『らき☆すたSS〜つかさside〜第7話〜』
(大丈夫かな・・・2人とも)
私はお昼休みになった後、祐一君の後を追って屋上に来ていました。
お姉ちゃん達が考えた作戦は、とても単純なものでした。
『2人で話し合う機会を作って、仲直りさせる』
確かに、それが一番確実な方法でした。
でも・・・
扉の影から、そっと祐一君とこなちゃんの様子を見ます。
「・・・」
「・・・」
2人の間には、気まずい空気が流れていました。
(・・・2人とも仲直りはしたいって思っているのに・・・)
祐一君はもちろん、こなちゃんだって・・・
私は、昨日こなちゃんから掛かって来た電話を思い出しました。
『はい、もしもし?』
『あ、つかさ・・・私』
『こなちゃん?どうしたの?』
電話の向こうのこなちゃんは落ち込んでいるようでした。
『あのさ・・・祐一君、怒ってた?』
『ううん!大丈夫だよ。祐一君も仲直りしたいって言ってたし』
こなちゃんを励ます私。
『本当?良かった〜』
本当にホッとした様子が電話の向こうから伝わって来ます。
『・・・ねえ、こなちゃん』
『・・・?どうしたの?つかさ』
『・・・・・ううん、何でも無い』
その後、普通の話をして、こなちゃんは電話を切りました。
(結局、私は聞けなかったな・・・)
私がこなちゃんに聞こうと思ったこと、それは―――
『こなちゃんは祐一君が男の子として好きなの?』っていうことでした。
こなちゃんに『そうだよ』って答えられるのが、怖かった。
私は、こなちゃんに敵わないから―――
「ち、ちょっと何すんの?リアルでひぎぃはノーサンキュ!!」
「ち、違うって!!コロネが―――」
こなちゃんの声と祐一君の声が聞こえて来ました。
見ると、祐一君がこなちゃんの胸を触っているように見えました。
(ゆ、祐一君!?何やってるの?)
私は、最初事態が更に悪化したものだと思いました。
「うぁ・・・ゴメン。でもそれなら、最初から言ってくれればいいのに。説明しなきゃ分からない事って一杯なくない?」
「昨日のこととか?」
「むぅ・・・お主、そう来るか?」
そこからは、会話は弾むように進んで行きました。
昨日私に話してくれた『理由』のこともあるのか、詳しい会話の内容までは聞こえませんでしたが、
2人の表情を見ている限りでは、いい方向に進んでいるみたいでした。
やがて、会話が終わったのか、こなちゃんがこっちに向って走って来ます。
「!!」
私は思わず、ドアの影に隠れました。
こなちゃんがそのそばを通って行きます。
(ホッ・・・)
私は思わずため息を付きます。
その時でした。
「つかささん?心配して来てくれたの?」
「ゆ、祐一君・・・」
私のことに気が付いたのか祐一君が笑顔で私に問い掛けます。
「う、うん・・・仲直り出来たみたいだね」
「ありがとう。つかささんのお陰だよ」
「そ、そんな・・・私は何にもしてないよ。それに・・・気になることもあったし」
「気になることって?」
「エヘへ・・・ナイショだよ」
祐一君の言葉に笑顔で答える私。
「今回の俺とこなたさんのトラブルって『ちゃんと話さなかったから』なんだけど」
「う、うん。でももうちょっと考えたいから」
“キーンコーンカーンコーン・・・”
「はわわわわっ!祐一君!授業始まっちゃうよ!」
「そうだね。急いで戻ろう!」
私と祐一君は、急いで教室に戻りました。
その後の時間は瞬く間に過ぎて行きました。
祐一君やこなちゃん達演劇に出る人達は必死になってお稽古を。
私達、裏方の人達は、準備を進めていました。
みんな、心の中の思いは一緒でした。
『劇を成功させたい。後悔はしないようにしたい』
そんな思いを抱えながら、ついに、練習の最終日を迎えました。
「これだけ買えば大丈夫だよね・・・喜んでくれるかなぁ・・・」
私はそう呟きながら、自動販売機のボタンを押します。
ジュースが、ガタンガタンと音を立てて、出てきます。
「さて、後はこれを持っていって・・・」
そこまで言って私はあることに気が付きました。
「どうやって持っていこうかな?」
よく考えて見れば、こんなにたくさんのジュースを手に持っていける訳がありません。
「う〜んと、袋どこかにないかなぁ・・・食堂は閉まってるし」
私が困り果てたその時でした。
「どうしたの?つかささん?」
「あ、ゆ、祐一君・・・」
その声を聞いただけで、私は自分の顔が赤くなっていくのが分かりました。
「って、どうしたの?こんなにたくさんのジュース!?みんなへの差し入れ?」
祐一くんが驚くのも無理ないかも・・・
私の周りには、10本以上の缶ジュースが並んでいました。
「う、ううん・・・祐一君へのお礼・・・」
「俺への?何で?」
「祐一君、私の手伝いもしてくれたから」
祐一君は、演劇の稽古の合間に、私の小道具作りにも協力してくれました。
「いいよ〜祐一君は劇のことだけ考えて」
そういう私に、祐一君は―――
「つかささん、俺は『代役をやる』って言っただけで、『小道具係やめた』とは一言も言ってないよ」
「祐一君・・・ありがとう」
「でね、でも祐一君どれが好きか分からなかったから・・・全部買えばいいかなって。好きなの選んでいいよ」
「そうなんだ・・・じゃあ遠慮なく」
祐一君はストレートティーを一本とそしてメロンソーダを取って私に渡します。
「つかささん、メロンソーダ好きだったよね」
「うん、メロン大好き!でも何で私にも?」
疑問を感じながら、私はそれを受け取ります。
「俺、こないだつかささんのメロンソーダ飲んじゃったしね。それにお詫びも込めて・・・
って、お金出してるのはつかささんじゃ意味ないか」
笑いながら言う祐一君。
「それなんだけど・・・後から気がついたんだけど、あれってその・・・か、間接キスだよね」
「・・・」
私の言葉に黙りこくる祐一君。
「飲みかけじゃ嫌だっただろうし、その時のことも含めてるんだよ」
「・・・別に嫌じゃなかったけど」
「えっ?」
“ドキッ”
私の心がドキドキし始めます。
「特に嫌じゃなかったよ。それにつかささんとなら・・・キ、キスしたって、俺は・・・」
「ええええっ!?」
私は思わず声を上げていました。
「キスするの?私とキス!?、ああでもうまく出来るかな〜!?・・・」
「ちょっ!つかささん!落ち着いて!ものの例えだから!」
「あ、そ、そうだよね・・・」
その言葉に少し落ち着く私。
「で、でもキス出来れば、劇の練習にもなるんだよね?じゃあ・・・どうぞ」
私は祐一君の目の前に立つと―――そっと目を閉じました。
「えええええっ!」
今度は祐一君が驚く番でした。
その時です。
『♪〜♪〜♪』
私の携帯電話が鳴りました。
「あっ・・・ゴメン。ちょっと待っててね」
私は携帯に出ます。
『あっ、やっと出た・・・つかさ、もう帰るわよ』
お姉ちゃんの声がしました。
「あっ!そういえばお姉ちゃんを待たせてたんだ。ゴメンね祐一君。また明日ね!」
「あ、う、うん、また明日!!」
少し呆然とした祐一君に挨拶するとわたしはお姉ちゃんの所に向いました。
“ハァ・・・ハァ・・・”
私は走りながら、頭の中は祐一くんのことで一杯でした。
もう、完全に間違いありません。
―――私は、祐一君のことが好きです―――
もちろん、祐一君が私のことを好きだとは思っていません。
祐一君の周りには、私なんかよりずっと魅力的な女の子がたくさんいるから―――
だけど―――それでも―――
私は祐一君に自分の思いを伝えることに決めました。
そうしないと、後悔するような気がしたから―――
私は走りながら、携帯を取り出して、祐一君の番号を呼び出します。
『もしもし?どうしたの?つかささん?』
電話の向こうで祐一君の声が聞こえます。
『はぁ・・・はぁ・・・祐一君・・・』
『ひょっとして、ジュースのこと?だったら俺が教室に持っていっておくから』
『ち、違うの・・・そうじゃなくて・・・祐一君、明日劇が終わった後、時間ある?』
『後夜祭に出るくらいだけど?』
『だ、だったらちょっと付き合ってくれない?話したいことがあるから!』
『う、うん分かった・・・』
いつになく真剣な私の口調に祐一君は戸惑いながらも答えました。
携帯を切った後、私はホッと息を付きました。
未だに心臓がドキドキしています。
これで、私の恋に何らかの結論が出るのは確実です。
でも、どんな結果が出ても―――私はそれを受け止めることに決めました。
例え、祐一君が他の女の子を好きなら、私はそれを祝福してあげたかった―――
〜最終話に続く〜
こんばんわ〜フォーゲルです。第7話になります。
今回は仲直りと劇の前日のシーンまでですね。
よく考えたら、こなたとの仲直りシーンは、ほとんど2人だけだから
他のヒロイン視点の場合は凄く難しいということに今更気がついた。
後半は缶ジュース大量購入ですが・・・
このシーンのために、もう一回本編やりなおしたんだけど・・・
つかさはかなり積極的な方だよなとか思いました。
次回はいよいよラストシーンです。
時間はループしないので、最後のシーンはオリジナルのシーンになります。
そちらも楽しみにしてくださいね。
それでは、失礼します〜
管理人の感想
第7話をお送りしました。
いやぁ、今回のつかさはとても積極的でしたね。やはり想いを自覚したからでしょうか。
もう今回の冒頭の時点で、自覚したようなものですもんね。「私はこなちゃんに敵わないから」という文からも分かるように。
そしてあそこでキスを出来なかった祐一はヘタレ決定(笑)
さて、次はもうクライマックスシーンですね。劇終了後の告白。はたして、どうなるのか!?
というわけで、お楽しみに〜^^