B&G MEMORIAL of SUMMER

BOYS and GIRLS in Long Vacation

 

 

 

 高平家の地下室はかなり広く、本来の用途である倉庫としての役割も兼ねながらさらに別室が用意されており、そこが高平晃司自慢のシアタールームと

なっている。最新のブルーレイディスクレコーダーとプロジェクター、特大のスクリーンと大型テレビ、そしてHDサラウンドを余すことなく再現する為の

ポール型スピーカー二本とセンタースピーカー、さらに大口径サラウンドスピーカー二基とウーファーを備え、隙のない構成を成している。

 そして、もう一つの目玉が業務用にも使われている通信カラオケだ。価格は敢えて伏せるがかなりの高額機器で、およそ一般人が手に出来るものではない。

余裕で購入できるとすれば冴霞の父・今村稔臣か、総志の父・森川博仁、そしてこの高平晃司くらいだろう。いずれも高所得者であり、そう考えるならば今

集まっている六人は、いずれもそれなりに裕福な家庭である事が窺い知れる。と言っても、誰もそれをひけらかすような馬鹿な真似はしないが。

 それはさておき。

「はぁ……お、お粗末さまでした」

 歌い終え、緊張で頬を赤らめた要がぺこりと頭を下げる。それに向かって五人が拍手の雨を降らせ、意外なまでの歌唱力を披露した要を称賛する。そこに

晃司の姿はなく、本人曰く「まだ仕事が残ってるから」との理由で参加はしていないが、恐らくそれは建前だけのもので、実際は息子たちの邪魔にならない

ように気を利かせてくれたのだろう。先のやり取りから不仲にも見える晃司と継だが、その辺りは何だかんだでちゃんと親子なのだ。

「柊木、歌上手いんだな。しっかり声も出てたし」

「まぁ、人前で歌うのは好きじゃないとか言ってっけどな。けど要、愛ちゃんよか上手いくらいだぜ?」

 得意げに語る継の言葉に嘘はなく、叩き出された数字は九十七点。暫定一位だった愛の九十五点を上回り、トップに立つほどだ。その後に続くのが継の

八十九点、続いて総志の八十四点に、謙悟の八十三点と、どれもかなりの高得点をマークしている。

「やー、さっすが要ちゃん。負けちゃったかぁ。でもここで、真打登場の今村センパイ!!!!」

 愛の声と手が冴霞を促す。隣に座っている謙悟も含め、五人の視線が冴霞に釘付けになるが、それも致し方のない事だ。

 容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群の完璧超人・今村冴霞。加えて声も綺麗で、その声がどのような歌声を披露するのかは誰も聴いた事がない。そして

それは謙悟も例外ではなく、初めて聴く冴霞の歌に心から期待していた。

 だが、冴霞は先程からカタログを睨むように凝視したまま、ペラペラとページだけを繰っている。恐らくは決めかねているのだけなのだろうが、既に冴霞

以外は最低でも一曲、愛と継に至っては三曲も歌っており、そんな中でまだ冴霞だけが一度もマイクを握っていないのだ。

「冴霞さん、得意な歌とかないんですか? 昔の歌とかでも全然OKですよ?」

「そーそー、思い切って歌っちゃいましょーよー! 何なら、演歌でもいーですよー?」

「変な歌でも、誰も笑ったりしませんって!!」

「気持ちよく歌えれば、それで良いんだから」

「俺もそう思う。だから歌ってくれ、冴霞」

「うぅ……わ、分かりました……じゃあ」

 カチカチとリモコンを操作し、曲番号を入力する。流れ出したメロディと大型テレビに映し出されたタイトルは、十年ほど前に大ヒットした女性歌手の

曲だ。誰もが一度は聴いた事のある物であり、まだ幼かった謙悟たちですら知っている超メジャータイトル。

 ソファーを立ち、ぎゅっとマイクを握り締める冴霞。意を決したようにテレビを見て、歌詞を確認する。

 そして、彼らは知る事になる。今村冴霞の歌唱力を。

 

 その、非の打ち所さえ見当たらない――――あまりの音痴っぷりを。

 

 

40.It’s a Beautiful and Greatest Memorial !!

 

 

「――――……っ」

 歌い終えた冴霞がマイクを下ろし、それから間もなくしてメロディも終了すると、地下室は微妙な空気と重い沈黙に支配されていた。楽しい思い出の

一ページを綴るはずが、その実とんでもない封印の扉を開いてしまったようで、歌うように促した五人はなんともいたたまれない気持ちだった。

 叩き出された採点結果は六十二点。誰も文句のつけようもない、最下位である。

えっと……ごめんなさい、私……歌うのは、本当にダメなんです……

 マイクを使っての冴霞の告白。しかしその声は消え入りそうにか細く、パチンとスイッチを切るとそのままソファーに腰を下ろし、注いであったお茶を

くっと煽る。場の空気を悪化させてしまった事は冴霞自身が誰よりも理解しており、しかしだからといってこの場を立ち去ってしまえばより雰囲気を悪く

させてしまう。それ故に残っていたのだが、やはりどちらにしても辛い事に変わりはない。

「……でも、一生懸命格好つけないで、力一杯歌ってた。俺はそういうの凄くいいと思うし……好きだけどな」

 そう言われて、冴霞は隣に座っている謙悟を見上げた。慰めでも何でもない、謙悟自身の素直な感想であることはその優しい表情から十分に理解出来る。

「……だね。上手い下手だなんて、大した事じゃない。ようは楽しんでいるかどうかが重要なんだから。そうだろう? 継くん、要ちゃん……愛?」

 最年長の総志が優しい声で三人に問いかける。すると継も要も、そして愛も頷いて冴霞に視線を送る。

「ですよ、ねぇ!! それに、最初はヘタでも練習すれば上手くなれるかもしれないし!!」

「そうですよ!! 冴霞さん、綺麗な声してるんですから!!」

「楽しめれば、上手い下手は関係無しで行きましょ〜!! あ、でも」

 ごそごそとソファーの後ろから何かを取り出し、ずいっと冴霞に突き出す愛。それはカチューシャの上に動物の耳をあしらった……黒の、ネコ耳である。

「今回だけですけど、最下位のセンパイにはぁ、ちゃ〜んとペナルティを受けてもらいますからねっ!! あと、ネコ語でお願いします!!」

「え、ええっ!!? あ、秋月さん、それは……っっ!!」

 明らかに動揺し、狼狽する冴霞を無視して、愛は遠慮もせずに冴霞の頭にネコ耳を装着させる。元々絹糸を思わせるほどに艶やかな黒髪である冴霞には、

黒のネコ耳はほとんど違和感なくマッチしてしまい、完成した『ネコ冴霞』は晃司でなくとも写真に収めたくなるほどに隙のない完成度を誇り、同時に継、

要、愛の三人のみならず、総志さえも一瞬で撃沈せしめるほどの破壊力を見せた。

「がはっ」

「か、かわいい……っ」

「センパイ、似合い過ぎ……っ」

「……(せわしなく眼鏡を直す総志)」

「うぅ…………」

 上目遣いに、しかも微妙に涙目になりながら冴霞が謙悟を見る。謙悟だけが知っている冴霞の瞳の色――――紺青という暗い青の相乗効果もあり、今の

冴霞は本当に猫のようだ。ただでさえ愛らしい彼女が、オプション一つつけるだけでここまで変わるとは。

「あー、センパイ? ちゃんとネコ語でお話ししてくださいニャ?」

「は、はい……にゃ。…………あぅ……け、謙悟くん……変じゃ、ない……かにゃ?」

「っ!?…………っ、あ、うん……変どころか……俺の方が、おかしくなりそう……」

「? そうにゃの? なんでかにゃ?」

 己の姿を見ていないが故の自然な疑問。だが、図らずもネコ語になった事で冴霞の丁寧語は今だけ消滅し、自然な言葉遣いという新たな路線を開拓した。

加えて、元より美人である冴霞に童女のような言葉遣いというアンバランスな魅力が加わった事で、容姿だけならばなんとか耐えられていた謙悟も、わずか

二撃でノックアウトされるという憂き目に遭う事になった。

「ではでは!! 引き続き、カラオケしまぁ〜す!! ささ、次の人は誰かな? なんならデュエットでも良いよぅ!! でもその場合は、カップルさんで

一番点数の低い人がペナルティ受けてもらうからね〜……この中から!!」

 どん!! と愛が取りだしたのは上から手を入れるように作られた、ごくごく普通のくじ引き抽選箱だった。

「くじ引き?」

「まぁた、変な内容ばっかりじゃねーだろうな?」

 値踏みするように箱を持ち上げ、中を覗く継。どうやら十数枚の紙が折りたたまれているらしく、カサカサと紙の擦れる音がする。さすがに内容までは

判断しかねるが、愛が用意したものだ。突拍子のない物は多くても、害になるような物はないだろう。

「ふふん。これはねぇ、くじを引いたカップルで協力してペナルティをこなすものなんだ〜。中には結構、力がいるのもあるよ? 頑張ってね〜!」

「自分がそれを引くとは、少しも思ってないんだな」

「秋月さんらしいにゃ」

「……律儀だね、今村さん」

 

 

 かくして、波乱しかないカラオケ大会が再びの幕を開ける。だがデュエットという限定された条件では冴霞の音痴もそこまで足を引っ張る事はなかった

のか、最初のペナルティは個人では一番上手い男女ペアである継と要だった。

「相方さんを背中に乗せて、腕立て伏せ十回……うぉい!?」

「ご、ごめんね、継くん……んしょ」

 続いて、総志と愛の場合。

「頬で支えて、ゴムボール運び……まだ楽だな」

「ほれほれ、早く早くぅ」

 そして、謙悟と冴霞が引き当てたペナルティは。

「ポッキーゲーム……?」

「なんですにゃ? これ」

 まるで免疫のない二人が尋ねると、愛はどこから取り出したのかクラッカーを打ち鳴らした。

「おめでと〜っ、大当たりだよ!! ルールはね、これをお互いの口にくわえて、折らないように両方から食べていくの!! で、折れちゃったら残念。

うまくいったら……ね♪」

 その、うまくいった場合の結果を想像して、謙悟も冴霞も赤くなる。ペナルティである以上ちゃんと達成させなければいけないが、成功したならばそれは

つまり、公の場でキスをするという事になるのだ。

「ど、どうしてもやらなくちゃ……駄目ですか?」

 思わず敬語になって謙悟が愛にお伺いを立てる。すると愛は満足げに微笑み、考えるそぶりを見せながら、謙悟の口にスティック菓子を咥えさせた。

「ノンノン、新崎くん。ペナルティを科せられたら、ちゃんとこなさなきゃ。辛いことから逃げてちゃ、人間成長しないんだよ?」

 至極もっともな発言だが、この場で言う事ではない。だが武道の修業でも常にその事を忘れた事がない謙悟にとっては、今回ばかりは愛の言葉に心から

納得せざるを得なかった。

「謙悟くん……しちゃうんにゃ?」

「……(こくん)」

 ハッキリと首肯される。とはいえ冴霞も今までずっとネコ語で通しているのだから、ペナルティを受ける事に文句はない。今回は内容が内容なだけに

流石に躊躇していたが、謙悟が受けるというのならそれに応じるのは、冴霞も自分にしか出来ない責任だと割り切る事が出来る。

「……ぁむ」

 チョコレートの付いていないプレッツェル側を咥え、髪を掻き上げる冴霞。お互いが向き合う事などもう数え切れないくらい繰り返しているが、周囲に

これだけの人間がいる前でキス、あるいはその寸前までを行うのは初めての事だ。スティック菓子を通して、互いの緊張だけでなく鼓動の高まりさえ感じ

取れたのはきっと、気のせいではないだろう。

 眼だけで合図をし、小さめに距離を縮めていく。わずかな振動で容易く折れる事が分かっている以上、一口を大きくして食べる事は出来ない。

わずか十三センチ程度の橋。両端から均等に消化していけば、許された長さはその半分。

 しっかりと息の合った呼吸に複雑な物を少々感じながら。

 折れる事も止まる事もなく、いつの間にか手を繋いでいた謙悟と冴霞は。

 後の長きに渡る親友四人の前で、浅く触れるだけのキスを重ねた。

 

 

 

 カラオケに熱中し、気がつけば既に夜十一時前。それぞれが自宅に連絡を入れるが、

「ああ、要ちゃんと総志くん、愛ちゃんは家に泊まるともう許可を取らせてもらったよん。ただ、冴霞ちゃんと謙悟くんは連絡のしようがなかったからねぇ」

 と晃司がのほほんと告げた。ここでまた継と晃司の諍いが勃発するのだが、結果の見えた戦いなど見るまでもない。

「じゃあ、連絡しますね。父は怒るかもしれませんけど……もし許可が出たら、泊めて頂けますか?」

「あ、はい……兄貴の部屋も空いてますし、二階の客間でよければ」

 晃司に投げ飛ばされ、ソファーに埋まったままの継が答える。謙悟に至っては家族全員が不在の上、戸締りは万端で外出しているので許可も何も必要ない。

「あ、もしもし。お母さん? ……うん、遅くなってごめんなさい。今日友達の家に、泊まっても……え? うん、一緒…………謙悟くん」

「俺?」

「はい。母が代わってくれって」

 冴霞から差し出された携帯電話を受け取り、そのまま耳に当てる。

「もしもし」

『ご無沙汰しています。冴霞からお友達のお家と伺いましたが、謙悟さんもご一緒ですのね。それなら一安心ですわ』

 スピーカーの向こうで安堵の溜め息を吐かれる。やはり悠香も母親だ。普段はにこやかに、そしてどこか冴霞をからかうようなところもあるが、娘を思う

気持ちは誰よりも強い。わざわざ謙悟の存在を確認したのも、冴霞がよからぬ事に巻き込まれていないかを案じたものなのだろう。謙悟はその想いを察し、

優しい声で。

「大丈夫です、お母さん。冴霞の事は俺がちゃんと守りますから」

「っ!? け、けん、ご……くん……」

「言うなぁ、新崎くん」

「かぁっこい〜♪」

「普通言えないよね、彼女のお母さん相手に……」

「…………だな」

「うむ。いい男だなぁ、謙悟くんは」

 ギャラリーが口々に感想を述べる。当の本人も言ってからかなり恥ずかしい事を言ってしまった、と思ってはいたが、撤回する気など毛頭ない。冴霞を

守るという気持ち、そしてその覚悟は、彼女の事を好きだという自覚をしてからただの一度も揺らいだ事はない。

『ありがとうございます、謙悟さん。もう一度、冴霞に代わって頂けるかしら?』

「はい。……冴霞」

「は、はいっ。……もしもし?」

 謙悟の手ごと携帯電話を受け取り、母との会話に戻る。

『謙悟さんが側にいるのなら大丈夫ね。お父さんには私から説明しておくから、心配しないで。謙悟さんにもよろしく伝えてね。お友達やそちらの保護者の

方にも。それと――――』

 一言、最後に言葉を残して電話が切れる。冴霞は携帯電話をしまうと、晃司に向き直った。

「母から許可を頂きましたので、お言葉に甘えて御厄介になります」

「ああ、こちらも責任を持ってお預かりしよう。風呂は今入れているから、屋上でこれでもして、時間を潰しておいで」

 そう言って晃司が取り出したのは――――夏の定番にして大本命、花火だった。

 

 

 

「床、焦がすなよー、愛ちゃーん」

「わ〜かってるってぇ。お〜……えいっ!!」

「わ、わぁっ!? 愛ちゃん、危ないよっ!」

「止めないか、人に向けようとするな」

 洗濯用の物干し台を全て撤去すれば、屋上はそれなりの広さだった。フェンスは謙悟の身長よりもさらに一メートル以上高く作られているため、誤って

落ちるような危険性はなく、目の細かい金網フェンスの向こうは鉄柵でガッチリと固められている。

 打ち上げ花火もあるにはあったが、近隣の住人への配慮もあり今回は禁止。手持ちできる火力の花火やネズミ花火といった物をメインに楽しんでいる中で、

謙悟と冴霞はしっとりと線香花火をしていた。

「……お母さんから、何か言われた?」

「え? ええ。……大事にしてもらいなさいって、言われちゃいました」

 ほのかな光に照らされているせいなのか、冴霞の顔が赤く見える。いや、間違いなく頬を朱に染めているのだろう。

「でも、私は大事にされるばっかりじゃイヤ。私も謙悟くんの事、守りたいっていう気持ちはあの日からずっと、変わってません」

 あの日――――それは、冴霞が謙悟に告白した日であり、謙悟が冴霞の気持ちに答えた日。資料室で荷物に押しつぶされての、不格好な告白。

 あの日から全てが始まった。時間にすれば一ヶ月半という短い期間、しかし期間の短さを補って余りあるほどに濃密な日々。二人はその記憶に想いを馳せ、

互いに顔を見合わせる。

「まさか今日、謙悟くんの口から古谷さんに言った言葉が聞けるとは、思ってませんでした」

「……あいつ、絶対言うなって言っておいたのに」

 控えめな溜め息。謙悟が中学生の頃に交際していた古谷美優という少女から、冴霞が聞いていた彼女曰く『惚気の恥ずかしい台詞』。それは先程、悠香に

伝えたものと同様の、「冴霞の事を守る」という言葉に他ならない。

「でも実際は私、七年前からずっと謙悟くんに守られてきたんですよね」

 幼い頃の『おまじない』。心の病を抱えていた冴霞を、守り、救った、ささやかなお守り。謙悟が差し伸べた小さな幸せへの願い。それを信じていた頃の

自分を思い出せば、やはり恥ずかしい気持ちになるが……。

「効果があって何よりだ。けど、おまじないなんかに頼らずに、今度は俺自身がちゃんと……な」

「……うん」

 ぽとり、と。

 線香花火の火が落ちる。手近に用意している水を入れたバケツに燃えカスの花火を入れ、謙悟と冴霞は立ち上がる。

「じゃあ、もう夜も遅いから……これで! 最後の花火にしまぁ〜す!!」

 ボウリングのピン配置と同様の形状で十個並べられた噴出花火の導火線をひとまとめにし、柄長のライターを用意する愛。そしてその点火役を担うのは、

冴霞でも謙悟でもなく――――この場にいる、全員だ。

 用意されたライターは人数分の六個。六人は一斉に火を点け、六つの火を一つにして点火する。

「今日はみんな、お疲れ様でした! 時間があったら、またやろーね!!」

「今度の企画は、愛以外がやった方がいいな」

「そうですね〜。だったら、総志さんがやって下さいよ!!」

「あ、あたしはそれ賛成。新崎くんと冴霞さんは?」

「秋月と高平以外なら誰でもいい」

「謙悟くんの意見に同じく」

「「うわ、ひどっ!!?」」

 見事にハモる継と愛。そのリアクションに六人は楽しそうに笑いながら、この夏最初の花火を最後の一つが燃え尽きるまで堪能した。

 

 

 夏はまだ続いていく。いつかは終わる季節だとしても、それは今ではない。

 美しく、そして偉大な記念はいつまでも、いくつでも紡いでいける。

 これはその始まり。まだ開幕を告げるだけの、ささやかな序章。

 物語を演出するBGMは。彼ら・彼女らが奏でる思い出は。

 果てなく続く世界の、ほんの一ページに過ぎない。

 

 

The End……but,this is not Final.




あとがき:

ついに最終回を迎えました、BGM。あまり最終回っぽく感じないかもしれませんが、それはまだこの世界が続いていくという事の証でもあります。
謙悟と冴霞、そして彼らを取り巻く多くの人物にもまだまだ物語が用意されており、番外編群はその一ページ。ナンバリングタイトルはこれで最後ですが、
これからも世界は広がって行きますので、また彼らに巡り合える時をお待ち下さい。
それでは、一年半という長い期間。都合四十五話の長丁場になりました本作にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。そしてこの場をご提供
下さいました管理人・雅輝さんにも深く深く感謝しております。重ね重ね、ありがとうございました!!



管理人の感想

BGM、とうとう完結です! 鷹さん、一年半の連載、本当にお疲れ様でした!
このBGMは、B&Gのアフターストーリーという形で始まりましたが、ただ甘いだけではなく友情あり喧嘩あり葛藤ありと・・・色々と考えさせられる物語でした。
前半は、謙悟と冴霞の物語の続きを全面的に出し。後半は、男同士の友情、女同士の友情、そしてトリプルデートと。
そして最後は猫耳冴霞で締め。完璧ですね(ぇ
鷹さんがおっしゃるように、BGMの物語はこれからも続いていくようで。ひとまずの完結、ということになりそうです。
ここまで読んでくださった読者の方も、彼ら彼女らが紡ぐ新たなBGMに期待致しましょう!!^^



2009.7.1