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ビバ! Macintosh ColorClassic 3






Macintosh 3号機
あこがれの機体ColorClassicです。LCIIの記事に書いている高校時代に出会ったあれです。まさか譲ってもらえるとは思ってもいませんでした。今やWindowsを押し退けてメインマシンとしての座を得たカラクラは、ちゃぶだいの上に鎮座しております。
食事のときも手軽に触れて、かなりカワイイ存在です。10年ぐらいは動いてほしいですね。
プリンタは勤務している会社の移転の時に捨てられそうだったところを救出しました。CanonのOEM品で、メカはBJC-35系なのでインクも同等品が使えました。接続はシリアルケーブルで行います。

ColorClassic 3とはColorClassic 2のあとに発売されたかもしれない「架空」のモデル名です。ほとんどの人はMysticなるコードネームで呼んでいますが、カラクラ3のほうが格好いいのでこっちで呼んでます。私が改造した後のスペックを一覧に書いておきます。

本体Macintosh ColorClassic CRTをVGA化
ロジックボードMacintosh LC575
システムソフトウエア漢字Talk 7.5.5
CPUMC68040RC40 (33MHz駆動 ファンレス)
メモリ132MB (4M+128M)
VRAM1MB
HDDQUANTUM Fireball TM2110S 2.1GB SCSI
CD-ROMApple純正 24倍速ドライブ 松下寿製 CR-8024
LANApple純正 CSスロット取り付け
サウンドステレオ化済み
プリンタApple ColorStyleWriter 2200
電源本体内蔵 + コーセル LDC30F

見どころ
カラクラの改造の見どころといえばやっぱりCD-ROMの内蔵ではないでしょうか? CD-ROM付近をクローズアップしてお見せいたします。

CD-ROMを閉じたところです。
全面の外装が湾曲しているので、CD-ROMを収めたときにできる隙間を埋めるためにビデオテープのケースを切って貼り付けてあります。写真で見るとかなり白く見えますが、結構違和感ないです。
CD-ROMのイジェクトボタンは会社で捨てられていたEPSONのスキャナに付いてるリセットボタンを外して使いました。

エンブレムの部分は、コピー機用の熱転写紙を使い、一度文字を消したエンブレムに溶着させてあります。擦っても剥がれません。

CD-ROMを出したところです。
Mac自身が少し上向きに作ってあるため、トレイも上向きに出てきます。

これで終わると思ったら大間違い
紹介だけで済むと思ったらここからが本題。
ColorClassicを改造するのには思ったより労力がかかりました。というのも、ColorClassic 2と基板が違うために音が出なかったり、ブラウン管を交換してひどい目にあったりしたのです。ここからは他のページにはない一味違った改造内容を紹介します。

ColorClassic と ColorClassic2 のマイク回路の違い
ColorClassicにLC575のロジックボードを入れた場合、起動音を含めてすべての音が鳴らなくなってしまいました。無謀にも中古のカラクラ2を購入してアナログボードの検証を行ったところ、コンデンサマイクの電源供給回路が違いました。そのせいでロジックボードに入力されるマイクレベルがおかしくなっていた(ようだった)ので、アナログボードに小細工をしてカラクラ2仕様に変更しました。
写真のように1S1588などの小信号ダイオードを追加するとともに、付近にあるチップ抵抗4個を取り外します。
その上に写っているジャンパは、VGA化用のモニタセンスの変更です。また、右に写っているのは、音声をステレオで出力するための線です。初めから付いているTDA7052AというモノラルアンプICを取り外して別の基板でスピーカを駆動させます。

CRTの調整
CRT交換に伴って画面調整を行いました。そこいらの歪調整とはワケが違います。うまく調整すると思ったより良くなったりもします。下手に調整するといろんな意味で元に戻らなくなるかも知れません。調整内容はAppleのサービスマニュアルに書いてあるものや実践済みですが、壊れたと言われても保障はいたしません。もちろん感電して死んだ場合も同様です。

調整に必要な工具
六角レンチ 2mm、2.5mm
マイナスドライバ 4mm、2mm
Display Service Utility 4.2.1
Color Classic サービスマニュアル
ヘマをしなければ感電しませんが、安全を考えるならプラスチックでできたものを使ってください。

調整ポイントの位置
メインで調整するボリュームの並びです。ブラウン管の後ろに付いている金属の箱の穴は、水平コンバーゼンスの調整に使います。

フォーカスと輝度の調整ボリュームです。輝度は上げすぎると帰線が見えます。長時間やってると画面が焼けるので程々にしてください。

コンバーゼンスの調整をするボリュームとコイルです。コイルは奥のほうにコアが入っているので、これを回します。
電子銃の周りにはビーム調整をするための6枚の羽が付いています。接着剤で固定されているので、初めて回すときは強めに回して剥がしてください。間違っても折らないようにしてください。

表示位置、大きさ、歪みの調整
2mmの六角レンチを使います。
Display Service Utilityでホワイトパターンを表示させます。
縦位置の調整背面のボリューム VS を回転させて適正位置を探します。
横位置の調整背面のボリューム HS を回転させて適正位置を探します。
縦の高さ調整背面のボリューム VH を回転させて124.5mm(±1.5mm)にあわせます。
横の幅調整背面のボリューム HW を回転させて168.5mm(±1.5mm)にあわせます。
弓型・糸巻き歪みの調整背面のボリューム PB を回転させて適正位置を探します。
台形歪みの調整背面のボリューム KS を回転させて適正位置を探します。
平行四辺形歪みの調整背面のボリューム PR を回転させて適正位置を探します。

フォーカスの調整
2.5mmの六角レンチを使います。
Display Service Utilityでフォーカスパターンを表示させます。
側面のボリューム FOCUS を回転させて適正位置を探します。

カットオフの調整
2mm、2.5mmの六角レンチを使います。
Display Service Utilityでグレーバーを表示させます。
1. スクリーンコントロールパネルでコントラストを最大にします。
2. スクリーンコントロールパネルで輝度を中央にします。
3. 2mmの六角で背面の RB/GB/BB を反時計回り一杯に回します。
4. 2mmの六角で背面の GG/BG を2時の方向に回します。
5. 2mmの六角で背面の SC を時計回り一杯に回します。
6. 2.5mmの六角で側面の PL2 を回し、グレーバーの一番左が黒に、その次が見える位にあわせます。
7. 背面の SC を12時の方向に戻します。

ホワイトバランスの調整
2mmの六角レンチを使います。
Macの電源を入れてから画面が安定するまで約10分待ちます。
Display Service Utilityでグレーバーを表示させます。
1. スクリーンコントロールパネルでコントラストを最大にします。
2. スクリーンコントロールパネルで輝度を中央にします。
3. 2mmの六角で背面の RB/GB/BB を回し、左から4番目のバーに色合いが無くなるようバランスをあわせます。
4. 一番左のバーが黒でない場合は、3の調整で全体の明るさを下げてやり直す。
5. 3の調整がうまくいかない場合は、背面の GG/BG で補正してから3の調整をやり直す。

* コントラストを下げるとグレーに色が付いてしまうことがあるので、1で最大にせず8割ぐらいにするといいです。

コンバーゼンスの調整
2mm、4mmのマイナスドライバーと2.5mmの六角を使います。
Display Service Utilityでクロスハッチを表示させます。
1. ブラウン管の接続部にある穴にドライバーを突っ込み、粗調整をします。
2. ブラウン管のヨークに付いているボリュームの前側を回転させて、水平のちょうどいいところを探します。
3. ブラウン管のヨークに付いているボリュームの後側を回転させて、垂直のちょうどいいところを探します。
4. 3でうまくあわない場合は、左側にあるコイルを2.5mmの六角で回します。

* 完全にきっちりは合わないと思います。

電子銃の調整
どうしてもコンバーゼンスが合わない場合や、特定の色だけずれてしまっている場合は、個々の電子銃の調整をします。
通常電子銃の調整部分は接着剤で固定されているので、これを剥がさないといけません。

Display Service Utilityでホワイトパターンを表示させます。
電子銃はブラウン管後ろ側から2枚づつ、赤青、シアンイエロー、輝度むら調整になってます。それぞれを回転させると斜め方向にずれるので、うまく合わせてください。
調整が終わるとコンバーゼンスが狂うので、もう一度合わせ直して完了です。

どうしても直らない歪みの調整(力技で)
発売されてから何年もたっているカラクラなので、画面が変に歪んでいる場合があります。画面の一部が縮小しているような場合は磁石を使って画面の一部を引っ張ると直る場合があります。

強力な磁石と接着剤を用意します。
Display Service Utilityでホワイトパターンを表示させます。
画面を見ながらケースの裏側に大体の見当で磁石を仮止めします。画面の前面よりは偏向コイルの近くの位置に貼り付けると色ずれが少なくなります。もし直らないようだったら磁石の数を増やして強力に引っ張ります。

参考にアナログ基板とロジックボードのピンアサイン
端子信号名
1+12V
3+5V
5+5V コントロール
7パワーオン信号(負論理)
9コンポジット/水平同期信号
11ビデオ信号 青
13ビデオ信号 緑
15ビデオ信号 赤
17輝度
19コントラスト
21マイク入力 (+)
23+5V
25モニターセンス ID 0
27N/C
29右音声出力 -
31左音声出力 -
33垂直同期信号
35N/C
37内蔵アンプミュート
39CRT省電力制御
41N/C
43N/C
45GND
47GND
49GND
端子信号名
2GND
4GND
6GND
8GND
10GND
12GND
14GND
16GND
18GND
20モニターセンス ID 2
22マイク入力 (-)
24モニターセンス ID 1
26GND
28右音声出力 +
30左音声出力 +
32GND
34N/C
36GND
38GND
40GND
42N/C
44CD-ROM 左音声入力 +
46CD-ROM 左音声入力 -
48CD-ROM 右音声入力 +
50CD-ROM 右音声入力 -

Next → LC Cube/カラクラ3のCPU交換

Update 2006/6/13
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