三十三、 神まいり、寺まいり

 私が子供の頃、この地方では特に七五三の行事は聞いたことがなかったが、子供等が無事に丈夫に育つ様にと神仏にお参りに連れていくことが度々あった。5,6才位になると一度は連れられて行った様に思う。
 乙の乙法寺 (きのとのおっぽうじ)
 菅谷のお不動様 (すがたに)
 羽生田の地蔵様 (はにゅうだ)
 大友のお稲荷様 (おおども)
 今は何処がどんなであったかもう覚えていないが、母や祖母の話に度々出てくるこの四カ所の神社とお寺の名前だけが頭に残っている。親戚の人が乙法寺へ参ってきたとか、どこの人が子供を地蔵様へつれていったそうなとか、どれも新発田からそう遠くなくて行き易い所であった様だ。鬱蒼として昼も暗い杉木立の奥へお参りに行ったのはたしか菅谷のお不動様であったように思うがあの杉林は今もそのままあるだろうか。

目次に戻る     次へ進む