It’s a Sword of Starlights

 

 

 

 『機国』ガナンタイト。

 『機国』という名前の通り、ガナンタイトは国土の約8割以上を機械が占めるという鋼鉄の国であり、ゼンポゥラにおける機械の6割以上の生産を行う、

この星における技術の要といえる。そこには勿論多くの人間が住み……、またそれ以上に危険も多い。

 それは、あの『アンノウン』の出現より始まった事態。

 いかに情報封鎖をしようとも、人間の口を完全に封じることは出来ない。情報は手から零れ落ちる水のように、砂のように、僅かながらも確実に世界へと蔓延し、

あの遥かな天空に居座る巨船へ人々の目を向けさせ。

 そして、そこへ辿り着けるもっとも簡単な港へと、人々は殺到する。

 その大多数は、やはり怖いもの見たさであり。

 しかしごく一部はその船を見る、あるいは攻撃する為の手段として、時に暴力を用いる。

 千年の平和を乱す火種は確かに『アンノウン』。だがその結果、人々に興味と脅威を与えるのは、やはり人の手によるもの。

 少数とはいえ発生するテロリストを押さえ込むのは、各国警察機関にも限界がある。

 ――――故に。無法に対抗するのは、絶対なる法。

 鎮圧と制圧への一手としてガナンタイトの首相、レドニオ・エルヴェッフと議会は正式に駐留中、並びに新卒のアーク・トゥエラを召集。

 愚か極まるこの争いを討つことを、彼らに命じた。

『法の守り手よ、その光の剣を持って無法の使徒を討て!! 守るべき正義の法は、我らに在り!!』

 

 

 

第三話 孤高の青年

                                 02.反乱〜テロリスト〜

 

 

 

 5時間の船旅を終え、リディアら4人はようやく目的地に辿り着いた。

 ガナンタイト、リェルス・ボウラ発着港、アゼンターナ・ポート。乗客たちは次々に船を降り、それぞれが目的地へと向かっていく。

「それで、レオン。僕達の目的地は?」

「まずは……アーク・トゥエラのセーフハウスだ。取り敢えず、移動はタクシーを使う」

 船内でレオンが話した通り、アーク・トゥエラはその立場上秘匿すべき職業。彼らがその権力を行使できるのは有事の時のみであり、これに抵触した場合は

彼らが守るべき「法」によって厳罰される。その為、移動においてもわざわざ高級車両をチャーターすることは無い。

「あっちに乗り場があるけど……ルゥは、隠れたほうがいいのかな?」

「そうした方が良いかもね。それに、ここではルゥみたいな野生動物は珍しいから。ひょっとしたら捕まって、見せ物にされちゃうかもよ?」

 ロウの意地悪な脅しを理解したのか、ルゥは慌てふためいてリディアの髪の毛に潜り込み、その下にあるフードに隠れてしまった。

「あ、もう……ロウ、変なこと言わないでよっ!」

「あはは、ゴメンゴメン」

「でも、ロウの言うこともあながち冗談とも言えないわよ? 限られた森にしか生息しないフィリヨンだもの、希少価値は高いはずだから」

「リ、リシェルまでそんなこと言ってぇ……レオン、何とか言ってよ!! って、レオン?」

 だが、そこに既にレオンの姿は無い。彼は3人と1匹を置き去りにし、独りPCを操作しつつタクシーのドライバーと交渉していた。

「――――ああ。ベリスティン通り7番のマンションだ。2701、そこまで飛んでくれればいい」

 タクシーの車両認証コードをPCに入力し、オンライン口座との承認。承認が取れれば、後は個人の確認用ライセンスコードを入力するだけで、前払いが完了する。

もちろん前払いで足りない場合は下車の際に再度支払いとなるが、レオンはその事を踏まえた上で、若干金額を大目に支払っておいた。

「兄さん、気前がいいね」

「ルートはこちらの指定通りに飛んでくれ。それが出来ない場合は、チップは返してもらう」

「へへっ、若いのにしっかりしてらぁ。気に入ったよ、早く乗んな」

 タクシーのドアが開き、同時に屋根が展開する。商業用のエアカーである以上、通常屋根は開けっ放しにはしない。だが大人数を載せる場合に展開することは、さして

珍しくも無い。それに――――狭所恐怖症のリディアには、この方が丁度良かった。

「まったく、勝手なことをして……」

「うん……でも」

 少しだけ、早足でリディアはレオンに近づき……軽く、背中を叩く。

「何だ」

「ありがとっ」

 それだけ言ってリディアはさっさと後部座席に乗り込み、リシェルとロウがそれぞれ席に着く。

レオンは無言で助手席に座り、PCのナビゲーションコンテンツを開く。と、丁度真後ろのロウがレオンに小声で囁いた。

「どういう心境の変化? 興味が無いって言った割には、優しいじゃない」

「別に……4人も乗れば狭いからな。ただそれだけだ」

 それが果たして真意かどうかは――――、無論レオン自身にしか分からない。

 

 

 以前にも述べたことだが、この世界では既に反重力装置の開発に成功し量産もされており、世界中に普及している。

勿論それらを十二分に駆動させるにはそれなりの電力が必要だが、それも戦後技術により新たに開発された超低燃費の新型水素エンジンにより実用可能となっている。

これらの複合システムを空の道を行き交うエアカー、エアバイク、エアバスなどの動力機関として採用し、いまやタイヤを用いた車両は存在しない。

 リディア達の乗ったタクシーも当然同様のシステムを搭載しており、レオンのナビゲートもあって予想よりも遥かに短時間で、セーフハウスに到着した。

首都バスクレインに程近い人口密集地帯。28階建ての高層マンションの27階。部屋は20ほど設けられているが、それらすべてがアーク・トゥエラのセーフハウスである。

千年という長い時間に培われてきた彼らの実績と信用があればこその高待遇だが、周辺住民がこの事を知らない、というのもまた驚愕すべき事実だろう。

『認証コードを、入力してください』

 機械の合成音が流れる。レオンは慣れた手つきで手をかざし、ホログラフィ・キーボードを呼び出すと10桁の認証コードを入力し、その上に親指を押し当てる。

「入室は4人と1匹。うち1匹は在室する」

『確認しました。カナン・アジバラ様名義で、ファイルをお預かりしております。L.B様名義で、お荷物が届いております』

「L.B? 誰だ」

『秘匿指定を受けております。宛先は、リシェル・ベルムント様と、なっております。危険物検査は完了、しておりますので、危険性はありません』

 それを聞いて、リシェルが僅かに溜め息を吐く。

「レオン、構わないわ。私の関係者からよ」

「……そうか。では、荷物の受け取りも行う。本人の承諾済みだ」

『かしこまりました。それでは、お寛ぎ下さい』

 ピピッ、という電子音とともにドアがスライドし、中のシャッターが開き、さらに赤外線センサーが解除される。不必要なまでに強固なそのセキュリティに、

リディアはただ素直に驚いていた。

「な、なんか……すっごい設備だね」

「無駄の極みだがな」

 吐き捨てるようなその言葉とともに、ずかずかと室内へ進むレオン。その後を追うようにリディア、リシェル、ロウが入室すると、ドアは再び閉ざされた。

「部屋は好きなだけ使え。割り振りも自由だ」

「ああ。じゃあリディア、ルゥを出してあげたら?」

「うん」

 リディアが肩を叩くと、今までフードに篭もっていたルゥがひょっこり顔を出し、するすると彼女の身体から駆け下りる。見慣れない景色に戸惑っている様子だが、

部屋のあちこちを歩き回り、くんくんと匂いを嗅いでいる。

「フィリヨンって、マーキングとかしないの?」

「するけど…………別にオシッコ引っ掛けるわけじゃないよ? 頭が良いから、自分でちゃんと覚えるの」

 リディアは荷物を置きながらロウの質問に答え――――ふと、視線をリシェルに向ける。するとリシェルは自分宛ての荷を解き、早速中身を取り出していた。

 中身は――――L字型の金属棒が4本と、銃のトリガー部分をかたどったような、金属のパーツが同じく4個。そしてPC用記憶容量端末の一つ、ボイスメモリーチップ。

「余計なことばかりして……用があるのなら、直接来なさいよ……!」

 決して小さくない声で、そう吐き捨てる。その響きは怨嗟のそれに近く――――ロウはそれを察したかのように、リシェルの肩に手を置いた。

「ダメだよ。そんな事言っちゃいけない」

「…………っ!」

 ロウのその声は届いていたのか分からない。リシェルは忙しなくメモリーチップを自分のPCに挿し込み、イヤーフックを使って中に記録されている音声を聞き始めた。

その光景を、リディアはただ見ていることしか出来なかった。リシェルの姿はこれまで見た彼女のどれとも違い、どこか鬼気迫る物があり同時に、どこか寂しげでもあった。

今ここで声を掛ける事は出来ないし、彼女自身が許してくれないだろうと思ったのだ。

「おい、リディア」

「わあっ!?」

 不意に背後から声をかけられ、思わず声を上げるリディア。しかし声を掛けたレオンは全く気に掛けるでもなく。

「お前は取り敢えず、俺のサポートなんだ。一通り打ち合わせをしたいんだが」

「あ、う、うん……って、リシェルたちは?」

「後で見せておく。先に目を通しておけ」

 レオンが投げて渡したのはPC用の記憶容量端末の一つ、データメモリーチップ。メモリーチップは用途によって最適化が施されており、データにはデータ用、

音声には音声用とそれぞれ分類され、使用目的によって使い分けられる。特にデータメモリーチップはその用途から『ファイル』と呼ばれることが多い。

ちなみに最大容量は現実で使われている一般的な市販デスクトップPC級のHD程度の容量(300500GB)がある。これは表示の際にホログラフィ処理を施すため、

必要以上にデータが肥大化し、またそれを十分補う為だ。

 閑話休題。

『――――さて、久し振りじゃのう。まだまだ若輩のお主等にはいきなりの任務じゃが、レオンを含めて他の者達はそれなりに錬度も高い。上手くお主等を導いてくれるじゃろう』

 PCのディスプレイに現れ、語り始めたのはロウの師であり八席円卓の1人。風の剣帝、カナン・アジバラその人である。レオンもまたカナンには直接会った事もあり、

顔見知り程度の関係である。

『では――――早速、本題に入ろうかのう』

 声は穏やかに。

しかし、僅かながらの緊張を孕んで。

剣帝は、この国の現状を語り始めた。

 

 

 

 真期1065年・緑の月11日、1602分。

 

 天を駆ける数台のエアバイク、ダグ・ウィーダ。その光景はこの国ではありふれた姿だ。全長は2m70cmほどのフレームと、複合システムを採用した

動力機関を軸とするバイク。最大時速は調整次第だが、市販のものの一般調整でも140キロは搾り出せる。

 隊列を組んで無道の空を行くそのうちの1機が突如隊列を離脱し、――――何の前触れも無く、ビルの壁面へと激突する。

 ガッゴオォオオゥウゥウゥッゥン!!!

 爆音と炎が巻き起こり、ビルの一部が大破する。さらに吹き上がる黒煙と、人々の絶叫。

それは誰の目にも明らかな、自爆テロ。しかし本来自爆とは、己の命すらも投げ捨てる覚悟で行うもの。そういう意味では、これは真の自爆とは呼べない。

何故ならば――――自爆を実行した張本人が、まだ生きているのだから。

『――――・・・・・?』

「イエス、サー」

 合成音による擬似音声。その事実一つで、実行犯が人間ではないことを知る者は、爆心地から上下5フロアにはいない。

「目的ハ達成。フロアノ人間ハ、全テ――――」

 センサーを用いて上下5フロアを索敵。赤外線、熱源、音源探査。その結果。

 残念なことに、『彼』の目的は完遂されてはいなかった。

「訂正。1名、生存者ヲ確認。排除スル」

 足の裏側に付いた、全周囲自在のキャタピラ走行機能。既に原形を留めていない遺体を踏みつけ、引き裂き、ミンチにしながら『彼』は標的へと移動する。

 

「あ、ああ、あ…………っ」

 4階下で運悪く生き残っていたのは、女性だった。あの爆発で命を落としていれば、恐怖さえも感じることなく楽に逝けたはずだった。だが偶然テーブルが盾になり、

少なからず負傷したものの、命に別状は無い。

 そこへ、ズシンという落下音。さらに滑走する黒い『何か』。

「な、なに、な……」

 黒い、鋼鉄の機兵。頭部はいくつかのスリットが刻まれ、その内部をセンサーから発せられる光が忙しく行き交っている。

「あ、アーミー、ロボット……?」

「排除」

右腕部に内蔵された実弾銃が女性の額に照準を合わせる。引き金を引くまでも無く、弾丸は放たれ。

 パンッ、という乾いた銃声が響いたときには、既に。

 彼女は、そこには居なかった。

「? 対象、ロスト。サクテ――――」

「させないよ」

 声。

 一瞬間の光と風。それを『彼』のセンサーが感じ取ると同時に、意識(システム)は奈落へと墜ちる(ダウン)

「ふぅっ……大丈夫ですか?」

「!? あ、あな、た、……?」

 女性は、自分の身に一体何が起こったのか理解できなかった。ただ分かるのは、目の前に立っている少女の姿のみ。

「よかった。歩けます? 外にレスキューが来てますから」

 それだけ言って、少女はすぐさま耳に着けていたPCを操作し、窓側へと歩きながらどこかと通信を始める。

「レオン? 実行犯は情報通り、戦闘用に調整された軍事(アーミー)ロボット。出所は分かんないけど、メモリーは回収したから」

『わかった、帰投しろ。解析に回す』

「うん、了解」

 通信終了とともに、少女は窓があった場所へと辿り着き――――躊躇うことなく、飛び降りる。

「な!!?」

 慌てて女性も窓側へと駆けるが、既に少女の姿は何処にも無い。だが彼女の言葉通り、レスキューは到着している。

「大丈夫ですか!? すぐに病院へ向かいますよ!」

「あ、あの! さっきの、女の子は!?」

 駆けつけた隊員にしがみつき、女性が問いかける。すると隊員は眼下を見下ろして。

「犯罪者の天敵、そして我々の味方です」

 

 羽のように軽やかにダグ・ウィーダの後部座席に着地したリディアは、そのまま座席に跨りステアリングを握るレオンに、回収したメモリーを手渡す。

「初めてにしては上出来だ。だが結局、第一波は食い止められそうも無い」

 そう言いながら彼が手渡したのはゴーグル型のディスプレイ。リディアはそれを掛け、今回の作戦に参加している騎士達からの報告を順番にチェックし始めた。

「……でも、これ……狙ってるところは全部バラバラだね。ホントに無差別テロなんだ……」

「カナンは何かしら目的があるような動きを見せている、と言ってたが……今のところ、それらしい繋がりは無い」

 アクセルを入れ、ギアをシフト。ステアリングを切り、シフトウェートで方向転換。

「だが、今回は今までとは違うことが一つだけある」

「うん、カナンさんも言ってた」

――――先日、民間協力者からの情報でな。テロリストどもは、近々大規模な攻勢に出る動きがある。その者からの連絡は途絶してしまったが、

情報が漏れた以上少なくとも何かしらを目的とした同時攻撃が、数日中に起きるじゃろう。各自、連絡を取り合い、万端の準備を整えてもらいたい――――

「これまでとは違う同時多発型。召集された6チーム24人だけじゃ、とても対応しきれない。それを見越して1チームをさらに2グループに分けたが……」

「こっちの手が回る前に、むこうが先手を取っちゃう……これじゃ、イタチごっこだよ」

 フルスロットルで急発進。ダグ・ウィーダは鉄の騎馬となって、2人の騎士を次なる戦場へと運ぶ。

 レオンが駆るダグ・ウィーダはかつてはレーサー仕様として製造された機体、ドゥス・アストラーダ。製造していたメーカーが既に他社に吸収合併されたため、

一般車輌としては一切出回っていない。このマシンはレース中に大破した物をアーク・トゥエラが買い取り、改修と独自のチューニングを施したスペシャル仕様の

マシンとして生まれ変わっている。

「まずはメモリーの解析からだ。一度、リシェルたちと合流するぞ。ナビは任せる」

「うん!」

 ギアを上げ、加速する鉄騎。リディアはステップに足を掛け、両手でレオンの上着を掴む。だが

「それじゃ振り落とされる。掴むなら遠慮するな」

「え? あ、うん」

 姿勢を少し前に倒し、同時に身体ごと前に移動。そして――――ぎゅっと、レオンの身体にしがみつく。

「エステリード通り、9番ブロックのセブンシズビル。リシェルのPC反応あり」

「了解」

 ぐんっとステアリングを引き上げ、高度を上げる。そこからさらに加速し、ダグ・ウィーダは目的地へと針路を取る。

 

 

 一方、リシェルたちもリディアらと同様に、現場でアーミーロボットを撃退していた。

「主兵装は時代遅れの実弾式アームガンと振動ブレード。これだけだなんて、かなりお粗末な装備ね」

「でも、民間人にはこれだけでも十分な脅威だよ。加えてこの規模の爆発。ビルの全壊は出来なくても、中にいる人達はほぼ即死だ」

 実際、このビルの被害はそれほど大きくはない。だがリシェルらの到着があと1分遅ければ、ビル内の人間達はこの人型兵器に虐殺されていただろう。

「とっさに頭を吹き飛ばしたから、メモリーが回収出来ないわ。まったく……我ながら、こんなミスを犯すとはね」

 そう言って、自身の手に握っているゼンセイバーを見るリシェル。本来ならばシンプルな円筒形であるゼンセイバーには、一つだけ異なる点があった。

それは昨日送りつけられてきた、トリガーパーツ。この追加部品を取り付けることで、ゼンセイバーは本来ならば不可能と言われていた対遠距離戦を補う

事に成功している。

 連続稼働時間29時間。電源であるトリニウス・クリスタルの有り余る超高出力を解放し、敵を撃ち貫く光弾の銃身。

 その名は、ゼンセイバー・リヴェレイト。

「そのおかげで、最悪の事態は免れたんだ。もっと喜んでいいんだよ」

 ロウの言葉通り、このテロでの生存者は今回の同時多発型テロの中でもかなり多い。もともとこのビル自体に人がそれほど残っていなかった事も幸いし、

またあらかじめ警察機関がこの地域に事前通告していた事もあり、生存者は41名。

「でも、これが目的だとしたらやっぱり甘い。それにどうやら、相手も僕達が出張ってくる事を予想してたみたいにも思える」

「貴方もそう思う? っと……リディアからだわ。――――はい、どうしたの? そっちの様子は?」

 着信が入ったPCを耳に当て、そのままイヤーフックで耳に掛けるリシェル。ロウはまだ避難の済んでいない民間人をレスキュー達の所まで誘導するべく、

リシェルに合図を送ってからその場を立ち去ろうとする。

「メモリーを、手に入れた?」

 しかし、リシェルのその一言でロウもまたPCを操作し、2人の通話にリンクして割り込む。

「リディア? 僕だ」

『ロウ? どうしたの?』

「キミとレオンはメモリーを渡したら、すぐに都心部から離れてもらいたい。この同時攻撃……僕もリシェルも、裏があると思ってる」

『?』

「私達の考えでは、これは大規模な陽動作戦だと思うわ。勿論、推測の域を出ないけれど……でも、テロリストの本来の目的は何だったかしら?」

 リシェルの言葉にリディアの声が詰まる。そしてしばしの逡巡の後――――。

『「アンノウン」への、攻撃?』

「それが出来る施設は限られてくる。アーミーロボットのメモリーの解析結果次第では、場所も特定出来るかもしれない」

『分かった。今、上に着いたから――――これから下りるね』

 天を見上げれば、そこには2人の騎士を乗せた鉄騎の姿。

 これが反撃の糸口となるか否かは、未だ神のみぞ知る事。

 

 



あとがき:

戦闘シーン入れるとか言っといてこのざまです。
しかし、次回はガチ戦闘入りますのでご安心を。
今回はリヴェレイトを出したので、次回はストライクの方を。
そしてリディアの疾風(かぜ)を存分にご堪能ください。



管理人の感想

アーク・トゥエラとしての初仕事。とりあえず三人とも上手く立ち回ってくれたようで、ほっと一息^^;
まあやはり流石ですよね。新人とはいえ、充分な働きをしていると思います。
そして物語の核心でもある”アンノウン”。やはり未確認の謎の強者は、テロリストを含む人民にとっては脅威でしかないのでしょうか?

さて、次回はガチ戦闘が入るとのこと。私も今から楽しみにしております。
それでは鷹さん。今回もありがとうございました〜〜^^



2007.2.24