B&G MEMORIAL of SUMMER

BOYS and GIRLS in Long Vacation

 

 

BGM EXTRA AFTER EPISODE

Lovely Cohabitation

Interlude 3 to 4

 

 

 午後十時半。

 バスルームでの密事を終えて、互いの身体を優しく拭いて。着替えを済ませた後で謙悟はすぐ近くのコンビニに買い物に行き、アイスやジュースを適当な

数だけ仕入れて帰路に着いていた。ここ数日は家に誰もいない為、外出する時は例え短時間であっても必ず電気は消していくようにしている。だが今日は、

いや今日から少なくとも三日間は、謙悟が一人で出掛ける時には家に待っていてくれる人がいる。それを証明するように、新崎家の二階にある自室と一階の

リビングはほのかな明かりが点いており、帰るべき場所に自分を待っていてくれる人がいる事を証明していた。

「ただいま」

「あっ、お帰りなさい!!」

 玄関を開けて帰宅を告げると、リビングから冴霞がやってくる。先日見せてくれた物とは違うワンピース状の白いパジャマに身を包んだその姿は、以前と

違い半袖であり涼しさも感じさせ、まだ完全には乾いていない長い黒髪とは対照的な魅力を演出しつつも、とても可愛らしいデザインだ。

「アイス買ってきたから、部屋で食べよう。……何やってたんだ?」

「明日の朝ごはんの下ごしらえを。朝は早起きですし満足に準備も出来ないと思いましたから、サラダの準備だけ。カレーもちゃんと食べますけどね」

 ちょっと苦い思い出を語るような、はにかんだ笑顔。そのまま二人は一度リビングに行きジュースを数本冷蔵庫に仕舞ってリビングの明かりを落とすと、

残りとアイスを入れたままの袋をお互いの手で握り込んで手を繋ぐ。階段を上るのには少々苦労したが、そんな程度の障害は障害にもならない。

 謙悟の部屋にある小型冷蔵庫の冷凍室にアイスクリームを入れ、その中から謙悟はチョコレートのカップアイス、冴霞は同じくカップアイスのバニラを

選び、常備している金属製のスプーンを持ってそのままベッドの上に腰を下ろした。

「いただきまぁすっ」

「ん、いただきます」

 かぱっと蓋を開けると、わずかに溶けかかったアイスがぺっとり蓋に付着している。それを見た二人はその上にごそっとアイスを取って、交換した。

「何だ、考える事は一緒か」

「息がぴったりで何よりですねっ」

 蓋を交換し合い、大さじ一杯分のアイスを食べる。柔らかなバニラとほろ苦いチョコレート。滑らかな食感に舌鼓を打ちながら、ベッドの横にあるサイド

テーブルにカップを置いて、冴霞は謙悟に寄り添いながら口唇を触れ合わせる。

「んっ……ぁぅっ、ちゅ……」

「ちゅく……さえ、か……前とパジャマ違うけど……何着持ってんだ?」

 一端唇を離して謙悟が問いかける。その質問に冴霞はくいっとパジャマの裾を持ち上げて、長く美しい脚線を見せつける。

「この前のは、オールシーズン用です。こっちは純粋に夏用。薄くて風通しも良いし、それにズボンが無いから足も気持ちいいんですよ♪」

 ひらひらの裾にはレースをあしらい、微かに肌が透けて見える。太ももの半ばまでしかない丈はそれだけで艶かしく扇情的だ。確かに夏用に相応しいのは

間違いないデザインだが、逆に言えば少々色気が過ぎるものでもある。謙悟はその事に気づいてしまっており、思わず視線を逸らすが……。

「どうしたんですか? 謙悟くん……」

 すり寄ってくる冴霞が謙悟の足に自分の足を絡ませ、より密着してくる。謙悟も今はハーフパンツに、首元がやや伸びた半袖のTシャツという着崩した

格好だ。当然足は露出しており、まだ熱が残っている冴霞の足の感触に思わず震え、バスルームでの情事が頭を過ぎる。

「っ……あ、アイス、食べないと……せ、せっかく買って来たんだから、溶かしたらもったいないだろ?」

「えっ……? あ、ああっ、そ、そうですねっ」

 何とか謙悟が絞り出した理性の言葉に、わずかにその気になりかけていた冴霞の理性も帰ってくる。謙悟に過剰なまでのアピールをしていたのは、半分は

天然だったが、もう半分はやはり確信犯的な意図も混在していた。

 バスルームで愛し合った事は正直自分でも驚きだったが、謙悟の側にいて『そういう』気持ちにならない事など、謙悟がそうであるように冴霞にとっても

無理というものだ。不必要なまでに触れ合いを求めているのも謙悟と離れたくない気持ちの表れであり、また深く繋がっていたいという確たる証明でもある。

「謙悟くん、その…………こんなこと聞くの、凄く恥ずかしいんですけど……」

 はむ、とスプーンを咥えたまま上目遣い。その仕草だけでアイスクリームなど一瞬で溶かしてしまいそうな悩殺攻撃に、謙悟はアイスの中にスプーンを

ずっぽりと埋没させてしまう。

「う、うん……何、ですか?」

「その…………え、えっちな女の子は、お嫌いですか……?」

 ぷつん、と。

 頭の後ろで紐の切れるような音が聞こえた気がした。

「――――――――っっ」

 ぐいっとパジャマごと冴霞のまろやかなお尻を掴み上げ、顔の距離を近づける。そして是非を問わずに敢行される乱暴なまでに濃厚なフレンチキス。

口の中に広がるアイスクリームの味は即座に溶け消え、くちゅくちゅと粘っこい水音は二人の口唇の隙間からぽたぽたと垂れ、シャツやベッドに甘い水滴と

なって跡を残す。だがそれでも、二人の交感は止まらない。

「ふぁあぅっ……け、けんご、きゅ……んんんっ……」

「さ、えか……はぁっ、んっ……」

 垂れていく唾液を舌で舐め取り、なおも求め合う。荒い息遣いの中に若干の隙間が生まれると、それを惜しむように謙悟も冴霞もアイスクリームを頬張り、

また口唇を合わせ、舌を絡ませ、歯の裏を刺激しながら氷菓を飲ませ合う。

 冴霞のもう一方の手は謙悟のシャツを捲り上げ、謙悟の片手もパジャマから既に中へと侵入している。触り心地の良い下着の隙間から更に奥へと指を入れ

れば、さらに柔らかく張りのあるお尻が謙悟の手を受け入れつつも弾く。

「はっ、はぁっ、け、けん、ご……く……」

「……えっちな冴霞も、はっ、好きだけど、はぁ、……えっちじゃなくても、大好きだよ……っ」

 慌ただしく急かすようにアイスを掬い取り、謙悟が冴霞の口に運ぶ。冴霞も息を乱しながら、謙悟と同じようにアイスを掬い取り、溶けた分を口に含んで

くんっと口の中に溜め込む。スプーンの皿は互いの口に収まり、抜き取ると同時に封をするように口唇が合わせられ、役目を終えたスプーンはカップの中に

やっと落ち着く。

 だが落ち着くどころか燃え上がる一方の二人はまた口唇を開放すると、冴霞はあろうことか謙悟のシャツに潜り込んで、謙悟と同じ場所から頭を出した。

そしてその際にパジャマがかなりずれてしまい、謙悟の胸には冴霞の乳房が生で密着しているという凄まじい状態だ。

「おいおい、もうこのシャツまともに着られないよ……」

「むぅ……シャツの方が大事なんですか?」

 ぷうっと頬を膨らませる冴霞。その仕草にくすっと笑いながら、謙悟は冴霞の可愛いお尻を包む下着に指を這わせ、その脇から少しずらしていく。

「そんなわけないだろ……明日早起きして、ロードワーク行くんだから、今日はもうしないからな? 体力残しておかないと途中でバテるし」

「そんなこと言いながら、どうしてぱんつを……ひゃぁんっ!?」

 半分ほどを脱がせたまま、謙悟の指が触れる感触に身悶えする冴霞。長い黒髪が謙悟の顔にふわふわと当たり、気持ちのいい香りが鼻腔をくすぐる。

「……えっちな冴霞ちゃんは、こんな状態で寝れるのかな……?」

「やぁ……謙悟くん、イジワルなおじさんみたい……んっ!? んあぁっっ!!」

 がくんっ、と冴霞の身体が跳ねる。息も絶え絶えに謙悟を見上げてくる紺青色の瞳の端に浮かんだそれは、はたしてどちらの意味を秘めているのか。

「イジワルじゃないよ。こういう風にするのは初めてだけど……ちゃんと気持ち良くなれるようにするから。でも辛かったり、痛かったりしたら言って?」

「――――っ、は、はっ、はい…………おねがい、しま、っ、んぅっ!!

 爪が食い込むくらいに謙悟の腕を抱いている事など気づいていない冴霞は、愛しい人の指で絶え間なく与えられる快感に何度も何度も身体を揺らし。

 漏れ出る嬌声を抑えてやろうと、謙悟はついばむように冴霞の口唇を求め、また迷子の子猫のように不安げに揺れる舌を吸い、快感を逃がしてやるように

密着している乳房とその先端も撫でながら適度に刺激をして。

 

 秘め事尽くしの宿泊初日は、静かに閉幕を迎えていった。

 

 

 

 ――――午後十一時前。

「またべとべとになっちゃったな……明日はちゃんと、シーツ洗濯しないと」

「もぉ……一晩に二回もパンツ換えるだなんて……謙悟くんのえっち」

「ごめんごめん、それは悪かったって言ってるだろ? でもえっちなのは冴霞も一緒だよ」

「あ、あう……否定できません……くすん」

「よしよし……まぁ、今日の所はこの伸びたシャツが布団の変わりだな。タオルケットはシーツになってもらおう」

「じゃあ、またお邪魔しますねっ…………ぷはっ。ただいま♪」

「ん、お帰り。それじゃあ……おやすみ、冴霞」

「おやすみなさい、謙悟くん……ちゅっ」

 

 

 Good night, and Interlude out.




あとがき:

お風呂の後の一幕でした。ある意味、今作中で最も危険なものの一つに仕上がった本パート。
正式分として盛り込むにはあまりに過激だったことと、必要以上に長くなったことからこのような位置づけになります。
桃色以上に桃色なスペシャルエディション。ご堪能頂ければ幸いです。そして次回こそ、ちゃんとロードワークに
行ってもらいます。走行距離20km超、そしてさらにオマケつき。わりと健全になるかも??



管理人の感想

・・・ぐほぉっ(吐血)
今回は凄まじかったですね。何だろう、エロいのに、ラブ成分の方が勝っているというか。全身がむず痒くなってきます。
長かった一日。濃厚に甘い一日の最後を飾るに相応しいお話でしたね。
しかし・・・一日目にして謙悟の鉄の理性がブッツンしちゃうとは。冴霞、恐ろしい子・・・っ!(笑)



2009.8.3