長野県戸隠キャンプ場(02/08/05〜08/10)
もしかすると、家族全員が揃った長期キャンプはこれが最後かもしれない。
ホームページにキャンプの情報を追加してから、初めてのキャンプレポート

戸隠キャンプ場
住所 長野県上水内郡戸隠村大字戸隠字大洞沢3694
現地電話 026-254-3581
営業期間 4月下旬から10月下旬
料金 オートキャンプ1台3000円/1泊(車1台+テント) 補助テント(タープなど)1張り1000円/1泊
ホームページ http://www.vill.togakushi.nagano.jp/camp/top.html

8月5日 いざ出発
 出発の前日の夜は、関東南西部は、広域で雷雨。車への荷物の積み込みは前日に終わらせる予定であったのに、出来なかった。。
 朝に荷物を積み込んでいては、出発は9時過ぎと諦めていたのだが、今回は中2になる息子が大活躍。駐車場までの荷物運びは、息子がほとんど一人でやってしまった。おかげで私は車への積み込みに専念でき、かみさんは、家の中の片づけに集中できた。

 8時過ぎには自宅を出発。関越道周りにするか、中央道周りにするか、家族で相談。結局私以外は、どちらのコースも初めてと言う事で、使い慣れた中央道で行くことにする。
 夏休みとは言え、平日の朝、下り方向の高速道路に渋滞はない。この調子なら昼前に余裕で長野市入り出来そうだなどと話していると、談合坂で渋滞。事故があった様だ。
 30分くらいのロス。談合坂SAで休憩したが、かなり混雑。子供や家族の団体がバスでたくさん来ている。やっぱり夏休みだ。
 大月のジャンクションからは順調に進み、岡谷から長野道へ。豊科から先は、家族にとっては、未知の高速道路。 麻績 をなんと読む?てなクイズなどしながら、長野市内入り。繁華街の駐車場に車を停めたときにちょうど12時。

 私にとって長野市は、4年前に長期出張で来て以来、何度も仕事で来ている場所。どの方向を見上げても、山の見える、私の好きな町である。
 何度も通っている蕎麦屋で昼食。大きなスーパーで買い物をして、さっさと戸隠へ向かう。バードラインの上り坂は、キャンプの荷物満載の非力な車にはつらい。ふと思いついて、エアコンを切ると多少は楽になる。すでに外の気温はエアコンを入れた室内より涼しくなっていた。

 今日の目的地である戸隠キャンプ場に着いたのは2時過ぎ。受付を済ませて広いキャンプ場の中をサイト決めのために車で回る。350サイトのキャパがあるというキャンプ場は、とにかく広い。サイトのバリエーションも豊富。河畔のサイト、林間、オープンな場所。キャンプスタイルに合わせて好きな場所が選べる。うちは、林間のサイトにして、トイレや水場から多少遠くても、静かな場所を選んだ。

 さて、設営。ここでも息子が活躍してくれた。私がトイレに行っている間に、車のキャリアの荷物は息子が地面に下ろしていた。今までこの作業は私にしか出来なかったのに。いつの間にやら成長した。来年にはたぶん私より身長も高くなっているだろう。
 テントの設営は子供に任せて、親はシェルタの設営とテーブル、イス、キッチンなどのセットアップ。
 30分もかからずほとんど終わった。最近は、チームワークと言うか、それぞれが出来ることをちゃんとやる様になったから、設営が本当に早い。

 今回のレイアウトは、上の写真の様になった。サイトが広いし、夏なので、連結などせず、テントもシェルタも車もバラバラ。まあ、テントとの出入りなど寝るときにしかしないし、暖かい時期のサイトはこれでよい。

 夕食の準備には早いのでそれぞれが勝手に過ごす。息子は文庫本取り出して読書。娘は、かみさんと一緒に散歩。私は、しばらくイスに座って、ボーとしていた。蝉の声がうるさいくらい。草の香りを含んだ風が流れて行く。こう言う時間がいいんだよなーと。

 我が家のキャンプの夕食は遅い。夏でも真っ暗になってから。食事の準備を始めるのは6時近くになってからなのだ。
 本日の夕食は、簡単にBBQ。ご飯を炊いて焼きおにぎりにする以外は食材を切るだけ。だからさらに準備が始まるのが遅い。
夕暮れ時、やることが無くなった家族がなぜだがシェルタの下にはおらず、キッチン周りにたむろしている(写真下)。

 6時近くなって、やっと夕食の準備を始める。私はランタンとバーナーの準備。子供には、炭火の準備をさせる。
 7時近くになって、ご飯が炊けたのを合図に、やっと夕食。周りのサイトではもう、後かたづけをしていると言うのに。

 BBQを始めて、、1つ目の忘れ物発覚。しょうゆを塗る刷毛。これがないと綺麗な焼きおにぎりが出来ないのだが、家族だけだからまあいいか。長野市で仕入れたトントロがうまい。ビールが進む。
 今日はみんな設営がんばったから、腹が空いていた様で、特に娘はいつもの2倍ぐらい食った。

 後かたづけに水場に行って、びっくり。明かりがない。屋根は運動会用のテントで作られていた。みんな暗がりで懐中電灯を使って洗い物をしている。サイトに戻って、100均で買ったS字金具とランタンを持って、再び洗い場に行く。テントのポールにS字の金具をかけてランタンを吊す。やっとまともな環境になる。
 S字の金具は、そのまま残しておいた。他の人もランタンやライトをそこに吊す様になった。3個100円の金具。結構役にたった。
 
 今日は温泉はパス。夕食の後は、テレビもないから、家族で雑談。話が弾む。息子の自転車での遠征報告や、娘の好きな男の子の話など、普段は聞くことの出来ない暴露話が出てくる。親として、ちょっと焦ったりして。
 この時間は、ほんとに大切だと思っている。都合がつくかぎり、キャンプに行こうと思う理由の1つ。

 8時半頃に、子供たちは寝ると言う。さすがに疲れた様だ。キャンプに来てもこのあたりを自分でコントロールできる様になったのも子供たちの進歩かな? まだまだ先が長いことはわかっている。初日から目一杯になることは無くなった。

 9時には、テントから子供たちの寝息が聞こえる。後はかーちゃんと雑談。これも大切な時間。でも、かーちゃんも10時前には寝てしまった。

 BBQの残り炭を突っつきながら、一人の時間を過ごす。これが、キャンプで一番大切な時間。これが無ければ、きっとキャンプには来ない。遅いときに、1時過ぎまで。でも、今日はさすがに眠い。私も11時過ぎには、炭の後かたづけをして、テントに入る。

 !!寝場所がないぞ〜〜。ムーンライト7のこのでかい空間。なんで3人しか寝ていないのに、私の場所がないのよ!!
 何とか一番ハジッコに寝場所を確保して、瞼を閉じるとすぐに意識がなくなった。
蕎麦屋:太平庵本店 詳細は、多摩の食べ歩きの番外を参照の事

8月6日 奥社

 かみさんは、6時前にはテントから出ていった。私も20分ほど遅れて外へ。記念すべき朝である。なぜなら私は、いつもはテントが暑くなってどうしようも無くなって始めて起きるのだ。8時過ぎが常識。遅ければ10時近くまで寝ている。家族と一緒に朝食を取ることは希。
 7時前に起きているなんて、快挙である。子供たちも早く起きたので、朝食は7時。8時前には子供たちは川遊びを始める。私とかーちゃんは、他のテントサイト見学。戸隠キャンプ場のパノラマ写真など撮ってみたりした。
 ハイシーズンの大規模キャンプ場。コールマンが目立つ。私の嫌いなと言うか、信頼性のないコールマンのテントやタープが乱立するキャンプ場には、空しさを感じたりする。信頼に足ると思っているモンベルのテントは3張り。スノーピークのテントは1つしかなかった。小川は皆無。ヨーレイカ使っているところはいくつかあったが、あれも私は2流のテントと思っている。

 9時前には、今日のメインイベントの戸隠神社奥社へ向けて出発。
 5分で現地着。時間が早いので、駐車場は、ガラガラ。
 
 ここから私の苦労が始まった。
 駐車場のある奥社の入り口から、奥社までは距離で約2km。高低差で200mほどある。
 参道の両側は樹齢400年と言う杉並木。巨人の国に来たガリバーの様な気分になった。
 杉並木に囲まれた参道は心地よい風が吹き、直射日光もないので楽なのであるが、日頃運動していない私にはきつかった。特に最後の石段では、家族から完全に置いて行かれてしまった。

 戸隠と言う名前は、天の岩戸神話に由来すると言う。天照大神(アマテラスオオミカミ)が天の岩戸に隠ったとき、 無双の神力でその岩戸を開けたといわれるのが天手力雄命。こじ開けた岩戸を2度と閉められない様に、戸隠まで投げ飛ばしたと言う。天の岩戸があったと言われる日向は宮崎県。宮崎から戸隠まで岩戸を投げ飛ばすとは、確かに怪力である。
 奥社に祭られているのは、この天手力雄命。だが、奥社の横には、これより古くからある 九頭龍社 があり、 九頭龍大神 が祭られている。この九頭龍社が戸隠では最古の神社と言われる。いつ頃祭られたかははっきりしていないらしい。虫歯の神様の様で、歯科衛生士のかーちゃんは興味津々。九頭龍神社のお守りを入手しようとしたが売っていなかった。神社の写真を撮ってきたので、お守り替わりにこれを勤め先のどこかに飾ろうかなどと話している。
 九頭龍と言うのは、どうやら悪者らしい。 九頭・九尾の大蛇で 日本武尊 (ヤマトタケルノミコト)が成敗したやつだが、この話は、 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の 話(こっちは 須佐之男命(スサノオウノミコト) に退治された)と非常に似ている。ヤマタノオロチの体には 苔や桧、杉などが生い茂っていたらしい。参道の杉並木をヤマタノオロチと関連して考えて仕舞うのは、非科学的な話なのだろうか。
 また、九頭龍は、安曇野や戸隠周辺に多数ある道祖神と関係があるらしい。

 兎に角、古くから神話と関わりの在る場所が、この戸隠らしい。そして、日本の文化は神仏混淆であって、ここも明治の神仏分離の政策が行われる前は修行僧の修行の場であったらしい。
 宗派は違うが、長野に善光寺があり、そこから深い山の中に入ったのが戸隠。修行の場としては、良い場所に思える。
 戸隠がどの様な場所なのか。たぶん歴史家などが、いろんな考察をしているのだと思う。時間があれば調べてみたい。
 軽井沢シンドロームと言う漫画にも、戸隠の神話の話が出ていたな。一度読み直してみよう。

 杉並木を歩きながら、こんな事を....思う余裕はなかった。一生懸命歩いて、奥社の入口まで戻ってきたのが11時頃。キャンプ場に戻って、パスタを昼食にしてやっと一休み。

 エマージェンシーシートをタープの上に乗せるとどれだけ涼しくなるかなどと言う実験をしたりして、2時頃までダラダラと過ごしてから、温泉に行くことにする。

 行ったのは森林囃子(もくもくばやし)と言う村営の温泉。村役場よりさらに鬼無里の方に下った所にある。値段はお告げの湯の半額でガラガラだった。真っ昼間に入る温泉は気持いい。

 その後、長野市に下って、買い物とコインランドリー探しをした。買い物は、ビックハットの近所のダイエーに行った。それなりの食材揃っていてまあ、満足。コインランドリーはダイエーのサービスカウンターで教えてもらった。県民文化会館の近所にある木曜館と言うところにあるもの。洗濯に使われるのは温水。乾燥機もガスでパワフル。施設は古いが結構良かった。

 5時前にはキャンプ場に戻って、あとはまたダラダラ。いつまでたっても夕食の準備を始めない(^^;
 今日の晩餐は鶏肉と鮭のホイル焼き。
 前日と同じで、ご飯さえ炊けば、後は炭火で焼くだけ。

 子どもは今日も9時過ぎには寝てしまって。私も12時前には寝てしまった。なにしろ、奥社が利いた。もうボロボロで眠くって。


森林囃子長野県上水内郡戸隠村祖山字河原31-1  10時〜21時 水曜休み 大人300円、子ども200円

8月7日 小布施と善光寺
 今日も7時には起きていた。朝食は昨日買ったおやきと、夕食のあまりの焼きおにぎり。
 さっさと済ませて、お出かけ。一日お天気も安定していそうなので、小布施まで出かけることにした。
 あまり早く着いても、お店も開いていないだろうから、出発は9時。高原から下って行くと、やっぱり夏の盛りで、かなり暑い。日差しもきつい。
 10時過ぎには小布施について、まずは、「日本のあかり博物館」に行く。
 キャンプと明かりには密接な関係がある。ランタンに代表されるキャンプの照明は、アウトドアでの明かりについて、自宅で使う電気のあかりとは別の物と言っていい。
 ただ、電気が普及する以前の明かりは、今のアウトドアでの明かりと共通するもの。蝋燭、行灯、明治以降の灯油ランタンなど大変面白く見学できた。
 和蝋燭に魅せられて、1本買ってしまった。高かったけど、キャンプで使ってみたい。

 その後は、村営の駐車場に車を移して、美術館めぐり。小布施ミュージアム(中島千波)、高山鴻山記念館を回る。
 中島千波の絵はよい。花が美しい。高山鴻山記念館の方は、忍者屋敷の様で面白かった。
 夏の日差しはきつく。2つの場所を回るだけでも疲れた。ちょっと早いが、昼食にしょうと言うことになる。

 行ってみたいと思っていた蕎麦屋は、定休日。それなら栗かなと。
 小布施の町を歩くと、あちこちに栗の木がある。右の写真にあるのも栗の木。すでに青い栗の実がついている。
 小布施は、栗の産地。「甲州ぶどうに、紀州のみかん、栗は信州小布施栗」とうたわれる地。

 栗おこわで有名な竹風堂に行くことにした。
 竹風堂は、元々は和菓子の店であるが、昭和47年に小布施で初めて栗おこわを売り出した店としても有名。最初の行った明かりの博物館もこの竹風堂がやっている。

 お店の1階は、和菓子の販売。2階が食堂になっている。メニューは栗おこわの定食が中心で、シンプル。4人とも栗おこわの定食を食べる。
 栗おこわとむかごのミソ合えと山菜の煮物程度のごくシンプルな定食であったが、非常に美味しい。アッサリとした栗おこわはお代わりを頼みたいほどのものだった。名物にうまい物無しと言うが、これは例外だと思う。

 大満足で店を出てから、北斎館に行く。でも、今一だった。一番良かったのは、やっぱり小布施ミュージアムかな。

 今日の予定は、盛りだくさん。小布施の中心地を後にして温泉に行くことにする。
 目指すは、小布施穴観音の湯。車で10分もかからずについた。行ってみると、隣にも温泉施設がある。隣は最近出来たあけびの湯と言うものらしいが、初志貫徹で穴観音の湯の方に行く。

 この温泉は、景色が素晴らしい。飯縄、戸隠、黒姫あたりの山が一望できる。硫黄泉で臭いがきついが、循環させているものではなく、温泉と言うのにふさわしい。

 温泉を堪能しても、まだ2時前。でも、今日はまだやることがある。ほんとはもっとのんびりしたいのだが、温泉を後にして、長野市に向かう。

 洗濯しなければならないのだ。
 昨日調べたコインランドリーに行き、洗濯開始。驚いたのは、洗濯の水はお湯が出る。乾燥機もガス式のもので、かなりパワフル。さすがに雪国は違う。
 洗濯が終わるまで待ってから、乾燥機に洗濯物を入れて、その間に買い物。もちろん、コインランドリーの情報をくれたダイエーに行く。
 買い物終わって、洗濯物取りに戻ると、ほっかほかの気持ちいい仕上がり。

 後は、キャンプ場に戻るだけなのだが、まだ時間があるので、善光寺に寄る。ちょっと時間が遅かったので、参道のお店はすでに閉まっている所が多かった。とりあえず参拝して、帰りにソフトクリームを食べる。蕎麦ソフトクリーム。これ、結構うまかった。

 もう一つ、寄ったのは、 八幡屋礒五郎の七味唐辛子のお店。
 善光寺の七味は、東京両国の薬研堀、京都の七味本舗の七味と共に、三大七味として有名。
 薬研堀は、焼き唐辛子の辛さと生唐辛子のコンビネーションの辛さ売り物とし、京都は山椒の辛さを主体とした香りを売り物としている。
 善光寺の七味は、しょうがが使われており、体が温まるのが特徴。
 私は善光寺の七味がかなり好きで、長野に来る度にこのお店で買うことにしている。

 大辛(おおがら):唐辛子のみ
 中辛(ちゅうがら):標準的な七味
 小辛(こがら):風味を利かせて辛さを押さえたもの

 が、あるが、中辛が一番いいと思っている。

 善光寺参りも終わって、キャンプ場に戻る。今日の夕食は、超手抜き。スーパーで買ってきた天ぷらとそうめん。夕食の後には、スーパーで買った手持ちの花火をやる。虫よけにいい。
 週の真ん中と言うことで、キャンプをする人は少ない。静かなキャンプ場で、やっぱり早く寝てしまった。
日本の明かり博物館
小布施ミュージアム
高山鴻山記念館
竹風堂: 長野県上高井郡小布施町大字小布施973、電話:026-247-2026、営業時間:10〜19時(買い物は8時30分ごろからできる)水曜定休
北斎館
小布施穴観音の湯
善光寺

八幡屋礒五郎

8月8日 小川村と温泉
 今日は、全く予定の無い日。9時には、子ども達は逆川での川遊びに行ってしまった。私もちょっとお遊び。
 最近買った、ソロ用のシェラのテントと、20年前に買った、ICI石井のソロ用テントを並べて張った。東京では暑くて出来なかった目止めの処理をやるため。処理は30分もかからずに終わる。
 せっかくだから、今日は私だけシェラのテントで寝ることにする。

 10時過ぎにはやることがなくなって、かみさんと2人、のんびりしていたのだが、日差しが結構きつくてリビングシェルの下は暑くなってきた。
 近所のお散歩に行くことにする。逆川に降りて、子ども達を呼び、戸隠牧場へ行く。戸隠牧場は、戸隠キャンプ場の隣。200円を払って中に入ってみた。

 この時間になっても、雲は少なく、戸隠の山々が美しい。でも、牧場は暑いだけで見る物もない。牛や羊も暑いためか動きがない。その辺を回って、早々に退散。入口横の喫茶店でソフトクリームを食べる。これは、なかなか旨かった。

 今日はこのままキャンプ場で過ごすつもりでいたのだが、ふと思い立って、小川村に行くことにする(うちのキャンプは、車で出かけてばかりで、のんびり出来ない。私が貧乏性だからなのだろうか)。
 戸隠から小川村は、直線距離では近いのだが、いったん鬼無里に下ってそこから峠を1つ越えなければならない。
 実際に走ってみると、道は狭く急カーブの連続で時間もかかるし、かーちゃんは車酔いするわで大変だった。

 なぜに小川村に行きたかったか?小川村にはおやき村と言う場所があり、小川村のおやきは、村おこしにも一役買う名物になっている。おやきもいいが、このおやき村の蕎麦が旨いのである。

 おやき村は、第3セクターでやっている。おやきも地元の産物も、蕎麦も、地元のおっちゃんや、おばちゃん達が作っている。
 蕎麦の打ち方は非常に素朴。四角く伸ばさず、ただ大きく丸く伸ばして行く。長い麺棒を使って直径2m近くの大きな丸い蕎麦が出来て行くのを見るのは、なかなか楽しい。

 ここでのお勧めは、くるみ蕎麦。
 これを家族に食べさせたくて、わざわざ出かけて来たのである。地元の名産であるクルミが、すり鉢に入ってくる。これを自分ですり下ろして、その中にめんつゆを加えて、笊に盛られた蕎麦をつけて食べるのである。
 クルミの油と甘みがめんつゆにコクをあたえ、淡泊な蕎麦を力強い物にする。非常の美味しい蕎麦なのである。私はこれが、お気に入りで、近所に来るといつもここによって、この蕎麦を食べるのである。
 家族も気にいってくれた様で、よかった。一人逆らって、天ざるを食べた息子。でも、この天ざるも山菜盛りだくさんで美味しそうだった。

 昼食も終わって、次は温泉。小川村の隣にある美麻の温泉に行こうと思っていたのだが、美麻に行くと帰りはまた峠越えになる。長野に下って松代あたりの温泉に行って、バードラインから、戸隠に帰ることにする。

 オリンピック道路から19号。私には慣れた道。松代まではあっという間についたのだが。
 町内を走っていると、あちこちに十福の湯と言うステカンがある。どうも近くに新しい温泉が出来たらしい。それならそこへ行ってみるかと言うことで、看板の矢印通りに進んで行くと町の外に出てしまった。ずーっと進むと峠道。なんと温泉までは10km以上あるらしい。地図で見てみると、なんと上田と長野に境になる地蔵峠にある温泉だとわかった。

 でも、ここまで来たら、行ってしまえ〜〜〜と言うことで、また峠登り。
 ついてみると、峠の周辺には別荘用の分譲地が作られており、その一角に真新しい温泉があった。かなり規模の大きな日帰り温泉施設。

 平日と言うのに、かなりの台数の車が停まっている。入口を入って、下駄箱で躊躇する。靴がいっぱい(^^;
 でもここまで来たのだからと、中に進む。日帰りのみの施設で、休憩室が4つもあって、かなり広い。ここに沢山の人がいる。つまりは温泉のあとゆっくりしているのである。

 温泉の方は広いし空いていた。更衣室のロッカーも多いし、洗い場のカランの数も多い。さらに湯船が広い。屋内の湯船もそれなりだが、目玉は露天。これが、広いのである。新しくできた温泉で、これだけ広い露天は初めての経験。透明な冷泉で循環させているようだから、温泉としての効能はあまり期待しないが、この広い露天風呂に浸かっているだけで、気分は解放的になる。
 くつろいでしまって、温泉を出るのが遅くなってしまった。

 急いで戸隠に戻るが、キャンプ場に着く頃には、あたりは暗くなってきていた。
 洗い場で、まずは洗い場で米だけ研いで、炭を起こし、野菜を洗いにもう一度洗い場にいったら、フックがない。さっきまであったのに。そこらを捜しても見つからないので、誰かが持って行ってしまったらしい。みんなのためにと思って着けっぱなしにしておいたのに。
 もう一つフックを持ってきて、今度は簡単に外れないように、針金で固定しておく。

 今日は、豚のみそ漬けがメイン。炭火を囲みながらゆっくり食事をして、全員で後かたづけ。その後2時間ほど家族で話して10時には、子ども達は就寝。
 予定では、明日変える予定であったが、家族と相談して、一日延ばすことにする。
 私はノートパソコンを引っぱり出して、デジカメのデータの引き上げと整理をして、12時に寝る。テントはシェラの個室。快適である。
小川の庄おやき村
十福の湯

8月9日 中社と下社とそば
 朝食は、スープにビスケットにパンに、前日の残りのサラダ。
 キャンプ五日目となると、収納されていたものが、全部表に出ていると言う感じ。子ども達のおもちゃの勝手な場所にぶら下がっていたりする。
 明日はこれを全部片づけなければならないかと思うと、ちょっとだけ気分が滅入る。

 帰る予定の日だったから、なんも考えていない。まだ、中社と宝光社に行っていないので、近くを回ることにする。

 まず行ったのは、中社。ここは戸隠の観光の中心地で、近くにはおみあげ屋や、蕎麦屋が多数ある。大きな駐車場が出来たので、車で行っても困らない。 奥社や宝光社の様に、階段を上らなくて神社に行ける.

 中社に祭られているのは、 天八意思兼命(あまのやごころおもいかねのみこと) 。 天照大神がスサノウの悪さに怒って、天の岩戸に隠れた時に、岩戸の前で神楽を行って 天照大神をおびき出す事を考案した神様。 学業成就・商売繁盛・開運・家内安全の御利益があると言う。

 この時、岩戸の前で元祖ストリッパーとして踊った天剱女命(あめのうずめのみこと)は、中社と宝光社の中間にある日之御子神社(ひのみこじんじゃ)に祭られている。神仏混淆の時代にあっても、唯一ここだけは神社のままであった。(ちなみに神仏混淆の時代には、奥社の天手力雄命は、聖観音、九頭竜は九頭竜権現、中社の天八意思兼命は釈迦如来、 宝光社の天表春命(あめのうわはるのみこと)は、勝軍地蔵とされていた)。
 中社にある三本杉にも伝説がある。山の中の戸隠なのに、人魚伝説と関係があるのである。

 中社の周りには有名な蕎麦屋も多い。ちょっと時間が早いので、蕎麦はパス。お土産にザルを買うことにする。戸隠はザルでも有名な場所。
 ザルを買うときのポイントを2つ。
 1.竹製品の専門店で買うこと。
 2.値段に2ランクあるが、高い方を買うこと。

 価格に2ランクあるうちの下のものは、お土産用で安いけどすぐ壊れます。高い方は、専門店にしかなく、値段も倍くらいしますが、造りが全く違います。大事に使えば一生物です。

 中社から車で下って、宝光社を通り過ぎて、蕎麦博物館に行く。
 お蕎麦の博物館には大変興味があったのだが、ちょっと期待はずれでした。
 たが、この博物館の外の崖を登った上にある展望台は良い。お天気のいい日なら戸隠の山々を見渡せます。

 ちょっと戻って宝光社。ここの社殿は1861年の建立で、戸隠の中では一番古い。祭られているのは、天表春命(あめのうわはるのみこと)で、 中社祭神の御子神様で、開拓学問技芸裁縫の神・安産の神・婦女子の神・子供の神として御利益がある。

 宝光社には、駐車場が数台分しかない。近くのお土産やなどの駐車場を利用することになる。ここは、数百段の階段を上らなければならない。奥社よりは楽だが、お年寄りや身体の不自由な人が、参拝するのはつらい。

 宝光社の参拝が終わってもまだ11時前。昼御飯には早いので、戸隠山が綺麗に見えると言う鏡池へ行く。鏡湖は中社の奥社の中間にある蕎麦屋の脇をちょっと奥に入ったところにある。人工湖であまり趣はない。風が無ければ湖面に綺麗に戸隠山が写るであろう。
 昼に近いこの時間では、山のコントラストが低いから写真をとっても面白くない。記念写真だけ撮って、さっさと引き上げる。

 さて、これで蕎麦でも食ってキャンプ場に引き上げるの普通なのだが、家は結局ドライブ。
 野尻湖に行くことにする。昼飯は、信濃町のどこかでしようと言うことで、そっち方面へもろこし街道。7日と同じ道。
 野尻湖を車の中から見て、信濃町の駅前の食堂で昼食。昨日の夜、豚のロースを食ったというのに、ソースカツ丼。意外にうまかったけど。

 食材が底をついていたので、国道沿いのスーパーで買い物。この頃から、天気が怪しくなってくる。雨が降るとは考えていなかったので、サイトはオープンのまま、洗濯物もある。

 あわてて帰途についたのだが、途中で雨が降り出す。寝袋を干してなくて良かった。
 キャンプ場に戻った時には本降り、シェルターから張り出した屋根には水が溜まっている(^^;

 雨降りの午後は、やることがなく、シェルターの下で、みんなで読書。早めに夕食の準備を始める。今日の夕食は、キャンプの定番のカレー。もろこし街道の途中で買ったトウモロコシを皮ごと焼いて、カレーに入れてもろこしカレー。炭火で長時間煮たカレーに甘いトウモロコシは良く合う。
 ご飯もカレーもすっかり無くなってごちそうさま。

 夕立のせいもあるが、気分は重い。明日は帰る日。荷物の整理をしながら、その日のうちには就寝。

そば博物館
8月10日 帰るのさ
 長いキャンプも最終日。撤収どうしてもテキパキと出来ない。帰りたくない気分なのである。

 昨日の雨とはうって変わって今日は晴天。テントや寝袋もしっかり干せた。ついでに時間が無いときにはなかなか干せない、シェルターもひっくり返して、ボトムのお掃除と乾燥をさせた。

 サイトの撤収をしていると、若いカップルが私たちの片づけた後に設営を始める。一声かければいいのに、何にも言わない。なんともなあ。

 テントを干していたので遅くなったが、それでも11時前には、キャンプ場を後にした。
 お土産は昨日買ったから、寄り道せずに、長野市へ下る。19号を使って、豊科まで行く。
 八坂村に、新しい日帰り温泉施設が出来ていた。「遊勇自然館さざなみ」と言う。今年に4月に出来たばかりだと言う。まだ新築の香りのする温泉で撤収の汗を流す。露天風呂はないが、犀川の方向に大きく開いた窓からの展望はよい。併設のレストランで蕎麦を食べる。手打ちではあったが、それほどの物ではなかった。これなら、もうちょっと先の大岡村の道の駅にある蕎麦屋の方がよかったかもしれない。

 土曜日なのに、19号を通る車は少ない。やっぱり高速道路を使う人の方が多いのだろうか。豊科まで大した渋滞もなく、40分ほどで到着。梓川のサービスエリアでガソリンを給油して、我が家へ。途中小仏峠あたりで渋滞があったが、高速もまあ順調。明るいうちに自宅に戻って来られた。夕御飯は、手抜きで、ホカ弁。
 夏休みの長いキャンプは終わった。
遊勇自然館さざなみ

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