昨日と同じ朝7時に目が覚める。今日こそは、と期待を込めてカーテンを開けるが、相変わらず昨日と同じ空模様。もしかしたら昨日より少し悪いかもしれない。誰だよ、雨女は。まったく。でも日焼けしなくていいじゃん、と開き直ってホテル内のレストランに朝ごはんを食べに行く。
今日の予定は『占い』と『買い物』。占いは台湾ではとても人気があるらしく、おまけによくあたるらしい。行天宮というところの地下道に『紫暄堂』という日本語のできる占い師のいる店(『店』って言うのかな?)があるので、そこに行くことにする。ガイドブックには10時からと書いてあったので、10時ちょっと過ぎに行くが、占い師はまだ来ていない。「意外とルーズだな。」と思いながら、仕方ないので近くの行天宮(写真1)を見に行く。ここは三国志の名将關羽を主神に祭る、商売の神様。1日目に訪れた『龍山寺』でも感じたことだけど、台湾の人たちは非常に信心深い。平日の朝からお寺を参拝している人がすっごくたくさんいるのだ。老いも若きもみんな真剣にお祈りしている。ひざまづいて叩頭してる人までいる。思うにこの国に平和が訪れたのもここ20年くらいのこと。不安定な時代が長かった故に、何かを信じ頼ろうとする気持ちが強くなるのは当然のこと。私たち日本人は平和ボケしすぎていて、信仰心のある人は少ない。どちらがいいのだろうか・・・よく分からない。
10時半頃もう一度占いの店に行ってみる。占いはもう始まっていて、すでに先客(日本人女性2人組)が占ってもらっている最中だった。料金(料金っていうのかなぁ)は1件300元、四柱推命(一生を占う)が1000元と、決して安くはない。今回の私の占いの内容については内緒だが、占ってもらった感想としては、私はもっと占いというものは怖いものだと思っていたけれど、意外と大したことないんだなと思った。自分としてはもっと衝撃的な意見を期待していただけに、言われたことがあまりにもありきたりで、普通のことだったので、なんだか拍子抜けしてしまった。これで300元?という感じだった。期待し過ぎなのかなぁ。なんとなく不完全燃焼のままこの場を立ち去る。
(写真1)行天宮
(写真2)鼎泰豊
(写真3)マンゴーかき氷
(写真4)総統府
(写真5)フードコートの夕食
『冰館』は『鼎泰豊』から歩いてすぐのところにある。正直言ってこの日はかき氷を食べるには寒すぎた。おそらく16、7度といったところだろう。おまけにこの店はオープン・エアだ。しかしこの『冰館』は私がこの台湾旅行のなかで一番楽しみにしていたお店だ。ここでひるむわけにはいかない。迷いも無くお目当てのマンゴーかき氷(写真3)(100元)を注文する。これは山盛りのかき氷にカットしたマンゴーをたっぷりのせて、マンゴー・シロップと練乳をかけたもの。直径20センチはあるお皿に山盛りにのってくる。手に取るとずしりと重い。りんごと掛け合わせた「りんごマンゴー」を使っているので、日本で食べる普通のマンゴーよりも甘くてジューシーで美味い。さらに自家製シロップと練乳が絶妙に絡み合って美味い。本当は、これにさらにマンゴーアイスが上にのった「超マンゴーかき氷」を食べる予定だったけれど、さすがに今日はそれは遠慮した。鳥肌をたてながらもあまりの美味さにあっという間に完食。これは超おすすめの一品。
美味しい「マンゴーかき氷」ですっかり気分を良くした私たちは、旅の第2の目的のお土産の中国茶を買うため『和昌茶荘』へむかう。「地球の歩き方」に載っていた地図がかなり怪しくて道に迷うが、なんとかたどり着く。店に入ると先客の日本人女性グループがちょうど帰るところだった。店の主人の張さんにすすめられるがままに席に着くと、お茶の種類と値段の書いてある紙を渡される。「なんて親切なシステムなんだろう」と感心していると、張さんが「どれを飲みますか?」と聞いてくるので、すかさず用意していた購入予定リストを見せる。それを見ながら張さんが手際よくお茶をいれてくれた。まず最初に口にしたのが凍頂山でとれた金萱茶だ。茶碗を口に近づけると「ぽわ〜ん」と蘭の花のような香りがする。一口飲むと口からのどにかけて甘い香りがひろがる。噂には聞いていたが、まったく私の期待を裏切らない味と香りだ。感動に身震いしながら、次から次へと張さんにすすめられるまま全部で5種類のお茶を飲んだ。そのどれもが感動的な味わいだった。こんなのは初めての体験だった。
しばらくすると急激にトイレに行きたくなった。そう、中国茶には利尿作用があるのだ。我慢も限界になった私は、恥ずかしかったけれどトイレを借りることにした。ほっとトイレから戻り、また試飲を続けているとこんどは15分もたたないうちにまたトイレに行きたくなった。さすがに2回というのは恥ずかしい。しかもさっき行っばかりなのに。切羽詰った私はあわてて買うお茶を決め精算してもらう。張さんはもっとゆっくりしていろいろ飲んでいきなさいというが、私の膀胱はすでに限界に達していたので、やんわりと断りあわてて店を出て、近くのSOGO百貨店のトイレに駆け込む。その後ホテルに戻るまで、私たちは30分おきにトイレに駆け込むことになったのは言うまでも無い。
張さんのお店で頻尿になる
予定では3時のおやつに西門町で『阿宗麺線』で食べるつもりだったが、張さんのお店でお茶を飲みすぎたせいで、お腹がガボガボになっていたのでやめることにする。とりあえず腹ごなしに散歩する。(写真4)はその途中で立ち寄った『総統府』。日本統治時代に、日本が建設し台湾総督府として使用していた建物で、現在は台湾行政府、陸・海・空軍の最高司令部が集まっている。
西門町からホテルまでは地下鉄で帰ることにした。ここで事件は起きたのである。私たちはMRT板橋線に乗るべく駅のエスカレーターを下っていた。何気なく東京スタイルで左側に寄って立っていると、突然後ろから駆け込み乗車しようとしてきた人がぶつかってきた。しばらく唖然としていると、どうやら台北では「立つ人は右側」という決まりらしい。注意して良く見ると、エスカレーターのわきに注意が書いてある。街には街それぞれのルールがある。確か日本でも大阪は右側に立つルールだ。3日めにしてようやく学習したルール。いままで迷惑かけてごめんなさい。日本に帰って『地球の歩き方』を見たら、地下鉄の説明のところでちゃんと「エスカレーターに乗るときは、右側に立ち、左側は急ぐ人のために空けておくこと」と書いてあった。ちゃんと読めよー。
一旦ホテルに戻ってから夕食に出かける。結局あまりお腹がすかなかったので、ホテル近くの『新光三越南京西路店』の地下のフードコートで軽く済ませることにする。(写真5)はその時のメニュー。「ジャージャー麺」と「牡蠣入りオムレツ」と「ハマグリのスープ」のセットで150元は安い。ボリュームたっぷりで味も良い。
ホテルへの帰り道、『李製餅家』でお土産のパイナップルケーキを買う。ここのパイナップルケーキは、まわりの生地がサクサクしていて甘さ控えめでほんとうに美味い。今さらながら、「もっと買ってくればよかったー」と後悔。
今日は台湾最後の夜。3日間あっというまに過ぎてしまった。
エスカレーターどつかれ事件
占い横丁
『鼎泰豊』でランチを食べる
マンゴーかき氷