先発品と後発品(ジェネリック医薬品)
先発品と後発品(ジェネリック医薬品)の同等性・有効性・安全性・副作用について、整理してみました。以下に記載のない内容を含めて、判断が求められます。みなさんはどちらがよいですか?
ジェネリック医薬品の添加剤が先発医薬品と異なっている場合があります。同等性、有効性、安全性に問題はないのでしょうか?
→ジェネリック医薬品に使用される添加剤については、米国等と同様に先発医薬品と同じ添加剤を使用することが要求されているわけではありません。したがって、添加剤については異なっている場合があります。
添加剤は、薬理作用を発揮したり、有効成分の治療効果を妨げたりするものは使用できません(「日本薬局方製剤総則」)。従って、医薬品として使用前例のある、安全性が確認されている添加剤が使用されています。
先の安定性試験、溶出試験、生物学的同等性試験等は、市販製剤と同じレベルで製造された最終剤型を用いて試験されています。したがって、もし添加剤が異なったことにより、安定性や生物学的同等性への影響がある場合は、使用が認められません。
このことは、先発医薬品が既承認製剤の添加物を変更する場合も同様であり、ジェネリック医薬品と同レベルのデータで承認されます。
なお、注射剤など他剤と配合して使用される場合には、添加剤の違いから先発医薬品で起こらなかった物理化学的変化が起こる場合がありますので、配合される場合は添加剤を確認して使用して下さい。なお、含有される添加剤は、添付文書に記載することとされています。
ジェネリック医薬品の中には先発医薬品の効能・効果の一部を欠くものがあります。何故でしょうか?
→ジェネリック医薬品と先発医薬品の効能・効果(適応症)等が一致していない場合があります。これは、ジェネリック医薬品の承認取得後に先発医薬品が効能・効果の追加を行い、この効能・効果に再審査期間や用途特許が付いている場合、その効能・効果の承認取得ができないためです。これらの場合を除き、効能・効果の一部が欠けているものは速やかに取得するよう対応しています。
ジェネリック医薬品で先発医薬品と効能・効果を一致させることができていない品目については、当協会のホームページにて公開しています。
以上、日本ジェネリック製薬協会http://www.jga.gr.jp/medical/faq.htmlよりコピー
ジェネリック薬での代替調剤が不適切な場合
1938年の米連邦食品医薬品化粧品法以前に販売されていた医薬品
ジゴキシンその他のジギタリス誘導体(心不全用);甲状腺ホルモン補充薬
ジェネリック医薬品の要件を免除された1938年以前の薬のうち数種類のみが現在でも処方されている。これらの薬には比較する基準がないので、その中で別の製品に切り替えることは賢明ではない
中毒量と有効量の差がわずかな薬(安全域が狭い)
フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸などの抗けいれん薬;ジゴキシン(心不全用);抗凝固薬の ワルファリン
安全域が比較的狭い(少量では効かず、多すぎると副作用を起こすおそれがある)
降圧薬
ヒドララジン、レセルピン、レセルピン+ヒドロクロロチアジド、レセルピン+ヒドロフルメチアジド
これらの薬のジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等でない
経口投与用の抗ぜんそく薬
テオフィリン、ダイフィリン、一部のアミノフィリン製剤
これらの製品は一般に生物学的に同等でないため、1つの製品が有効なら、どうしても必要でない限り、別の製品への切り替えはすべきでない
エアロゾル製剤、特に抗ぜんそく薬
メタプロテレノール、テルブタリン(広く使用されている気管支拡張薬)、一部のエアロゾルステロイド製剤
どの製品も効果が期待されるが、それらを比較するための基準はまだ開発中
ステロイドのクリーム、ローション、軟膏
アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、フルランドレノリド、フルチカゾン、ハルシノニド、ハロベタソール、ヒドロコルチゾン、モメタゾン、トリアムシノロン
これらの製品は皮膚反応のテストで標準化され、多くはFDAによって生物学的に同等であると評価されている。しかし反応はさまざまで、薬の基剤(クリーム、軟膏、ゲル)によって、効果も異なる。反応が予測できないので、ある製品が効果があるなら、別のものへの切り替えはすべきでない
ステロイド錠剤 デキサメタゾン、一部のプレドニゾロン製剤
多くのジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等ではなく、安易な切り替えはすべきでない
ホルモン
エステル化エストロゲン(更年期女性のエストロゲン補充療法)、一部のメドロキシプロゲステロン製剤、メチルテストステロンの大半のジェネリック製剤
エステル化エストロゲンの2つの製剤は、生物学的に同等ではない。ホルモンは少量服用するものなので、製剤の違いによって反応に大きな変化が生じることも考えられる
抗糖尿病薬
グリブリド(成人発症の糖尿病用)
グリブリドの1つの製品、グリナーゼは他のものとは切り替えられない
痛風を抑える薬
プロベネシド、コルヒチン
これらの薬のジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等でない
抗精神病薬
クロルプロマジン錠剤 これらの薬のジェネリック薬はブランド薬と生物学的に同等でない
抗うつ薬
アミトリプチリンの数種類の製剤、アミトリプチリン+ペルフェナジンの1製剤 すべての製品が互換性があるとは限らない。
特定のジェネリック薬がFDAによりブランド薬と生物学的に同等であるとみなされているかどうかは、薬剤師に尋ねるとよい
カリウム
ほとんどの錠剤タイプの長時間作用型カリウム補充薬
カプセル(錠剤でない)タイプの長時間作用型カリウム薬は生物学的に同等とみなされているため、切り替え可能
その他の薬
ジスルフィラム、フルオキシメステロン、マジンドール、ニコチンパッチ、フェニトイン(速効型)、プロメタジン錠剤と座薬、インド蛇木、トリクロルメチアジド
ジェネリック薬は生物学的に同等ではない。どの製品も有効である可能性はあるが、製品間の切り替えはすべきでない
以上、メルクマニュアル医学百科最新家庭版http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec02/ch017/ch017c.htmlよりコピー
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