尿酸は高くても低くても痛風発作は起きます

 痛風発作は圧倒的に男性に多い病気です。発作の原因である尿酸値が女性では男性より低いからです。これは女性ホルモンに尿酸の排泄を促す働きがあるからです。実際、女性の尿酸値は閉経後に上昇し、男女差は小さくなります。

 発作の特徴は、初発の関節炎は足の親指のつけ根に約70 %、同時に複数の関節には起きない、痛みは1日のうちに激痛、2〜3日目から緩和、7〜10日で消失します。膝や上半身のことは少なく、脊椎や股や肩にはほとんど出ません。「関節が痛いが、痛風としては非典型的な場合」は偽痛風・骨折・筋膜炎・腱鞘炎などと区別する必要があります。

 発作は尿酸7.0 mg/dl超が数年間以上の人に起こります。しかし、発作を起こした患者さんの尿酸値は低いこともあります。なぜなら、発作の直接の原因は「激しい運動や関節をひねるなどの物理的な要因」や「尿酸値の変動などの化学的な要因」だから、と推測されています。この仮説は、発作中に尿酸値を下げる薬を始めると発作が悪化すること、尿酸値を下げる薬をのみ始めた患者さんの3割程度が、数ヶ月間、発作や予兆を自覚することと合致します。

 発作の治療は尿酸値を下げることではありません!消炎鎮痛薬を使うことです!

 発作の予防(高尿酸血症の治療)には肥満の解消、日本酒1合・ウイスキーダブル1杯(60 ml)・ビール500 mlまで(二種類なら、ビール250 ml+日本酒0.5合という意味)が適量、尿量2000 ml、激しい運動より楽な運動を長時間、ストレスを発散しのんびりゆっくりと、この五つが大切です。
2009年7月更新



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