

「うゅー……そーじくんも、はやくぅー」

「はいはい、ちょっと待ってろ……って」

 いつもと違う感触にちょっと戸惑う。でも入らないわけにはいかないんで、ざぶっと一気に肩までつかる。

ちょっと少なめに入れたつもりのお湯も、2人分の体重と流し込んでるお湯のせいで水位が上昇し、浴槽から少し溢れ出ていく。

「お湯、止めるな?」

「うん、いーよー」

 元を捻って流れを停止。リズムよく流れてた水の音がやむと、バスルームはしーんと静まり返る。

 目の前には、泡。

 牛乳のにおいがする、白い泡がこれでもかと俺の視界を遮って――――って明らかに多すぎだろ、これは。

「どーですかー? あわあわのお風呂はー?」

「……泡が邪魔で、愛の顔が見えない」

「え? あー……じゃあ、あたしがそっちに行くね」

 じゃぶじゃぶと泡をかき分ける音。それから何秒もしないうちに愛は俺の目の前に来て……くるっと反転。俺のすぐ隣に顔がくる。

 いつの間に束ねたのか、普段は下ろしてる髪はポニーテールになってた。

 と言っても、そんなに長い尻尾じゃない。元々がそんなに長くないから。

「いつも風呂入るときは、それやってんのか?」

「? ああ、ポニー? たまーにね。明日の喫茶店も、これでやるんだよー? 白のリボンつけるの♪」

「ふーん……お、ほくろ」

うなじの髪の生え際に小さなほくろを発見。いつもは後ろ髪で隠れてるから、こういう風に髪を上げないと全然見えない。

「うえ? そんなトコのなんて、気がつかないよー」

「当たり前だ。見えたら怖すぎる、だろ……」

 ちゅっ、とほくろにキスする。不意討ちに驚いた愛の身体がぴくっと反応。

「ゃん……もう、首弱いの知ってるくせにー……ずるいよ」

「ずるいも何も」

 お互い裸なんだから。多少いちゃつくくらい想定の範囲内だろーに。

「さっき言ったろ? いっぱい、キスしてやるって」

「だめー、今日と明日は、口だけにゅんぅっ?」

 最後まで言わせないうちに唇を塞ぐ。変な声だったけど、ちょっと可愛かったんで全然オッケー。

 バスルームの香りのせいか、愛の唇はミルクの味がする。

「しょ、んう……ぅ、じゅっ、ぢゅ……くちゅぅ」

「ちゅ、っぷぁ……ほら、洗ってやるから……こっちに背中、向けて」

「んやぁ……そーじくんに、たべられちゃう……」

 ぐあっ、なんてこと言うんだこの娘っ子は。人がせっかく我慢してるってのに、俺の理性防壁を粉砕する気かっ。

「食・べ・な・い。俺は、約束は守る」

「ぅん……でも、はっきり言い切られると……それはそれで、ショック、だったり……」

 赤くなりながら言うな。じゃあ俺にどないせぇっちゅーねん。

「あのな……愛が言ったんだろーが。今日は出来ないって」

「は、はい……」

「なら俺はしない。愛がされて困ることなら、俺は絶対しない。でもその代わり……」

「……その代わり?」

 ちょっと間を空けて、愛の身体を抱き寄せる。細いウエストはするっと腕の中に。

「わっ、そーじくん?」

「ちゃんと、洗わせてもらうからな? 愛の身体」

「うぅー……わかったよぅー」

 

 

 シャンプー用の棚に乗せてたボディースポンジを取って浴槽に一回つける。スポンジ自体は1、2回くらいしか使ってないから新品同様。

 たっぷり水分と泡を吸わせてから、愛の首を優しく擦る。男と女じゃ力の基準値自体が違うから、普通より弱いくらいでちょうどいい。

「なんか……変な感じー」

「何が?」

 喋りながら喉元からアゴの下までを擦り終えて、今度は肩と背中に移動。肉付きの薄い背中は、それでもちゃんと女の子の柔らかさがある。

「自分じゃ届かないからなんだけど……そーじくんに洗ってもらうの、気持ちいーの。ちっちゃい頃も、一緒にお風呂、入ったよね?」

「そうだな……でも最近も、たまに入るようになったけどな」

「そ、そーだけどぉ……もぅ」

ま、愛が小学校入るくらいまで、だけど。

遊びに来たり思いっきり転んで泥だらけになったりしたときは、おふくろと一緒に風呂に放り込まれてたのは、ちゃんと覚えてる。

「愛、腕伸ばして」

「あ、うん」

 背中を終えて腋の下へ。さすが愛も女の子だ、ちゃんと処理してる。

「痒いトコとか、ないか?」

「うん、だいじょうぶ。でも、その……ま、前は、自分でするよ?」

「ダーメ。ちゃんと洗うって、言ったろ」

「うぅー……そーじくん、えっちだよぅー」

 でも愛が本気になって抵抗しないのは、俺を信頼してるからだろう。

 ……思えば子どものころから。

俺は、愛との約束を破ったことは……たまにはあったけど、基本的にほとんどない。

 特に、付き合い始めてからはそれが当たり前になってきた。

 その信頼を裏切るなんて、俺はしないし、出来ない。

 だからこんな生殺しとか拷問級の行為も、愛のために耐えるのだ。

「じゃ、おなかからな」

 腋から両腕を洗って、指の間まで洗い終わってから、スポンジをお湯の中にもう一度沈めて泡をしみ込ませる。

「おなか、終わったら……おっぱい?」

「どっちでもいいけど……ま、下は止めとくか」

 下行ったら俺のブレーキが壊れるかもしれないし。腰から下は、愛に自分でやってもらおう。

「下は自分で洗ってくれな。胸終わったら、スポンジやるから」

「うん、りょーかーい」

 浴槽の中で少し移動。愛のとの距離をちょっとだけ詰めて、くびれたわき腹からへその上辺りを指で触りながら、スポンジで優しく擦る。

「っ……ん」

「くすぐったい?」

「うん、ちょっとだけ……」

 ゆっくり円を描くように腹を撫でながら、小指でへそのくぼみを軽くいじってみる。

「ひゃっ、ちょっ、そーじくんっ? おへそ、さわって……こらぁっ!」

「いや、ちゃんとここも、キレーにしなきゃと思って」

「き、キレーしてるもんっ! ちゃんとおなか、洗ってよぅー」

「はいはい」

 イタズラは止めて、無駄な肉がほとんどない腹を洗っていく。愛のウエストは細いから、擦る面積はそんなに広くない。

 そんなに時間もかからずにウエストまわりは終了。

「じゃ、次は胸な」

「う、うん……お願いします」

 スポンジを広げて、右のおっぱいを下から持ち上げる。水の浮力もあるから重さはそんなに感じないけど、やっぱり大きい。

「いまDだったっけ? サイズ」

「あ、え、えーっと……ゴメン」

 ? ワケがわかんねえ。何で謝ってんだ?

「ま、また……サイズ、上がっちゃいました。今、Eです……」

「………………えー……マジ?」

 何それ。お前はどこのグラビアアイドルですか。

「マジです……ごめんね、黙ってて……」

「いや、別に謝ることじゃねーんだけど……」

 なんつーか、意外な答えに驚かされた。

 でもそれは、愛がまだ17歳だから、当然といえば当然なんだよな。一応成長中なんだし。

 にしても……Eカップねぇ。Dでも巨乳って言えるレベルなのに、その1コ上か。

「じゃ、ちょっと念入りに洗わなきゃな」

「べ、別に普通でいいよぉー」

 ゆっくりと下からスポンジを動かして、愛のおっぱいを洗っていく。

 スポンジ越しにも伝わってくる柔らかさは、相変わらず『柔らかい』って言葉じゃ足りないくらい感触がいい。

サイズが上がったっていうけど……そんなに違うか? 俺にはあんまりよく分からん。

全体をしっかり優しく洗ってから、泡で隠れてる先っぽをさらに優しく、手加減しつつ洗う。

その度に愛の口からビミョーに甘いため息が漏れてたけど、敢えて聞こえなかったことに。

「いつごろ気がついたんだ? 大きくなった、って」

「えーと……2学期の身体測定のときまではDだったの。でも、先週あたりからちょっとブラがきつくなったかなーって思って、測りなおしたら……ぎりぎりで、Eカップ……」

「イヤか? 大きくなるの」

「そんなに、イヤってわけじゃないけど……かわいいブラとかないし、それに」

俺の方を振り向いて、じっと見つめるまっすぐな瞳。

「総志くんに、嫌われたくないもん……」

……深刻そうな顔して、何を言うかと思えば。

「愛」

「ん、あっ……」

前髪をかきわけて、おでこにキスする。

「何で俺が、愛を嫌うんだよ?」

「何でって……だって、総志くんが言ったんだよ? おっぱいおっきい女の子は、好きじゃないって」

 え?

「えーっと……俺そんなこと言ったっけ?」

 悪いけど全然覚えてない。

仮に酔って言った事だとしても、俺はその日起きた事は割と覚えてる方だし。

 けどまあ確かに、度を越えて大きいのはさすがに敬遠する。でもEはそのレベルじゃないんだよな、俺的には。

「覚えてないかもしれないけど、言ったの! だから、大きくなっても……総志くんに嫌われたら、意味ないから……やっぱりイヤなの」

 ああ、もうなんていじらしいんだコイツはっ。

お互い素っ裸だろうと問答無用で抱きしめたくなるが、それやるともう場所が風呂だろうが止められそうにないんで、可能な限りの理性と自制心で何とかストップをかける。

自分で決めといて何だが、もうホント身体に悪すぎ。脳の血管切れそうです。

「俺が、愛を嫌いになるわけないだろ? 俺は愛の全部が好きなんだし、愛もそれ、知ってるよな?」

「うん……でも、総志くんがあんなこと言ったから、不安になっちゃったんだもん……」

「んじゃ……訂正する。愛の胸がEカップでも、俺は愛が好き」

 覚えてもいないことを訂正するってのは可笑しな話だが。でも事実なんだから、きちんと名言したって事で。

「…………ねぇ、そーじくん?」

「ん?」

「あたし、今すっごく抱きつきたいんだけど……ダメかな?」

 ゴメン。正直言うと止めて欲しいです。理由? 俺の理性が爆死するから。

 でも、それでも断れない。理由はすごく単純。

 

「いいよ。つか、いつも抱きつくの断らないだろ」

「うんっ! そーじくん、大好きっ!」

 

 

 森川総志は、秋月愛の事を本当に愛してるから。

 

 

 

 

 

 約30分後。

 一番リラックス出来るはずのバスルームでたっぷり精神とか神経をすり減らした俺と、すっかり機嫌を良くした愛は、リビングのソファーで髪を乾かしてる。

 ちなみに、俺も愛も既に寝るときの格好。俺はジャージの下と半袖Tシャツで、愛は家から持ってきたパジャマ姿。

 わしわしとタオル動かし、愛の髪を乾かす俺。俺のほうは後で愛がやってくれるって事で、今はとりあえずタオルだけ巻いてる状態。

「泡風呂、気持ちよかったねー」

「ああ……気持ちよかった」

 あの柔らかさは一度でも味わうと病み付きになる。押し付けられる大きくて柔らかい2つの質量。ぶっちゃけ臨死モンでした。

「また一緒にお風呂入ろーね、そーじくん♪」

「…………また今度、な」

「えー? 明日は一緒に入らないのー?」

 むーっとむくれる愛。でもスンマセン、マジ勘弁してください。明日一緒に入って今日みたいなことになったら、俺は間違いなく愛を食べ尽くすと思うから。

 それこそ朝どころか昼になっても起きれないくらいになるまで、たっぷりと。

「明日は愛も疲れてるだろ? だったら、ゆっくり1人で入ったほうがいいって」

「そっか……そーだね。うん、そうするねっ」

 誤魔化し成功。今は愛の純粋さに感謝したい。

「おし、終了」

「はぁーい。じゃあ、そーじくんの番ね」

 タオルを首からかけて、俺の頭に巻かれてるタオルを取り、優しい手つきで髪を拭いていく。さすがに愛も女の子だけあって、拭き方が丁寧だ。

「痒いとこ、ないですかー?」

「ないよ。……あ、拭き終わったら冷蔵庫の中にあるボウル、出してきてくれるか?」

「ボウル? なんで?」

「風呂上がりのデザート、蜂蜜りんごのヨーグルトかけ」

 時間にもそろそろ1時間経つし、ちょうどイイ感じに冷えたくらいのハズ。

時期的にまだ甘みの乏しいりんごを蜂蜜で補って、その上からヨーグルトをかけただけの簡単すぎるものだけど、これはこれで美味い。

「うー……太らない?」

 不安そうな声。だから、お前は細いっちゅーのに。

「蜂蜜はひかえてるし、ヨーグルトも無糖。少しくらいは仕方ないけど、かなり糖分は抑えてる。……さあ、どうする?」

 愛の手が止まる。明日の朝のメニューとか喫茶店の運動量とかいろいろ想像して、食べるかどうかを真剣に悩んでる。

「………………いただきます」

「うむ。素直でよろしい」

 

 で。

ボウルからデザート皿に移して、軽く1杯だけ食べてデザートは終了。

 残りは明日の朝食にまわすことになって、愛の計算は早くも狂うことになったんだが……。

「もーちょっとだけ、食べてもいい?」

 

 ……まあ。

 本人幸せそうだし、俺としても食べてもらえるのは嬉しいから、いいんだけど。

 

 

 


あとがき:

まず、15歳未満要注意作品になってしまったことを、深くお詫び申し上げます。

おかしいなぁ……こんなにエロ方面に行く予定はなかったはずなのに……。
2人に当てられたのかなぁ……(お前の作品です)

ともあれ、2人のラブラブっぷりは書いてて腹一杯にならざるを得ませんでした。
この2人の行く手を阻むものは何もありません。
もう私ですら、彼らを応援することしか。下手な横槍とか簡単に叩き折られそうですし。

では、ご意見ご感想はこちらまで。 → cxmct821@yahoo.co.jp

次はそろそろ学校編に行く予定です。SoS(Sword of Starlights)もそろそろ充電が
終わりそうなので、再びファンタジー筆を取ろうかと思います。

2006年4月 鷹



あ〜〜・・・もう何も腹に入りません(笑)
まあ今回は15奨って感じでしたけど、それでも皆様存分に楽しめたのではないでしょうか?
もちろん私も、サイト管理者というよりは、いち読者として楽しませて貰いました。

なんかもうラブラブ街道まっしぐらって感じですねぇ〜。正直羨ましいです(泣)
次回の学園編も楽しみ楽しみ♪


雅輝