らき☆すたSS〜かがみ編〜『伝わる想い』〜後編〜





                                      投稿者 フォーゲル





  「ど、どうしよう・・・」

 いざ、祐一君の家の前まで来て、私は急に尻込みしてしまう。

 祐一君の家に来るのはこれが初めてじゃない。

 だけどあの時は、こなたが一緒だったし、何より祐一君を特別な存在として見ていなかった。

 (ご両親がいたりしたらご迷惑かも知れないし、やっぱり後で・・・)

 私の心が折れそうになったその時―――

 『♪〜♪〜♪』

 携帯電話が鳴る。
 
 『はい、もしもし?』

 『あ、かがみさん?』

 『ゆ、祐一君?』

 電話の向こうから大好きな人の声が聞こえて来る。

 『どうしたの?それよりも風邪の方は大丈夫?」』

 『うん、熱は下がったから・・・かがみさんこそ、俺の家の前で何やってるの?窓から見てるんだけどウロウロしてるから
  何やってるのかなと思って』

 『えっ?ゆ、祐一君が風邪を引いたって言うから・・・』

 『そっか、ありがとう。・・・上がれば?』
 
 『いいの?』

 『いいよ。ヒマで退屈してたところなんだ』

 『じゃあ、今から行くわね』




  「おじゃましま〜す・・・」

 わたしはゆっくりと祐一君の部屋に入る。

 こなたと来た時には印象に残らなかったけど、こうやって改めて見ると男の子の割りには意外と片付いている部屋だった。

 「あ、あんまりジロジロ見ないで欲しいんだけど・・・」

 「ゴ、ゴメン」

 私はそう言ってベットサイドの椅子に座る。

 祐一君は、私が見る限り、熱も引いてすっかり元気そうだった。

 「で、今日は学園で何があったんだ?またこなたさんにイジられたとか?」

 「そうなのよ〜全く、アイツは・・・」

 私はその日学園であったことを祐一君に話した。




  『グゥ〜〜〜』

 不意に祐一君のお腹の音が鳴ったのはたわいも無い話で盛り上がっていた時だった。

 「お腹空いたの?」

 「そう言えば、朝から何も食べてなかったな・・・」

 「あ、じゃあ・・・つ、作ってあげようか?」

 「えっ?」

 「だ、だから・・・私が作ってあげようか?って言ってるの」

 「ほ、ほら!前に祐一君が私の手作りお弁当が食べたいって言ってたことがあるじゃない?だから、あれから料理の勉強したのよ?
  つかさやこなたに教わりながらね」

 早口になりながら、まくしたてる私。

 そうしないと、顔が真っ赤になるのがバレそうだったから。

 「そうなんだ?じゃ、お願いしてもいいかな?」

 「まかせなさい!じゃあ台所借りるわよ」

 私はそう言って祐一君の部屋のある2階から下に降りて行った。





  「・・・・・」

 私の作った料理を味わう祐一君。

 そのリアクションを気にする私。

 「・・・美味しい!美味しいよ!かがみさん!」

 「ほ、本当に!?良かった〜」

 思わず安堵のため息を洩らす私。

 「いや〜お世辞抜きで美味しいよ」

 祐一君はあっさりと私の作った料理を食べきった。

 「ごちそうさまでした」

 「はい、お粗末様でした」

 祐一君は、しばらく考えた後、私の方を見て言った。

 「じゃあ、俺からもお礼で・・・かがみさん、何かして欲しいこと無い?」

 「べ、別にいいわよ。私は祐一君に何かしてあげたくてやったことだし」

 「じゃあ、俺もかがみさんに何かしてあげたいな」

 「・・・本当に何でもいいのね?」
 
 「もちろん!」

 「じゃあ・・・」

 私はそっと祐一君に耳打ちした。




  
 「かがみさん、こんなことでいいの?」

 祐一君は、私の頭を撫でながら疑問を含んだ声で問い掛ける。

 「いいのよ。こうされてると落ち着くから」

 
 『私の頭を撫で撫でしてほしい』

 それが私の祐一君へのお願いだった。

 「私ね、子供の頃はこういう風に誰かに頭撫でてもらうなんてこと無かったの。大抵こういうことをされるのは、
  つかさの方だったから・・・ねえ、祐一君」

 「何?」

 「これからもたまには、こういうことして欲しいな・・・祐一君が嫌じゃなければだけど」

 「嫌な訳ないだろ?むしろ積極的にしたいよ。いや〜だけど・・・」

 「だけど・・・何?」

 「こういう子供なかがみさんも可愛いな〜なんて」

 「・・・バカ」

 私はそう言いながら、ゆっくりと自分が眠くなるのを感じる。

 「眠いの?起こしてあげるから寝たら?」

 「うん・・・そうする」

 祐一君の声に頷きながら、私の瞼は少しずつ重くなって行く。

 「祐一君・・・大好きだよ」

 「俺もだよ。かがみさん」

 祐一君の言葉にたまらない幸福感を感じながら、私は眠りに落ちていった。




                           〜END〜


             こんばんわ〜フォーゲルです。大分間隔が空いてしまいましたが(汗)

                  らき☆すたSSかがみ編の後編になります。

       『お見舞いに行く』ということは決めてたんですけど、そこからの流れに詰まっちゃいまして。

    散々悩んだ結果、原作5巻にあった『昔から可愛いって言われるのはつかさの方だった』って言うかがみの台詞から、

                  こういう流れにしてみました。どうでしょうか?

         次回はつかさ編になるかと思います。こちらも楽しみにしていただけると嬉しいですね。

                         それでは、失礼します〜


管理人の感想

ということでかがみSSの後編をお送りして頂きました〜。

おやおや、なんか甘いですよ〜(笑)

かがみ、ちゃんと「彼女」をやってるじゃないですかぁ。かがみが恋人になるというシチュがあまり想像できなかったのですが、予想以上にデレてますね^^

祐一のために苦手な料理も克服するなんて・・・これも愛の成せる業ですね。死ぬほど羨ましいのですが(ぇ

でも祐一の「かがみさん」という呼び名が直ってない辺り、二人の力関係はなんとなくわかるかなぁ。



2008.5.27