――――欧風喫茶レストラン『ひいらぎ』。

 午前十一時から夜は九時まで営業しており、店休日は毎週水曜日だが諸事情により臨時休業もある。日ヶ峰町商店街の一角に設けられ、

県立陽ヶ崎高校からもそう遠くない場所に位置するこの店で、終業式を終えたばかりの高平継は今日も十三時からアルバイトのウェイター

として勤労に励んでいた。

 身長は175cmと際立って高くはないが、かといって低すぎる事もない。それなりに引き締まった身体と十分に美形と呼んで差し支えない

顔はこの店で使われている制服とのマッチングも良く、ともすれば雑誌の一面に載ってもそれなりに映えるくらいだ。

「ふぅ――――マスター、ランチのお客さん、大体掃けましたよー」

「おう、お疲れ様。継くんはそのまま賄い行って、その間は私らでやるから」

 マスターと呼ばれた五十過ぎの男性が人の良い笑みを浮かべながら、優しく告げる。継はその言葉に従い、心なしか足早に奥へと向かう。

「……要なら今はケーキを焼いているよ。良かったら試食してみてやってくれ」

「へぇーい」

 気だるげな返事。だがマスターはふぅとため息をつくと、嬉しそうに微笑む。

「これでこの店も安泰、かな」

 蓄えた髭をゆっくりと撫でながら、誰に言うでもなくマスターこと柊木宗一郎は呟いていた。

 

 

B&G MEMORIAL of SUMMER

BOYS and GIRLS in Seaside Vacation

 

02. European holly

 

 

 俺がこの店で本格的なアルバイトとして働き始めたのは、もう一ヶ月ほど前の事だ。

 家庭の事情とか、周りの変化とか、後は特に俺自身の変化とか。

 そういったゴタゴタした出来事がいろいろな意味で決着がついたおかげで、俺はひとつの区切りをつける意味でこの『ひいらぎ』で

バイトを始めた。

 もともとこの店との縁は深い。デザイナーの親父と、店長である宗一郎さんが昔からの知り合いで。

 そして……今は亡き俺の母、高平遼子と宗一郎さんの奥さん・千景さんが親友だった事も理由のひとつだ。

 だけどそれ以上の理由として、もうひとつ。

 口に出すのも正直恥ずかしいのだが、この店には俺の大切な人がいるから。

「要、お疲れ様」

「あっ、継くん……ちょっと待っててね、今終わるから」

 ウェイターのそれとは違う、無地の制服。いや、それは制服とは違って飾り気なんてかけらもない職人のための衣服。

 純白のコック服に、少し長めの髪を一本に縛って懸命にケーキのデコレーションをしている彼女の名前は、柊木要(かなめ)

 子供のころからずっと幼馴染で、今は――――俺の、恋人。

「表、もういいんだ? お客さん多かった?」

「それなりだった。平日だし、うちの生徒もそんな大勢は来なかったぜ」

「そっか。継くんもウェイターが板についてきたんだね。最初は平日でもバテバテだったのに」

 カットした苺をひとつ摘んで生クリームを薄く絡ませる。そしてそれを何のためらいもなく、要は口に運ぶ。

「おい、何してるパティシエール」

「はぅ!?」

 今気づいたといわんばかりに目を丸くして俺を見る。今の行為は要にとって無意識に出来るほど手馴れていたらしい。

「お前、そーやってつまみ食いばっかしてんのか?」

「あ、ああ、あたしったらなんてことを!? ち、違うの継くん! 今のはこの右手が勝手に!!」

 ぺしぺしとやる気なさげな音を立てて自分の右手を痛めつける要。だがそんな子供の言い訳が、この俺に通用すると思ってるのか。

 ずかずかと歩み寄り、右手をつかみ上げる。そしてよ〜く口元を観察すると……クリームの痕跡が。

「……お前、一体何個食ったんだよ」

「え、えと、その……正直、記憶にございません……」

 小○野賢○かお前は。

「ったく……そんな事だから毎日体重計と格闘する事になるんだよ」

「あぁっ!!?」

 がっくりと膝を落とす。うむ、我が彼女ながら実に見事なリアクションだ。

「ど、どうして継くんが……あたしのトップ・シークレットを……?」

 安いトップ・シークレットもあったもんである。

「お前、この間由紀乃ちゃんと一緒に風呂入っただろ? その時に由紀乃ちゃんが見てたんだよ、お前がすごい顔して体重計見てたってな」

 由紀乃ちゃんというのは俺の義理の妹に当たる女の子だ。親父が再婚した佐伯智佳さんの連れ娘で、二歳下の中学三年生。

 由紀乃ちゃんとは二ヶ月前に初めて会ったが、とても可愛くて元気の良い子だ。一ヶ月ほど前から、仲が悪いと思っていた要とも急速に

仲良くなり、今ではたまに要の家に泊まりに行くほど親しくなっている。

 で、その時に要の体重計大決戦の現場を目撃し、俺にもその凄惨な戦いの中身をしっかりと教えてくれたのだ。

「なんでも大台がどうのとか、このままだと危険域だとか、色々言ってたらしいな? ちなみに実数値は……」

「いやぁー! やめて、止して、言わないでぇー!!」

 涙目ですがりつく要。流石にこれだけ言われればかなり応えるのだろう、今にも泣きそうだ。

 だが俺とて鬼ではない。由紀乃ちゃんも「継さんもあんまり要さんをいじめないで下さいね」と言っていたしな。ここはひとつ――――

「要……」

 膝を落とし、ぽんと肩を叩いてやる。要は半べそを書きながら潤んだ瞳で俺を見つめる。

 その目には「言わないよね? 継くんはそんな人じゃないよね?」というメッセージがありありと浮かんでいた。

 ……正直、今までの俺なら要の気持ちなんざ無視してさらっときつい事を言っていただろう。

 だが、今こういう風に出来るのも、要が俺の前でまた泣けるようになったのも、全部俺と要が今までの関係を変えたからだ。

 

――――昔、ある別れがあった。

それは間違いなく永遠の別れで、俺はそれを堪える事が出来なかった。

でも、支えてくれる要がいた。俺はその優しさに甘えて、すがって、乗り越えて。

だけど馬鹿な俺は長い年月のうちにその事を忘れて、ずっと酷いことをしてきた。

思い出したのは、あの雨の日。

切っ掛けは些細な事だった。だけどそれは波紋になって広がって。

今までの自分を悔いて、情けなくて、俺は十年ぶりに本気で泣いた。

そんな俺を、また支えてくれて。

十年の罪を……償いきれないはずの大罪を、要は許してくれた。

そして俺たちは、また新しい約束をした。

十年前の約束は、泣かない事と、泣いても良い居場所になる事。

でもそれじゃ駄目だと、俺は思ったから。

『要が俺の居場所になってくれるのと同じように、俺も……要の居場所になりたい』

                                      そう、誓った――――。

 

 だから俺は、もう要を泣かせるような事はしない。

「……ま、おじさんとおばさんにばれない程度にしとけよ。あと、体重管理は自分でしっかりやること」

 指の腹で口元のクリームを拭い、自分の口に運ぶ。あんまり甘くないはずのクリームなのに、いつも以上に甘く感じられた。

「う、うん……えへへ」

 鳴いたカラスがもう笑ってる。まったく、ころころと良く表情の変わるヤツだ。

「それより、俺賄い食べに来たんだけど。何かあるのか?」

「うん! あたしがさっき作った冷やしパスタ!」

 そういってパタパタと冷蔵庫に向かい、中からそれなりに量のあるパスタを入れたボウルを持ってきた。二人で食べても十分に余りそうだ。

「……どうせならコレ、お客さんに出そうか。賄いだし、格安で良いと思うけど」

「え、でもそれって、お客さんにすっごく失礼だよ!? 他のアルバイトの人に食べてもらおうよ!!」

「そうだけど、次のバイトが来るまで三時間近くあるんだぜ?」

 時刻は午後三時前。今からランチを食べに来るような客はいないだろうし、今日はパートの人も来てない。それにおじさんもおばさんも、

食事はとっくに済ませたはずだ。

 確かに客に出すのには、俺だって抵抗がないわけじゃない。だがどう考えてもこいつを片付けるのは現実問題かなり無理がある。

 『ひいらぎ』はケーキの持ち帰りなんかは普通にやっているし、腕利きのパティシエールであるおばさんとアシスタントの要が作ったケーキの

評判はいいので、作りすぎても余る事はほとんどない。だがノーマルのメニューに関してはそうも行かず、出来る限り処分を出さないというのが

『ひいらぎ』のみならず、どこの店でも鉄則だ。

「何とか話はしてみるからさ。もし駄目だったら、俺の晩飯にするから」

「う、うん……でも、絶対駄目だと思うよ……?」

 俺は不安げにしている要を連れて、店長である宗一郎おじさんに話をしに行った。

 

 

 

 

「謙悟くん、あのお店に行きましょう」

 そう言って冴霞が指差したのは、小奇麗な喫茶店だった。

 日ヶ峰商店街の一角にあるどこにでもあるような喫茶店だが、周囲の雰囲気を乱すことなく、むしろ違和感なく溶け込んだ外観は古臭くもなく、

常連でも一見の客でも分け隔てなく迎え入れてくれるような、そんな暖かさを醸し出していた。

「何でまた、喫茶店なんだ?」

「理由なんかありません。謙悟くんと寄り道したいからです」

 ぎゅっと手を握ってくる冴霞の手を握り返しながら、俺はもう一度その店を眺めて、店の名前を声に出して読み上げる。

「欧風喫茶レストラン『ひいらぎ』……ね」

「どういう由来なんでしょう? 木の名前? セイヨウヒイラギの事でしょうか?」

「さぁ。単純に、オーナーか誰かの名前じゃないか? っていうか、ヒイラギにセイヨウとかあるのか」

「はい。クリスマスに使われる赤い実と葉っぱの飾りはセイヨウヒイラギで作るんです。日本のヒイラギとは分類が違うので、全くの別種ですよ」

「……ありがたい知識、ごちそうさま」

 一学期が終わった途端に彼女から新しい知識を吹き込まれた男が一人。けど授業で習うのとは違って、冴霞から学んだ知識はどういうわけか

全然忘れられない。おかげで期末の成績もほんの少しだけ上がったんだった。

 空いている右手でドアを空けると、上にあるベルがカランと綺麗な音を立てて鳴る。こういうところはなんとなく、いかにも昔のドラマに

でてきそうで、今まで一度も来た事がない俺でもどこか懐かしく感じる。

「いらっしゃいませ。お二人様ですか?」

「はい。お邪魔します」

 髭面の店員に挨拶して、冴霞はするっと手を解いてから窓際の席に腰掛ける。俺も後に続いて対面に腰掛けて、何の気なしに店を見渡した。

 四人掛けテーブル席が四つに、二人がけのテーブル席が二つ。カウンターに六人分の椅子があり、外観以上にこの店が広い事を感じる。

 床は全て板張りで、かなり手が込んだつくりのように見える。なんとなく、掃除なんかが大変じゃなかろうかと思ってしまうほどだ。

 そして嫌味にならない程度に静かに流れてくる、題名も知らないクラシックっぽい音楽。どこを取っても古めかしいけれど、逆にそれが

落ち着きやすい雰囲気を演出してるような気がした。

「ご注文は、お決まりですか?」

 さっきの店員が水の入ったコップを持って尋ねてくる。すると冴霞はもう決まってたのか、すぐさま答えを返した。

「はい。アイスのカフェ・ラッテをひとつと……謙悟くん?」

「ん、あ、ああ……えっと」

 慌てて冴霞が開いているメニューに視線を落とす。だが咄嗟にどれを選べと言われても、すぐになんて選べない俺はごく当たり障りの

ない物を注文しておく。

「アイスコーヒー、で」

「かしこまりました。アイスカフェ・ラッテとアイスコーヒーですね。では、少々お待ちください」

 人の良い笑みを浮かべながら、髭面の店員は奥に行こうとする。だがそれを、冴霞が呼び止めた。

「あ、すみません!」

「何か? オーダーの訂正をされますか?」

「いえ、そうじゃなくて……あの、このお店……とっても素敵なお店ですね。すごくセンスが良くて、店員さんも細かに気を配っているのが

よく分かります。オーナーさんにありがとうございますって、伝えてください」

 不意を突かれたのか、それとも冴霞みたいな学生がそんな事を言い出すとは思わなかったのか。

 髭面の男性店員は驚いたように目を丸くし、またさっきまでの人の良い笑顔に戻った。

「ありがとうございます、お嬢さん。店長兼オーナーとして、貴女のような理解あるお客様にご来店頂ける事は、至上の喜びです。

『ひいらぎ』代表・柊木宗一郎として、お礼申し上げます」

「あ、い、いえ、そんな……」

 深々と礼をする店長につられて、冴霞も礼をする。ふと奥を見れば、中年のコック服を着た女性店員もこっちを見て頭を下げている。

たぶん、この店長の奥さんなんだろう。俺は気がついていないだろう冴霞の代わりに女性に礼をしておいた。

「では、しばらく店の様子でも眺めてやってください」

 店長はまた一度礼をして、奥へと戻っていく。その様子を最後まで見届けてから、冴霞はふぅとため息をついた。

「いきなりあんなこと言うから、びっくりした」

「だって……素直な感想は大事ですし、謙悟くんだってお店の中ばかり見ていたから、つい……」

 コップに注がれた水を一口飲んで、俺も冴霞も一息つく。

「珍しかっただけだよ。俺、自分から喫茶店に入るなんて事まずないから。でもこういう雰囲気は、嫌いじゃないかな」

「はい。私もこのお店は気に入っちゃいました。それに……」

「それに?」

「謙悟くんと寄り道して、初めて入ったお店がこんな素敵なところだなんて、とっても嬉しいです……」

「……そういう恥ずかしい事を、臆面もなく言うなよ」

 水を煽る。冴霞も流石に今のは恥ずかしかったのか、俺と同じように水を煽って一気に飲み干して、鞄の中から手帳を取り出した。

「け、謙悟くんは、その……夏休みの予定って、何かありますか?」

「いや、今のところ別にないけど……いきなりなんだよ?」

「いきなりじゃないです。前から聞こうと思って、聞きそびれていただけです」

 そういうのをいきなりと言うんじゃないだろうか、とはあえて突っ込まず、俺はちょっと考える。

「予定はないけど、夏休みの課題だって一応あるからなぁ。いつもいつも暇ってわけじゃないし……」

「え? まだ終わってないんですか?」

 ……今さらっと怖い事言ったよ、この人。

「え、何、よく聞こえなかった……今なんて?」

「夏休みの課題です。まだ終わってないんですか?」

「……すんません、今日のホームルームに出された課題を終わらせるって、どう考えても無理なんですが」

「基礎と応用の反復問題ですし、基本マークシートですから。チェックだけなら一時間もかからないから、私もう終わりましたよ?」

 ああ、そういえばそうだった。

 冴霞、学年トップだった。しかもこの前の期末ではしっかり一位だし。

「……馬鹿でごめんなさい」

「え? ……ああっ、ご、ごめんなさい!! つい私の基準で考えてしまって……はっ!?」

 はい。俺、今、遠まわしに馬鹿って言われました。

「そこまで直球で言われると、結構落ち込むなぁ」

「だ、だからそうじゃなくって……あぁん、ごめんなさい〜〜!!」

 実際、そこまで落ち込んでるわけじゃない。自分の実力は弁えてるし、冴霞の成績が突出してるのも十分承知してる。

 けど今は、落ち込んだ(ふりをした)俺を懸命に慰めようとしてる冴霞が面白いから、しばらくはこのままでいよう。

 

 

 

「ねぇ、継くん……本当に出すの? いくらお父さんがタダならいいって言っても、あの人……生徒会長さんだよ?」

「わかってるよ。けど、なんかいつもの会長っぽくないよなぁ……それに」

 厨房の影からフロアを除き見る俺と要。そしてすぐそばには、トレイに乗せた一人前にはちょっと多い冷やしパスタが鎮座している。

 おじさんに相談した結果、冷やしパスタを出すこと自体はオーケーしてくれた。だけどもともと賄いで作った料理で客から金を取る事は

流石にルール違反だということで、一組限りのサービスメニューとして出すというのがおじさんの出した決定だった。

 俺と要は協議の結果、次に来た二人組みの客にパスタを出すことにしたのだが……あろうことか、来店したのは我等が陽ヶ崎高校の

生徒会長にして全校生徒の憧れといっても決して言い過ぎじゃない、今村冴霞先輩。

 しかもその隣には、何度か体育の合同授業で一緒になった男子生徒・新崎がいる。二人がどういう関係なのかは知らないが、少なくとも

俺は新崎に対して、あまり良い印象を持っていないというのが本音だった。

「会長さんの向かいのあの人、新崎くん……だよね?」

「ああ。何でアイツが……」

 ……新崎は体育の授業で、何度か対戦したことのある相手だ。特にサッカーの授業では、正直言って厄介極まりない相手。

 もともとあまり積極的に参加したがらない性格なのか、新崎はいつもゴールキーパーだった。俺や親友で幼馴染の薫はいつもフォワードで

出場し、それなりに点数を上げているんだが……新崎からは一点も取ったことがなかった。

 それどころか、ゴールキーパーなのにペナルティエリアからものすごいシュートを決めたことがある。

 ――――あろうことか、自分のチーム側のペナルティエリアからだ。

 グラウンドの半分しか使わないミニゲーム方式だけど、そのシュートは誰も反応できなかったくらい意表を突かれ、それでいて凄まじいと

言う以外に形容のしようがないシュートで、俺や薫でさえ唖然とするほかなかった。

 それだけの実力を持っていながら、新崎は攻めに回ることもせず最後までゴールキーパーを貫き通し、試合はそのまま終わった。

 点数だけ見れば一対〇。でも俺はなんとなく、新崎に理由を聞いてみようとして話しかけた。

『なんでフォワードに上がらないんだ? もっと点取りたいとか、思わないのかよ』

 すると新崎は、本当にどうでもよさそうに。

『人それぞれだろ。部活じゃないんだ、点が取れるからってフォワードやらなくちゃいけない義務なんかない』

 その時思った。俺はコイツとは合わない。

 言葉では上手く言えないけど、本能的にそう感じたことを今でも覚えている――――。

「……俺が行く。アイツ、結構危ないヤツだからな。剣道部の朝岡を階段から突き落としたらしいし」

「でも、あれは結局事故だったって、会長さんも先生も言ってたよ?」

「分かんないだろ? あの二人がグルじゃないって言う証拠があるわけじゃない」

 何より、目の前に二人で仲睦まじく話してるんだから。

 五月の末に起きた、体育教師の一人で剣道部顧問の朝岡が階段から転落して、足の骨を折る大ケガをしたのは記憶に新しい。

 疑われたのは新崎で、だけど生徒会長が便宜を取り計らったらしく、結局無罪になった。そして会長が監督する意味で生徒会に引き入れた

っていうのは、クラスメイトで副会長の龍也から聞いていた。

 あの二人がどういう関係なのかは、本当に知ったことじゃない。

 だけど、もし新崎が本当に危ないヤツで、ふとした切っ掛けで要を傷つけるような事になったら。

 それをまた会長が弁護して、なかったことにされるようなら。

 ……俺は、新崎を許せない。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キャラクター設定

 高平 継(たかひら けい)

 県立陽ヶ崎高等学校、二年五組。

 身長175cm、体重60kg815日生まれ、O型。

・運動を得意とし、また成績も中の上程度。友人も多くそれなりに人望も厚く、友情を大事にする。

・副会長を務める蓮見龍也とも友人同士であり、お互いに信頼しあっている。

・幼くして母を亡くしており、最後まで闘病生活に屈しなかった母を尊敬しつつも、母親から与えられるはずだった

愛情に飢えている面がある。そういったことが原因となっているのか、女性が肉体的・精神的に傷つくことを極端に嫌う。

特に恋人となった要に対してはそれが顕著で、彼女を傷つける者は誰であろうと容赦しないような、危険とも思える部分もある。

 

 

 柊木 要(ひいらぎ かなめ)

 県立陽ヶ崎高等学校、二年五組。

 身長161cm、体重(本人の強い意向により非表示)。1211日生まれ、B型。

・極度の運動音痴だが、成績は良く継よりも若干上。何よりも得意なのはお菓子作りであり、プロである母の教えにより

アマチュアながらその腕はかなりのもの。

・幼い頃から恋心を抱いていた継とようやく相思相愛の恋人同士になり、彼にやや依存している。

・しかし一方で芯の強い性格でもあり、万が一の際には自身の危険も省みずに窮地に立ち向かうなどの強さもある。



あとがき:

未発表作品からスピンオフしたキャラクターたち。
継の焦燥も理解できるものの、やや独りよがりになっていることは否めない。
自分とは違う人を認められない、という意味では継はまだまだ子供で、謙悟には及ばないキャラクターに
なることが既に案じられますが、むしろ等身大の少年としてはいい立ち居地にいるのか。
あ、要の体重は乙女の永遠の秘密ということで。


管理人の感想

1話に続き、2話も送って頂きました〜^^
ある喫茶店での一コマ。語り合う二人は、やっぱり恋人同士なんだなぁと思いますよね。
しかし謙吾の悪評は予想以上に広がっていて・・・ウェイターである継から、やや的外れな怒りを買ってしまっているようですね。
次回、果たしてどんな展開になるのか・・・注目です。



2008.1.6