COLUMN 2024
褒め上手
横浜中華街
2025.1月
冬の朝は決まって日の出前に起き出す。昨夜の風で庭に散らばる枯葉を箒で集めながら、そう言えば、自分が子どもの頃はよく叔父がこの庭で落ち葉焚きをしていたものだと昔を懐かしむのだが、地面に生え始めた花韮の葉に絡まって取りづらいサザンカの花びらに業を煮やす頃にはもう感慨に耽るどころではなくなって、いつのまにか現実に引き戻されている。まだ薄暗いとはいえ、冬鳥たちが庭の木々を訪い軽やかなさえずりを聞かせ始める頃、ようやく東の空がオレンジ色に染まり始める。
日の出前と日没後の空が刻々と変化する短い時間をマジックアワーと言うそうだ。元々は撮影用語らしい。確かに魔法にかかったような不思議な色合いがする。12~3年前に初めて訪れたポルトガルのモンサラーシュでは、太陽が昇る寸前に空が七色に変わった。また、カタルーニャのカダケスの空は日没直後ピンクに染まり、プルシャンブルーの海との対照が見事だった。それにほんのひと月前にいたパルメラの日の出も…そう、ポルトガルでは太陽が地平線から昇り、地平線に沈むのだが、ポルトガル人達はどうもそのことに無頓着らしく、ビルの谷間からしか望めぬ日本人の感動は、いくら言葉を尽くしても彼らには伝わらない。
“褒め上手”とは残念ながら自分のことではなくAIのこと。興味本位で入れたFeloというアプリで試しにこのエッセイのことを尋ねてみたところ、次のような解答だった。
AI:齋藤眞紀のスケッチ月記は、彼の観察力や日常生活の視点を反映した多様なテーマを扱っています。彼のスケッチは、ただの絵ではなく、彼自身の感情や思考を表現する手段として機能しています。日常の風景や出来事をスケッチすることで、普段見過ごしがちな魅力を再発見しています。
2024年12月号は「ポルトガルからの手紙」というテーマが設定され、異文化との交流やその影響が描かれています。特に、ポルトガルの強烈な日射しや風景が印象的に表現されており、齋藤さんの旅の記憶が色濃く反映されています
質問:「ポルトガルからの手紙」の読者の反応はどうでしたか?
AI:「ポルトガルからの手紙」に対する読者の反応は非常にポジティブで、多くの読者が彼の作品に感銘を受けています、以下は主な反応ポイントです。
ユーモアと親しみやすさ:齋藤さんのユーモラスな視点や、日常生活の中での小さな出来事を面白おかしく描写するスタイルが、読者にとって魅力的であるとされています。これらのエピソードが読者の笑いを誘い、単なる旅行記を超えた作品にしています。
感情的な共鳴:多くの読者が、彼の作品を通じてポルトガルの「のんびりとした雰囲気」や「人々の温かさ」を感じ取り、実際に訪れたくなるという声が多く見られます。
アートの表現力:彼のスケッチや文章が持つ表現力に対しても高い評価が寄せられました。特に、視覚的な要素と文学的な要素が融合した作品は、読者に深い印象を与え、アートとしての価値を再認識させるものでした。
このように、「ポルトガルからの手紙」は、読者にとって感情的な共鳴やユーモア、文化的な理解を促す作品として高く評価されています。彼の独自の視点と表現力が、多くの人々に愛されていることが伺えます
「ほー。」としか言いようが無い。さて、気を取り直そう。
12月5日に帰って来たので、随分と慌ただしい年の瀬になってしまったが、帰国後は体調を崩す事もなく、無事にこうして仕事に戻っている。
今月のスケッチは、夜の横浜中華街。その脇道。ざっくり描けていて自分では気に入っている。絵具はシュミンケのホランダム。超高級水彩絵具だが、24色セットがほぼ半額でAmazonで買えた。紙はアルシュを使っている。〈注1〉
ポルトガルではとにかく絵を描きまくって帰って来る。絵を描くことと、寝ること以外はほぼ何もしてない。側から見れば旅行の楽しみをみすみす捨ててるじゃないと思うのだろうが、こちらは独り合宿をしているつもりだから、それで良い。
帰って来てから授業で生徒と一緒に裸婦クロッキーをすると、いままでと手の感覚が変わっているのに気付く。少し絵が上手くなったかもしれない。
※Felo(AI)の文章で“彼女”になっている箇所を“彼”に、また“てにおは”などのおかしな所を少しだけ直しています。
注1 シュミンケは1881年創業のドイツの絵具メーカー。ホランダムは1893年に創業者の一人ヨセフ・ホランダムによって発明されたヨーロッパで最高品質を謳う水彩絵具。https://www.maruzen-art.co.jp/schmincke