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Macintosh LC Cube 製作記



LC Cubeは2007年12月30日にロジックボードのコンデンサの液漏れが原因で再起不能になりました。



Macintosh 2号機
1号機のLCIIはあまりに非力だったのと、ディスプレイに負荷をかけて壊してしまったため、あまり使いませんでした。
まぁ、この頃になるとある程度Macに触り慣れていたためWeb上の資料をいろいろ検索していました。
ふと検索エンジンにかかった『Macintosh礼讃』は、私をこの(改造の)世界へ強く引き込む起爆剤となったものです。このページは同タイトル「Macintosh礼讃」という本のWeb抜粋版です。普通は本の内容を丸々Webに載せるような事はしないと思いますが、いい仕事してくれますね。いろいろな経緯があり、できればColorClassicIIあたりが欲しかったのですが、上に物が置ける(爆)LCIIの後継機「LC475」をターゲットにしたわけです。
* 現在『Macintosh礼讃』のページはなくなっています *

はじめはオークションで買うつもりでいたのですが、たまたま日本橋へ遊びに行った時に某ソフマップでLC475のフルセット(マニュアル全冊!)が1万円で売っていたので衝動買いしました。1万円という価格は人によったら高いといわれる方もいらっしゃるでしょうが、確実にゲットできるルートとしては決して高くない値段だと思いました。
しかし、どうしてPowerPCのMacを買わずに遅い68k Macを買うんでしょうね...(爆
当時の写真
LC475購入後数日たったころです。
すっかり改造癖が身についたのと、沢山のサイトからの情報のおかげでLCIIのケースにLC475のロジックを内蔵させました。当然フロッピーはLCIIのを流用しました。
右に見えているのは、会社で要らなくなったPowerMacintosh 8500から取り外したAppleCD 600iです。これがあるのと無いのとではシステムのインストールや、実用度に雲泥の差があります。

内蔵するドライブたちです。
一応まともに使える68kMac(すでにマニア)を目指して構成を組むことにしていたので、ハードディスクの中古1.2GBをオークションで入手しました。

まずはメンテナンス
LCIIのフロッピーをメンテナンスしました。
こちらのサイトにはオートインジェクトドライブのメンテナンスが非常に詳しくかかれていました。これを参考にメンテナンスが終わったところです。埃がぜんぜんついていません。

ヘッド周りの拡大です。
どうせならとバラバラにばらした所で死に目を見たポイントです。うっかりヘッドの定位置を決めるフォトセンサを外してしまいました。
当然フロッピーディスクを読まなくなるわけで、この日はヘッドの位置調整で一日つぶしたのを覚えています。
0.1mm単位の調整ですので普通は治具無しでは調整できないと思います。皆さんも気をつけましょう。(笑
えっ?私は治具なんて持ってませんよ。力技です。

それから...
ある程度の期間はLCIIオリジナルのカバーで運用していました。
しかし、CD-ROMが内蔵できないため必要なときにつなぐ始末で、ついには上カバーを外したままCD-ROMをつなぎっぱなしにしていました。

あまりに辛抱できなくなったので、何かケースを作ることを視野に入れ始めました。

ここからが本題
当初はAT互換機の小さいケースに組み込みG4 Cubeのようなお洒落な感じにしようと思っていました。が、やっぱりAT互換機ではないため思ったようなサイズのケースが見つかりません。
たまたまLC475の改造についてサーチをかけていたのですが、うえだおさむさんのページを見つけた瞬間に構想が固まったのです。
そう!木箱のMac。これがLC475の最終到達地点であったわけです。ついでにメモリもメーカースペック以上に載めると言うことで、128MBのSIMMを購入(7000円)!
すでにブレーキが効かなくなっており、採寸と設計は私自身が、木材カットはフローリング貼りの職についてる父に頼みました。
外装
とりあえず外装です
ご存知の方も多いかと思いますが、Appleマークのケースの裏には小さな穴があいており、そこにクリップなどを突っ込むとエンブレムが外れます。
当然木箱にもエンブレムをつけるので、いらない(爆)LC475のケースから外してしまいます。

エンブレムの大きさに合わせて穴を掘ります。
穴を掘ったのはペイントをする前です。
必死に穴を削る姿に、父親はいささかあきれていました(笑

木材は確か赤松か何かだったと思います。ペイントに油性オイルステインを用い、3度塗りをした後に水性つやだしニスを3回塗りました。

内部構造
いよいよ内部です。
大工思考なのでしょうか? 四角くあける穴はすべて電動の丸のこで開け、表から見えなければどんなことでもするという感じで傷だらけです。

底には対流ファンとスピーカの穴があいています。

1階取り付けです。
ロジックボードは、端にあいた穴をねじ止めです。スピーカの右には25MHz<->33MHzのクロック切り替えスイッチを取り付けます。これが無いと、システムのインストールが面倒になりますから...

2階と3階はレール式になっており、取り付けられた角材の上にベニヤを乗せて階を作ります。

2階取り付けです。
電源ユニットは、本体の横からねじ止めをします。
CD-ROMはただ乗せるだけです。といっても、ベニヤの上にはめ込みになるように設計してあるため、無理やり押し込まない限りずれません。

参考までに、1階の様子です。
きっちり計測したので当たり前ですが、ぴったりな様子です。CPU上空のスペースもまぁ理想的です。

3階取り付けです。
FDDやHDDもCD-ROMと同様にはめ込み式になっています。特にFDDはオートインジェクトを使用したため、固定部に無理な力がかかりません。

リアカバーをはめて終了
リアカバーは...立ててるだけです。

Macintosh LC Cube 完成

見どころ
周波数切り替えスイッチ
へなちょこジャンパーなどで設定するのではない。これが無ければ Wish I were... などのソフトが必要になる。かなり便利

フロッピーの入り口
丸のこだけでこのカーブを作る親父はすごい! 前面とツラ位置までディスクを押し込むとオートインジェクトが働く。使用感グッド

終わりー
ドゥーン、起動音もLCIIより大人っぽいです(謎
ここまでやるとMacにも愛着が出てきますねぇ。
パーツの取り外しが容易なので、その後もいくつかを取り替えて電源系も強化しました。下が最終スペックです。
CPUMC68040RC40 (33MHz駆動ファンレス)
メモリ132MB (4M+128M)
VRAM1MB
HDDIBM DCAS-34330 4.3GB SCSI
FDDSony 旧1.44MB オートインジェクトタイプ
CD-ROMPioneer DR-706S スロットイン 36倍速CD-ROM
LANREUDO LC-PDS用10BASE-Tイーサネット(後期バージョン)
電源本体内蔵 + コーセル LDC30F

VisionやPhotoshopなどもさくさく動きます。Macintoshの底力、恐るべし (2004/5/10)
追記 (2008/1/19)
年の瀬も押し迫る2007年12月30日、真夜中にMacを動かしていると突然本体からブザーのような大きな音が鳴り始めました。てっきりハードディスクだと思って取り外したところ、なんとスピーカーから音がしているのです。
そうしているうちに、Cubeの底に付けた排気ファンの辺りからひどい異臭が放たれてきました。経験的にヤバい(というか終わった)と思いながら電源を落としてL/Bを見ると、案の定電解コンデンサから液漏れが発生していました。それも9個あるコンデンサのうち6個からです。
後日、治るか不安ながらコンデンサを交換したのですが、やはりパターンが腐食して手のつけようがありませんでした。新年早々からやな感じだったのですが、どうせならとColorClassic3のほうでコンデンサを交換し、残念ながらLCは永眠頂く事になりました。

Cubeの箱はもったいないので保存しておくことにしたのですが、これから先新しいPCに生まれ変わるのを待つばかりです。

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Update 2008/1/19
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